


遺産が7,000万円あるとき、相続税は0円から720万円まで変わります。同じ7,000万円でも、相続人が誰で何人いるかによって結果がまったく違ってきます。
この金額帯には他の帯にない特徴があります。相続人が7人以上いれば、特例を何も使わなくても相続税は0円になります。基礎控除が7,200万円になって遺産額を上回るためです。
逆に6人では0円になりません。基礎控除は6,600万円で、400万円の課税遺産が残って40万円かかります。「人数が多いから大丈夫」という判断が最も外れやすい金額帯です。
5,000万円なら4人で0円になり、1億円は人数をいくら増やしても0円になりません。人数だけで相続税をゼロにできる最後の帯が7,000万円です。
自宅がある場合は別の境界があります。小規模宅地等の特例で評価が8割下がるため、自宅の土地が財産の39%以上を占めていれば0円になります。
そして生前対策の効き方も帯によって違います。7,000万円なら生命保険の非課税枠と養子縁組を組み合わせるだけで、相続税を0円にできます。
この記事では、相続人の人数で0円になる境界から始めて、家族構成別の早見表、自宅の比率で0円になる条件、配偶者にいくら渡すと生涯の負担が最小になるか、納税資金の用意、そして生前対策の効果までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

遺産7,000万円の相続税は、相続人の構成によって0円から720万円まで変わります。この帯の特徴は、相続人の人数だけで0円にできる点にあります。この章では結論を先に示したうえで、0円になる人数の境界と、上限がどこまで上がるのかを整理します。
まず結論から確認します。同じ7,000万円でも、誰が相続するかで納付額はここまで開きます。
| ケース | 納付額 | 理由 |
|---|---|---|
| 配偶者が全額を取得 | 0円 | 配偶者の税額軽減が1億6,000万円まで効く |
| 相続人が7人以上 | 0円 | 基礎控除7,200万円が遺産額を上回る |
| 配偶者+子2人(法定相続分) | 112万5,000円 | 相続税の総額225万円のうち配偶者分が軽減される |
| 配偶者+子1人(法定相続分) | 160万円 | 基礎控除が4,200万円と小さい |
| 子1人のみ | 480万円 | 税額軽減がなく基礎控除も3,600万円 |
| 兄弟姉妹1人のみ | 576万円 | 480万円に2割加算 |
| 法定相続人が0人(第三者へ遺贈) | 720万円 | 基礎控除が3,000万円しかなく、さらに2割加算 |
表の見方:上に行くほど負担が軽く、下に行くほど重くなります。配偶者がいるかどうかと、相続人が何人いるかで結果が大きく変わります。
重要ポイント:最も軽いケースと最も重いケースの差は720万円です。遺産額が同じでも、相続人の構成だけでこれだけ動きます。
基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。遺産7,000万円を上回るのは相続人7人(7,200万円)からになります。
| 相続人(子のみ) | 基礎控除 | 課税遺産総額 | 相続税の総額 |
|---|---|---|---|
| 子1人 | 3,600万円 | 3,400万円 | 480万円 |
| 子2人 | 4,200万円 | 2,800万円 | 320万円 |
| 子3人 | 4,800万円 | 2,200万円 | 220万円 |
| 子4人 | 5,400万円 | 1,600万円 | 160万円 |
| 子5人 | 6,000万円 | 1,000万円 | 100万円 |
| 子6人 | 6,600万円 | 400万円 | 40万円 |
| 子7人 | 7,200万円 | 0円 | 0円 |
表の見方:相続人が1人増えるごとに基礎控除が600万円増え、課税遺産総額が600万円減ります。6人と7人の間で結論が0円に反転します。
重要ポイント:「人数が多いから申告不要」と考えて6人で止まると40万円の申告漏れになります。相続人の人数はあと1人で結論が変わるので、戸籍で正確に数える必要があります。
7,000万円という金額は、他の帯と比べても特殊な位置にあります。
| 遺産総額 | 人数だけで0円になるか | 必要な相続人の数 |
|---|---|---|
| 5,000万円 | なる | 4人以上(基礎控除5,400万円) |
| 7,000万円 | なる | 7人以上(基礎控除7,200万円) |
| 1億円 | 現実的にならない | 12人以上(基礎控除1億200万円) |
計算ロジック:基礎控除が1億円を上回るには3,000万円+600万円×12人=1億200万円が必要です。計算上は12人で0円になりますが、法定相続人が12人になるケースはほぼないため、1億円は人数では0円にできないと考えてよいでしょう。
基礎控除の計算方法と課税されるかどうかの判定手順は、下記の記事で解説しています。

「7,000万円の相続税は最大いくらか」は、誰が相続するかで3段階に分かれます。最も重いのは法定相続人が1人もいないケースです。
| 数字 | 何を指すか | 当てはまるケース |
|---|---|---|
| 480万円 | 相続税の総額の最大。2割加算を考えない場合 | 子1人のみ・父母1人のみが相続する |
| 576万円 | 納付額の最大。2割加算を含む | 兄弟姉妹1人が相続する |
| 720万円 | 法定相続人が0人で第三者へ遺贈した場合 | 相続人がおらず、遺言で友人や団体へ遺贈する |
計算ロジック:法定相続人が0人なら基礎控除は3,000万円です。課税遺産総額4,000万円に税率20%を乗じて控除額200万円を引くと600万円。受遺者は2割加算の対象なので600万円×1.2=720万円になります。
重要ポイント:兄弟姉妹や第三者が相続すると2割加算が効きます。子1人の480万円に対し、兄弟姉妹1人なら576万円で96万円の差が出ます。

相続人の構成ごとに、相続税の総額と実際の納付額を一覧にしました。配偶者がいる場合は税額軽減が効くため、総額と納付額が大きく違ってきます。この章では配偶者ありとなしに分け、さらに法定相続人がいないケースまで示します。
配偶者と誰が相続人になるかで法定相続分が変わります。子なら2分の1、父母なら3分の1、兄弟姉妹なら4分の1です。
| 相続人の構成 | 基礎控除 | 課税遺産総額 | 相続税の総額 | 実際の納付額 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者+子1人 | 4,200万円 | 2,800万円 | 320万円 | 160万円 |
| 配偶者+子2人 | 4,800万円 | 2,200万円 | 225万円 | 112万5,000円 |
| 配偶者+子3人 | 5,400万円 | 1,600万円 | 160万円 | 80万円 |
| 配偶者+子4人 | 6,000万円 | 1,000万円 | 100万円 | 50万円 |
| 配偶者+父母1人 | 4,200万円 | 2,800万円 | 323万3,000円 | 約108万円 |
| 配偶者+兄弟姉妹1人 | 4,200万円 | 2,800万円 | 335万円 | 約101万円(2割加算後) |
| 配偶者のみ | 3,600万円 | 3,400万円 | 480万円 | 0円 |
表の見方:「実際の納付額」は法定相続分どおりに取得し、配偶者が税額軽減を適用した場合の合計です。分け方を変えると納付額も変わります。
重要ポイント:配偶者と子4人なら納付額は50万円まで下がります。子1人の160万円と比べて110万円の差で、基礎控除が増えることに加えて1人あたりの取得金額が下がって税率も下がるためです。
計算ロジック:配偶者+子2人なら基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円。課税遺産総額2,200万円を法定相続分で按分し、配偶者1,100万円と子各550万円にそれぞれ税率10%を乗じて合計225万円になります。
配偶者がいないと税額軽減が使えないため、相続税の総額がそのまま納付額になります。
| 相続人の構成 | 基礎控除 | 課税遺産総額 | 相続税の総額(=納付額) |
|---|---|---|---|
| 子1人のみ | 3,600万円 | 3,400万円 | 480万円 |
| 子2人のみ | 4,200万円 | 2,800万円 | 320万円 |
| 子3人のみ | 4,800万円 | 2,200万円 | 220万円 |
| 子4人のみ | 5,400万円 | 1,600万円 | 160万円 |
| 子5人のみ | 6,000万円 | 1,000万円 | 100万円 |
| 子6人のみ | 6,600万円 | 400万円 | 40万円 |
| 子7人以上のみ | 7,200万円〜 | 0円 | 0円 |
| 父母1人のみ | 3,600万円 | 3,400万円 | 480万円 |
| 兄弟姉妹1人のみ | 3,600万円 | 3,400万円 | 576万円(2割加算後) |
| 兄弟姉妹2人のみ | 4,200万円 | 2,800万円 | 384万円(2割加算後) |
重要ポイント:兄弟姉妹1人のみが相続する576万円が、法定相続人がいるケースでは最も重くなります。子1人の480万円に2割を加算した金額です。
兄弟姉妹が相続人になる場合の2割加算の仕組みは、下記の記事で解説しています。

相続人が誰もいない場合でも、遺言で財産を遺贈すれば相続税がかかります。この場合が最も重くなります。
基礎控除は3,000万円+600万円×0人で3,000万円しかありません。しかも受遺者は配偶者・父母・子のいずれにも当たらないため2割加算の対象です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 遺産 | 7,000万円 |
| 基礎控除 | 3,000万円 |
| 課税遺産総額 | 4,000万円 |
| 2割加算前の相続税 | 600万円 |
| 納付額 | 720万円 |
注意:子や孫がいない方が友人や知人に遺贈するケースがこれに当たります。遺贈を受けた人が720万円を納めることになるため、受け取る側に納税資金があるかを事前に確認しておく必要があります。
ここまでの数値は次の前提で計算しています。前提から外れると税額は変わります。
注意:自宅の土地がある場合は小規模宅地等の特例で評価額が最大80%下がります。7,000万円帯では自宅の土地が財産の39%以上あれば0円になるため、実際の税額は早見表よりかなり低くなることがあります。

早見表で目安をつかんだら、自分のケースで計算します。相続税は遺産額に直接税率を掛けても求まりません。基礎控除を引き、法定相続分で按分してから税率を適用します。
この章では配偶者と子2人のケースで4ステップをたどり、控除と加算の適用順序、そして集計時の注意点まで確認します。
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相続税の計算方法の詳しい手順は、下記の記事で解説しています。

STEP4で複数の控除や2割加算が絡むとき、適用する順序が決まっています。2割加算は税額控除より先です。
| 順序 | 処理 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 各人の税額を算出 | 相続税の総額×各人の課税価格÷課税価格の合計額 |
| 2 | 2割加算 | 配偶者・父母・子以外が取得した場合、税額控除を差し引く前の相続税額に20%を加算 |
| 3 | 贈与税額控除 | 加算対象期間内の贈与で納めた贈与税を控除 |
| 4 | 配偶者の税額軽減 | 1億6,000万円または法定相続分相当額まで |
| 5 | 未成年者控除 | 18歳までの年数×10万円 |
| 6 | 障害者控除 | 85歳までの年数×10万円(特別障害者は20万円) |
| 7 | 相次相続控除 | 10年以内に相次いで相続があった場合 |
| 8 | 外国税額控除 | 国外財産に外国の相続税が課された場合 |
重要ポイント:国税庁は「税額控除を差し引く前の相続税額に20%相当額を加算した後、税額控除額を差し引く」と定めています。順序を逆にすると税額を少なく計算してしまいます。
計算ロジック:孫が100万円の税額で未成年者控除40万円を使う場合、正しくは100万円×1.2=120万円から40万円を引いて80万円です。順序を逆にすると(100万円-40万円)×1.2=72万円となり、8万円少なく計算してしまいます。
7,000万円は基礎控除に比べて余裕が小さい金額です。集計を1つ誤ると課税されるかどうかの結論まで変わります。加える財産と差し引ける費用を確認します。
暦年贈与の加算対象期間を「相続開始前7年以内」と説明する資料が多くありますが、相続の時期によって異なります。
| 被相続人の相続開始日 | 加算対象期間 |
|---|---|
| 〜令和8年(2026年)12月31日 | 相続開始前3年以内 |
| 令和9年1月1日〜令和12年12月31日 | 令和6年1月1日から死亡の日までの間 |
| 令和13年1月1日〜 | 相続開始前7年以内 |
表の見方:7年という数字が完全に適用されるのは令和13年(2031年)1月1日以後の相続からです。2026年中の相続なら3年以内の贈与だけを加算します。
重要ポイント:相続人の数え方も結果を左右します。相続放棄をした人がいても基礎控除の計算では人数に含め、養子は実子がいれば1人まで、いなければ2人までしか含められません。
参照元:国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
法定相続人の数え方と範囲・順位は、下記の記事で解説しています。


遺産の総額が同じでも、中身によって税額はまったく変わります。現金だけなら225万円かかりますが、自宅の土地が財産の39%以上を占めていれば0円になります。
この章では4つの構成で税額を計算し、0円になる境界を式で示します。5,000万円帯と1億円帯とは必要な条件がまったく違う点が要点です。
【前提】
評価減を一切適用しない場合の相続税の総額は225万円です。ここを基準に4つの構成を比べます。
| 財産 | 評価減前 | 適用できる評価減 | 課税価格 |
|---|---|---|---|
| 現金・預貯金 | 7,000万円 | なし | 7,000万円 |
| 相続税の総額 | — | — | 225万円 |
重要ポイント:現金は残高がそのまま評価額になるため、税理士が入っても税額は動きません。この構成で下げられるのは生前対策だけです。
| 財産 | 評価減前 | 適用できる評価減 | 課税価格 |
|---|---|---|---|
| 自宅の土地 | 2,000万円 | 小規模宅地等の特例(80%減) | 400万円 |
| 自宅の建物 | 1,000万円 | なし | 1,000万円 |
| 預貯金 | 4,000万円 | なし | 4,000万円 |
| 合計 | 7,000万円 | — | 5,400万円 |
| 相続税の総額 | — | — | 60万円 |
計算ロジック:1,600万円の減額により課税価格は5,400万円。基礎控除4,800万円を引いた課税遺産総額600万円を法定相続分で按分し、配偶者300万円・子各150万円に税率10%を乗じて合計60万円です。
重要ポイント:225万円から60万円まで下がりましたが、0円には届いていません。あと600万円分の圧縮が必要です。
小規模宅地等の特例の要件と適用の判定は、下記の記事で解説しています。

| 財産 | 評価減前 | 適用できる評価減 | 課税価格 |
|---|---|---|---|
| 賃貸物件の土地 | 3,500万円 | 貸家建付地の評価(18%減) | 2,870万円 |
| 賃貸物件の建物 | 2,000万円 | 貸家の評価(借家権割合30%減) | 1,400万円 |
| 預貯金 | 1,500万円 | なし | 1,500万円 |
| 合計 | 7,000万円 | — | 5,770万円 |
| 相続税の総額 | — | — | 97万円 |
重要ポイント:賃貸不動産の評価減は18%と30%で、小規模宅地等の特例の80%に比べると幅が小さいものです。1,230万円しか圧縮できず、税額は97万円残ります。
| 財産 | 評価減前 | 適用できる評価減 | 課税価格 |
|---|---|---|---|
| 自宅の土地 | 2,750万円 | 小規模宅地等の特例(80%減) | 550万円 |
| 自宅の建物 | 1,000万円 | なし | 1,000万円 |
| 預貯金 | 3,250万円 | なし | 3,250万円 |
| 合計 | 7,000万円 | — | 4,800万円 |
| 相続税の総額 | — | — | 0円 |
計算ロジック:課税価格4,800万円は基礎控除4,800万円とちょうど同額です。課税遺産総額が0円になるため相続税もかかりません。
注意:この特例を使って0円になった場合でも申告書の提出は必要です。申告しなければ特例そのものが適用されず、225万円が課税されます。
4つのパターンを並べると、0円になるかどうかは自宅の土地が財産に占める割合で決まることが分かります。
| 自宅の土地 | 財産に占める割合 | 課税価格 | 相続税の総額 |
|---|---|---|---|
| 0円(現金のみ) | 0% | 7,000万円 | 225万円 |
| 1,000万円 | 14% | 6,200万円 | 140万円 |
| 2,000万円 | 29% | 5,400万円 | 60万円 |
| 2,700万円 | 39% | 4,840万円 | 4万円 |
| 2,750万円 | 39.3% | 4,800万円 | 0円 |
| 4,000万円 | 57% | 3,800万円 | 0円 |
計算ロジック:課税価格は「自宅の土地×0.2+(7,000万円-自宅の土地)」です。これが基礎控除4,800万円以下になる条件を解くと、自宅の土地が2,750万円以上という結果になります。
重要ポイント:境界の直前は税額がごく小さくなります。自宅の土地が2,700万円なら4万円で、あと50万円分の評価が下がれば0円です。生命保険の非課税枠を少し使うだけで越えられる水準です。
同じ計算を他の金額帯で行うと、必要な自宅の比率が大きく変わります。
| 遺産総額 | 0円にするために必要な自宅の土地 | 財産に占める割合 |
|---|---|---|
| 5,000万円 | 250万円以上 | 5% |
| 7,000万円 | 2,750万円以上 | 39% |
| 1億円 | 6,500万円以上 | 65% |
表の見方:いずれも相続人が配偶者と子2人(基礎控除4,800万円)の場合です。遺産が増えても基礎控除は変わらないため、0円にするためのハードルが上がっていきます。
重要ポイント:7,000万円帯は自宅が財産の4割ほどあれば0円になります。持ち家がある家庭ではめずらしくない比率なので、自宅の評価額を確認する価値が大きい帯です。
遺産5,000万円と1億円のケースは、下記の記事で解説しています。

遺産1億円のときの税額と配偶者への最適な配分は、下記の記事で解説しています。


相続人が同じでも、配偶者がいくら取得するかで生涯の負担は変わります。一次相続だけを見れば配偶者に全額寄せるのが最良ですが、二次相続まで含めると最も高くなります。
この章では7,000万円という金額での最適値を数値で示します。二次相続そのものの仕組みは下記の記事で解説しているので、あわせて確認してください。

遺産7,000万円を配偶者と子2人で相続し、配偶者が取得した財産をそのまま残して亡くなったときに子2人が相続する前提で計算します。二次相続の基礎控除は相続人2人なので4,200万円です。
| 配偶者の取得額 | 一次相続の納付額 | 二次相続の相続税 | 一次+二次の合計 |
|---|---|---|---|
| 0円 | 225万円 | 0円 | 225万円 |
| 2,000万円 | 160万7,000円 | 0円 | 160万7,000円 |
| 3,500万円(法定相続分) | 112万5,000円 | 0円 | 112万5,000円 |
| 4,200万円 | 90万円 | 0円 | 90万円(最小) |
| 4,300万円 | 86万8,000円 | 10万円 | 96万8,000円 |
| 5,000万円 | 64万3,000円 | 80万円 | 144万3,000円 |
| 7,000万円(全額) | 0円 | 320万円 | 320万円(最大) |
表の見方:一次相続の納付額だけを見れば全額を配偶者に寄せるのが最良ですが、合計では最悪になります。最小と最大の差は230万円です。
計算ロジック:一次相続の総額225万円を実際の取得割合で按分します。配偶者が4,200万円(60%)なら子の取得分は40%で、225万円×40%=90万円。二次相続は配偶者の財産4,200万円が基礎控除と同額なので0円です。
重要ポイント:配偶者に全額を渡すと一次相続は0円になりますが、二次相続で320万円かかります。「とりあえず配偶者が全部」という判断が、この帯では最も高くつきます。
合計が最も小さくなるのは、配偶者の取得額を二次相続の基礎控除4,200万円ちょうどに合わせたときです。法定相続分どおりの3,500万円より22万5,000円有利になります。
理由は限界税率の比較にあります。配偶者に1円多く渡すと、一次相続の税額は約3.2%ずつ減ります。相続税の総額225万円を遺産7,000万円で割った割合です。
一方、配偶者の取得額が二次相続の基礎控除4,200万円を超えると、超えた分に最低でも10%の税率がかかります。減る3.2%より増える10%のほうが大きいため、4,200万円を超えると不利に転じます。
注意:4,200万円を100万円超えて4,300万円にするだけで、合計は90万円から96万8,000円へ増えます。境界を越えた瞬間から二次相続で課税が始まるためです。
ここまでの試算は配偶者自身の財産がゼロという前提でした。実際には配偶者にも預貯金や不動産があることが多く、その分だけ二次相続の課税対象が増えます。
考え方は変わりません。配偶者の固有の財産と相続する財産の合計を、二次相続の基礎控除4,200万円に収めます。
| 配偶者の固有財産 | 最適な取得額 | 一次相続の納付額 | 二次相続 | 一次+二次の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 0円 | 4,200万円 | 90万円 | 0円 | 90万円 |
| 1,000万円 | 3,200万円 | 約122万1,000円 | 0円 | 約122万1,000円 |
| 2,000万円 | 2,200万円 | 約154万3,000円 | 0円 | 約154万3,000円 |
| 3,000万円 | 1,200万円 | 約186万4,000円 | 0円 | 約186万4,000円 |
| 4,200万円以上 | 0円 | 225万円 | 固有財産が4,200万円を超えた分に課税 | 225万円〜 |
表の見方:「最適な取得額」は「4,200万円-配偶者の固有財産」です。固有財産が1,000万円なら3,200万円までにとどめると、二次相続で課税されずに済みます。
重要ポイント:配偶者の固有財産が4,200万円を超えている場合、一次相続で配偶者が何も取得しないほうが合計は小さくなります。ただし配偶者の生活資金が確保できるかを先に確認する必要があります。
【前提の確認】二次相続までの間に財産は増減する
試算は配偶者が相続した財産をそのまま残して亡くなる前提です。生活費で取り崩せば二次相続の課税対象は減り、運用で増やせば増えます。二次相続は10年後、20年後に起こることもあります。
【判断1】一次の税額をゼロにすることを目標にしない
一次と二次を足した金額で比べます。配偶者に全額寄せると一次は0円ですが、合計は320万円で最も高くなります。
【判断2】二次相続の基礎控除から逆算する
配偶者の固有の財産と相続する財産の合計が、二次相続の基礎控除に収まる範囲を目安にします。子2人ならその金額は4,200万円です。
【判断3】配偶者の生活資金と住まいを優先する
7,000万円帯での差は最大230万円です。金額として小さくはありませんが、配偶者が生活に困る配分にしてまで追う額ではありません。
重要ポイント:配偶者居住権を使えば、住まいを確保しながら取得する財産の額を抑えられます。生活と税額の両立を図る手段として検討する価値があります。

税額が出たら、次は払えるかどうかの問題になります。相続税は原則として申告期限までに現金で一括納付します。7,000万円帯では税額そのものは大きくありませんが、遺産の大半が不動産だと手元の現金が足りなくなります。
この章では必要な現金を洗い出し、足りない場合の選択肢を整理します。
用意すべきなのは相続税だけではありません。手続き全体でかかる費用を並べます。
| 費目 | 目安 | 支払う時期 |
|---|---|---|
| 相続税 | 0〜720万円(配偶者+子2人なら112万5,000円) | 相続開始から10か月以内 |
| 税理士報酬 | 28万〜78万円 | 申告前後 |
| 不動産の相続登記(登録免許税) | 固定資産税評価額の0.4% | 登記のとき |
| 司法書士報酬(登記を依頼する場合) | 5万〜10万円程度 | 登記のとき |
| 戸籍謄本などの取得費用 | 数千円〜2万円程度 | 手続きの初期 |
| 葬儀費用 | ケースによる | 相続開始直後 |
表の見方:税理士報酬は相続を専門とする事務所の公開料金で、遺産総額5,000万〜7,000万円の区間が28万〜60万円、7,000万〜1億円の区間が38万〜78万円です。7,000万円はその境目にあたります。
計算ロジック:自宅の固定資産税評価額が1,500万円なら登録免許税は1,500万円×0.4%=6万円です。相続税112万5,000円のケースでも、報酬と登記費用を合わせると170万円前後の現金が必要になります。
重要ポイント:不動産を取得する人と現金を取得する人が分かれると、不動産を取得した人だけ資金が足りなくなります。遺産分割の段階で、誰がいくら納めるかも一緒に決めておく必要があります。
不足が起きやすいのは、配偶者がおらず子1人が賃貸不動産を相続するケースです。基礎控除が3,600万円と小さいうえ、手元の現金も少ないためです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 賃貸物件の土地4,500万円(貸家建付地18%減) | 3,690万円 |
| 賃貸物件の建物2,300万円(貸家30%減) | 1,610万円 |
| 預貯金 | 200万円 |
| 課税価格の合計 | 5,500万円 |
| 相続税(子1人・基礎控除3,600万円) | 235万円 |
| 税理士報酬 | 50万円 |
| 登録免許税(固定資産税評価額2,000万円×0.4%) | 8万円 |
| 必要な現金の合計 | 293万円 |
| 手元の現金との差 | 93万円の不足 |
表の見方:評価減が効いて課税価格は7,000万円から5,500万円に下がりましたが、評価が下がっても納めるのは現金です。手元の200万円では足りません。
計算ロジック:課税価格5,500万円から基礎控除3,600万円を引いた課税遺産総額1,900万円に税率15%を乗じて控除額50万円を引くと235万円です。配偶者がいないため税額軽減は使えません。
重要ポイント:同じ財産でも配偶者と子2人なら税額は大きく下がります。配偶者がいるかどうかで納税資金の必要額まで変わります。
現金が足りないときの手段は限られます。7,000万円帯では税額が数十万円から数百万円にとどまるため、延納や物納は要件を満たしにくくなります。
| 手段 | 内容 | 7,000万円帯での現実性 |
|---|---|---|
| 預貯金の仮払い制度 | 遺産分割前でも預貯金の一定額を単独で払い戻せる(1金融機関あたり150万円が上限) | ◎ この帯では上限内で足りることが多い |
| 生命保険金を充てる | 受取人固有の財産なので分割協議を待たずに受け取れる | ◎ 契約があれば最も確実 |
| 不動産の売却 | 売却して納税資金を作る | ○ 申告期限までの時間を確保できれば有効 |
| 相続人自身の資金で立て替える | いったん自分の預貯金から納め、後で精算する | ○ 数十万円〜百万円台なら現実的 |
| 延納 | 年賦で分割納付する。相続税額10万円超・金銭で納付することが困難などの要件がある | △ 担保の提供と利子税が必要で手間が大きい |
| 物納 | 相続財産そのもので納付する。延納でも困難な場合に限られる | × この税額では要件を満たしにくい |
重要ポイント:1億円を超える帯では延納が現実的な選択肢になりますが、7,000万円帯では仮払い制度と生命保険で足りることが多く、延納まで進む必要はほとんどありません。
参照元:国税庁 No.4211 相続税の延納/国税庁 No.4214 相続税の物納
納税資金の問題は、相続が起きてからでは手が限られます。最も確実なのは生命保険です。
死亡保険金は受取人固有の財産なので、遺産分割協議がまとまっていなくても受け取れます。口座凍結の影響も受けません。
計算ロジック:相続人が3人なら非課税枠は500万円×3人=1,500万円です。現金1,500万円を保険に変えれば課税価格が1,500万円下がり、パターンAなら225万円が70万円になります。納税資金を確保しながら税額も下げられます。
参照元:国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
生命保険の非課税枠の使い方と契約形態ごとの注意点は、下記の記事で解説しています。


7,000万円帯は基礎控除との差が小さいため、控除や特例が1つ使えるかどうかで結論が変わります。ただし特例で0円になった場合は、申告しなければ特例そのものが使えません。この章では使える制度を一覧にしたうえで、申告が必要になるケースと期限を確認します。
| 制度 | 内容 | 7,000万円帯での効き方 |
|---|---|---|
| 配偶者の税額軽減 | 1億6,000万円または法定相続分相当額まで非課税 | 配偶者の取得分は実質0円。ただし二次相続に注意 |
| 小規模宅地等の特例 | 自宅の敷地330㎡まで評価額を80%減額 | 自宅の土地が財産の39%以上あれば0円にできる |
| 生命保険金の非課税枠 | 500万円×法定相続人の数 | 相続人3人なら1,500万円を圧縮。これだけで155万円下がる |
| 死亡退職金の非課税枠 | 500万円×法定相続人の数 | 保険と併用でき、合わせて3,000万円の圧縮も可能 |
| 未成年者控除 | 18歳までの年数×10万円 | 子が未成年なら数十万円の控除 |
| 障害者控除 | 85歳までの年数×10万円(特別障害者は20万円) | 40歳の相続人なら450万円で、この帯なら税額を0円にできる |
| 相次相続控除 | 10年以内に相次いで相続があった場合 | 二次相続で効く |
重要ポイント:7,000万円帯は税額が最大720万円なので、障害者控除だけで0円になることがあります。1億円を超える帯では控除しきれませんが、この帯では制度1つで結論が変わります。
配偶者の税額軽減でいくら減らせるかは、下記の記事で解説しています。

| 使った制度 | 申告 |
|---|---|
| 配偶者の税額軽減 | 必要 |
| 小規模宅地等の特例 | 必要 |
| 農地等の納税猶予の特例 | 必要 |
| 特定計画山林の特例 | 必要 |
| 相続財産を公益法人などに寄付した場合の非課税の特例 | 必要 |
| 基礎控除以下で0円(相続人7人以上など) | 原則不要 |
| 生命保険金の非課税枠で0円 | 原則不要 |
表の見方:上の5つは「申告することが適用の要件」です。申告しないと特例が使えず、本来なら0円だった相続税が課税されます。
重要ポイント:相続人7人以上で0円になる場合は申告不要ですが、パターンDのように小規模宅地等の特例で0円になった場合は申告が必要です。同じ0円でも扱いが違います。
申告が必要ないケースの判定手順は、下記の記事で解説しています。

申告と納付の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割が終わっていなくても期限は延びません。
注意:期限までに分割が決まらない場合は、いったん法定相続分で申告しておきます。「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておけば、後で分割がまとまったときに配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用できます。提出を忘れると特例が使えなくなります。
参照元:国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告
申告までの流れと10か月の逆算スケジュールは、下記の記事で解説しています。


7,000万円帯の生前対策は、他の帯より効きます。生命保険の非課税枠と養子縁組を組み合わせるだけで、225万円を0円にできます。この章では効果を金額で示したうえで、1億円帯との違いと、直前に始めても効かない対策を分けます。
現金7,000万円(配偶者と子2人・相続税の総額225万円)を基準に、対策ごとの効果を計算しました。
| 対策 | 仕組み | 対策後の税額 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 生命保険の非課税枠を使い切る | 現金1,500万円を保険に変える(500万円×3人) | 70万円 | ▲155万円 |
| 養子を1人迎える | 相続人4人になり基礎控除が5,400万円に増える | 160万円 | ▲65万円 |
| 両方を実行する | 保険2,000万円(500万円×4人)+養子1人 | 0円 | ▲225万円(全額) |
| 自宅を小規模宅地等の特例が使える状態にする | 同居や家なき子の要件を満たしておく | ケースによる | 自宅の土地が39%以上なら0円 |
表の見方:いずれも遺産7,000万円・配偶者と子2人が前提です。養子を迎えると相続人が4人になるため、生命保険の非課税枠も2,000万円に増えます。
計算ロジック:両方を実行すると課税価格は7,000万円-2,000万円=5,000万円になり、基礎控除は3,000万円+600万円×4人=5,400万円です。課税価格が基礎控除を下回るため相続税は0円になります。
同じ2つの対策を1億円で実行すると、結果はまったく違います。
| 遺産総額 | 対策前 | 生命保険+養子1人を実行 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 7,000万円 | 225万円 | 課税価格5,000万円<基礎控除5,400万円 | 0円 |
| 1億円 | 630万円 | 課税価格8,000万円>基礎控除5,400万円 | 275万円が残る |
重要ポイント:生命保険と養子縁組で動かせるのは合わせて2,600万円ほどです。7,000万円ならこの圧縮で基礎控除を下回りますが、1億円では届きません。対策の効果は遺産額との相対で決まります。
【直前に始めても効かない・リスクがある対策】
注意:賃貸不動産を買って評価を下げる手法は、令和9年(2027年)1月1日以後の相続から、課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得したものは通常の取引価額で評価されます。取得から5年を超えて生存していなければ、パターンCのような評価減は使えません。
財産評価を下げる手法が今も使えるかどうかの線引きは、下記の記事で解説しています。

対策によって効果が出るまでの時間が違います。相続が近い段階で始めても間に合わないものがあります。
| 対策 | 効果が出るまでの期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 生命保険の非課税枠 | 契約後すぐ | 500万円×法定相続人の数 |
| 養子縁組 | 縁組後すぐ | 基礎控除と非課税枠が増える |
| 小規模宅地等の特例 | 相続後の申告で適用可能 | 申告期限までに要件を満たして選択すればよい |
| 賃貸不動産の取得による評価減 | 5年超 | 課税時期前5年以内の取得は通常の取引価額で評価(2027年以降) |
| 暦年贈与による圧縮 | 加算対象期間を超えてから | 令和8年12月31日以前の相続なら3年、令和13年以後は7年 |
重要ポイント:生命保険と養子縁組はどちらも実行後すぐ効きます。7,000万円帯でこの2つの組み合わせが強いのは、時間を必要としないからでもあります。
いつから何を始めるべきかの判定と、節税手段の全体像は、下記の記事で解説しています。


7,000万円帯は基礎控除との差が小さいため、判断を1つ誤ると結論が課税と非課税で入れ替わります。この帯で最も多いのは人数の数え違いです。この章では3つの事例と対策を示し、最後に確認項目をまとめます。
【状況】
子が6人いる家庭で、遺産は7,000万円でした。「相続人が多いから基礎控除で収まる」と考え、申告しませんでした。
【結果】
基礎控除は3,000万円+600万円×6人=6,600万円でした。400万円の課税遺産が残り、相続税40万円と無申告加算税・延滞税がかかりました。
対策:0円になるのは相続人7人以上です。6人では40万円かかります。人数を数えたら基礎控除を実際に計算し、遺産額と比べます。相続放棄をした人がいても人数には含めるので、その点も確認します。
【状況】
父が亡くなり、遺産7,000万円を「とりあえず母が全部相続する」と決めました。配偶者の税額軽減により一次相続の相続税は0円で済みました。
【結果】
その後に母が亡くなり、子2人が7,000万円を相続。二次相続では税額軽減が使えず基礎控除も4,200万円に下がるため、相続税は320万円になりました。
対策:一次と二次の合計で判断します。配偶者の取得額を二次相続の基礎控除4,200万円に合わせていれば、合計は90万円で済みました。差は230万円です。
【状況】
自宅の土地を路線価にそのまま面積を掛けて評価し、申告しました。現地は見ていません。
【結果】
形がいびつで間口が狭い土地でしたが、不整形地補正も間口狭小補正も適用していませんでした。評価額が下がらず、あと少しで基礎控除に収まったのに課税されました。
対策:現地調査と役所調査を工程に入れます。この帯は境界に近いため、数百万円の評価減で0円になることがあります。申告後でも、法定申告期限から5年以内なら更正の請求で取り戻せます。
土地の評価額の計算方法と減額補正は、下記の記事で解説しています。

重要ポイント:この帯で最も影響が大きいのは上の2項目です。人数と基礎控除の計算を確定させれば、課税されるかどうかの結論がまず決まります。
名義預金の判定基準と対策は、下記の記事で解説しています。


7,000万円帯は基礎控除4,800万円との差が2,200万円しかありません。土地の評価や特例の判定ひとつで、課税されるかどうかの結論が入れ替わります。
しかも報酬は事務所によって2倍以上の開きがあり、1社だけでは比較のしようがありません。この章では複数の税理士に一括で相談する意味と手順を整理します。
相続税の申告は、税理士なら誰でも同じ結果になる手続きではありません。この帯は境界に近いため、判断の差が0円と225万円という形で表れます。
【実績がある税理士が必要な理由】
具体例で見ます。自宅の土地2,750万円・建物1,000万円・預貯金3,250万円を配偶者と子2人が相続するケースで、A税理士は小規模宅地等の特例を使わずに申告し、相続税の総額を225万円と算定しました。
B税理士は要件を確認したうえで特例を適用し、課税価格を4,800万円まで下げて0円としました。同じ財産で225万円の差です。報酬を50万円としても175万円が手元に残ります。
計算ロジック:基礎控除は4,800万円。特例なしなら課税価格7,000万円で課税遺産総額2,200万円、相続税の総額225万円。特例ありなら土地が550万円に下がって課税価格4,800万円となり、基礎控除と同額なので0円です。
見積りと初回相談の内容から、実務力は具体的に読み取れます。次の3点を同じ質問で比べます。
判定ポイント1:課税されるかどうかの結論を出せるか/相続人の数と財産の内訳を聞いたうえで「この条件なら基礎控除を2,200万円超えます」と示せるかを確認します。
→ その場で境界のどちら側かを示せる事務所のほうが、この帯の判断に慣れていると判定できます。
判定ポイント2:土地の評価をどう進めるか説明できるか/現地調査と役所調査を工程に入れているか、検討する補正を具体的に挙げられるかを確認します。
→ 工程に明記している事務所のほうが、評価額を下げる余地を取りこぼしにくいと判定できます。
判定ポイント3:見積りに加算条件が明示されているか/基本報酬だけを出す事務所と、土地の筆数・相続人の人数・書面添付の有無まで加算条件を書く事務所があります。
→ 先に示す事務所のほうが、後から総額が膨らむ心配が少ないと判定できます。
この3点は複数の事務所に同じ質問をすれば必ず差が出ます。1社だけでは、その回答が標準なのか判断できません。
【相談しないまま進めるリスク】
申告期限から5年以内なら更正の請求で取り戻せる場合もありますが、そもそも見落としに気づかなければ請求もできません。
税理士費用の相場と見積書の見方は、下記の記事で解説しています。

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法定相続人がいる場合の最大は、兄弟姉妹1人が相続するケースの576万円です。子1人のみなら480万円で、2割加算がない分だけ軽くなります。
最も重いのは法定相続人が1人もおらず、遺言で第三者に遺贈するケースです。基礎控除が3,000万円しかなく2割加算もあるため720万円になります。
7人以上です。基礎控除が3,000万円+600万円×7人=7,200万円となり、遺産7,000万円を上回るためです。この場合は特例を使わなくても0円で、申告も原則不要です。
6人では0円になりません。基礎控除6,600万円で400万円の課税遺産が残り、相続税40万円がかかります。「人数が多いから大丈夫」と判断せず、基礎控除を実際に計算してください。
自宅の土地が財産の39%以上(2,750万円以上)を占めていれば0円になります。小規模宅地等の特例で評価額が80%下がり、課税価格が基礎控除4,800万円以下になるためです。
自宅の土地が2,000万円(29%)だと課税価格5,400万円で60万円かかります。境界の直前は税額がごく小さくなるので、生命保険の非課税枠を少し使えば0円にできる場合もあります。ただし特例で0円にした場合は申告が必要です。
一次相続は0円になりますが、二次相続まで含めると最も高くなります。配偶者が亡くなったときは税額軽減が使えず、相続人も減って基礎控除が小さくなるためです。
遺産7,000万円を配偶者が全額取得して子2人が二次相続すると合計320万円です。配偶者の取得額を二次相続の基礎控除4,200万円に合わせれば合計90万円で済み、230万円の差になります。
0円にするための条件が違います。人数だけで0円にできるのは5,000万円なら4人以上、7,000万円なら7人以上で、1億円は現実的な人数では0円になりません。
自宅の比率も違います。0円にするために必要な自宅の土地は5,000万円なら財産の5%、7,000万円なら39%、1億円なら65%です。生前対策も、7,000万円なら生命保険と養子縁組の組み合わせで0円にできますが、1億円では275万円が残ります。
遺産7,000万円の相続税は、相続人の構成で0円から720万円まで開きます。同じ家族構成でも、財産の中身と分け方で結果は大きく変わります。
この帯の特徴は、境界が2つあることです。相続人の人数と自宅の土地の比率で、それぞれ0円になるかどうかが決まります。
この記事で扱った内容を整理すると次のとおりです。
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。相続税法の改正により取扱いが変更される場合があります。最新の制度については国税庁のウェブサイトまたは相続税の対応実績がある税理士にご確認ください。