


相続税の計算方法を調べると、多くの記事が4〜7ステップの手順と早見表を示しています。
ところがその手順どおりに計算しても、早見表の値と自分の答えが一致しないことがあります。
原因は端数処理です。相続税の計算には切り捨てのルールが4か所あり、1か所でも飛ばすと数字がずれます。
課税価格と法定相続分に応ずる取得金額は1,000円未満、相続税の総額は100円未満を切り捨てます。
4つ目が按分割合で、これだけは節税の余地があります。小数点以下2位未満の端数を相続人全員の合意で調整できるためです。
配偶者や未成年者に多く配分すれば、同じ相続税の総額でも実際に納める金額を減らせます。
この記事では計算の全体像から始めて、7ステップの手順、端数処理の4ルール、按分割合による調整、遺産規模別のシミュレーション、計算ミスの防ぎ方までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

細かい手順に入る前に、全体の流れを押さえてください。相続税は4つの段階を経て各人の納付税額が決まります。
この構造を理解していないと、途中の数字が何を意味するのか分からなくなります。
遺産の総額から各人が納める税額までの道のりです。
| 段階 | 求めるもの | 内容 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 課税価格 | 財産を集計し、非課税財産・債務・葬式費用を引く |
| 第2段階 | 課税遺産総額 | 課税価格の合計から基礎控除を引く |
| 第3段階 | 相続税の総額 | 法定相続分で仮に按分し、速算表で計算して合計する |
| 第4段階 | 各人の納付税額 | 実際の取得割合で配分し、控除と2割加算を反映する |
表の見方:第3段階が相続税の特徴です。実際にどう分けたかに関係なく、いったん法定相続分で分けたものとして総額を計算します。
重要ポイント:速算表に当てはめるのは「法定相続分に応ずる取得金額」であって、実際に取得した金額ではありません。ここを取り違えると税額が大きくずれます。
実際の分け方と関係なく計算するのには理由があります。分け方によって相続税の総額が変わらないようにするためです。
【もし実際の取得額で計算したら】
相続税は超過累進課税なので、1人が全額取得すると高い税率が適用され、複数人で分けると低い税率で済みます。分け方を操作するだけで税額を減らせてしまいます。
【法定相続分で仮計算すると】
誰がいくら取得しても、相続税の総額は同じになります。分け方による有利不利がなくなり、遺産分割の話し合いに税金の思惑が入りにくくなります。
【ただし各人の負担は変わる】
総額は同じでも、多く取得した人が多く負担します。さらに配偶者の税額軽減や2割加算があるため、誰が取得するかで実際に納める合計額は変わります。
総額は分け方で変わらないが、実際に納める合計額は変わるという点が、相続税の計算で最も誤解されやすいところです。
第2段階で引く基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。この金額を超えなければ相続税はかかりません。
| 法定相続人の数 | 基礎控除 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
重要ポイント:相続放棄した人も人数に含めます。養子は実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までという制限があります。
法定相続人の数え方や、課税されるかどうかの判定は下記の記事で詳しく解説しています。

相続税がいくらから発生するかの判定は、下記の記事で解説しています。


4段階をさらに細かく分けると7つのステップになります。端数処理が4か所あり、それぞれ違うステップで行います。
順番と処理のタイミングを確認してください。
最初に各人が取得した財産を集計し、課税価格を出します。
財産を洗い出して評価する
預貯金・不動産・有価証券・生命保険金・死亡退職金を集計します。不動産は路線価や固定資産税評価額で評価します。
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各人の課税価格を出す(端数処理①)
非課税財産・債務・葬式費用を引き、生前贈与加算を足します。
ここで1,000円未満を切り捨てます。
重要ポイント:課税価格は相続人ごとに計算します。各人の課税価格を出す段階で1,000円未満を切り捨て、その後に合計します。
課税価格の合計から基礎控除を引き、法定相続分で仮に分けます。
課税遺産総額を出す
課税価格の合計から基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を引きます。
ここが0円以下なら相続税はかかりません。
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法定相続分で按分する(端数処理②)
課税遺産総額を法定相続分で分けます。配偶者と子2人なら1/2・1/4・1/4です。
この取得金額でも1,000円未満を切り捨てます。
重要ポイント:割り切れないときの切り捨てがここで効きます。子3人で1/3ずつ分けると端数が出るため、切り捨てをしないと最終的な税額が合いません。
按分した金額を速算表に当てはめ、各人の仮の税額を出して合計します。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | — |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
表の見方:「税率を掛けて控除額を引く」という形式です。取得金額3,000万円なら3,000万円×15%-50万円=400万円になります。
重要ポイント:各人の仮の税額を合計したものが相続税の総額です。この合計額で100円未満を切り捨てます(端数処理③)。
相続税の総額を、実際に取得した割合で各人に配分します。
按分割合で配分する(端数処理④)
各人の課税価格÷課税価格の合計=按分割合です。この割合を相続税の総額に掛けます。
小数点以下2位未満の端数は、相続人全員が選んだ方法で調整できます。
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2割加算と税額控除を反映する
兄弟姉妹や代襲相続でない孫は1.2倍にします。その後に配偶者の税額軽減・未成年者控除・障害者控除などを引きます。
加算が先、控除が後という順序です。
重要ポイント:2割加算は税額控除より先に計算します。順序を逆にすると税額が変わります。
どのステップでどの端数処理を行うかをまとめます。4か所すべてを飛ばさずに行ってください。
| STEP | 内容 | 端数処理 |
|---|---|---|
| 1 | 財産を洗い出して評価する | — |
| 2 | 各人の課税価格を計算する | ①1,000円未満切り捨て |
| 3 | 課税価格の合計から基礎控除を引く | — |
| 4 | 課税遺産総額を法定相続分で按分する | ②1,000円未満切り捨て |
| 5 | 速算表で計算し合計して相続税の総額を出す | ③100円未満切り捨て |
| 6 | 按分割合で各人に配分する | ④小数点以下2位未満を調整 |
| 7 | 2割加算と税額控除を反映する | 100円未満切り捨て |
表の見方:黄色の4行が端数処理を行う箇所です。STEP2・4・5は切り捨て、STEP6だけは調整の余地があります。
重要ポイント:早見表の値と自分の計算が合わない場合、まず②の切り捨てを確認してください。割り切れない法定相続分で最も差が出ます。

相続税の計算で最も見落とされるのが端数処理です。4つのルールがあり、対象と処理の仕方が違います。
1つずつ確認します。
最初の2つは同じ「1,000円未満切り捨て」ですが、対象が違います。
| ルール | 対象 | 処理 | 行うタイミング |
|---|---|---|---|
| ① | 各人の課税価格 | 1,000円未満を切り捨て | STEP2 |
| ② | 法定相続分に応ずる取得金額 | 1,000円未満を切り捨て | STEP4 |
表の見方:①は財産を集計した後、②は法定相続分で割った後です。どちらも切り捨てなので、税額はわずかに低くなります。
重要ポイント:影響が大きいのは②です。子3人で1/3ずつ、あるいは配偶者と子3人で1/6ずつといった割り切れない分数のときに端数が出ます。
各人の仮の税額を合計した後、100円未満を切り捨てます。
【切り捨てる対象】
速算表で計算した各人の税額を合計した金額です。合計する前の各人の税額ではありません。
【なぜ100円単位か】
納付書に記載する金額の単位に合わせるためです。実際の納付も100円単位で行います。
【STEP7でも同じ処理】
各人の納付税額を確定する段階でも、100円未満を切り捨てます。
①②と③を組み合わせると、計算結果は必ず切り捨て方向に働きます。端数処理を省略した計算より税額は少なくなります。
実際にどれくらい差が出るのかを確認します。課税遺産総額200万円を子3人で相続するケースです。
| ステップ | 端数処理なし | 端数処理あり(正しい計算) |
|---|---|---|
| 課税遺産総額 | 200万円 | 200万円 |
| 1人あたり(1/3) | 66万6,667円 | 66万6,000円(千円未満切り捨て) |
| 各人の税額(税率10%) | 6万6,667円 | 6万6,600円 |
| 3人合計=相続税の総額 | 20万円 | 19万9,800円 |
表の見方:1人あたりの取得金額を66万6,667円ではなく66万6,000円として計算します。その結果、相続税の総額は20万円ではなく19万9,800円になります。
重要ポイント:差は200円ですが、申告書の数字としては一致しないと修正が必要になります。金額の大小ではなく、正しい手順を踏んでいるかどうかの問題です。
計算ロジック:200万円÷3=66万6,666.67円を千円未満切り捨てで66万6,000円とします。税率10%で6万6,600円、3人分で19万9,800円です。切り捨てをしないと6万6,666.7円×3=20万円になります。
計算結果が公表されている早見表と一致しないとき、原因はほぼ3つに絞られます。
| 原因 | 症状 | 確認する箇所 |
|---|---|---|
| ①端数処理をしていない | 数百円〜数千円ずれる | STEP2・STEP4・STEP5 |
| ②速算表に実際の取得額を当てている | 大きくずれる | STEP4(法定相続分で按分したか) |
| ③配偶者の税額軽減の前提が違う | 早見表より高い/低い | 配偶者の取得割合 |
表の見方:ずれが数百円なら①、大きくずれるなら②を疑ってください。③は早見表の前提(配偶者が法定相続分を取得)と自分の分け方が違う場合に起きます。
重要ポイント:②が最も多い誤りです。速算表は法定相続分に応ずる取得金額に当てはめるもので、実際に取得した金額に当てはめるものではありません。
参照元:国税庁 No.4152 相続税の計算/国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減
端数が出るかどうかは法定相続分が割り切れるかで決まります。相続人の構成によって影響の大きさが変わります。
| 家族構成 | 法定相続分 | 端数の出やすさ |
|---|---|---|
| 配偶者+子1人 | 1/2・1/2 | 出にくい |
| 配偶者+子2人 | 1/2・1/4・1/4 | 出にくい |
| 配偶者+子3人 | 1/2・1/6ずつ | 出やすい |
| 子3人のみ | 1/3ずつ | 出やすい |
| 子4人のみ | 1/4ずつ | 出にくい |
| 配偶者+兄弟姉妹3人 | 3/4・1/12ずつ | 出やすい |
表の見方:分母が3や6、12になる構成で端数が出ます。2や4なら割り切れることが多く、端数処理の影響はほとんどありません。
重要ポイント:黄色の行に当てはまるなら、端数処理を必ず確認してください。早見表に端数のある金額(19万9,800円・137万4,900円など)が並ぶのはこのためです。
計算ロジック:課税遺産総額200万円を子3人で分けると1人あたり66万6,666.67円になり、千円未満を切り捨てて66万6,000円とします。同じ200万円でも子4人なら50万円ずつで端数が出ません。
基礎控除の計算式と課税されるかの判定手順は、下記の記事で解説しています。


4つの端数処理のうち、按分割合だけは扱いが違います。切り捨てが機械的に決まるのではなく、相続人全員の合意で調整できるからです。
この調整によって、同じ相続税の総額でも各人が納める金額が変わります。
相続税の総額を各人に配分するための割合です。実際に取得した財産の割合で決まります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計算式 | 各人の課税価格 ÷ 課税価格の合計 |
| 使い方 | 相続税の総額 × 按分割合 = 各人の税額 |
| 申告書の記載 | 小数点以下第10位まで記載できる |
| 端数の扱い | 小数点以下2位未満は全員が選んだ方法で調整できる |
表の見方:申告書は第10位まで記載できるため、そのままの割合を使うこともできます。ただし2位未満は調整が認められています。
重要ポイント:調整の条件は全員の按分割合の合計が1になることです。誰かを増やせば誰かを減らす必要があります。
遺産総額9,000万円を子3人が均等に相続するケースで確認します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 遺産総額 | 9,000万円 |
| 基礎控除(相続人3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 4,200万円 |
| 1人あたり(1/3・千円未満切り捨て) | 1,400万円 |
| 各人の税額(1,400万円×15%-50万円) | 160万円 |
| 相続税の総額(100円未満切り捨て) | 480万円 |
この480万円を3人に配分します。均等に分けると按分割合は0.3333…となり、割り切れません。
| 按分割合の決め方 | Aさん | Bさん | Cさん | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 0.33/0.33/0.34 | 158万4,000円 | 158万4,000円 | 163万2,000円 | 480万円 |
| 0.333/0.333/0.334 | 159万8,400円 | 159万8,400円 | 160万3,200円 | 480万円 |
表の見方:どちらも合計は480万円で変わりません。しかし小数第2位で調整すると1人だけ4万8,000円多く負担し、第3位まで使うと差は4,800円に縮みます。
重要ポイント:相続税の総額は変わらないため、これ自体は節税ではありません。相続人の間で誰がいくら負担するかが変わるだけです。節税になるのは次の使い方をした場合です。
計算ロジック:480万円×0.34=163万2,000円、480万円×0.33=158万4,000円です。第3位まで使うと480万円×0.334=160万3,200円、480万円×0.333=159万8,400円になります。
按分割合の調整が節税につながるのは、税額控除を持つ人や2割加算の対象者がいる場合です。
| 配分 | 対象者 | 理由 |
|---|---|---|
| 多くする | 配偶者 | 税額軽減により1億6,000万円または法定相続分まで税額が0円になる |
| 多くする | 未成年者 | 未成年者控除(18歳になるまでの年数×10万円)で減る |
| 多くする | 障害者 | 障害者控除(85歳になるまでの年数×10万円・特別障害者は20万円)で減る |
| 少なくする | 兄弟姉妹・代襲でない孫 | 2割加算で1.2倍になる |
表の見方:控除を持つ人に多く配分すれば、その人の税額は控除で消えます。2割加算の対象者を少なくすれば、1.2倍される金額が減ります。
重要ポイント:調整できるのは小数点以下2位未満の端数の範囲だけです。取得割合を大きく変えることはできません。あくまで端数の振り分けです。
参照元:国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減/国税庁 No.4164 未成年者の税額控除
配偶者の税額軽減の1億6,000万円の上限と適用方法は、下記の記事で解説しています。

按分割合の調整には条件があります。守らないと申告が認められません。
調整の条件
相続人の1人だけが有利になる調整は、他の相続人の負担が増えることを意味します。全員の合意が必要なのはこのためです。
重要ポイント:調整による効果は数万円程度です。相続人の間で争いがあるなら、無理に調整せず単純な四捨五入で揃えるほうが安全です。

端数処理を反映した税額を家族構成別に示します。自分の構成に近い行を確認してください。
配偶者がいる場合といない場合で大きく変わります。
配偶者が法定相続分を取得し、配偶者の税額軽減を適用した後の納税額です。
| 課税価格 | 配偶者+子1人 | 配偶者+子2人 | 配偶者+子3人 |
|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 40万円 | 10万円 | 0円 |
| 8,000万円 | 235万円 | 175万円 | 137万4,900円 |
| 1億円 | 385万円 | 315万円 | 262万4,900円 |
| 1億5,000万円 | 920万円 | 747万5,000円 | 665万円 |
| 2億円 | 1,670万円 | 1,350万円 | 1,217万4,900円 |
| 3億円 | 3,460万円 | 2,860万円 | 2,540万円 |
表の見方:配偶者が法定相続分(1/2)を取得する前提です。配偶者の負担分は税額軽減で0円になるため、実質的に子が納める金額を示しています。
重要ポイント:子の人数が増えるほど税額は下がります。基礎控除が増えるうえ、課税遺産総額を人数で分けてから税率を掛けるためです。
計算ロジック:端数が出る行(137万4,900円など)は、法定相続分で按分するときに千円未満を切り捨てているためです。配偶者+子3人なら1/6ずつで割り切れず端数が出ます。
子のみが相続人の場合です。配偶者の税額軽減がないため、同じ課税価格でも税額が大きくなります。
| 課税価格 | 子1人のみ | 子2人のみ | 子3人のみ |
|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 160万円 | 80万円 | 19万9,800円 |
| 8,000万円 | 680万円 | 470万円 | 329万9,700円 |
| 1億円 | 1,220万円 | 770万円 | 629万9,800円 |
| 1億5,000万円 | 2,860万円 | 1,840万円 | 1,440万円 |
| 2億円 | 4,860万円 | 3,340万円 | 2,459万9,400円 |
| 3億円 | 9,180万円 | 6,920万円 | 5,460万円 |
表の見方:課税価格1億円で比較すると、配偶者がいる場合の385万円に対し、子1人のみでは1,220万円です。配偶者の税額軽減の効果が大きいことが分かります。
重要ポイント:兄弟姉妹や代襲相続でない孫が相続する場合は、この表の金額に2割加算が適用されて1.2倍になります。
最も多い構成で、STEP1から7まで通して計算します。財産は現金・預貯金のみとします。
| STEP | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 1・2 | 課税価格の合計 | 1億円 |
| 3 | 1億円-基礎控除4,800万円 | 課税遺産総額5,200万円 |
| 4 | 配偶者1/2=2,600万円/子1/4=1,300万円ずつ | (いずれも端数なし) |
| 5 | 配偶者2,600万×15%-50万=340万円 子1,300万×15%-50万=145万円×2人 |
相続税の総額630万円 |
| 6 | 配偶者0.5=315万円/子0.25=157万5,000円ずつ | (按分割合は割り切れる) |
| 7 | 配偶者は税額軽減で0円/子2人は合計315万円 | 納税額315万円 |
表の見方:このケースは法定相続分も按分割合も割り切れるため端数が出ません。早見表の「1億円・配偶者+子2人=315万円」と一致します。
重要ポイント:配偶者が法定相続分どおりに取得すれば、配偶者の税額軽減で配偶者の負担は0円になります。ただし配偶者が取得した財産は二次相続で課税対象になります。
法定相続分が1/6ずつになり端数が出るケースです。切り捨てをどこで行うかが結果に表れます。
| STEP | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 1・2 | 課税価格の合計 | 8,000万円 |
| 3 | 8,000万円-基礎控除5,400万円 | 課税遺産総額2,600万円 |
| 4 | 配偶者1/2=1,300万円/子1/6=433万3,000円ずつ | 千円未満切り捨て |
| 5 | 配偶者1,300万×15%-50万=145万円 子433万3,000円×10%=43万3,300円×3人 |
相続税の総額274万9,900円 |
| 6・7 | 配偶者0.5は税額軽減で0円/子3人が半分を負担 | 納税額137万4,900円 |
表の見方:子の取得金額は2,600万円÷6=433万3,333.3円ですが、千円未満を切り捨てて433万3,000円で計算します。この切り捨てにより端数のある税額になります。
重要ポイント:早見表の「8,000万円・配偶者+子3人=137万4,900円」という半端な数字は、この切り捨てから生まれています。100円単位の端数が出ていたら計算は正しく進んでいます。
計算ロジック:配偶者145万円+子43万3,300円×3人=274万9,900円が相続税の総額です。配偶者の按分割合0.5では137万4,950円ですが、税額軽減で0円になります。子3人の分も同じ0.5で、百円未満を切り捨てて137万4,900円です。
配偶者がいないケースです。基礎控除が4,200万円になります。
| STEP | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 1・2 | 課税価格の合計 | 5,000万円 |
| 3 | 5,000万円-基礎控除4,200万円 | 課税遺産総額800万円 |
| 4 | 子1/2=400万円ずつ | (端数なし) |
| 5 | 400万×10%=40万円×2人 | 相続税の総額80万円 |
| 6・7 | 按分割合0.5ずつ=40万円ずつ | 納税額80万円 |
表の見方:子2人なので按分割合は0.5ずつで割り切れます。1億円の例と同じく端数処理が働かないケースです。
重要ポイント:端数が出るのは相続人が3人以上で1/3や1/6に分かれる場合です。2人や4人なら割り切れることが多く、端数処理の影響は小さくなります。
遺産1億円のときの税額と配偶者への最適な配分は、下記の記事で解説しています。

遺産5,000万円のときの税額と0円になる境界は、下記の記事で解説しています。


相続税の総額は分け方で変わりませんが、実際に納める合計額は誰が取得するかで変わります。
この違いを理解しておくと、遺産分割の話し合いで判断しやすくなります。
課税価格1億円・配偶者と子2人のケースで、分け方を変えて比べます。相続税の総額はどちらも630万円です。
| 分け方 | 配偶者 | 子2人 | 納税額の合計 |
|---|---|---|---|
| 配偶者1/2・子1/4ずつ | 0円(税額軽減) | 315万円 | 315万円 |
| 配偶者が全額取得 | 0円(税額軽減) | 0円 | 0円 |
| 子2人が全額取得 | 0円 | 630万円 | 630万円 |
表の見方:相続税の総額630万円は3つとも同じです。しかし配偶者の税額軽減が使えるかどうかで、実際に納める金額が0円から630万円まで変わります。
重要ポイント:配偶者に全額渡せば一次相続の納税額は0円になります。ただし配偶者が取得した財産は二次相続で課税されるため、通算では不利になる場合があります。
計算ロジック:相続税の総額630万円に対し、配偶者の按分割合が1.0なら630万円すべてが配偶者の税額になり、税額軽減で0円になります。子が全額取得すれば按分割合が子に集中し、軽減が使えないため630万円をそのまま納めます。
不動産を分けられない場合の分割方法でも、計算の考え方は変わります。
| 分割方法 | 内容 | 課税価格の計算 |
|---|---|---|
| 現物分割 | 財産をそのまま分ける | 取得した財産の評価額 |
| 代償分割 | 1人が取得し他の人に金銭を渡す | 取得者は評価額-代償金/受取人は代償金 |
| 換価分割 | 売却して現金を分ける | 売却代金の取得割合(譲渡所得税は別途) |
表の見方:代償分割では、代償金を払った人の課税価格が減り、受け取った人の課税価格が増えます。按分割合もそれに応じて変わります。
重要ポイント:換価分割は売却益に譲渡所得税がかかります。相続税とは別の税金なので、手取りを計算するときは両方を見る必要があります。
遺産分割が終わらないと按分割合が決まりません。この場合は法定相続分で仮に申告します。
【計算の前提】
法定相続分で取得したものとして各人の課税価格を計算します。按分割合も法定相続分になります。
【使えない特例】
配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例は一旦使えません。納税額は本来より高くなります。
【取り戻す方法】
「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておけば、分割成立後に更正の請求で還付を受けられます。
分割見込書を出し忘れると、分割が終わっても特例を適用できません。未分割で申告する場合は必ずセットで提出してください。
参照元:国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告
遺産分割前に申告する方法と特例の取り戻し方は、下記の記事で解説しています。

遺産分割から申告までの流れと分け方で税額が変わる理由は、下記の記事で解説しています。


STEP1の集計で何を含めるかが、計算全体の正確さを決めます。見落としやすい財産と、非課税枠のある財産を押さえてください。
それぞれの詳細は個別の記事で解説しているため、ここでは計算に必要な要点だけを整理します。
生命保険金と死亡退職金は、民法上の相続財産ではありませんが相続税の対象です。それぞれ非課税枠があります。
| 財産 | 非課税枠 | 課税価格への算入 |
|---|---|---|
| 生命保険金 | 500万円×法定相続人の数 | 枠を超えた分のみ |
| 死亡退職金 | 500万円×法定相続人の数(保険とは別枠) | 枠を超えた分のみ |
| 弔慰金 | 業務外の死亡なら給与の6か月分 | 枠を超えた分のみ |
表の見方:保険と退職金の枠は別々です。相続人3人なら保険1,500万円・退職金1,500万円で合計3,000万円まで非課税になります。
重要ポイント:非課税枠は相続人が受け取った場合にのみ使えます。相続人以外が受取人だと枠が使えず、全額が課税価格に入ります。
参照元:国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金/国税庁 No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金
みなし相続財産の種類と非課税枠は、下記の記事で解説しています。

生命保険の非課税枠の計算と3つの税目の違いは、下記の記事で解説しています。

相続開始前の一定期間内に受けた贈与は、課税価格に加算します。加算期間は改正により延長されています。
| 相続開始 | 加算対象期間 |
|---|---|
| 令和8年12月31日まで | 相続開始前3年以内 |
| 令和9年1月1日〜令和12年12月31日 | 令和6年1月1日から死亡の日まで |
| 令和13年1月1日以降 | 相続開始前7年以内 |
表の見方:3段階で切り替わります。3年超7年以内の部分については、合計額から総額100万円までが加算されません(令和9年1月2日以後の相続から)。
重要ポイント:贈与税がかからなかった年110万円以下の贈与も加算対象です。国税庁は「基礎控除額110万円以下の贈与財産や死亡した年に贈与されている財産の価額も加算する」と明記しています。
参照元:国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
生前贈与が何年前までさかのぼるかの判定は、下記の記事で解説しています。

計算のどこで効くのかを整理します。課税価格を下げるものと、税額を下げるものに分かれます。
| 制度 | 効くステップ | 効果 | 申告 |
|---|---|---|---|
| 小規模宅地等の特例 | STEP2(課税価格) | 自宅の土地の評価を80%減額 | 必要 |
| 債務控除・葬式費用 | STEP2(課税価格) | 実額を差し引く | 不要 |
| 配偶者の税額軽減 | STEP7(税額) | 1億6,000万円または法定相続分まで0円 | 必要 |
| 未成年者控除 | STEP7(税額) | 18歳になるまでの年数×10万円 | 不要 |
| 障害者控除 | STEP7(税額) | 85歳になるまでの年数×10万円(特別障害者は20万円) | 不要 |
| 相次相続控除 | STEP7(税額) | 10年以内に相続が続いた場合に一定額 | 不要 |
表の見方:効くステップが違います。小規模宅地等の特例と債務控除は課税価格の段階、他は税額の段階で差し引きます。
重要ポイント:申告が「必要」の2つは、申告書を出さなければ適用されません。税額が0円になる場合でも申告が要ります。
控除と特例の一覧と申告不要になる条件は、下記の記事で解説しています。

小規模宅地等の特例の4類型の要件と計算方法は、下記の記事で解説しています。


一次相続で配偶者に多く渡すと納税額は下がりますが、二次相続で税負担が増えることがあります。
通算で見る視点を押さえてください。
配偶者の税額軽減は強力ですが、財産を先送りしているだけという側面があります。
【一次相続で起きること】
配偶者が多く取得すれば税額軽減により納税額が下がります。極端な例では配偶者が全額取得すれば0円になります。
【二次相続で起きること】
配偶者が取得した財産は、配偶者自身の相続で課税されます。このとき相続人は子だけになるため、基礎控除が減り配偶者の税額軽減も使えません。
【通算すると】
一次相続で払わなかった分を二次相続で払うことになり、しかも条件が悪くなっているため合計額が増えることがあります。
配偶者の取得割合をどう決めるかが、通算の税負担を左右します。一次相続だけを見て判断しないでください。
課税価格1億円・配偶者と子2人のケースで、配偶者の取得割合を変えた場合の一次相続の納税額を示します。
| 配偶者の取得割合 | 一次相続の納税額 | 二次相続で課税される財産 |
|---|---|---|
| 全額(1.0) | 0円 | 1億円 |
| 法定相続分(0.5) | 315万円 | 5,000万円 |
| 取得しない(0) | 630万円 | 0円 |
表の見方:配偶者が多く取得するほど一次相続の納税額は下がりますが、二次相続で課税される財産が増えます。
重要ポイント:配偶者自身の財産がある場合はさらに注意が必要です。二次相続の課税価格は「配偶者の固有財産+一次相続で取得した財産」になります。
最適な取得割合の求め方や、通算税額のシミュレーションは下記の記事で詳しく解説しています。


税務調査で指摘されやすい計算ミスを5つ挙げます。いずれも集計か手順の誤りです。
自分で計算する場合は特に注意してください。
集計段階での漏れです。どちらも税務調査で最も多く指摘されます。
| ミス | 内容 | 判定の基準 |
|---|---|---|
| ミス1|名義預金 | 子や孫の名義でも実質は被相続人の財産 | 入金の原資・通帳と印鑑の管理者・名義人が口座を知っていたか |
| ミス2|生前贈与加算 | 対象期間内の贈与を課税価格に足していない | 令和6年1月1日以降の贈与が起点 |
表の見方:名義預金は名義ではなく実質で判断されます。贈与契約書があり名義人が自由に使える状態なら贈与として認められます。
重要ポイント:贈与が成立していないと判断されると、加算期間の制限がなくなり全額が課税価格に入ります。7年より前の入金も対象になります。
ミス3は集計、ミス4は手順の問題です。
| ミス | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| ミス3|みなし相続財産 | 生命保険金・死亡退職金を集計に入れていない | 課税価格が過小になり修正申告が必要 |
| ミス4|端数処理 | 千円未満・百円未満の切り捨てを飛ばしている | 申告書の数字が合わない |
表の見方:ミス3は税額が増える方向の誤りで、ペナルティの対象になります。ミス4は金額が小さいものの、申告書の整合性の問題です。
重要ポイント:保険金は受取人が指定されているため遺産分割の対象になりません。そのため相続財産という意識を持ちにくく、集計から漏れやすい財産です。
最も税額が大きくずれる誤りです。速算表は法定相続分に応ずる取得金額に当てはめます。
| やり方 | 課税遺産総額5,200万円・配偶者と子2人の場合 | 結果 |
|---|---|---|
| 誤り|実際の取得額に当てる | 配偶者が全額取得したとして5,200万円×30%-700万円 | 860万円 |
| 正しい|法定相続分で按分してから当てる | 配偶者2,600万円・子1,300万円ずつで計算して合計 | 630万円 |
表の見方:同じ課税遺産総額でも230万円の差が出ます。誤った方法では超過累進課税の高い税率が適用されてしまいます。
重要ポイント:分け方で相続税の総額が変わらないのは、法定相続分で仮計算するからです。実際の取得額に当てはめると、この仕組みが崩れます。
計算ロジック:正しい計算は配偶者2,600万円×15%-50万円=340万円、子1,300万円×15%-50万円=145万円×2人で合計630万円です。誤った計算では5,200万円に30%の税率が適用され860万円になります。
計算ミスが後から判明した場合、本税に加えてペナルティがかかります。
| 種類 | 税率 | 適用 |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 | 10%(一定額超は15%) | 申告額が少なかった |
| 調査の通知前に自主的に修正申告 | 加算税なし | 自分で気づいて修正した |
| 延滞税 | 令和8年は2.8%/9.1% | 納付が遅れた期間に応じて |
| 重加算税 | 35% | 意図的に隠した |
表の見方:黄色の行が重要です。税務調査の通知が来る前に自分で修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。
重要ポイント:計算ミスに気づいたら早く動くほど負担が小さくなります。放置して調査で指摘されると加算税と延滞税の両方がかかります。
申告漏れのペナルティと気づいたときの対処法は、下記の記事で解説しています。

どこまで自分でできるかの目安です。財産の種類で判断してください。
| 財産の内容 | 自分で計算 | 理由 |
|---|---|---|
| 現金・預貯金のみ | できる | 評価に判断の余地がない |
| 上場株式・投資信託 | できる | 評価方法が定まっている |
| 自宅の土地がある | 要検討 | 路線価の補正・小規模宅地等の特例の判定が必要 |
| 不整形地・貸宅地・非上場株式がある | 難しい | 評価額が数百万〜数千万円単位で変わる |
表の見方:計算の手順そのものは難しくありません。難しいのは財産の評価です。特に土地は補正の適用で評価額が大きく変わります。
重要ポイント:評価額を高く見積もれば税金を払いすぎ、低く見積もれば修正申告になります。どちらも損失につながるため、不動産があるなら専門家に確認する価値があります。
計算を始める前に確認する項目です。ここが揃っていないと計算し直しになります。
確認項目
重要ポイント:下6項目が手順と端数処理の確認です。早見表と数字が合わないときは、この6つを上から確認すれば原因が見つかります。
参照元:国税庁 No.4152 相続税の計算/国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
名義預金と判定される基準と税額への影響は、下記の記事で解説しています。


計算の手順そのものは、この記事の7ステップで追えます。税理士に確認する価値があるのは、手順ではなく財産の評価と特例の判定です。
ここで金額が変われば、計算をどれだけ正確に行っても結果が変わります。
相続税の申告を扱う税理士は多くありません。法人税や所得税を主に扱う事務所では、土地の評価や特例の判定に慣れていないことがあります。
計算で実績が問われる場面
実際の金額差で見ると次のようになります。課税遺産総額5,200万円・配偶者と子2人で、速算表の当て方を誤ったケースです。
| 計算方法 | 相続税の総額 | 差 |
|---|---|---|
| 実際の取得額に速算表を当てた(誤り) | 860万円 | — |
| 法定相続分で按分してから当てた(正しい) | 630万円 | 230万円 |
表の見方:手順を1つ間違えるだけで230万円の差が出ます。これは払いすぎの方向の誤りで、税務署から指摘されることはありません。
重要ポイント:払いすぎは自分で気づかない限り戻ってきません。申告期限から5年以内なら更正の請求ができるため、計算に不安があるなら確認する価値があります。
計算ロジック:正しい計算は配偶者2,600万円×15%-50万円=340万円、子1,300万円×15%-50万円=145万円×2人で630万円です。誤った計算では5,200万円に30%の税率と700万円の控除額が適用され860万円になります。
見積りを比較するときは金額だけを見るのではなく、次の3つで実務力を判定できます。
判定ポイント1:土地の現地確認を見積りに含めているか。A税理士は「現地を確認して補正の適用を検討します」と明記し、B税理士は路線価図だけで評価すると答えました。→ A税理士の方が、土地評価の実務経験が豊富と判定できます。
判定ポイント2:分割案を複数提示するか。A税理士は「配偶者の取得割合を変えた3パターンで試算します」と提案し、B税理士は法定相続分での試算のみでした。→ A税理士の方が、二次相続まで見た提案の経験が豊富と判定できます。
判定ポイント3:名義預金の確認を含めているか。A税理士は「お子さん名義の口座も確認します」と明記し、B税理士は被相続人名義の財産のみを対象としていました。→ A税理士の方が、税務調査を見据えた申告の経験が豊富と判定できます。
報酬の目安は遺産1億円規模なら50万〜80万円です。土地の筆数や相続人の人数で加算されることが多いため、内訳を確認してください。
自分で計算して申告した場合に起きうることを整理します。
相談しないまま進めた場合のリスク
上3つは払いすぎ、下3つは追徴の方向の誤りです。どちらも申告前に確認していれば避けられます。
複数の税理士に同時に相談する場合の流れです。
相続の概要を整理する
被相続人の資産内容(預貯金・不動産・保険・有価証券)、資産額の概算、相続人の構成と人数、年齢、遺言の有無を整理します。
土地は所在地と広さ、筆数まで把握しておくと見積りが正確になります。
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一括見積り・相談サービスに依頼する
「相続税申告」「土地の評価」「小規模宅地等の特例の適用判定」「二次相続を見据えた分割案」など希望内容を明記し、相続税の対応実績がある税理士3〜5社への同時打診を依頼します。
「財産の種類」「相続人の人数」を正確に伝えると見積りの精度が上がります。フォーム記入は5分程度です。
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見積りと初回相談を受ける
各税理士から「提案内容」「試算相続税額」「報酬額」が記載された見積りが届きます。気になる事務所と初回相談を行ってください。
試算額に差があれば、その理由を確認してください。評価方法の違いが表れます。
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税理士を選定・正式依頼する
「提案内容の質」「説明の丁寧さ」「報酬の納得性」で最適な事務所を選びます。
相続開始から7ヶ月以内に決定してください。申告期限10ヶ月に対して作業期間を確保できます。
重要ポイント:試算額の差は評価方法の差です。同じ財産でも税理士によって数百万円変わることがあるため、複数から見積りを取る意味があります。
税理士の無料相談を含む7つの窓口の使い分けは、下記の記事で解説しています。

税理士費用の相場と費用を抑える方法は、下記の記事で解説しています。

実際にどう分けたかに関係なく、いったん法定相続分で分けたものとして相続税の総額を計算するという意味です。
この仕組みがあるため、分け方によって相続税の総額が変わりません。実際の取得額に税率を当てはめると、1人が全額取得したときに高い税率が適用され、複数人で分けると低い税率で済むという不公平が生じるためです。
総額を出した後、STEP6で実際の取得割合(按分割合)に応じて各人に配分します。ここで初めて実際の分け方が反映されます。
原因は3つに絞られます。1つ目は端数処理です。課税価格と法定相続分に応ずる取得金額は1,000円未満、相続税の総額は100円未満を切り捨てます。この処理を飛ばすと数百円から数千円ずれます。
2つ目は速算表の当て方です。速算表は法定相続分に応ずる取得金額に当てはめるもので、実際に取得した金額に当てはめるものではありません。これを誤ると大きくずれます。
3つ目は配偶者の税額軽減の前提です。早見表は通常「配偶者が法定相続分を取得した場合」で作られています。自分の分け方が違えば結果も変わります。
相続税の総額は変わらないため、それ自体は節税ではありません。ただし税額控除を持つ人に多く配分すれば、実際に納める合計額を減らせます。
按分割合は小数点以下2位未満の端数について、相続人全員が選んだ方法で調整できます。全員の割合の合計が1になる範囲であれば認められます。
配偶者の税額軽減が使える配偶者や、未成年者控除・障害者控除を持つ人に多く配分すると、その人の税額は控除で消えます。逆に2割加算の対象である兄弟姉妹や代襲相続でない孫は少なくするほうが有利です。ただし調整できるのは端数の範囲だけで、効果は数万円程度です。
含めます。ただし「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、枠を超えた分だけが課税価格に入ります。
死亡退職金にも同じ「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、こちらは生命保険とは別枠です。相続人が3人なら保険1,500万円・退職金1,500万円で合計3,000万円までが非課税になります。
注意点は受取人です。非課税枠が使えるのは相続人が受け取った場合のみで、相続人以外が受取人だと全額が課税価格に入ります。保険金は遺産分割の対象にならないため集計から漏れやすく、税務調査で指摘されやすい財産です。
財産が現金・預貯金と上場株式だけなら、この記事の7ステップで計算できます。評価に判断の余地がないためです。
一方、土地がある場合は注意が必要です。路線価に不整形地・接道状況・高低差などの補正を適用するかどうかで評価額が変わります。
小規模宅地等の特例をどの宅地に適用するかでも税額が変わります。不整形地・貸宅地・非上場株式があるなら、評価額が数百万円から数千万円単位で変わるため専門家に確認する価値があります。
計算手順そのものは難しくありません。難しいのは財産の評価です。評価額を高く見積もれば税金を払いすぎ、低く見積もれば修正申告になります。
相続税の計算は7ステップで進みます。課税価格の集計から始め、基礎控除を引き、法定相続分で仮に按分して速算表に当てはめ、相続税の総額を出してから実際の取得割合で配分します。
この手順の中に端数処理が4か所あります。1か所でも飛ばすと早見表の値と一致しません。とくに按分割合だけは相続人全員の合意で調整でき、計算で唯一の節税の余地があります。
この記事で扱った内容を整理すると次のとおりです。
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年8月時点の法令等に基づいています。相続税法の改正により内容が変更される場合があります。最新の制度については国税庁のウェブサイトまたは税理士にご確認ください。