


相続税の申告書に添付する書類は数が多く、財産の内容によっても変わります。何をどこまでそろえればよいのか分かりにくい部分です。
一覧を集めたのに手が止まる原因は、必要な書類が分からないことではありません。「これも出すのか」が判断できないことにあります。
実は国税庁の書式には、提出が必要な書類と添付が不要な書類を見分ける仕組みが用意されています。チェックシートの印を見れば区別できます。残高証明書や固定資産税評価証明書は原則として提出不要です。戸籍謄本はコピー機で複写したもので足ります。
もう一つ見落としやすいのが様式です。令和8年分用から相続税申告書の様式が変更されており、年分を間違えると作り直しになります。
解説記事の多くは書類の網羅に力を入れていますが、提出する段階の実務までは触れていません。綴じ方や塗り潰しの指示も国税庁が明記しています。
この記事では、必要書類の3層構造、チェックシートでの必要・不要の判別、出さなくていい書類、財産別と特例別の一覧、令和8年分の様式変更、提出時の実務までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

先に全体像を示します。相続税申告の添付書類は3層に分かれ、そのうち全員に必須なのは実質1つだけです。残りは財産の内容と使う特例で決まります。集める前に構造を押さえてください。
国税庁が示す添付書類は、次の3層で整理できます。
| 層 | 対象 | 代表的な書類 | 提出の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 第1層|全員 | 相続人の範囲を明らかにする | 戸籍の謄本等/本人確認書類の写し | 必須 |
| 第2層|財産別 | 財産の内容と評価を確認する | 登記事項証明書、残高証明書、保険証券など | 原則は提出不要(後述) |
| 第3層|特例・控除別 | 特例の適用要件を満たすことを示す | 遺産分割協議書の写し、印鑑証明書、分割見込書など | 特例を使うなら必須 |
表の見方:第2層の「財産の内容を確認する書類」は、集める必要はあっても提出は求められていません。残高証明書や固定資産税評価証明書は原則として添付不要です。
重要ポイント:第3層は使う特例ごとに必要書類が違います。国税庁の「提出書類一覧表」は特例等を16区分に分けており、自分が該当する区分だけを見れば足ります。
国税庁の一覧表には、必須の書類と任意の書類が並んでいます。区別は注記で示されています。
国税庁 提出書類一覧表(1)一般の場合:① 次のいずれかの書類 イ 被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本… ② 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し(注2) (注)2 ②の書類については、提出をお願いしている書類です。
①は「提出していただく必要があります」と書かれた必須の書類です。②の遺言書・遺産分割協議書の写しは「提出をお願いしている書類」=任意です。
ただし特例を使う場合は話が変わります。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例では、遺産分割協議書の写しが必須の要件書類になります。
書類をそろえる前に確認したいのが様式です。年分によって使う申告書が違います。令和8年分用から相続税申告書の様式が変更されています。令和8年1月1日から12月31日までの間に亡くなった人の申告では、令和8年分用の様式を使ってください。
令和7年分以前の相続については、その年分用のページに掲載されている様式を使います。年分を取り違えると作り直しになります。
4段階で自分の必要書類を絞り込めます。
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申告全体の流れと10か月の逆算スケジュールは、下記の記事で解説しています。


様式の変更は見落とされやすい部分です。国税庁は令和8年分用から様式を変更したと明記しています。どの様式を使うかは、亡くなった日で決まります。申告する日ではありません。
国税庁の様式一覧に注意書きがあります。
国税庁 相続税の申告書等の様式一覧(令和8年分用):こちらに掲載されている申告書等は、令和8年1月1日から令和8年12月31日までの間に亡くなられた人に係る相続税の申告に使用するものです。
なお、令和8年分用から様式を変更していますので、…このページに掲載している様式を使用してください。
年分の判定を表にしました。
| 亡くなった日 | 使う様式 | 注意点 |
|---|---|---|
| 令和8年1月1日〜12月31日 | 令和8年分用 | 様式が変更されている |
| 令和7年1月1日〜12月31日 | 令和7年分用 | 令和7年分用以前のページから取得 |
| 令和6年以前 | その年分用 | 過去分のページを参照 |
表の見方:基準は亡くなった日です。令和7年に亡くなった人の申告を令和8年に行う場合は、令和7年分用の様式を使います。
重要ポイント:古い様式で作成すると提出後に差し替えを求められることがあります。ダウンロードするページの年分表示を必ず確認してください。
相続税の申告書は第1表から第15表まであり、付表も含めると数十枚になります。すべてを使うわけではありません。
国税庁は「一般用」に○を付けており、これが必ず使うまたは使用頻度の高い申告書です。一般用の申告書は一括印刷用PDFでまとめて印刷できます。
納税猶予や特殊な信託に関する付表は、該当しなければ不要です。まず一般用だけを印刷して、必要に応じて追加してください。
令和8年分では、同じ年の中で様式が2種類に分かれる付表があります。
| 様式 | 内容 | 期間の区分 |
|---|---|---|
| 第1表の付表3 | 受益者等が存しない信託等に係る相続税額の計算明細書 | 令和8年1〜3月分用/令和8年4月分以降用 |
| 第1表の付表4 | 同(別区分) | 令和8年1〜3月分用/令和8年4月分以降用 |
表の見方:亡くなった日が令和8年3月31日までか4月1日以後かで様式が変わります。信託を使っている場合はここを取り違えないでください。
重要ポイント:該当するのは受益者等が存しない信託がある場合だけです。通常の相続では使いません。ただし年内で様式が分かれる例があること自体を知っておくと、様式選びで迷いません。
手引の基準日も確認しておく価値があります。「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」は、令和8年4月1日現在の法令等にもとづいて作成されています。それ以後の改正は反映されていません。
別掲の「提出書類一覧表」は令和8年7月時点の版で、手引本体より新しくなっています。両方を見比べると内容に差があります。
自分で申告するかどうかの判断は、下記の記事で解説しています。


書類の要否で迷ったときに使えるのが国税庁のチェックシートです。このシートは提出が必要な項目と添付不要な項目を印で区別しています。見方を知っていれば、書類ごとに調べ直す必要がなくなります。
正式名称は「相続税の申告のためのチェックシート(令和6年分以降用)」で、様式番号は資4-81です。A4で4ページあります。冒頭に趣旨が書かれています。
国税庁 相続税の申告のためのチェックシート:このチェックシートは、相続税の申告書が正しく作成されるよう、一般に誤りやすい事項をまとめたものです。申告書作成に際して、検討の上、申告書に添付してご提出くださるようお願いいたします。
「令和6年分以降用」なので、令和8年に亡くなった場合もこのシートを使います。申告書の様式と違い、年分ごとに作り替えられていません。
参照元:国税庁 相続税
ここがチェックシートの本体機能です。表頭に凡例が書かれています。
チェックシート表頭の凡例:添付(レ)/※印は提出をお願いしている項目であり、チェックボックスがない項目は添付不要。
各行の右端に「添付(レ)」という欄があり、そこにチェックボックスがあるかどうかで扱いが変わります。
| 「添付」欄の状態 | 意味 | やること |
|---|---|---|
| チェックボックス+※印がある | 提出をお願いしている項目 | 申告書に添付する |
| チェックボックスがある(※印なし) | 添付の対象になり得る項目 | 該当すれば添付する |
| チェックボックスがない | 添付不要 | 手元で確認するだけでよい |
表の見方:最下段が重要です。「検討資料」の列に書類名が載っていても、添付欄にチェックボックスがなければ提出は不要です。
重要ポイント:チェックシートには「検討(レ)」「検討資料の確認(レ)」「添付(レ)」の3つのチェック欄があります。前の2つは自分の確認用で、提出の要否を決めるのは3つ目の「添付」欄だけです。
たとえば預貯金の欄には「預貯金・金銭信託等の残高証明書、預貯金通帳等」が検討資料として挙げられています。ここには添付のチェックボックスがありません。つまり残高証明書は集めるが提出はしないという扱いです。
シートは大きく9つの区分に分かれています。自分に関係する区分だけを見れば足ります。
| 区分 | 主な検討項目 |
|---|---|
| 相続財産の分割等 | 遺言書の有無、未成年者の有無、戸籍の謄本等、遺産分割協議書 |
| 相続財産 | 不動産/事業(農業)用財産/有価証券/現金・預貯金/家庭用財産/生命保険金・退職手当金等/立木/その他の財産 |
| 債務・葬式費用 | 借入金、未払金、未納の固定資産税、敷金、法要と香典返しの除外 |
| 生前贈与 | 相続時精算課税/暦年課税/教育資金・結婚子育て資金の管理残額 |
| 評価 | 土地/取引相場のない株式/上場株式等/立木 |
| 特例 | 小規模宅地等/特定計画山林/農地等の納税猶予 |
| 税額計算 | 法定相続人数、養子の数、2割加算、各種控除 |
| 分割協議関係 | 遺産分割協議書の写し、印鑑証明書、分割見込書 |
| その他 | 準確定申告、延納・物納、マイナンバーの本人確認、還付の受取場所 |
表の見方:「相続財産」の区分がもっとも項目数が多く、財産の種類ごとに枝分かれします。名義が違う預貯金や有価証券を確認する項目が各所に入っています。
重要ポイント:「その他」の区分には準確定申告の期限(相続開始日の翌日から4か月以内)や延納・物納の申請書を申告書と同時に提出する旨も書かれています。書類の話だけでなく手続の期限も確認できます。
チェックシートそのものの提出について、国税庁は「ご提出くださるようお願いいたします」と書いています。法律上の義務ではありませんが、提出をお願いされている書類です。添付すれば申告内容を検討した過程を示せます。
提出しなくても申告が受理されないわけではありません。ただし記入する作業自体に漏れの発見という効果があるため、使わない理由はありません。
国税庁には「(参考)相続税の申告の際に提出していただく主な書類」という同じ名前の資料が2つあります。内容が違うので注意が必要です。
| 資料 | 掲載場所 | 特例等の区分数 | 版 |
|---|---|---|---|
| 相続税の申告のしかた(令和8年分用)73〜75ページ | 手引の本体 | (1)〜(7) | 令和8年4月1日現在の法令 |
| 提出書類一覧表 | 手引と同じページに別掲 | (1)〜(16) | 令和8年7月 |
表の見方:手引本体は7区分までで、納税猶予の細かい類型が入っていません。別掲の提出書類一覧表なら16区分あり、こちらのほうが新しく詳しいです。
重要ポイント:事業承継税制や医療法人の持分、美術品の納税猶予を使う場合は、手引本体では区分が見つかりません。必ず別掲の一覧表を見てください。

全員に共通して求められる添付書類は限られています。相続人の範囲を明らかにする書類と、マイナンバーの本人確認書類の写しだけです。それぞれに作成日の要件と代替手段があります。
一覧表は3つの書類を並べ、「次のいずれかの書類」としています。
国税庁 提出書類一覧表(1)①:イ 被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本(相続開始の日から10日を経過した日以後に作成されたもの) ロ 図形式の法定相続情報一覧図の写し(…) ハ イ又はロをコピー機で複写したもの
イからハのどれか1つを出せば足ります。ハがあるため、原本を提出する必要はありません。
戸籍の謄本には作成日の要件があります。ここを外すと出し直しになります。亡くなった日から10日を経過した日以後に作成されたものが必要です。死亡届が戸籍に反映されるまでの期間を考慮した要件です。
亡くなった直後に取った戸籍謄本は使えません。死亡の記載が入っていないためです。
| 書類 | 作成日の要件 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本 | 相続開始の日から10日を経過した日以後 | 全員(必須) |
| 被相続人の戸籍の附票の写し | 相続開始の日以後 | 相続時精算課税適用者がいる場合/老人ホーム入居中の小規模宅地 |
| 贈与を受けた配偶者の戸籍の附票の写し | 贈与を受けた日から10日を経過した日以後 | 特定贈与財産を課税価格に加算しない場合 |
表の見方:3つで起算点が違います。戸籍の附票は「相続開始の日以後」で10日を待つ必要がありません。最下段だけは贈与を受けた日が起算点です。
重要ポイント:役所の窓口では作成日を指定できません。取得した書類の発行日を確認し、10日を経過した日以後になっているかを見てください。早すぎた場合は取り直しになります。
戸籍謄本の代わりに、法務局が交付する法定相続情報一覧図の写しを使えます。複数の役所から戸籍を集める手間が省けます。ただし図形式で、子の続柄が実子か養子か分かるように記載されたものに限られます。
一覧図には図形式と列挙形式がありますが、相続税の添付書類として使えるのは図形式だけです。交付を受けるときに形式を指定してください。
注意:被相続人に養子がいる場合は、一覧図の写しに加えてその養子の戸籍の謄本又は抄本の提出も必要です。一覧図だけでは足りません。
原本を出さなければならないと考えている人が多い部分です。一覧表は明確にコピーを認めています。戸籍の謄本も法定相続情報一覧図の写しも、コピー機で複写したもので足ります。原本は自分の手元に残せます。
相続手続きでは金融機関や法務局にも戸籍を出す必要があります。原本を1部確保しておけば、税務署にはコピーを回せます。被相続人の戸籍の附票の写しについても、一覧表は「コピー機で複写したものを含みます」と明記しています。
もう一つの必須書類が本人確認書類の写しです。番号確認と身元確認の2種類が必要です。
| 種類 | 目的 | 使える書類 |
|---|---|---|
| 番号確認書類 | マイナンバー12桁を確認する | マイナンバーカード【裏面】/通知カード/マイナンバー記載のある住民票の写し など |
| 身元確認書類 | その番号の持ち主本人と確認する | マイナンバーカード【表面】/運転免許証/身体障害者手帳/パスポート/在留カード/公的医療保険の資格確認書 など |
| マイナンバーカード1枚で両方を満たす場合 | 表面で身元確認、裏面で番号確認 | 表面と裏面の両面の写しが必要 |
表の見方:マイナンバーカードなら1枚で足りますが、片面だけの写しでは不足です。表裏そろえてください。
重要ポイント:通知カードは、記載された氏名や住所が住民票の内容と一致している場合に限り番号確認書類として使えます。引っ越しや婚姻で内容がずれていると使えません。
税務署の窓口で提出する人は、写しの添付に代えて本人確認書類を提示するだけで構いません。郵送する場合は写しが必要です。
法定相続人の数え方と養子の扱いは、下記の記事で解説しています。

印鑑証明書の有効期限と必要枚数は、下記の記事で解説しています。


ここが書類準備でもっとも負担を減らせる部分です。財産の内容を確認する書類は、集める必要はあっても提出は求められていません。提出不要になる5つのパターンを整理します。
相続財産を評価するために集める書類は、原則として添付しません。預貯金の残高証明書、不動産の固定資産税評価証明書、証券の残高報告書などが該当します。チェックシートの添付欄にチェックボックスが置かれていないためです。
ただし集めなくてよいという意味ではありません。評価の根拠になるので取得は必要で、手元に保管して税務調査に備えます。
注意:提出不要であっても、評価明細書は別です。土地及び土地の上に存する権利の評価明細書や取引相場のない株式の評価明細書は申告書として提出します。証明書類と明細書を混同しないでください。
特例を複数使うと、同じ書類が何度も登場します。一覧表はこれを明示的に排除しています。
国税庁 提出書類一覧表:相続税の申告書に添付して提出していただく主な書類は次のとおりです。なお、重複する書類がある場合には、重ねて提出していただく必要はありません。
配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例を併用する場合、どちらの区分にも「遺産分割協議書の写し」と「相続人全員の印鑑証明書」が並びます。この場合それぞれ1部で足ります。特例の数だけコピーを用意する必要はありません。
小規模宅地等の特例では、居住状況を証明する書類が求められる場面があります。ここにマイナンバーによる省略があります。
| 本来必要な書類 | 提出不要になる条件 |
|---|---|
| 特例の適用を受ける宅地等を自己の居住の用に供していることを明らかにする書類 | 被相続人の配偶者である場合、またはマイナンバーを有する者である場合 |
| 相続開始前3年以内における住所又は居所を明らかにする書類(家なき子特例) | 特例の適用を受ける人がマイナンバーを有する者である場合 |
表の見方:どちらもマイナンバーを持っていれば提出不要です。家なき子特例で3年分の住民票を集める必要はありません。
重要ポイント:家なき子特例では、住所証明のほかに「所有していた家屋に居住していなかった旨を証する書類」なども必要です。これらはマイナンバーでは省略できません。省略できるのは住所・居所の証明部分だけです。
電子申告を選ぶと提出物が減ります。2点で扱いが変わります。1つ目は本人確認書類です。e-Taxで申告手続を行う場合は、本人確認書類の提示または写しの提出が不要です。マイナンバーカードの両面コピーを用意する手間がなくなります。
2つ目は添付書類の形式です。e-Taxなら添付書類をイメージデータで提出できます。戸籍謄本や遺産分割協議書をスキャンして送信できるため、郵送や持参が不要になります。
| 提出方法 | 本人確認書類 | 添付書類 |
|---|---|---|
| 窓口で提出 | 写しの添付に代えて提示でよい | 紙で提出 |
| 郵送 | 写しの添付が必要 | 紙で提出 |
| e-Tax | 提示も写しも不要 | イメージデータで提出できる |
表の見方:e-Taxがもっとも提出物が少なくなります。郵送は本人確認書類の写しが必須なので、相続人が多いと枚数が増えます。
重要ポイント:相続税の申告書はe-Taxで提出(送信)できます。相続人が複数いる場合の代理送信については国税庁がQ&Aを公表しているので、共同で申告するなら先に確認してください。
ここまでを1つの表にまとめました。
| 書類 | 集める | 提出する | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 預貯金の残高証明書・通帳 | 必要 | 不要 | チェックシートに添付欄なし |
| 固定資産税評価証明書 | 必要 | 不要 | 同 |
| 保険証券・支払保険料計算書 | 必要 | 不要 | 同 |
| 2つ目以降の特例で重複する遺産分割協議書の写し | — | 不要 | 重複する書類は重ねて提出不要 |
| 家なき子特例の住所・居所を明らかにする書類 | — | 不要(マイナンバー保有時) | 提出書類一覧表(5)⑤ |
| 本人確認書類の写し | — | 不要(e-Tax時) | 提出書類一覧表1 |
| 土地・株式の評価明細書 | 必要 | 必要(申告書として提出) | 混同しやすい |
表の見方:上3行は緑、最下段は赤で分けています。証明書は出さないが、評価明細書は出すという線引きです。
重要ポイント:提出不要な書類も申告後は保管してください。税務調査では評価の根拠を求められます。捨ててしまうと説明ができません。

財産の種類ごとに集める書類を整理します。チェックシートの区分に合わせれば、漏れの確認まで同時にできます。ここに挙げる書類は原則として提出不要で、評価の根拠として手元に保管するものです。
不動産はもっとも漏れが出やすい財産です。チェックシートは8つの確認項目を置いています。
| 確認項目 | 集める書類 |
|---|---|
| 未登記不動産・共有不動産・先代名義の不動産はないか | 固定資産税評価証明書、登記事項証明書 |
| 他の市区町村や国外に所在する不動産はないか | 各市区町村の名寄帳 |
| 借地権・耕作権はないか | 賃貸借契約書、農業委員会の証明書 |
| 貸付地で「土地の無償返還に関する届出書」を出していないか | 土地の無償返還に関する届出書 |
| 土地に縄延びはないか | 実測図等 |
表の見方:最上段が実務で最も引っかかる部分です。先代名義のまま放置された土地や、登記されていない建物が財産から漏れます。名寄帳を市区町村ごとに取ると確実です。
重要ポイント:実測図や評価明細書には※印が付いており、提出をお願いされています。証明書類とは扱いが違うので、チェックシートの添付欄を確認してください。
証券は名義と増減で漏れます。5つの確認項目があります。
【確認1】株式・出資・公社債・投資信託の受益証券に計上漏れはないか
証券、株券、通帳またはその預り証を集めます。
【確認2】名義は異なるが被相続人に帰属するものはないか(無記名も含む)
家族名義の証券口座は名義預金と同じ論点になります。
【確認3】増資等による株式の増加分や端株の計上漏れはないか
配当金支払通知書に保有株数が表示されているので照合できます。
【確認4】株式の割当を受ける権利、配当期待権はないか
権利確定日と亡くなった日の前後で扱いが変わります。
【確認5】日本国外の有価証券はないか
海外の口座は自動的な情報交換の対象になっています。
配当金支払通知書は保有株数が載っているため、証券会社の残高と突き合わせる資料として有効です。
預貯金は5つの確認項目があり、うち2つが計算に関わります。残高は相続開始日現在で計上します。手元の現金も含めて確認してください。郵便貯金の計上漏れと、名義が異なる預金の帰属が指摘されやすい部分です。
もう一つが既経過利息です。相続開始日に解約するとした場合の利率で計算し、その額から源泉所得税相当額を控除します。
重要ポイント:残高証明書を依頼するときに、あわせて既経過利息の計算書も依頼してください。後から追加で頼むと2週間以上かかることがあります。
保険と退職金は5つの確認項目があります。契約者が誰かで扱いが変わります。
| 確認項目 | 集める書類 |
|---|---|
| 生命保険金の計上漏れはないか | 保険証券、支払保険料計算書 |
| 生命保険契約に関する権利の計上漏れはないか | 保険証券、所得税の確定申告書(控) |
| 契約者が家族名義で、被相続人が保険料を負担していた契約はないか | 同 |
| 退職手当金の計上漏れはないか | 退職金の支払調書 |
| 弔慰金・花輪代・葬祭料の支給を受けていないか | 取締役会議事録等 |
表の見方:中央2行が見落としの中心です。まだ保険事故が発生していない契約でも、被相続人が保険料を払っていれば相続財産になります。
重要ポイント:被相続人の所得税の確定申告書に生命保険料控除が載っていれば、その保険契約が存在する手がかりになります。控えを取り寄せて確認してください。
もっとも項目が多い区分で、12の確認項目があります。近年の追加項目に注意してください。
【見落としやすい財産】
貸付金・前払金、庭園設備、自動車・ヨット、貴金属や金地金・書画骨とう、暗号資産、ゴルフ会員権やレジャークラブ会員権、未収給与・未収地代家賃、未収配当金、特許権・著作権・営業権、未収穫の農産物。
【手続きから生じる財産】
所得税及び復興特別所得税の準確定申告の還付金、損害保険契約に関する権利。
準確定申告で還付を受けた場合、その還付金は相続財産になります。準確定申告と相続税申告を別に考えていると漏れます。
債務控除も書類で裏づけます。3つの確認項目があります。
借入金・未払金・未納の固定資産税や所得税の計上漏れは、納付書や納税通知書、請求書で確認します。入居者から預かっている敷金も返還義務があるため債務です。賃貸借契約書で金額を確認してください。
葬式費用については、含めてはいけないものが2つあります。
注意:法要や香典返しに要した費用、墓石や仏壇の購入費用は葬式費用に含められません。領収証をまとめて計上すると過大控除になります。
名義預金と判定される基準は、下記の記事で解説しています。


ここが提出が必須になる層です。特例を使うなら要件書類の添付は避けられません。国税庁は特例等を16区分に分けています。自分が使う区分だけを見れば足ります。
どの区分を見ればよいかを一覧にしました。
| 区分 | 該当する場合 | 使う人 |
|---|---|---|
| (1) | 一般の場合((2)〜(16)の適用を受けない) | 全員の基本 |
| (2) | 相続時精算課税適用者がいる場合 | 生前贈与で精算課税を選んだ人がいる |
| (3) | 相続開始の年の贈与を特定贈与財産とする場合 | 配偶者へ居住用不動産等を贈与 |
| (4) | 配偶者の税額軽減の適用を受ける場合 | 配偶者が相続する |
| (5) | 小規模宅地等の特例の適用を受ける場合 | 自宅や貸地を相続する |
| (6) | 特定計画山林の特例 | 森林経営計画のある山林 |
| (7) | 特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例 | 同族会社株式の贈与を受けていた |
| (8) | 農地等についての納税猶予及び免除等 | 農業を継ぐ |
| (9)〜(12) | 非上場株式等についての納税猶予(特例措置・一般措置・贈与者死亡) | 事業承継税制を使う |
| (13) | 山林についての納税猶予及び免除 | 山林を継ぐ |
| (14) | 医療法人の持分についての納税猶予・税額控除 | 医療法人の持分がある |
| (15) | 特定の美術品についての納税猶予及び免除 | 登録美術品がある |
| (16) | 個人の事業用資産についての納税猶予及び免除 | 個人事業を継ぐ |
表の見方:一般的な相続で使うのは(1)(4)(5)の3区分です。(6)以降は納税猶予や特殊な資産の話なので、該当しなければ読む必要はありません。
重要ポイント:(9)〜(16)は手引の本体(73〜75ページ)には載っていません。別掲の「提出書類一覧表」だけが16区分をすべて掲載しています。
配偶者が財産を取得するなら必ず使う特例です。必要書類は4点です。
【必要書類】(4) 配偶者の税額軽減
① (1)①に掲げる書類(戸籍の謄本等または法定相続情報一覧図の写し)
② 遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し
③ 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)
④ 申告期限後3年以内の分割見込書(申告期限内に分割ができない場合)
一般の場合では任意だった②の遺産分割協議書の写しが、ここでは必須になります。誰がどの財産を取得したかを示さないと軽減を計算できません。
③の印鑑証明書は遺産分割協議書に押印したものが必要です。手元にある古い印鑑証明書では要件を満たしません。
もっとも書類が多い特例です。①〜④の共通書類に加えて、宅地の類型別に⑤〜⑧が必要になります。
| 類型 | 追加で必要な書類 |
|---|---|
| ⑤ 特定居住用宅地等 | ケースにより3パターン(自己居住の証明/家なき子の3書類/老人ホームの3書類) |
| ⑥ 特定事業用宅地等 | 一定の郵便局舎の敷地の場合は総務大臣が交付した証明書 |
| ⑦ 特定同族会社事業用宅地等 | 法人の定款の写し/発行済株式総数と被相続人等の保有株式数を記載し法人が証明した書類 |
| ⑧ 貸付事業用宅地等 | 3年以内に貸付を始めた場合のみ、3年超の特定貸付事業を明らかにする書類 |
表の見方:⑥は郵便局舎という限定的なケースだけなので、通常の事業用宅地では追加書類がありません。書類が増えるのは⑤の居住用と⑧の貸付用です。
重要ポイント:⑤の3パターンは、特例の適用を受ける人がどの要件で適用を受けるかで決まります。配偶者が取得する場合や、マイナンバーを有する場合は書類の一部が提出不要です。
参照元:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
アパートや駐車場の敷地で小規模宅地等の特例を使う場合、3年ルールに関わる書類が求められます。
国税庁 提出書類一覧表(5)⑧:貸付事業用宅地等が相続開始前3年以内に新たに被相続人等の貸付事業の用に供されたものであるときには、被相続人等が相続開始の日まで3年を超えて特定貸付事業を行っていたことを明らかにする書類
3年以内に貸付を始めた土地は原則として特例の対象外ですが、3年を超えて事業的規模で貸付をしていれば除外されません。その事実を書類で示す必要があります。
チェックシートは具体的な書類名を挙げています。「過去4年分の所得税青色申告決算書(不動産所得用)の写しなど」です。
重要ポイント:3年ではなく過去4年分が求められます。「相続開始の日まで3年を超えて」を証明するには、3年前より前の年の決算書も必要になるためです。
配偶者の税額軽減も小規模宅地等の特例も、原則として申告期限までに分割されていることが要件です。間に合わない場合は、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付します。これを出さないと、後から分割しても特例を使えません。
分割が終わった後に更正の請求をすることで特例を適用できます。見込書は将来の権利を確保するための書類です。
参照元:国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告
小規模宅地等の特例の4類型と併用の判定は、下記の記事で解説しています。

貸付事業用宅地の要件と3年ルールの詳細は、下記の記事で解説しています。

家なき子特例の5要件は、下記の記事で解説しています。


書類がそろったら提出の仕方が問題になります。国税庁は綴じ方と塗り潰しについて明確な指示を出しています。知らずに提出すると、処理が遅れたり個人情報を余分に渡すことになります。
提出書類一覧表の末尾に留意事項があります。
国税庁 添付書類提出に当たっての留意事項:・添付書類は、機械で読み取りますので、のりづけをしないでください。・添付書類が複数枚に及ぶ場合には、クリップ等で留めて提出してください。
理由は機械で読み取るためです。のりで貼った書類は読み取り装置にかけられません。正しい綴じ方と避けるべき綴じ方を整理しました。
| 綴じ方 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| クリップで留める | 推奨 | 国税庁が明示している方法 |
| クリアファイルに入れる | 差し支えない | 取り外せるため読み取りを妨げない |
| のりで貼る | 禁止 | 機械で読み取れない |
| 台紙に貼り付ける | 避ける | のりづけと同じ扱いになる |
表の見方:国税庁が名前を挙げているのはクリップだけです。のりづけは明確に禁止されています。
重要ポイント:ホチキスについて国税庁は明示していませんが、外す手間がかかる点ではのりづけと同じ方向です。指示があるクリップを使うのが安全です。
本人確認書類や特例の証明書類には、塗り潰しの指示があるものがあります。
| 書類 | 塗り潰す部分 | 程度 |
|---|---|---|
| 公的医療保険の資格確認書 | 保険者番号・被保険者等記号・番号 | 復元できない程度 |
| 介護保険の被保険者証 | 保険者番号・被保険者番号 | 復元できない程度 |
表の見方:どちらも「復元できない程度に塗り潰す」と指示されています。薄く線を引くだけでは足りません。
重要ポイント:コピーを取った後に黒マジックで塗り、さらにそれをコピーすると確実です。原本に塗ってはいけません。
どの書類を原本で出し、どれをコピーで出すかを整理します。
【コピーでよいもの】
戸籍の謄本、法定相続情報一覧図の写し、被相続人の戸籍の附票の写し、遺言書、遺産分割協議書、本人確認書類。いずれも一覧表が「コピー機で複写したもの」を認めています。
【原本が必要なもの】
相続人全員の印鑑証明書。遺産分割協議書に押印したものを提出します。
【申告書として提出するもの】
土地及び土地の上に存する権利の評価明細書、取引相場のない株式の評価明細書、申告書第11・11の2表の付表1、申告期限後3年以内の分割見込書。これらは添付書類ではなく申告書の一部です。
マイナンバーカードを本人確認書類にする場合は、表面と裏面の両面の写しが必要です。片面だけでは番号確認と身元確認の両方を満たせません。
投函または送信する前に確認してください。
チェックリスト:提出前に確認する8項目
重要ポイント:チェックシート自体も添付して提出することが求められています。記入したチェックシートを最後に重ねてください。

10か月の期限に対して、書類収集で時間を失う場面は決まっています。先に手を打てる5パターンを示します。
被相続人が転籍を繰り返していると、出生から死亡までの戸籍を複数の役所から集めることになります。郵送請求では1か所で2週間前後かかります。
対策:法定相続情報一覧図の写しを法務局に申し出て取得します。1通で戸籍一式の代わりになり、金融機関の手続きにも使えます。図形式で、子の続柄が実子か養子か分かる記載を指定してください。
残高証明書は依頼から2週間前後、金融機関によっては1か月かかります。既経過利息の計算書を後から追加依頼すると再度待つことになります。
対策:最初の依頼時に「残高証明書」と「既経過利息の計算書」を同時に頼みます。取引明細も死亡日前7年分をあわせて依頼しておくと、名義預金の検討にも使えます。
分割がまとまらないと、配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例が使えません。未分割のまま法定相続分で申告することになります。
対策:申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を必ず添付します。これを忘れると、後で分割しても特例を適用できません。分割後に更正の請求で還付を受けます。
国税庁は申告書作成時に誤りやすい項目を14事例で公表しています。書類がそろった段階で照合すると漏れが見つかります。
| 申告書の表 | 事例 |
|---|---|
| 第1表・第4表 | 兄弟姉妹が相続した場合の2割加算/孫が相続した場合の2割加算 |
| 第2表 | 被相続人と養子縁組を行った孫がいる場合(基礎控除) |
| 第11表の付表3・付表4 | 被相続人以外の名義の財産(預貯金)/準確定申告の還付金/支給されていなかった年金/保険事故が発生していない生命保険契約 |
| 第9表・第11表の付表4 | 生命保険金とともに払戻しを受ける前納保険料 |
| 第13表 | お墓の購入費用に係る借入金/未納の固定資産税・住民税/団体信用生命保険で返済が免除される住宅ローン |
| 第14表 | 亡くなる前の一定期間内の贈与財産 |
表の見方:黄色の2行が件数の多い論点です。名義が違う預貯金と、団信で返済が免除される住宅ローンの債務控除が代表的な誤りです。
注意:第14表の事例は「亡くなる前3年以内の贈与財産」として作成されています。生前贈与の加算期間は令和6年1月1日以後の贈与から7年へ段階的に延長されているため、加算する期間は相続開始時期に応じて確認してください。
主な書類の入手先をまとめました。
| 書類 | 取得先 | 所要日数の目安 |
|---|---|---|
| 戸籍の謄本・戸籍の附票の写し | 市区町村 | 窓口は即日/郵送は2週間前後 |
| 法定相続情報一覧図の写し | 被相続人の本籍地等を管轄する法務局 | 申出から1〜2週間 |
| 登記事項証明書 | 法務局 | 窓口は即日 |
| 固定資産税評価証明書・名寄帳 | 市区町村(東京23区は都税事務所) | 窓口は即日 |
| 残高証明書・既経過利息の計算書 | 各金融機関 | 2週間〜1か月 |
| 印鑑証明書 | 市区町村 | 窓口は即日 |
表の見方:赤い行が律速になります。金融機関への依頼を最優先で出してください。役所の書類は後からでも間に合います。
重要ポイント:手数料は自治体や金融機関で異なります。戸籍の謄本は1通あたり数百円ですが、転籍が多いと通数が増えます。法定相続情報一覧図の写しは交付手数料がかかりません。
老人ホーム入居中に亡くなった場合の適用判定は、下記の記事で解説しています。

納付方法と手数料の比較は、下記の記事で解説しています。


書類をそろえる作業は手間ですが、本当の分かれ目は評価と特例の判断です。同じ書類から出発しても、税理士によって税額が変わります。複数の事務所から見積りを取れば、方針と報酬を比べられます。
書類の要否と特例の要件は連動しています。必要な書類を集められなかったために特例を落とすケースがあります。
実績がある税理士に依頼すべき理由
具体例で示します。自宅の敷地330㎡と貸家の敷地200㎡があり、遺産分割が申告期限に間に合わなかったケースです。
A税理士は分割見込書を添付せずに法定相続分で申告しました。分割が成立した後に特例を適用しようとしましたが、見込書がないため認められませんでした。B税理士は申告時に見込書を添付し、分割後に更正の請求で小規模宅地等の特例を適用しています。
同じ事実でも、1枚の書類の有無で結果が分かれます。書類は税額に直結します。
「書類の準備を代行します」という説明だけでは判断できません。何を比べれば実務力が見えるかを示します。
判定ポイント1:残高証明書を「提出用に」と説明する事務所と、「評価の根拠として手元に保管する」と説明する事務所があります。→ 提出と保管を区別できる事務所のほうが、国税庁の様式を正確に理解していると判定できます。
判定ポイント2:相続の年分を最初に確認するかを見ます。令和8年分用から様式が変更されているため、亡くなった日を聞かずに書類の話を始める事務所は要注意です。→ 年分を確認してから進める事務所のほうが、最新の様式に対応していると判定できます。
判定ポイント3:e-Taxに対応しているかを確認します。e-Taxなら本人確認書類が不要で、添付書類をイメージデータで提出できます。→ e-Taxで申告する事務所のほうが、相続人が多い案件でも書類の負担を抑えられると判定できます。
3つとも具体的に答えられる事務所を選んでください。
書類は集められても、使い方を誤ると税額に跳ね返ります。
相談せずに進めた場合に起きること
金額で示します。自宅の敷地が330㎡で評価額6,600万円のケースで、特定居住用宅地等の80%減が使えれば5,280万円が減額されます。
分割見込書1枚を出し忘れただけで、この減額をすべて失います。相続税の税率が20%なら1,000万円以上の差になります。着手前に複数の税理士から見積りを取れば避けられます。
相談から依頼までの流れを4段階で示します。
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令和8年分用の様式です。国税庁は令和8年分用から様式を変更しているため、令和8年1月1日から12月31日までの間に亡くなった人の申告では令和8年分用のページに掲載されている様式を使ってください。基準は亡くなった日で、申告する日ではありません。
令和7年に亡くなった人の申告を令和8年に行う場合は、令和7年分用の様式を使います。
原則として提出不要です。国税庁のチェックシートでは、これらの書類は「検討資料」として挙げられているものの、添付欄にチェックボックスが置かれていません。チェックボックスがない項目は添付不要という凡例がシートの表頭に明記されています。
ただし財産を評価するための根拠資料なので取得は必要で、申告後も税務調査に備えて保管してください。
コピーで足ります。国税庁の提出書類一覧表は「イ 被相続人の全ての相続人を明らかにする戸籍の謄本」「ロ 図形式の法定相続情報一覧図の写し」「ハ イ又はロをコピー機で複写したもの」の3つを並べ、いずれかを提出すればよいとしています。
原本は金融機関や法務局の手続きに使えるので手元に残せます。ただし戸籍の謄本は相続開始の日から10日を経過した日以後に作成されたものが必要です。
のりづけは禁止されています。国税庁は「添付書類は、機械で読み取りますので、のりづけをしないでください」と明記し、「添付書類が複数枚に及ぶ場合には、クリップ等で留めて提出してください」と指示しています。
ホチキスについては明示がありませんが、外す手間がかかる点ではのりづけと同じ方向なので、指示があるクリップを使うのが安全です。
イメージデータで提出できます。戸籍謄本や遺産分割協議書をスキャンして送信すれば、郵送や持参が不要になります。さらにe-Taxで申告手続を行う場合は、本人確認書類の提示または写しの提出そのものが不要です。
相続人が複数いる場合の代理送信については国税庁がQ&Aを公表しているので、共同で申告するなら事前に確認してください。
相続税申告の添付書類は数が多く見えますが、全員に必須なのは相続人の範囲を明らかにする書類と本人確認書類だけです。
残りは財産の内容と使う特例で決まり、財産の評価に使う証明書類は原則として提出不要です。国税庁のチェックシートを見れば、提出が必要な項目と添付不要な項目を印で区別できます。
▼ この記事の要点
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年8月時点の国税庁公表資料にもとづいて作成しています。「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」は令和8年4月1日現在の法令等にもとづくもので、提出書類一覧表は令和8年7月版です。
様式や添付書類の取扱いは改正により変わる場合があるため、最新の情報は国税庁の公表資料をご確認いただき、個別の判断は税理士にご相談ください。