


相続税の納付方法は7つあります。金融機関の窓口で納めるのが原則ですが、コンビニやクレジットカード、スマホアプリでも納付できます。
どの方法を選んでも納める税額は同じです。ただし、上限額と手数料、領収証書が出るかどうかが違います。
特に注意したいのがクレジットカード納付です。決済手数料がかかるため、ポイント還元率によっては損になります。
コンビニとスマホアプリは手軽ですが、30万円以下という上限があります。相続税は金額が大きくなりやすいため、使えないケースも多くあります。
また、相続人が複数いる場合は、それぞれが自分の税額を納めるのが原則です。代表者がまとめて払うと、贈与とみなされるおそれがあります。
納付の期限は申告と同じ10ヶ月です。遅れると延滞税がかかるため、期限直前でも間に合う方法を知っておくと安心です。
本記事では、7つの納付方法の比較早見表、税額と状況からの選び方、クレジットカードの手数料とポイント還元の損益分岐、複数の相続人がいるときの実務、期限に間に合わないときの対応までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

まず結論からお伝えします。納める税額が30万円を超えるなら、選べるのは窓口・クレジットカード・e-Taxの3系統だけです。全体像を早見表で確認しましょう。
7つの方法を、上限額と手数料で並べます。手数料がかかるのはクレジットカード納付だけで、ほかは無料です。
| 納付方法 | 上限額 | 手数料 | 領収証書 |
|---|---|---|---|
| 金融機関・郵便局の窓口 | なし | 無料 | 発行される |
| 税務署の窓口 | なし | 無料 | 発行される |
| コンビニ | 30万円以下 | 無料 | 発行されない |
| クレジットカード | 1,000万円未満 | 1万円ごとに99円 | 発行されない |
| スマホアプリ | 30万円以下 | 無料 | 発行されない |
| ダイレクト納付(e-Tax) | なし | 無料 | 発行されない |
| インターネットバンキング | なし | 無料 | 発行されない |
表の見方:領収証書が発行されるのは窓口だけです。相続人の間で納付を証明したい場合や、金融機関の手続きで必要な場合は窓口を選んでください。
重要ポイント:コンビニとスマホアプリは30万円以下しか使えません。相続税は数百万円になることが多いため、実際に選べるのは窓口かクレジットカード、e-Tax系が中心です。
どれを選ぶべきかは、税額と事情で決まります。「金額」「領収証書の必要性」「期限までの余裕」の3点で判定すれば迷いません。
| あなたの状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 税額が30万円以下で手軽に済ませたい | スマホアプリ・コンビニ |
| 税額が30万円超〜約990万円でポイントを狙う | クレジットカード(還元率1.0%以上のカード) |
| 税額が990万円を超える | 窓口・ダイレクト納付・インターネットバンキング |
| 領収証書が必要 | 金融機関・郵便局・税務署の窓口 |
| 期限が今日・明日に迫っている | クレジットカード・スマホアプリ・ネットバンキング(24時間) |
| 手数料を1円もかけたくない | 窓口・コンビニ・スマホアプリ・e-Tax系 |
重要ポイント:手数料を避けたい人が最も多く選ぶのは金融機関の窓口です。高額でも上限がなく、領収証書も出るため、迷ったら窓口が無難です。
迷ったときは、上から順に当てはめてください。金額の条件で候補が絞られ、次に領収証書の必要性と期限の余裕で決まります。
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重要ポイント:ほとんどのケースは、STEP2で候補が2〜3個に絞られます。最初に自分の納付税額を確認することが、方法選びの出発点です。
申告から納付までの全体の流れは、下記の記事で解説しています。

同じ相続でも、相続人ごとに向く方法は違います。税額の大きさと、パソコンやスマホの操作に慣れているかで選び分けるのが現実的です。
| 方法 | 向く人 | 向かない人 |
|---|---|---|
| 金融機関・郵便局の窓口 | 高額を確実に納めたい人・領収証書が必要な人 | 平日に時間が取れない人 |
| 税務署の窓口 | 申告書の提出と同時に済ませたい人 | 管轄税務署が遠方の人 |
| コンビニ | 税額30万円以下で近所で済ませたい人 | 30万円を超える人 |
| クレジットカード | 還元率1.0%以上のカードを持つ人・手元資金の確保を先延ばししたい人 | 手数料を避けたい人・限度額が小さい人 |
| スマホアプリ | 税額30万円以下でアプリを使い慣れている人 | 30万円を超える人・残高が足りない人 |
| ダイレクト納付 | 電子申告をする人・納付日を指定したい人 | 期限が迫っている人(届出に時間がかかる) |
| インターネットバンキング | 高額で窓口に行けない人 | ネットバンキングの契約がない人 |
重要ポイント:相続人全員が同じ方法をとる必要はありません。税額が小さい人はスマホアプリ、大きい人は窓口という使い分けができます。

方法を選ぶ前に、共通するルールを押さえます。相続税は金銭による一括納付が原則で、期限は申告と同じ10ヶ月です。ここを外すと延滞税がかかります。
納付の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。申告書の提出期限と同じ日なので、申告書ができてから納税資金を用意するのでは間に合いません。
期限の日が土日祝日にあたる場合は、翌開庁日が期限になります。ただし、金融機関の窓口で納める場合は営業日と営業時間の制約があるため、前日までに済ませるのが安全です。
重要ポイント:期限を1日過ぎただけでも延滞税がかかります。納税資金は、遺産分割の合意と同時に各相続人が用意しておくのが原則です。
期限は「知った日の翌日から10ヶ月」と数えます。たとえば1月10日に亡くなったことを知った場合、期限は同じ年の11月10日です。
その日が土日祝日にあたるときは、翌開庁日が期限になります。ただし金融機関の窓口で納める場合、当日の営業時間内に手続きを終える必要があります。
重要ポイント:期限の起算日は「死亡日」ではなく「知った日」です。遠方の親族で死亡を知るのが遅れた場合は、期限も後ろにずれます。数え方に迷ったら確認してください。
期限の数え方や、特殊なケースの扱いは下記の記事で解説しています。

相続税は、相続人それぞれが自分の税額を納めます。申告書は共同で1通提出できますが、納付は各人が別々に行うのが原則です。
そのため、窓口やコンビニで納める場合は、納付書も相続人ごとに作ります。納付書は税務署に用意されているもので、送られてくるわけではありません。
納付書の入手方法と記入のしかたは、下記の記事で解説しています。

混同されやすいのが、申告と納付の関係です。申告書を提出しただけでは納付は済んでおらず、逆に納付だけしても申告義務は果たせません。
期限が同じ日であるため、まとめて考えがちですが、手続きは別です。申告書を郵送した後、納付を忘れたまま期限を過ぎるケースは実際にあります。
重要ポイント:特例で税額が0円になる人は、申告は必要ですが納付はありません。同じ相続でも、納付が必要な人と不要な人が混在することがあります。
誰が納付する立場なのかを一覧で確認し、全員分が完了したかを最後にチェックしてください。1人でも未納があると、連帯納付義務の問題につながります。
納付方法を決める前に、自分がいくら納めるのかを確定させます。納める金額は、相続税の申告書 第1表の「申告納税額」欄に記載された額です。
相続税は、まず全体の総額を計算し、それを実際に取得した財産の割合で按分します。そのため、遺産分割の内容が確定しないと、各人の納付額も決まりません。
【納付額が決まるまでの流れ】
重要ポイント:控除の結果、税額が0円になる相続人もいます。配偶者の税額軽減で0円になった人は納付が不要ですが、申告書の提出は必要です。
相続人ごとに納付額が違うため、納付書も金額もそれぞれ別になります。誰がいくら納めるのかを一覧にして共有しておくと、漏れを防げます。
誤解が多いのが口座振替です。所得税や消費税で使える振替納税は、相続税では利用できません。毎年の確定申告と同じ感覚で待っていると、期限を過ぎてしまいます。
口座から自動で引き落とす形にしたい場合は、e-Taxのダイレクト納付を使います。こちらは事前の届出が必要で、利用開始までに時間がかかります。
また、相続税は納付書が自動で送られてこないことも、他の税金との違いです。自分で納付書を用意するか、電子的な方法を選ぶ必要があります。

最も一般的な方法が窓口での納付です。上限額がなく、手数料もかからず、領収証書が受け取れるのが強みです。高額の相続税に向いています。
銀行・信用金庫・信用組合・ゆうちょ銀行など、ほとんどの金融機関で納付できます。納付書と現金を持参するだけで手続きが完了し、その場で領収証書を受け取れます。
口座がある金融機関なら、口座からの引き落としで納めることもできます。多額の現金を持ち歩かずに済むため、防犯の面でも安心です。
ゆうちょ銀行や郵便局の窓口でも納付できます。近くに銀行がない地域でも使えますが、取扱時間は銀行より短いことがあるため事前に確認してください。
なお、納付する金融機関は自由に選べます。被相続人が口座を持っていた金融機関でなくてもかまいません。自分が使いやすい店舗で手続きできます。
重要ポイント:納税の窓口は平日の日中しか開いていません。15時で受付が終わる金融機関もあるため、期限日の当日に持ち込むのは避けてください。
窓口で納める場合は、持ち物を確認しておきましょう。納付書と資金があれば手続きできますが、口座から引き落とす場合は通帳と届出印も必要です。
| 持ち物 | 備考 |
|---|---|
| 記入済みの納付書 | 相続人ごとに1枚。金額の訂正はできない |
| 納付する資金(現金) | 高額な場合は口座からの引き落としが安全 |
| 通帳と届出印 | 口座から納める場合に必要(金融機関により異なる) |
| 本人確認書類 | 高額の現金を扱う場合に求められることがある |
当日は、窓口で納付書と資金を渡し、領収印を押した領収証書を受け取ります。領収証書は再発行されないため、受け取ったらすぐに保管してください。
納付書の書き間違いに気づいたら、その場で新しい納付書に書き直します。合計額の欄は訂正できないため、書き損じたら新しい用紙を使うのが原則です。
税務署の窓口でも納付できます。申告書の提出と納付を同じ日に済ませられるのが利点です。記載に不安があるときは、その場で確認できます。
ただし、納付できるのは被相続人の最後の住所地を管轄する税務署だけです。遠方の相続人は、わざわざ出向くことになります。
また、多額の現金を持ち込む必要があるため、実務ではあまり選ばれません。金額が大きい場合は、金融機関で口座から納付するほうが安全です。
納税資金を遺産の預金から出す場合は、口座の凍結が問題になります。金融機関が死亡を把握すると口座は凍結され、遺産分割が終わるまで引き出せなくなります。
解除には、戸籍や遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書などが必要です。書類が揃ってから手続きに2週間程度かかることもあるため、納付の直前に動くのは危険です。
金融機関ごとに必要書類や様式が異なります。複数の口座がある場合は、同時に手続きを始めて待ち時間を重ねるのが効率的です。
| 状況 | 使える手段 |
|---|---|
| 遺産分割が終わっている | 解約または名義変更をして、取得分から納付する |
| 遺産分割が終わっていない | 預貯金の仮払い制度で一部を引き出す |
| 争いがあり合意できない | 家庭裁判所の仮分割の仮処分を検討する |
| どうしても資金が足りない | 延納・売却・借入を検討する |
重要ポイント:仮払い制度では、1つの金融機関につき最大150万円まで単独で払い戻せます。相続開始時の残高×3分の1×自分の法定相続分が上限で、150万円を超える部分は引き出せません。
納税資金として足りるとは限らないため、あくまで応急処置です。遺産分割を早く終えるか、別の資金を用意するのが本筋になります。

コンビニでも相続税を納付できます。24時間いつでも支払える手軽さが利点ですが、30万円以下という上限があります。使える場面は限られます。
コンビニで納めるには、事前の準備が必要です。国税庁のサイトでQRコードを作成して印刷するか、税務署でバーコード付の納付書を発行してもらいます。
ふつうの納付書では支払えません。手元にある納付書をそのままコンビニへ持ち込んでも受け付けてもらえないため、必ず事前に用意してください。
【コンビニ納付の手順】
重要ポイント:コンビニ納付では領収証書は発行されません。受け取れるのは払込金受領証で、正式な領収証書が必要な場合は窓口で納めてください。
すべてのコンビニで納付できるわけではありません。対応しているのは、国税の収納を扱っている大手チェーンで、支払いは現金のみです。
電子マネーやクレジットカード、コード決済では支払えません。バーコードやQRコードを読み取った後、レジで現金を渡す形になります。
重要ポイント:現金しか使えないため、30万円近い金額なら大量の紙幣を持ち込むことになります。手軽さを求めるなら、同じ上限のスマホアプリ納付のほうが現実的です。
また、店舗によっては高額の取り扱いを断られることもあります。事前に店舗へ確認しておくと確実です。
コンビニ納付が向くのは、税額が小さい相続人です。相続人が複数いて、取得した財産が少ない人の税額が30万円以下になるケースでは選択肢になります。
たとえば、相続税の総額が大きくても、按分の結果で1人あたりの税額が20万円台になることはあります。その相続人だけコンビニで納める、という使い分けも可能です。
一方、30万円を超える人が同じ方法を使うことはできません。分割して2回に分けても、上限を超える納付をコンビニで行うことは認められていません。
納付でつまずく人には、共通する思い込みがあります。この4つを外しておけば、期限直前に慌てることはありません。順に確認しましょう。
【誤解1】納付書が郵送されてくる
相続税の納付書は送られてきません。税務署や一部の金融機関で自分で入手します。届くのを待っていると期限を過ぎます。
【誤解2】口座振替にできる
振替納税が使えるのは所得税や消費税だけです。相続税では使えず、口座引き落としにしたいならダイレクト納付の届出が必要です。
【誤解3】税務署に頼めば分割払いにできる
分割で納めるには延納の申請が必要で、期限内の申請が条件です。担保の提供や利子税もかかります。
【誤解4】相続人の誰かが払えば済む
各相続人が自分の税額を納めるのが原則です。代表者がまとめて負担したままにすると、贈与とみなされるおそれがあります。
いずれも、知らないまま進めると期限や税負担に直結します。特に納付書と振替納税の2つは、他の税金との違いを押さえておいてください。

クレジットカードでも相続税を納付できます。ポイントが付く一方で決済手数料がかかるため、還元率によっては損になります。数字で判断しましょう。
クレジットカード納付には決済手数料がかかります。国税庁の料額表では、納付税額1万円までが99円で、1万円を超えるごとに99円ずつ加算されます。おおよそ1%弱の負担です。
| 納付税額 | 決済手数料 |
|---|---|
| 10万円 | 990円 |
| 50万円 | 4,950円 |
| 100万円 | 9,900円 |
| 500万円 | 49,500円 |
| 900万円 | 89,100円 |
計算ロジック:手数料は「納付税額÷1万円(端数は切り上げ)×99円」で計算します。500万円なら500単位×99円=49,500円で、決して小さい負担ではありません。
なお、古い情報では「1万円ごとに83.6円」と書かれていることがあります。手数料は改定されているため、実際の金額は納付サイトのシミュレーションで確認してください。
気になるのは、手数料を払ってもポイントで得になるかです。手数料率が約0.99%なので、還元率が1.0%未満のカードでは確実に損になります。100万円で比べてみましょう。
| カードの還元率 | 100万円納付時のポイント | 手数料9,900円との差 |
|---|---|---|
| 0.5% | 5,000円相当 | 4,900円の損 |
| 1.0% | 10,000円相当 | 100円の得(ほぼ均衡) |
| 1.5% | 15,000円相当 | 5,100円の得 |
重要ポイント:還元率1.0%でもほぼ均衡にすぎません。税金の支払いはポイント付与の対象外や、還元率が下がるカードもあるため、事前にカード会社の規定を確認してください。
ポイントの付与上限が設定されているカードもあります。高額の納付では上限に達して、期待した還元を受けられないこともあります。
複数のカードに分けて納付することもできますが、手数料は回数分かかります。分けても手数料の総額は変わらないため、限度額の都合で分ける以外に得はありません。
手数料は納める税金とは別の負担で、経費として差し引くこともできません。単純にコストとして出ていくお金であることを踏まえて判断してください。
クレジットカード納付には、手数料以外にも注意点があります。上限は手数料を含めて1,000万円未満で、カードの利用限度額も超えられません。
注意:クレジットカード納付には次の制約があります。領収証書が発行されない/手続きの完了後は取消や訂正ができない/他人名義のカードは使えない/納税証明書に反映されるまで3週間程度かかる/誤って納付しても手数料は返ってこない。
手続きは「国税クレジットカードお支払サイト」から行います。納付日は手続きが完了した日で、カードの引き落とし日が期限後になっても延滞税はかかりません。
その意味では、手元の資金がまだ用意できていないときに、期限内納付を確保する手段としても使えます。手数料を承知のうえで選ぶなら合理的です。
手続きはインターネット上で完結します。納付書は不要で、5つのステップで10分ほどで終わります。流れを確認しましょう。
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重要ポイント:入力を間違えても、完了後は取消も訂正もできません。税額と課税期間(相続開始の日)は、確定する前に必ず読み返してください。
なお、分割払いやリボ払いを選べるかはカード会社の設定によります。手数料に加えてカード会社の金利もかかるため、総額での負担を確認してから選びましょう。

スマホの決済アプリでも納付できます。手数料が無料で24時間手続きできますが、コンビニと同じく30万円以下という上限があります。
利用できるのは、事前にチャージした残高で支払うPay払いです。PayPay・d払い・au PAY・楽天ペイ・メルペイ・Amazon Payなどが対象で、決済手数料はかかりません。
納付は「国税スマートフォン決済専用サイト」から行います。納付書は不要で、画面の案内に沿って税目や金額を入力するだけです。
重要ポイント:アプリごとに1回あたりの上限額が設定されています。残高が足りているか、アプリ側の上限に引っかからないかを事前に確認してください。
手順はシンプルです。専用サイトで納付情報を入力し、アプリを選んで支払うだけで、納付書もカードも不要です。
【スマホアプリ納付の流れ】
事前にアプリへのチャージが必要です。クレジットカードからのチャージでポイントが付く場合もありますが、税金の支払いは対象外とする事業者もあります。
なお、ポイントが付くかどうかはアプリごとに異なります。手数料は無料なので、還元がなくても損はしません。
スマホアプリ納付は、制度の見直しが続いています。2025年からは、複数回に分けて30万円を超える金額を納付することができなくなりました。
また、対応するアプリも入れ替わっています。LINE Payは2025年4月末でサービスを終了しており、以前の記事の情報がそのまま使えるとは限りません。
利用できるアプリの最新の一覧は、国税庁のサイトで確認してください。相続税で使えるのは、税額が30万円以下になる相続人に限られると考えておくのが実務的です。
参照元:国税庁 スマホアプリ納付のQ&A

e-Taxを使う納付方法が2つあります。どちらも上限額がなく手数料も無料なので、高額の相続税を自宅から納めたい場合に向いています。
ダイレクト納付は、届け出た口座から引き落とす方法です。納付する日を指定できるため、期限日に合わせた予約もできます。
利用するには、e-Taxの利用開始手続きと「ダイレクト納付利用届出書」の提出が必要です。書面で提出すると利用できるまで1ヶ月程度かかるため、早めの準備が前提になります。
注意:期限が近づいてから思いついても、ダイレクト納付は間に合いません。届出から利用開始まで時間がかかるため、申告を電子で行う予定なら、申告の準備と同時に届出を出しておいてください。
もう一つが、インターネットバンキングを使う方法です。Pay-easy(ペイジー)に対応した金融機関なら、24時間その場で納付できます。
e-Taxの利用開始手続きは必要ですが、ダイレクト納付のような届出書の提出は不要です。納付情報を登録し、発行された番号をネットバンキングの画面で入力して支払います。
金融機関のインターネットバンキング契約が前提になります。窓口へ行けない、期限が迫っている、高額で上限を超える。この3つが重なるときの現実的な選択肢です。
重要ポイント:e-Tax系の方法では、いずれも領収証書は発行されません。納付の証明が必要なときは、税務署で納税証明書を取得することになります。
どちらも、先にe-Taxの利用開始手続きが必要です。ダイレクト納付は届出書の提出まで、インターネットバンキングは納付情報の登録までが準備になります。
【ダイレクト納付を使う準備】
【インターネットバンキングを使う準備】
重要ポイント:ダイレクト納付は届出に時間がかかる点が最大の注意点です。申告を電子で行う予定なら、申告書の作成と同時に届出を出しておきましょう。
ATMのペイジー機能を使って納める方法もあります。ネットバンキングの契約がなくても、対応するATMがあれば納付できます。

★写真に写っている領収書は自身で作成したものです。
電子的な方法で納めると、領収証書は発行されません。納付を証明する必要が出たときは、税務署で納税証明書を取得します。何が残るのかを整理しておきましょう。
方法によって、手元に残る書類が変わります。領収証書が発行されるのは窓口だけで、それ以外は自分で記録を残す必要があります。
| 納付方法 | 手元に残るもの |
|---|---|
| 金融機関・郵便局・税務署の窓口 | 領収証書(正式な証明になる) |
| コンビニ | 払込金受領証(レシート) |
| クレジットカード | サイトの完了画面・カードの利用明細 |
| スマホアプリ | アプリの取引履歴・完了画面 |
| ダイレクト納付・ネットバンキング | e-Taxのメッセージボックス・通帳の記録 |
重要ポイント:完了画面はその場で保存してください。画面を閉じると再表示できない方法もあるため、スクリーンショットやPDFで残すのが安全です。
正式な証明が必要なときは、納税証明書を取得します。税務署の窓口・郵送・e-Taxのいずれでも請求でき、1税目1年度あたり数百円の手数料がかかります。
必要になる場面は限られますが、金融機関から融資を受けるときや、相続人の間で納付の事実を確認したいときに使えます。
注意:クレジットカード納付の場合、納付の事実が納税証明書に反映されるまで3週間程度かかります。証明書をすぐに必要とする予定があるなら、クレジットカード納付は避けるか、時間の余裕を見てください。
電子申告をしている場合は、e-Taxのメッセージボックスに納付の記録が残ります。申告と納付を同じe-Tax上で行っておくと、後から確認しやすくなります。

相続人が複数いる場合、納付には独特の注意点があります。代表者がまとめて払うと贈与とみなされるおそれがあり、他の人が滞納すると自分に請求が来ることもあります。
手続きを簡単にしたいからと、代表者が全員分をまとめて納めるケースがあります。この場合、他の相続人の税金を代表者が負担したことになり、贈与とみなされるおそれがあります。
贈与と判断されると、負担してもらった相続人に贈与税がかかります。せっかく相続税を納めたのに、別の税金が発生するという事態になります。
【贈与とみなされないための実務】
重要ポイント:一時的な立替そのものが問題になるわけではありません。精算せずにそのままにしておくことが、贈与と判断される原因です。振込で記録を残しておきましょう。
もう一つ知っておきたいのが連帯納付義務です。相続人の誰かが相続税を納めない場合、他の相続人が代わりに納める義務を負います。
負担する範囲は、自分が相続によって受けた利益の価額が限度です。とはいえ、自分の分をきちんと納めていても請求が来る可能性があるという点は、驚かれることが多いルールです。
滞納が続くと、税務署から連帯納付義務者に納付通知書が届きます。金額は税務署が計算するため、自分で計算して納める必要はありません。
注意:連帯納付義務は「他の相続人が払えるかどうか」を確認せずに遺産分割を進めると顕在化します。納税資金が足りない相続人がいる場合は、その人が現金を多く取得する分け方にするなど、分割の段階で手当てしてください。
相続人が海外に住んでいる場合は、追加の手続きが必要です。日本に住所がない人は「納税管理人の届出書」を提出し、国内の代理人を通じて申告と納付を行います。
納税管理人は、日本国内に住所がある人であれば親族でも税理士でもかまいません。届出をしておけば、税務署からの書類も納税管理人に届きます。
【海外在住の相続人がとる段取り】
海外の口座から直接納付するのは現実的ではありません。送金に時間と手数料がかかるため、国内の口座を使うか納税管理人に立て替えてもらい、後で精算する形が一般的です。
立て替えた場合は、やはり精算の記録を残してください。海外送金の明細を保管しておけば、贈与とみなされる心配もありません。
納付する義務があるのは、財産を取得した人です。相続放棄をした人は財産を取得しないため、相続税の納付も必要ありません。
ただし、放棄をしても生命保険金や死亡退職金を受け取った場合は、みなし相続財産として課税されます。この場合は納付が必要で、非課税枠も使えません。
遺言で財産を受け取った受遺者も、相続人と同じように納付します。相続人以外が受け取った場合は、税額が2割加算される点にも注意してください。
重要ポイント:放棄をした人は連帯納付義務も負いません。一方、保険金だけを受け取った人は納付義務があるため、自分が納める立場かどうかを早めに確認してください。
納付後は、記録を残しておくことが大切です。領収証書が出ない方法で納めた場合は、決済の画面や払込金受領証を保管してください。
相続人の間で「誰がいくら納めたか」を共有しておくと、後の精算やトラブル防止に役立ちます。立替があった場合は、なおさら記録が必要です。
記録は税務調査でも役立ちます。誰の資金で納めたかを説明できれば、資金移動を疑われたときにも根拠を示せます。
正式な証明が必要になったときは、税務署で納税証明書を取得できます。クレジットカード納付の場合は、反映までに3週間程度かかる点に注意してください。

期限が迫っている、資金が足りないという場合の対応を整理します。24時間使える方法を知っておけば、期限当日でも納付できます。
窓口は営業時間内しか使えませんが、電子的な方法は24時間対応です。クレジットカード・スマホアプリ・インターネットバンキングなら、期限日の深夜でも手続きできます。
| 方法 | 当日でも間に合うか | 条件 |
|---|---|---|
| クレジットカード | 間に合う(24時間) | 手数料がかかる・約990万円まで |
| スマホアプリ | 間に合う(24時間) | 30万円以下・残高が必要 |
| インターネットバンキング | 間に合う(24時間) | e-Taxの利用開始手続きが済んでいること |
| コンビニ | QRコードを作れれば間に合う | 30万円以下・事前準備が必要 |
| 金融機関・税務署の窓口 | 営業時間内のみ | 15時で受付終了の場合もある |
| ダイレクト納付 | 間に合わないことが多い | 届出から利用開始まで1ヶ月程度 |
重要ポイント:手数料を払ってでも期限内に納めるほうが、延滞税より安く済むことがあります。期限に間に合わないと判断したら、クレジットカード納付で一度確定させる選択も検討してください。
期限を過ぎると延滞税がかかります。納期限の翌日から2ヶ月以内は年2.8%、それを過ぎると年9.1%に上がります(2026年の割合)。
| 遅れた期間 | 500万円の延滞税(概算) |
|---|---|
| 1ヶ月 | 約1万1,000円 |
| 2ヶ月 | 約2万3,000円 |
| 6ヶ月 | 約17万5,000円 |
| 1年 | 約40万9,000円 |
計算ロジック:2ヶ月までは年2.8%、以降は年9.1%で日割り計算します。500万円を1年放置すると約41万円で、クレジットカードの手数料(約4万9,500円)の8倍以上です。
資金が用意できない場合は、方法を変えるだけでは解決しません。売却・延納・物納・借入のいずれかを、期限内に判断する必要があります。
| 選択肢 | ポイント |
|---|---|
| 相続財産の売却 | 10ヶ月以内に決済まで終える必要がある |
| 延納 | 期限内の申請が必要。担保と利子税がかかる |
| 物納 | 最終手段。許可制で要件が厳しい |
| 金融機関からの借入 | 一括納付して延滞税を止める。金利と比較する |
延納は期限内の申請が条件です。期限を過ぎてから「分割で払いたい」と申し出ても認められません。9ヶ月目までに判断してください。
また、延納が認められるのは「金銭で納付することが困難な金額」までです。手元の預金や、生活費を除いた資金で払える分は、現金で納める前提になります。
そのため、延納を使っても全額を分割にできるとは限りません。一部は期限内に現金で納める必要があるため、資金の確認は早めに行ってください。
手段ごとの向き不向きは、下記の記事で解説しています。

延納の要件や担保の考え方は、下記の記事で詳しく解説しています。

相続税の納付は、一度で終わらないこともあります。修正申告や延納を選んだ場合は、後日あらためて納付する場面が出てきます。
| ケース | 納付のタイミング |
|---|---|
| 修正申告をした | 修正申告書を提出した日が納期限(その日までに納付) |
| 税務署の更正を受けた | 通知書に記載された納期限 |
| 延納が許可された | 毎年の分納期限ごとに、本税と利子税を納付 |
| 延滞税・加算税が確定した | 税務署から示された金額を、指定の期限までに納付 |
重要ポイント:修正申告は「提出した日」が納期限です。資金を用意しないまま提出すると、その日から延滞税が発生します。提出と納付は同時に進めてください。
延納を選んだ場合は、毎年の分納期限を忘れないように管理します。1回でも遅れると延納の許可が取り消され、残額を一括で求められることがあります。
納付した後に、税額が多すぎたと分かることもあります。土地の評価が過大だった場合などは、申告期限から5年以内に更正の請求をすれば還付を受けられます。
還付になるのは、評価の見直しで課税価格が下がったケースが典型です。不整形地の補正もれや、小規模宅地等の特例の適用もれが見つかることもあります。
還付の請求をすると、納めすぎた税金に加えて還付加算金が付く場合があります。ただし請求しなければ戻ってこないため、心当たりがあるなら早めに検討してください。
期限を過ぎてしまったときの対応は、下記の記事で解説しています。

納付の場面で起きやすい失敗を挙げます。多くは「納付書がない」「上限を知らなかった」「期限当日に窓口が閉まっていた」の3つです。
事例1:納付書が届くと思って待っていた
相続税の納付書が送られてくると思い込み、期限直前まで待っていたケース。相続税の納付書は自動で送付されないため、慌てて税務署へ行くことになりました。
対策:納付書は税務署か一部の金融機関で入手します。申告書を作る段階で用意しておきます。
事例2:コンビニで払おうとして断られた
手元の納付書を持ってコンビニへ行ったが、バーコードがなく支払えなかったケース。税額も30万円を超えていたため、そもそも対象外でした。
対策:30万円以下であることと、QRコードまたはバーコード付納付書があることを事前に確認します。
事例3:期限当日に窓口が閉まっていた
期限日の夕方に金融機関へ向かったが、納税の受付が終わっていたケース。翌日の納付になり、延滞税がかかりました。
対策:窓口は前日までに済ませます。当日になったら、24時間使える方法に切り替えます。
事例4:代表者が全員分を立て替えたまま精算しなかった
長男が相続人全員分の相続税をまとめて納付し、そのまま精算しなかったケース。他の相続人への贈与とみなされるリスクが生じました。
対策:各人が自分の口座から納めます。立て替えた場合は速やかに精算し、振込の記録を残します。
重要ポイント:4つの事例に共通するのは、納付方法の条件を直前まで確認していなかったことです。申告書ができた段階で、どの方法で誰がいつ納めるかを決めておきましょう。
納付の前に、次の項目を確認してください。1つでも埋まらない項目があれば、期限直前に慌てる原因になります。

納付は最後の工程ですが、金額と期限の管理を誤ると負担が増えます。相続税の対応実績がある税理士なら、税額の確定から納税資金の手当てまで一貫して任せられます。複数の税理士に一括で相談し、比較して選ぶのがおすすめです。
納付でつまずく原因は、税額の確定が遅れることにあります。実績のある税理士は、早い段階で税額を試算し、資金が足りるかどうかを先に判断します。
相続税の対応実績がある税理士が必要な理由
たとえば不動産が中心の遺産では、現金が足りなくなるケースが多くあります。売却や延納の準備には数ヶ月かかるため、早い段階での見通しが結果を変えます。
相続税に対応している税理士でも、納税資金への目配りには差があります。見積りや初回相談で、次の3点を比べてみてください。
「申告実績数・納税資金の提案・期限管理の方法」の3点を確認すれば、任せられる事務所かを見分けられます。
判定ポイント1:相続税申告の実績数
年間の相続税申告の件数を確認します。「年間5件」と「年間100件以上」では、資金が足りないケースへの対応経験が違います。→ 実績数が多い税理士のほうが、想定外に強いと判定できます。
判定ポイント2:納税資金の提案があるか
見積りの段階で納税資金の話が出るかを見ます。「税額の計算だけ」と「資金の手当てまで提案する」では、期限直前の安心感が違います。→ 資金まで踏み込む税理士のほうが、実務を任せられると判定できます。
判定ポイント3:期限管理の方法
いつまでに何を決めるかの工程を示せるかを確認します。「随時連絡します」と「9ヶ月目までに資金を確定する」では、遅れたときの立て直し方が違います。→ 工程を示せる税理士のほうが、期限内納付を任せられると判定できます。
自分だけで進めると、納付の段階でつまずきやすくなります。税額の確定が遅れると、資金の手当ても延納の申請も間に合わなくなります。
相続税の納付は、期限を1日過ぎただけで延滞税がかかります。相談しないまま進めると、具体的には次のようなリスクがあります。
相談せずに進めた場合のリスク
これらの多くは、早い段階で複数の税理士に相談していれば防げたものです。相談は無料のことが多く、動くなら早いほど選択肢が広がります。
実際に一括相談・見積りを利用する流れは、次の4ステップです。フォームの記入自体は5分ほどで終わります。
相続税の申告期限は10ヶ月なので、相続開始から7ヶ月以内に依頼先を決めておくと安心です。
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重要ポイント:納税資金が不足しそうな場合は、その旨を最初に伝えてください。売却や延納の経験がある事務所かどうかで、提案の中身が大きく変わります。
金融機関・郵便局の窓口、税務署の窓口、コンビニ、クレジットカード、スマホアプリ、ダイレクト納付、インターネットバンキングの7つです。上限額はコンビニとスマホアプリが30万円以下、クレジットカードが1,000万円未満で、窓口とe-Tax系には上限がありません。
決済手数料が1万円ごとに99円(約0.99%)かかるため、ポイント還元率が1.0%未満のカードでは損になります。100万円の納付なら手数料は9,900円です。税金の支払いは還元率が下がるカードもあるため、事前に規定を確認してください。
原則として各相続人が自分の税額を納めます。代表者が負担したままにすると、他の相続人への贈与とみなされるおそれがあります。一時的に立て替える場合は、速やかに精算し、振込の記録を残してください。
クレジットカード、スマホアプリ、インターネットバンキングは24時間手続きできます。ただしスマホアプリは30万円以下、インターネットバンキングはe-Taxの利用開始手続きが済んでいることが条件です。窓口は営業時間内しか使えません。
できません。振替納税が使えるのは所得税や消費税で、相続税は対象外です。口座から引き落とす形にしたい場合は、e-Taxのダイレクト納付を利用します。ただし届出から利用開始まで1ヶ月程度かかるため、早めの準備が必要です。
相続税の納付方法は7つあり、上限額と手数料、領収証書の有無が違います。30万円以下ならコンビニやスマホアプリが手軽ですが、それを超えるなら窓口・クレジットカード・e-Tax系から選びます。
クレジットカードは手数料が1万円ごとに99円かかります。そのため、還元率1.0%未満のカードでは損になる点に注意してください。
大切なのは、税額の確定と資金の準備を早めに終えることです。以下のアクションから始めましょう。
※本記事は2026年7月時点の情報にもとづいて作成しています。決済手数料や延滞税の割合は変更される場合があります。個別の判断にあたっては、最新の情報を国税庁の公式サイトで確認するか、相続税の対応実績がある税理士にご相談ください。