


相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)は、10年以内に続けて相続が起きたとき、前の相続で納めた相続税の一部を今回の相続税から差し引ける制度です。
差し引ける額は、前の相続から1年たつごとに10%ずつ減り、10年を過ぎると使えなくなります。
父が亡くなった数年後に母が亡くなるような「二次相続」では、同じ財産に短い間隔で2回相続税がかかります。
この負担を和らげるのが相次相続控除ですが、前の相続で税金を納めていなければ使えません。
また、今回の相続でどう分けるかによって、計算した控除が使われずに消えてしまうことがあります。
控除を入れ忘れた場合や、前の相続の税額があとから変わった場合の直し方も押さえておく必要があります。
本記事では、相次相続控除を使える4つの条件、計算式と計算例、申告の手続き、分け方で控除が消える仕組み、修正申告の対応までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

相次相続控除は、相続税法20条に定められた税額控除です。前の相続から10年以内に次の相続が起きたとき、前回納めた相続税の一部を今回の相続税から差し引けます。
税額控除とは、計算した相続税額から直接差し引く控除のことです。財産の額から差し引く基礎控除とは違い、控除した額がそのまま納める税金の減少になります。
父が亡くなって母が財産を相続し、相続税を納めたとします。その数年後に母が亡くなると、子は母が父から受け継いだ財産にも、もう一度相続税を納めることになります。
同じ財産に短い間隔で2回課税されると、財産は短期間で大きく目減りします。相次相続控除は、この2回目の課税を前回の税額の範囲で軽くする仕組みです。
間隔が短いほど負担が重くなるため、控除額は前の相続からの年数が短いほど大きくなります。1年たつごとに10%ずつ減り、10年で使えなくなります。
相次相続控除の骨格
なお「相続税の10年ルール」と呼ばれるものには、海外に住む人や海外財産にどこまで相続税がかかるかを決める規定もあります。相次相続控除の「10年以内」とは別の制度です。
海外に住む相続人や海外財産がある場合の10年ルールは、下記の記事で解説しています。

相次相続控除では、2つの相続を区別して考えます。条文では、前に起きた相続を「第一次相続」、今回の相続を「第二次相続」と呼んでいます。
注意したいのは、控除を受けるのが今回の相続で財産を受け取る人だという点です。前の相続で税金を納めた本人(今回亡くなった人)が控除を受けるわけではありません。
| 項目 | 前の相続(第一次相続) | 今回の相続(第二次相続) |
|---|---|---|
| 亡くなった人 | 父 | 母 |
| 財産を受け取った人 | 母・子 | 子 |
| 相続税を納めた人 | 母(この税額が控除の元になる) | 子 |
| 相次相続控除 | 使わない | 子が使う |
一般に言う「一次相続・二次相続」と同じ関係です。ただし夫婦間に限った制度ではなく、祖父から父、父から子のように世代をまたいで続いた相続でも使えます。
控除額は、前回の相続税額と経過年数でおおよそ決まります。今回の財産が前回受け取った財産(税引き後)以上あれば、下の表の金額が相続人全員の控除額の合計になります。
| 前回の相続税額 | 1年未満 | 2年 | 4年 | 6年 | 8年 | 9年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 300万円 | 240万円 | 180万円 | 120万円 | 60万円 | 30万円 |
| 500万円 | 500万円 | 400万円 | 300万円 | 200万円 | 100万円 | 50万円 |
| 1,000万円 | 1,000万円 | 800万円 | 600万円 | 400万円 | 200万円 | 100万円 |
| 2,000万円 | 2,000万円 | 1,600万円 | 1,200万円 | 800万円 | 400万円 | 200万円 |
表の見方:左の列が、今回亡くなった人が前の相続で納めた相続税額です。上の行は前の相続から今回の相続までの年数で、交わるマスが相続人全員の控除額の合計の目安になります。
重要ポイント:控除額が今回の相続税額より大きくても、差額は戻ってきません。控除は各相続人の相続税額が0円になるところで止まります。
計算ロジック:前回の相続税額×(10−経過年数)÷10で出しています。今回の財産の合計が「前回受け取った財産−前回の税額」以上だと取得割合が100%になるため、この式になります(相続税法20条)。

相次相続控除は、次の4つの条件をすべて満たすときに使えます。1つでも欠けると控除額は0円です。
国税庁のタックスアンサーは3つに整理していますが、ここでは判定しやすいように「前の相続で財産を受け取ったこと」と「相続税を納めたこと」を分けて4つにしています。
前の相続の開始日(前に亡くなった人の死亡日)から、今回の相続の開始日までが10年以内であることが条件です。申告した日や遺産分割の日ではなく、死亡日どうしで数えます。
10年を過ぎていれば控除は使えません。年数の数え方は1年未満を切り捨てるため、前の相続から9年11か月で今回の相続が起きた場合は9年として扱い、前回の税額の10%分が残ります。
今回亡くなった人が、前の相続で財産を相続または遺言で受け取っていることが必要です。前の相続で何も受け取っていなければ、前回の税額が生じないため対象外です。
前の相続で亡くなった人から、相続時精算課税を選んで生前に贈与を受けていた財産も含まれます。相続時精算課税とは、生前の贈与を相続のときにまとめて精算する贈与税の制度です。
前の相続で、今回亡くなった人に相続税が課されていたことが条件です。配偶者の税額軽減で前回の納税が0円だった場合は、相次相続控除は使えません。
配偶者の税額軽減(いわゆる配偶者控除)は、配偶者が取得した財産のうち1億6,000万円か法定相続分の多いほうまで、相続税がかからない制度です。
国税庁の質疑応答でも、2年前に父が亡くなり、母が配偶者の税額軽減で納税0円だった例では、母の相続で控除を受けられないと示されています。父→母→子の流れで最もよく起きる「使えない」パターンです。
前回の納税が0円になる主なケース
控除を受けられるのは、今回亡くなった人の相続人だけです。相続を放棄した人は、遺言で財産を受け取っても控除を受けられません(相続税法基本通達20-1)。
代襲相続人や養子でない孫、内縁の配偶者など、相続人ではない人が遺言で財産を受け取った場合も対象外です。相続人が複数いれば、取得した財産の割合に応じて控除額を分け合います。
次の4項目がすべて当てはまれば、相次相続控除を使える見込みです。1つでも当てはまらなければ控除額は0円なので、右の列の書類で確かめてください。
| 確認すること | 確かめる書類 | 当てはまらないとき |
|---|---|---|
| 前の相続の死亡日から今回の死亡日まで10年以内か | 前に亡くなった人の除籍謄本 | 使えない |
| 今回亡くなった人は前の相続で財産を受け取ったか | 前回の遺産分割協議書・申告書 | 使えない |
| 前の相続で実際に相続税を納めたか | 前回の申告書(第1表)・領収証書 | 使えない |
| 控除を受ける人は相続人で、相続放棄をしていないか | 戸籍謄本・相続放棄申述受理通知書 | その人は使えない |
重要ポイント:3つ目は前回の申告書がないと確かめられません。控えが見つからなくても、税務署で前回の申告書を閲覧できます(相続人全員の委任状などが必要です)。
参照元:国税庁 相続税法基本通達 第20条《相次相続控除》関係

相次相続控除の額は、相続人ごとに次の式で計算します。記号が5つ出てきますが、前回の申告書と今回の財産の額が分かれば計算できます。
計算式:各相続人の控除額=A×C÷(B−A)×D÷C×(10−E)÷10
※C÷(B−A)が1を超えるときは1として計算する
5つの記号は、前回の申告書から拾うものと、今回の申告書から拾うものに分かれます。各相続人の控除額は「全員の控除額×その人の取得割合」という形になっています。
| 記号 | 意味 | どこで確認するか |
|---|---|---|
| A | 今回亡くなった人が前の相続で納めた相続税額 | 前回の申告書 |
| B | 今回亡くなった人が前の相続で受け取った財産の額(借金・葬式費用を引いた後) | 前回の申告書 |
| C | 今回の相続で財産を受け取った全員の財産の合計(同上) | 今回の申告書 |
| D | 控除を受ける相続人が今回受け取った財産の額(同上) | 今回の申告書 |
| E | 前の相続から今回の相続までの年数(1年未満は切り捨て) | 戸籍の死亡日 |
式の前半「A×C÷(B−A)」で相続人全員の控除額を出し、「D÷C」で各相続人に割り振り、最後に「(10−E)÷10」で年数に応じて減らす、という3段階で読むと分かりやすくなります。
Aは前の相続で「課された相続税額」ですが、次のものは含めません。申告書や納付書の金額をそのまま使うと、控除額を多く計算してしまうことがあります。
Aから除くもの
精算課税の贈与税は、相続税の計算で差し引かれます。二重に数えないよう、Aは差し引いた後の額を使います(相続税法基本通達20-3)。

B・C・Dの財産の額は、受け取った財産から借金や葬式費用を差し引いた後の金額です(相続税法基本通達20-2)。財産の総額のまま計算すると、取得割合がずれます。
財産から借金や葬式費用を差し引くことを「債務控除」といいます。例えば、今回5,000万円の財産を受け取り、借金300万円と葬式費用100万円を負担した相続人のDは4,600万円です。
生命保険金の非課税枠や小規模宅地等の特例で減らした後の、相続税の計算に使う金額で考えます。この金額を「課税価格」といい、申告書の第1表に載っています。
Cには、相続人でない人が遺言で受け取った分も含めます。受遺者の取得が多いほど各相続人のD÷Cは小さくなり、その分の控除は誰にも使われません。
重要ポイント:B・C・Dは「申告書の第1表に載る課税価格」と覚えておくと確認しやすくなります。Bは前回の申告書、C・Dは今回の申告書の同じ欄を見れば拾えます。

Eは前の相続の日から今回の相続の日までの年数で、1年未満の端数は切り捨てます。切り捨てなので、相続人にとっては有利な数え方です。
| 前の相続からの期間 | E | 控除される割合((10−E)÷10) |
|---|---|---|
| 1年未満 | 0年 | 100% |
| 2年6か月 | 2年 | 80% |
| 4年11か月 | 4年 | 60% |
| 7年3か月 | 7年 | 30% |
| 9年11か月 | 9年 | 10% |
| 10年超 | ― | 使えない |
条文では「10年から経過年数を引いた年数に1年未満の端数があれば1年とする」と書かれていますが、結果は切り捨てと同じになります(相続税法20条3号)。
式の「C÷(B−A)」は、前回受け取った財産(税引き後)に対して、今回の財産がどれだけあるかの割合です。この割合は100%が上限です(相続税法20条1号)。
今回亡くなった人が自分の財産を多く持っていて、今回の財産が前回受け取った額を上回っていても、控除額の合計は前回の税額に年数の割合を掛けた額を超えません。
逆に、前回受け取った財産を使って今回の財産が減っていれば、割合は100%を下回り、控除額もその分小さくなります。
国税庁の質疑応答の例:前回の税額1,000万円、前回受け取った財産1億5,000万円、今回の財産の合計1億8,000万円、本人の取得9,000万円、経過4年6か月の場合です。
割合は1億8,000万円÷1億4,000万円で100%を超えるため100%とし、控除額は1,000万円×100%×9,000万円÷1億8,000万円×(10−4)÷10=300万円になります。

参照元:e-Gov 法令検索 相続税法(第20条 相次相続控除)
参照元:国税庁 相続税法基本通達 第20条《相次相続控除》関係

同じ家族で、経過年数と今回の財産の額だけを変えて3パターンを試算します。経過年数が5年違うと、控除額は357万円変わります。
【前提】父→母→子2人の相続
母が父から受け取った2億円の一部を納税や生活費に使い、今回の財産が1億8,000万円になったケースです。母は父の死亡から3年後に亡くなりました。
| 項目 | 金額・割合 |
|---|---|
| A:母が前の相続で納めた相続税 | 763万円 |
| B:母が前の相続で受け取った財産 | 2億円 |
| C:今回の財産の合計 | 1億8,000万円 |
| 取得割合 C÷(B−A) | 93.6% |
| 控除される割合(経過3年) | 70% |
| 相続税(控除前・子2人の合計) | 2,740万円 |
| 相次相続控除(子2人の合計) | 500万円 |
| 相続税(控除後) | 2,240万円 |
控除前の相続税2,740万円が2,240万円に下がり、500万円の軽減です。子2人は同じ額を取得したので、1人あたり半分ずつ差し引きます。
計算ロジック:763万円×93.6%×(10−3)÷10=500万円。取得割合は1億8,000万円÷(2億円−763万円)です。各人のD÷Cは50%です。
財産の額はパターンAと同じで、母が父の死亡から8年後に亡くなった場合を試算します。控除される割合が70%から20%に下がります。
| 項目 | パターンA(3年) | パターンB(8年) |
|---|---|---|
| 控除される割合 | 70% | 20% |
| 相次相続控除 | 500万円 | 143万円 |
| 相続税(控除後) | 2,240万円 | 2,597万円 |
控除額は143万円に減り、パターンAより357万円少なくなります。財産の額が同じでも、年数だけでこれだけの差が出ます。
計算ロジック:763万円×93.6%×(10−8)÷10=143万円。取得割合はパターンAと同じです。
母が自分の財産も持っていて、今回の財産が2億2,000万円になったケースです(経過3年)。取得割合はそのまま計算すると114.4%ですが、上限の100%で計算します。
| 項目 | 上限を当てない場合 | 実際の計算(上限100%) |
|---|---|---|
| 取得割合 | 114.4% | 100% |
| 相次相続控除 | 611万円 | 534万円 |
| 相続税(控除後) | ― | 3,406万円 |
控除額は763万円×100%×70%=534万円です。上限がなければ611万円になる計算ですが、控除額の合計は前回の税額の70%(経過3年の場合)を超えません。
相続税は控除前3,940万円、控除後3,406万円です。財産が増えた分だけ相続税は重くなりますが、控除額はほとんど増えません。
3つのパターンを横に並べます。控除額を最も大きく動かすのは経過年数で、財産の増減による差は上限があるため限られます。
| 項目 | パターンA | パターンB | パターンC |
|---|---|---|---|
| 今回の財産 | 1億8,000万円 | 1億8,000万円 | 2億2,000万円 |
| 経過年数 | 3年 | 8年 | 3年 |
| 取得割合 | 93.6% | 93.6% | 100%(上限) |
| 控除される割合 | 70% | 20% | 70% |
| 相続税(控除前) | 2,740万円 | 2,740万円 | 3,940万円 |
| 相次相続控除 | 500万円 | 143万円 | 534万円 |
| 相続税(控除後) | 2,240万円 | 2,597万円 | 3,406万円 |
表の見方:パターンAとBは経過年数だけ、AとCは今回の財産の額だけが違います。下から2行目が子2人の控除額の合計、最終行が実際に納める相続税の合計です。
重要ポイント:AとBの控除額の差は357万円ですが、AとCの差は34万円にとどまります。前の相続から年数がたつほど控除は小さくなるため、前回の申告書は早めに探してください。
計算ロジック:相続税は子2人・基礎控除4,200万円で計算しています。1億8,000万円なら各人9,000万円のうち基礎控除を引いた6,900万円×30%−700万円=1,370万円、合計2,740万円です。
2億2,000万円なら各人8,900万円×30%−700万円=1,970万円、合計3,940万円です。

相次相続控除は、今回の相続税の申告書に計算書を付けて申告します。前回の申告書の控えがないと、AとBを確かめられません。まず控えを探すところから始めてください。
相続税の申告書には、控除ごとに計算用の表が用意されています。相次相続控除は「第7表 相次相続控除額の計算書」で計算します。
第7表で出した各相続人の控除額を、第1表の「相次相続控除額」の欄に書き写します。控除は決まった順番で差し引くため、配偶者の税額軽減など前にある控除の欄を先に埋めます。
| 手順 | 使う書類・表 | やること |
|---|---|---|
| 1 | 前回の申告書 | A(納めた相続税)とB(受け取った財産)、前回の死亡日を拾う |
| 2 | 今回の申告書 第1表 | C(全員の課税価格の合計)と各人のDを拾う |
| 3 | 第7表 | 全員の控除額と各人の控除額を計算する |
| 4 | 第1表 | 各人の相続税額から控除額を差し引く |
申告書の全体の流れや、どの表から書き始めるかは、下記の記事で解説しています。

相次相続控除を使うときは、第7表を申告書に付けます。そのほかの資料は計算の根拠として手元にそろえ、税務署から根拠を聞かれたときに示せる状態にしておいてください。
| 書類 | 使いみち | 入手先 |
|---|---|---|
| 前回の相続税申告書の控え | AとBの確認 | 自宅・前回の税理士・税務署で閲覧 |
| 前回の遺産分割協議書 | 今回亡くなった人が何を受け取ったかの確認 | 自宅・前回の税理士 |
| 前に亡くなった人の除籍謄本 | 前回の死亡日(Eの計算) | 本籍地の市区町村 |
| 前回の領収証書 | 実際に納めた額の確認 | 自宅 |
| 今回の申告書一式 | CとDの確認 | 今回作成するもの |
前回の申告を今回亡くなった人自身がしていると、控えが見つからないことがあります。前回税理士に頼んでいた場合は、その事務所に控えが残っていないかを問い合わせます。
見つからなければ、税務署の「申告書等閲覧サービス」で前回の申告書を見られます。亡くなった人の申告書を閲覧するには、相続人全員の委任状などが必要です。
亡くなった人の申告書を閲覧するときに必要なもの
写しはもらえませんが、スマートフォンなどでの写真撮影は認められています。写しが必要な場合は、個人情報保護法に基づく開示請求という方法もあります。
参照元:国税庁 申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)
相続税の申告が必要かどうかは、税額控除を差し引いたあとの税額で判定します。相次相続控除を差し引いて納める税額が0円になる人には、申告の義務がありません(相続税法27条1項)。
ただし、配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例は、申告をしないと使えません。これらを使って0円にする場合は申告が必要です。
| ケース | 申告 |
|---|---|
| 遺産が基礎控除以下 | 不要 |
| 相次相続控除を差し引いて税額が0円 | 不要 |
| 配偶者の税額軽減を使って税額が0円 | 必要 |
| 小規模宅地等の特例を使って基礎控除以下 | 必要 |
| 相次相続控除を差し引いても税額が残る | 必要 |
重要ポイント:申告が必要かどうかは相続人ごとに判定します。同じ相続でも、申告が必要な人と不要な人に分かれることがあります。
参照元:e-Gov 法令検索 相続税法(第27条 相続税の申告書)

相次相続控除は、計算した額をそのまま使えるとは限りません。相続税の控除には差し引く順番があり、先の控除で税額が0円になった人の相次相続控除は、使われずに消えます。
今回の相続に配偶者がいる場合は、分け方しだいで数百万円の控除が消えることがあります。遺産分割を決める前に確認してください。
各相続人の相続税額からは、いくつかの税額控除を差し引きます。その順番は通達で決まっていて、相次相続控除は6つのうち5番目です(相続税法基本通達20の2-4)。
| 順番 | 控除 | 引ききれない分 |
|---|---|---|
| 1 | 暦年課税の贈与税額控除 | 切り捨て |
| 2 | 配偶者の税額軽減 | ―(0円まで) |
| 3 | 未成年者控除 | 扶養義務者の相続税から引ける |
| 4 | 障害者控除 | 扶養義務者の相続税から引ける |
| 5 | 相次相続控除 | 切り捨て(ほかの人にも移らない) |
| 6 | 在外財産に対する相続税額の控除 | 切り捨て |
通達の注には「先の控除で税額が0円になった場合は、後の控除をせず、納める税額はないものとする」とあります。相次相続控除は後ろのほうにあるため、先の控除の影響を受けやすいのです。
相次相続控除は、相続人ごとに取得割合で分けられます。配偶者にも取得した割合の分が割り当てられますが、配偶者は先に配偶者の税額軽減を差し引くため、税額が0円になりがちです。
配偶者の税額軽減で0円になると、配偶者に割り当てられた相次相続控除は使われません。ほかの相続人に回すこともできず、そのまま消えます。
【前提】祖父→父→母と子2人の相続
| 母の取得割合 | 0% | 25% | 50% | 75% |
|---|---|---|---|---|
| 母に割り当たる相次相続控除 | 0万円 | 251万円 | 501万円 | 752万円 |
| 消える控除 | 0万円 | 251万円 | 501万円 | 752万円 |
| 今回の相続税(子が納める) | 1,698万円 | 1,274万円 | 849万円 | 425万円 |
| 母の相続で子が納める相続税 | 0万円 | 320万円 | 1,160万円 | 2,440万円 |
| 2回の相続の合計 | 1,698万円 | 1,594万円 | 2,009万円 | 2,865万円 |
表の見方:列が今回の相続での母の取得割合です。「消える控除」は、母に割り当てられた相次相続控除のうち、配偶者の税額軽減で母の税額が先に0円になって使われなかった額です。
重要ポイント:母の取得割合を50%にすると501万円の控除が消えます。今回の相続税だけを見ると母に多く渡すほど軽く見えますが、母の相続まで含めた合計では25%が最も軽くなりました。
計算ロジック:相次相続控除の合計は1,670万円×100%×(10−4)÷10=1,002万円で、各人の控除はこれを取得額の割合で分けます。今回の相続税の総額は2,700万円(基礎控除4,800万円)です。
母の税額はどの割合でも配偶者の税額軽減で0円になります。母の相続は母自身の財産2,000万円を加え、子2人で計算しました。母は父の相続で納税していないので、母の相続では相次相続控除を使えません。
相次相続控除がその人の相続税額より大きい場合も、差額は還付されません。控除は「その人の税額が0円になるまで」で、余った分をほかの相続人に移すこともできません。
相続税の控除のうち、引ききれない分が還付されるのは相続時精算課税の贈与税額控除だけです(相続税法33条の2)。未成年者控除と障害者控除は、引ききれない分を扶養義務者の相続税から差し引けます。
相次相続控除が消える主なパターン
配偶者の税額軽減の上限や、申告後に適用を受ける方法は、下記の記事で解説しています。

配偶者がいる相続で前の相続の相次相続控除が使えるときは、分け方を決める前に「消える控除」を試算してください。遺産分割協議書に押印したあとでは組み直せません。
分け方を決める前のチェックリスト
重要ポイント:配偶者の取得を減らせば必ず得になるわけではありません。配偶者の税額軽減で0円になる範囲も同時に減るため、今回と次の相続の合計で比べる必要があります。
参照元:国税庁 相続税法基本通達 第20条《相次相続控除》関係

条件を満たしているつもりでも、控除が使えないケースがあります。申告後に否認されると、控除した分の相続税に加えて延滞税や加算税がかかります。典型的な4つを確認してください。
相次相続控除の元になるのは、今回亡くなった人が自分で納めた相続税だけです。今回亡くなった人の親など、2つ前の相続で別の人が納めた相続税は対象外です(相続税法基本通達20-4)。
【事例】3回続いた相続
8年前に祖父が亡くなり祖母が相続税を納め、5年前に祖母が亡くなり父が相続税を納めました。今回、父が亡くなり子が相続します。
子が使えるのは、父が祖母の相続で納めた税額だけです。祖母が祖父の相続で納めた税額は、祖母の相続で父が控除に使ったもので、今回は対象になりません。
相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとされます。放棄した人が遺言で財産を受け取っても、相次相続控除は使えません(相続税法基本通達20-1)。相続権を失った人も同じです。
放棄した人の分の控除が、ほかの相続人に移るわけでもありません。放棄した人は生命保険金の非課税枠も使えないため、保険金を受け取ると税負担が重くなりやすい点にも注意してください。

前の相続から10年を超えていれば控除額は0円です。前の相続で納めた税額が0円だった場合も同じで、どちらも計算するまでもなく対象外になります。
| ケース | 使えるか | 理由 |
|---|---|---|
| 前の相続から10年超 | 使えない | 期間の条件を満たさない |
| 前回、配偶者の税額軽減で納税0円 | 使えない | 前回の税額Aが0 |
| 前回、基礎控除以下で申告不要 | 使えない | 前回の税額Aが0 |
| 前回、納税猶予を受け、その後免除 | 免除分は使えない | 免除された税額はAに含めない |
| 前回、相続人ではなく遺言で受け取っていた | 使えない | 前の相続は相続人として受け取ったものに限る |
| 前回、期限後申告や修正申告で納めた | 使える | 本税はAに含める(加算税・延滞税は除く) |
前回の申告が遅れていても、納めた相続税の本体部分は控除の元になります。加算税や延滞税だけを除いて計算します。
見落としやすいのは、今回亡くなった人が前の相続で相続人ではなかったケースです。条文は前の相続を「相続人に対する遺贈を含む相続」と定めているため、孫などが相続人でない立場で遺言により受け取った財産は対象になりません(相続税法20条)。
前の相続の申告期限(10か月)が来る前に、財産を受け取るはずだった人が亡くなることがあります。これを数次相続といいます。
数次相続でも、亡くなった人に前の相続の相続税が課されれば、今回の相続で相次相続控除を使えます。経過年数が1年未満なので、控除される割合は100%です。
前の相続の申告は、亡くなった人の相続人が代わりに行います。申告期限の数え方や手続きは、下記の記事で解説しています。


相次相続控除は、前の相続の税額と今回の財産の額から計算します。どちらかがあとから変わると、今回の控除額も計算し直す必要があります。
納めた税金が少なかったときに自分で出し直すのが修正申告、多く納めすぎたときに返還を求めるのが更正の請求です。控除が増えるか減るかで、使う手続きが変わります。
相次相続控除を入れずに申告してしまうと、税金を多く納めすぎています。このときは修正申告ではなく、更正の請求で取り戻します。
更正の請求の期限は、申告期限から5年以内です(国税通則法23条1項)。認められれば納めすぎた相続税が還付され、還付加算金(利息にあたるもの)が付く場合もあります。
請求は、更正の請求書に正しい税額と理由を書き、第7表と前回の申告書の写しなど根拠になる資料を添えて税務署に出します。控除を受ける相続人ごとに請求します。
重要ポイント:控除の入れ忘れは、税務署が気づいて直してくれるとは限りません。前回の申告書があとから見つかったら、5年以内に請求してください。
前の相続で申告漏れが見つかって税額が増えると、Aが増えるので今回の相次相続控除も増えます。逆に前の相続で税額が減れば、今回の控除は多すぎたことになります。
計算例のパターンA(今回の財産1億8,000万円・経過3年)で、前回の税額Aが変わった場合を試算しました。
| 前回の税額A | 取得割合 | 相次相続控除 | 当初の申告との差 | 今回の手続き |
|---|---|---|---|---|
| 763万円(当初) | 93.6% | 500万円 | ― | ― |
| 1,000万円(増えた) | 94.7% | 663万円 | 控除 +163万円 | 更正の請求 |
| 500万円(減った) | 92.3% | 323万円 | 控除 −177万円 | 修正申告 |
表の見方:1行目が当初の申告です。前回の税額が増えると控除が増えて今回の相続税は下がり、減ると控除が減って今回の相続税が上がります。
重要ポイント:前回の税額が1,000万円に増えると、今回の控除は163万円増えます。前回の修正申告や税務調査で税額が変わったら、今回の相続の申告も必ず見直してください。
計算ロジック:Aが変わると、控除額の元になる税額と、取得割合の分母(B−A)の両方が変わります。1,000万円の場合は1億8,000万円÷(2億円−1,000万円)=94.7%、控除額は1,000万円×94.7%×70%=663万円です。
前の相続の税額が減った場合は、今回の相続で修正申告をして、不足分を納める必要があります。税務調査の通知を受ける前に自分から出せば、過少申告加算税はかかりません。
ただし延滞税はかかるので、前回の税額が減ったと分かった時点で早めに出してください(国税通則法65条)。
今回の相続で財産の申告漏れが見つかると、修正申告で相続税が増えます。このとき相次相続控除も、増えたCとDで計算し直します。
Cが増えると取得割合C÷(B−A)が上がるため、100%に届くまでは全体の控除額も増えます。修正申告の税額から増えた控除を差し引けるので、忘れずに計算に入れてください。
遺産分割がまとまらずに法定相続分で申告したあと、分割が決まった場合も同じです。各人のDが変わるため、控除額を計算し直します。
控除が増える方向なら更正の請求、減る方向なら修正申告です。更正の請求には5年の期限があるので、気づいたら早めに手続きしてください。
| 起きたこと | 今回の控除 | 今回の手続き | 期限 |
|---|---|---|---|
| 控除を入れ忘れた | 増える | 更正の請求 | 今回の申告期限から5年 |
| 前の相続の税額が増えた | 増える | 更正の請求 | 今回の申告期限から5年 |
| 前の相続の税額が減った | 減る | 修正申告 | 定めなし(早いほど延滞税が少ない) |
| 今回の財産に申告漏れがあった | 増えることが多い | 修正申告(控除も再計算) | 定めなし(早いほど延滞税が少ない) |
修正申告と更正の請求の判定や、加算税・延滞税の詳しい計算は、下記の記事で解説しています。

参照元:国税庁 B1-27 相続税及び贈与税の更正の請求手続
参照元:e-Gov 法令検索 国税通則法(第23条 更正の請求・第65条 過少申告加算税)

相次相続控除の額は、前の相続でどう分けたかによって決まります。前の相続で配偶者が税金を納めていなければ、次の相続では控除を使えません。
これから父の相続(一次相続)の分け方を決める人は、母の相続(二次相続)が10年以内に来る可能性も含めて考える必要があります。
父の相続で、母が1億6,000万円か法定相続分の多いほうまでしか取得しなければ、配偶者の税額軽減で母の相続税は0円です。この場合、母の相続では相次相続控除を使えません。
母がその範囲を超えて取得し、相続税を納めたときに初めて、母の相続で控除の元になる税額が生まれます。父の相続で母が納めた税金の一部が、母の相続の税額を軽くする形で生きることになります。
父の相続で母の取得割合を変えたとき、2回の相続税の合計がどう変わるかを比べます。母の相続が3年後なら相次相続控除が効きますが、多く納めた分を埋め合わせるほどではありません。
【前提】父→母→子2人の相続
| 母の取得割合 | 50% | 75% | 100% |
|---|---|---|---|
| 父の相続の相続税 | 2,860万円 | 2,669万円 | 2,669万円 |
| うち母が納めた税額 | 0万円 | 1,239万円 | 2,669万円 |
| 母の遺産 | 1億8,000万円 | 2億4,261万円 | 3億331万円 |
| 母の相続の相続税(控除前) | 2,740万円 | 4,624万円 | 7,052万円 |
| 相次相続控除(3年後の場合) | 0万円 | 868万円 | 1,869万円 |
| 合計(母の相続が10年超) | 5,600万円 | 7,294万円 | 9,722万円 |
| 合計(母の相続が3年後) | 5,600万円 | 6,426万円 | 7,853万円 |
表の見方:母の取得割合ごとに、父の相続と母の相続の相続税を並べています。下の2行が2回の相続の合計で、母の相続が10年超の場合(控除なし)と3年後の場合(控除あり)です。万円未満を四捨五入しているため、合計が一致しない場合があります。
重要ポイント:母に75%渡すと、母の相続が3年後なら相次相続控除で868万円軽くなりますが、それでも50%の場合より826万円重くなります。控除は前回の税額の一部を戻すだけで、多く納めた分をすべて取り戻せるわけではありません。
計算ロジック:父の相続の相続税の総額は5,720万円(基礎控除4,800万円)です。配偶者の税額軽減は1億6,000万円と法定相続分1億5,000万円の多いほうの1億6,000万円までです。
母が75%(2億2,500万円)取得すると、母の税額4,290万円から軽減3,051万円を引いた1,239万円を納めます。母の遺産は2億4,261万円、控除は1,239万円×100%×(10−3)÷10=868万円です。
前の相続の分け方は、次の相続までの合計で比べるのが基本です。相次相続控除は合計を左右する要素の1つですが、配偶者の年齢や健康状態によっては無視できない額になります。
次の相続の財産を見積もる
配偶者の固有財産・年齢・生活費を確認し、次の相続で残りそうな財産の額を見積もります。
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取得割合を変えて2回の合計を出す
配偶者の取得割合を3〜4通り変え、今回と次の相続税の合計を並べます。
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10年以内に来た場合を足して比べ直す
配偶者が税金を納める案では、次の相続が10年以内に来たときの相次相続控除を加えて比べ直します。
配偶者に渡す割合の決め方や、配偶者の固有財産による違いは、下記の記事で詳しく試算しています。


ここまで見たとおり、相次相続控除は条件を満たしていても、分け方と申告の順番しだいで数百万円が使われずに消えます。遺産分割協議書に押印したあとでは組み直せないため、分け方を決める前の試算が欠かせません。
控除額の計算そのものは式に当てはめれば出せます。難しいのは、控除が消えない分け方と、前回の申告書からの正しい拾い方です。
相続税の対応実績がある税理士に相談する理由
分け方の試算では、母の取得割合を50%にすると501万円の控除が消え、母の相続まで含めた合計は25%の場合より415万円重くなりました。これは分け方を決める前にしか動かせません。
見積りを並べると報酬額を比べられますが、差が大きいのは提案の中身のほうです。次の3点を各事務所に同じ質問で聞いて、答えを突き合わせてください。
判定ポイント1:相次相続控除を分け方の試算に入れるか
「前の相続の相次相続控除を、分け方ごとの試算に入れてもらえますか」と聞きます。A事務所は控除の合計額だけ、B事務所は配偶者の取得割合ごとに消える額まで出すという答えでした。
→ B事務所の方が、控除を差し引く順番まで踏まえて検算していると判定できます。
判定ポイント2:配偶者の将来の相続まで試算するか
「配偶者が亡くなったときの相続税まで含めた合計も出せますか」と聞きます。A事務所は今回の相続税だけ、B事務所は配偶者の年齢と固有財産を聞いたうえで合計を出すという答えでした。
→ B事務所の方が、今回だけ軽くして次で重くなる形を避けられると判定できます。
判定ポイント3:前回の申告書の確認まで含むか
「前回の申告書が見つからない場合、閲覧の手続きも含まれますか」と聞きます。A事務所は依頼者が用意する前提、B事務所は委任状の準備から対応するという答えでした。
→ 前回の申告書がないとAとBを確定できないため、対応範囲で総額が変わると分かります。
分け方を決めてから相談すると、消えた控除を取り戻す手はほとんど残っていません。
相談しないまま進めると起きること
分け方の試算で母の取得割合を75%にすると、消える控除は752万円です。母の相続まで含めた合計は25%の場合より1,271万円重くなります。
計算ロジック:母の取得割合75%のとき、今回と母の相続の合計は2,865万円、25%のときは1,594万円です。母の税額はどちらも配偶者の税額軽減で0円のため、母に割り当たった相次相続控除はすべて使われません。
報酬の差より、提案の中身で動く税額のほうが桁が大きくなります。次の表は、相次相続控除が使える相続で2つの事務所から見積りを取った場合の例です。
| 相続財産規模 | A税理士の見積り | B税理士の見積り | 見積り差 | 分け方の案 |
|---|---|---|---|---|
| 1億円 | 報酬70万円 相続税850万円 |
報酬80万円 相続税700万円 |
報酬+10万円 節税150万円 |
A:1案 B:3案 |
| 2億円 | 報酬130万円 相続税2,100万円 |
報酬150万円 相続税1,700万円 |
報酬+20万円 節税400万円 |
A:1案 B:4案 |
| 3億円 | 報酬180万円 相続税4,200万円 |
報酬210万円 相続税3,500万円 |
報酬+30万円 節税700万円 |
A:1案 B:5案 |
表の見方:A税理士は報酬が安いものの、法定相続分どおりの1案だけを提案しています。B税理士は報酬がやや高いものの、配偶者の取得割合を変えた複数の案を示し、消える控除が少ない分け方を提案しています。
重要ポイント:報酬だけで選ぶと、相次相続控除が消える分け方をそのまま採用してしまうことがあります。分け方の案の数と、次の相続まで含めた合計で比べてください。
計算ロジック:表の金額は、報酬と相続税の差を示すための例です。実際の差は、前回の税額・経過年数・配偶者の取得割合で変わります。報酬の差が数十万円にとどまるのに対し、分け方による税額の差は数百万円になることがあります。
相続の概要を整理する
被相続人の資産内容・資産額概算・相続人構成・年齢・遺言の有無をメモにまとめます。10年以内の前の相続があれば、その死亡日と前回の申告書の有無も書き出します。
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一括見積り・相談サービスに依頼する
複数の税理士事務所に一括で見積りを依頼できるサービスを使います。希望内容を「相続税申告・相続税の節税・確定申告・準確定申告など」と明確に記し、複数の税理士(目安3~5の事務所)への同時打診を依頼します。
不動産がある場合は所在地・広さなども記載します。フォームでは「財産の種類」「相続人の人数」をできるだけ正確に伝えると見積りの精度が上がります。フォーム記入自体は5分程度です。
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見積りと初回相談を受ける
各事務所から「提案内容」「試算相続税額」「報酬額」が記載された見積りが届きます。相次相続控除を分け方の試算に入れているかを確認し、気になる事務所と初回相談をします。
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税理士を選定・正式依頼する
「提案内容の質」「説明の丁寧さ」「報酬の納得性」で事務所を選びます。相続開始から7ヶ月以内に税理士を決めて、分け方の試算と前回の申告書の確認を依頼してください。
聞く順番より、同じ質問をすべての事務所に投げて答えを並べることが大事です。
重要ポイント:相次相続控除は使う機会が少ない控除です。実績を聞くと、控除の順番や前回の申告書の扱いに慣れているかが分かります。
見積書は分け方の試算が含まれているかと総額が書面で出ているかを先に確かめてください。
すでに他の税理士に依頼している場合の相談先は、下記の記事で解説しています。

重要ポイント:見積り比較では、報酬額の安さだけでなく、提案される分け方の案と節税効果を合わせて判断してください。
使えます。経過年数は1年未満を切り捨てるので9年として計算し、前回の税額の10%分(取得割合を掛けた額)を差し引けます。10年を過ぎると使えません。
例えば前回の税額が1,000万円で取得割合が100%なら、相続人全員の控除額の合計は100万円です。年数は死亡日どうしで数えるので、戸籍で前回の死亡日を確かめてください。
使えません。相次相続控除は相続人だけが対象で、相続放棄をした人は遺言で財産を受け取っても控除を受けられません。放棄した人の分の控除がほかの相続人に移ることもありません。
放棄するかどうかを決める前に、放棄した場合に使えなくなる控除の額も確かめておくと判断を誤りにくくなります。
使えます。分割されていない財産は法定相続分で取得したものとして申告するので、その取得額でC・Dを計算します(相続税法55条)。
分割が決まって取得額が変わったら、控除額も計算し直します。納めすぎになる人は更正の請求、不足する人は修正申告で直します。
両方使えますが、配偶者の税額軽減を先に差し引きます。配偶者の税額が0円になると、配偶者に割り当てられた相次相続控除は使われずに消えます。配偶者がいる相続では、分け方を決める前に試算してください。
申告書がなくても条件を満たしていれば使えますが、前回の税額と取得した財産の額を確かめる必要があります。税務署の申告書等閲覧サービスで、相続人全員の委任状などをそろえれば前回の申告書を閲覧できます。
使えるかどうかは4つの条件で決まる
控除額は前回の税額×取得割合×年数の割合
分け方しだいで控除は消える
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年9月時点の法令に基づいて作成しています。相続税法の改正により、記事の内容が変わる可能性があります。最新の制度については、必ず国税庁の公式情報または税理士に相談してください。