贈与された財産に所得税はかかる?贈与税との分かれ目をわかりやすく解説

贈与税 _所得税

個人から財産をもらったとき、所得税はかかりません。かかるのは贈与税で、同じ財産に両方の税金が課されることはありません。

これは所得税法で「個人からの贈与で取得したものには所得税を課さない」と定められているためです。二重に課税されない仕組みになっています。

ただし、例外もあります。法人から財産をもらった場合は、贈与税ではなく所得税がかかります。

また、もらった後の扱いも別です。贈与された不動産を売れば譲渡所得、貸せば不動産所得として所得税がかかります。

ややこしいのは、親から安く買ったケースです。もらう側に贈与税、売る側に所得税と、両方の税金が動きます。

誰から、どんな形で受け取ったのか。この2点で税金の種類が決まります。

本記事では、贈与税と所得税の分かれ目、ケース別の判定一覧、住民税・扶養への影響、もらった後に所得税がかかる場面、低額譲受と負担付贈与、あげた側の確定申告、申告の実務までを解説します。

▼ この記事の3行まとめ

  • 個人からの贈与に所得税はかからない(贈与税の対象)。法人からの贈与は逆に所得税がかかる
  • もらった財産を売る・貸すと所得税がかかる。売却時の取得費は贈与者のものを引き継ぐ
  • 親から安く買うと、もらう側に贈与税・売る側に所得税。人が違うので二重課税ではない
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結論|個人からの贈与に所得税はかからない

まず結論からお伝えします。贈与でもらった財産は、税法上の「所得」には当たりません。個人から財産をもらった場合、所得税は非課税で、贈与税だけがかかります。

誰からもらったかで税金が変わる

贈与の相手によって、かかる税金の種類が変わります。個人からなら贈与税、法人からなら所得税です。まず全体像を確認しましょう。

もらった相手 かかる税金 内容
個人(親・祖父母・配偶者など) 贈与税 所得税は非課税。年110万円までは贈与税もかからない
法人(勤務先など) 所得税 雇用関係があれば給与所得、なければ一時所得
個人(亡くなった人から相続・遺贈) 相続税 所得税は非課税
国や地方公共団体からの給付 原則非課税 法律で非課税と定められているものが多い

表の見方:「個人からもらったら贈与税」「法人からもらったら所得税」が原則です。個人からの贈与に所得税がかからないのは、所得税法で非課税と定められているためです。

法人からの贈与で所得税になるのは、法人には贈与税がかからない仕組みだからです。個人と法人で課税のルートが分かれています。

同じ財産に二重課税はされない

不安になりやすいのが、二重課税の心配です。同じ財産に贈与税と所得税の両方が課されることはありません。制度上、明確に分けられています。

後で説明する低額譲受のケースでは、贈与税と所得税の両方が登場します。ただしこれは「もらう側に贈与税、売る側に所得税」という形で、課税される人が違います。

重要ポイント:同じ人が同じ財産について2つの税金を払うことはありません。「両方かかる」という説明を見たときは、誰に何がかかるのかを確認してください。

参照元:国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合

なぜ個人からの贈与は所得税が非課税なのか

理由は、税金の役割分担にあります。個人から個人への財産の移転は贈与税と相続税が担当し、所得税はあえて対象から外しています。

所得税法では、相続・遺贈・個人からの贈与によって取得するものには所得税を課さないと定められています。同じ財産に2つの税金を課さないための整理です。

財産の移動 担当する税金
個人から個人へ、生きている間に無償で 贈与税
個人から個人へ、亡くなったことで 相続税
働いて得た・売って得た・法人からもらった 所得税

この分担があるため、「もらった財産に所得税もかかるのでは」という心配は不要です。個人からもらったものは贈与税か相続税のどちらかで完結します。逆にいえば、法人からもらったものは贈与税の担当外です。だから所得税で課税される、という関係になっています。

贈与を受けても住民税・社会保険料・扶養は変わらない

個人からもらった財産は所得ではないため、所得をもとに決まる負担には影響しません。住民税・国民健康保険料・扶養の判定に、贈与で受け取った金額は入りません。

項目 贈与の影響 理由
住民税 かからない 住民税は所得にかかる税金。贈与税に住民税の上乗せはない
国民健康保険料・介護保険料 変わらない 前年の所得をもとに計算する
税法上の扶養(配偶者控除・扶養控除) 外れない 合計所得金額58万円以下で判定する。贈与は所得に入らない
健康保険の扶養(年収130万円未満) 原則として外れない 贈与は収入に含めない扱いが一般的。判定は加入先の健康保険が行う
医療費の窓口負担・高額療養費の区分 変わらない 住民税の課税所得などで判定する
生活保護 影響する 受け取ったお金は収入として認定される

例外は、所得になるお金を受け取った場合です。法人からもらったお金や、もらった財産から生じる家賃・配当は所得になり、住民税や保険料に影響します。

重要ポイント:法人から200万円をもらうと、一時所得75万円が住民税と保険料の計算に入ります。扶養に入っている人は、合計所得金額が58万円を超えるため税法上の扶養から外れます。

遺産を相続した場合の住民税・扶養への影響は、下記の記事で解説しています。

参照元:国税庁 No.1180 扶養控除

ケース別|贈与税か所得税かの判定一覧

実際のケースに当てはめて確認しましょう。受け取り方によって、贈与税・所得税・非課税の3つに分かれます。

受け取り方別の判定表

主なケースを一覧にすると、次のとおりです。自分の状況に近い行を探せば、どの税金の対象になるか分かります。

ケース かかる税金 誰に
親から現金をもらった 贈与税 もらった人
勤務先の会社から金品をもらった 所得税(給与所得) もらった人
取引先の法人からもらった 所得税(一時所得) もらった人
親から時価より著しく安く買った 贈与税(差額)+所得税(売った側) 買った人と売った人
借金付きの不動産をもらった(負担付贈与) 贈与税(差額)+譲渡所得(贈与者) もらった人と渡した人
借金を免除してもらった 贈与税(みなし贈与) 免除された人
個人が法人に財産を贈与した 所得税(みなし譲渡)+法人税 渡した個人と法人
扶養義務者から生活費・教育費を受けた 非課税(通常必要な範囲) ―
香典・お祝い・見舞金を受けた 非課税(社会通念上の範囲) ―
ふるさと納税の返礼品を受けた 所得税(一時所得) 受けた人
懸賞や福引の賞金を受けた 所得税(一時所得) 受けた人
親の土地を無償で借りた(使用貸借) 原則かからない ―

表の見方:「+」がついている行は、2つの税金が登場します。ただし課税される人が違うため、1人が二重に払うわけではありません。

重要ポイント:ふるさと納税の返礼品や懸賞の賞金は、贈与ではなく一時所得です。一時所得には年50万円の特別控除があるため、返礼品だけで課税されることはまれです。

無償で借りる場合(使用貸借)は課税されない

財産をもらうのではなく、無償で使わせてもらう形もあります。親の土地を無償で借りて家を建てても、借地権をもらったことにはならず贈与税はかかりません。これを使用貸借といいます。地代を払わずに借りるだけなので、権利の移転がないと扱われます。

形 贈与税 所得税
無償で借りる(使用貸借) かからない かからない
相場の地代を払って借りる 原則かからない 受け取る側に不動産所得
相場より著しく安い地代で借りる 差額が贈与とされることがある 受け取る側に不動産所得
土地をもらう かかる かからない(渡す側も原則なし)

重要ポイント:使用貸借なら贈与税はかかりませんが、相続のときは注意が必要です。貸している土地は借地権の評価減が使えず、自用地として100%の評価になります。

「今は贈与税を避けたいが、相続税は高くなる」という関係です。土地をどう渡すかは、相続まで含めて検討してください。

法人からの贈与は給与所得か一時所得

法人からもらった場合は、関係性で所得の種類が変わります。勤務先からもらえば給与所得、取引がない法人からもらえば一時所得です。

状況 所得の種類 課税の特徴
勤務先の法人からもらった 給与所得 給与に合算され、源泉徴収の対象になる
雇用関係のない法人からもらった 一時所得 50万円の特別控除後、その2分の1が課税対象
継続的な役務の対価としてもらった 事業所得・雑所得 収入として計上する

一時所得は「収入-支出-特別控除50万円」を計算し、その半分だけが課税対象です。100万円をもらった場合、(100万円-50万円)÷2=25万円が所得になります。

参照元:国税庁 No.1490 一時所得

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もらった「後」に所得税がかかる場面

贈与を受けたときは所得税がかかりませんが、その後は別です。もらった財産を売る・貸す・運用すると、そこから生じる利益に所得税がかかります。

売ったとき|取得費は贈与者から引き継ぐ

贈与された不動産や株式を売ると、譲渡所得として所得税がかかります。このとき取得費と取得時期は、贈与した人のものをそのまま引き継ぎます。

つまり、もらった時点の評価額が取得費になるわけではありません。贈与者が買ったときの金額が取得費になるため、含み益も一緒に引き継ぐことになります。

【例】父が1,000万円で買った土地をもらって3,000万円で売った

贈与を受けた時点の評価額が2,500万円でも、取得費は父の購入額1,000万円です。譲渡所得は「3,000万円-1,000万円-譲渡費用」で計算します。

【取得時期も引き継ぐ】

父が30年前に買った土地なら、長期譲渡所得(税率20.315%)として計算します。もらってすぐ売っても短期にはなりません。

重要ポイント:取得時期を引き継げるのは有利な点です。贈与者が5年を超えて所有していれば、もらった直後に売っても長期譲渡(税率約20%)が使えます。

一方、取得費が低いと譲渡所得が大きくなります。贈与でもらうか相続で受け取るかを考えるときは、この点も比べてください。

参照元:国税庁 No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期

贈与者の取得費が分からないとき

古い不動産だと、贈与者がいくらで買ったのか分からないことがあります。その場合は、売った金額の5%を取得費として計算できます(概算取得費)。

ただし5%しか引けないため、譲渡所得は大きくなります。3,000万円で売れば、取得費は150万円だけで、差額2,850万円が課税対象です。

【取得費を証明できる資料】

  • 売買契約書・領収書
  • 登記簿に記録された抵当権の金額(借入額から推定)
  • 購入当時の通帳の記録
  • 購入時のパンフレットや価格表
  • 建築請負契約書(建物の場合)

贈与を受ける前に、贈与者の手元に資料が残っているか確認してください。本人が亡くなってからでは、資料の場所も購入の経緯も分からなくなります。資料が残っていれば、税額が大きく変わります。数百万円の差になることもあるため、早めの確認が有効です。

貸したとき・運用したとき

もらった財産から収入が生じれば、その収入に所得税がかかります。贈与された時点では非課税でも、その後の収益は毎年の所得になります。

もらった財産 その後の所得
賃貸アパート・駐車場 不動産所得(家賃・地代)
上場株式 配当所得(配当金)・譲渡所得(売却益)
預貯金 利子所得(利息)
投資信託 配当所得・譲渡所得
事業用資産 事業所得

収益を生む財産を贈与すると、その後の収入も受贈者に移ります。賃貸物件を早めに贈与すれば、家賃収入が親の財産として積み上がるのを止められます。

これは相続税の対策としても使われる考え方です。ただし受贈者の所得が増えるため、所得税や社会保険料への影響も確認してください。

低額譲受と負担付贈与|両方の税金が動く

「もらう」と「買う」の中間のような取引では、税金が複雑になります。もらう側に贈与税、渡す側に所得税がかかるという形で、両方の税金が動きます。

親から著しく安く買った場合

時価より著しく低い価額で買うと、その差額が贈与とみなされます。「時価と支払った金額の差額」が贈与税の対象になります。

【例】時価3,000万円の土地を親から500万円で買った

差額2,500万円が贈与とみなされ、買った子に贈与税がかかります。基礎控除110万円を引いた2,390万円に税率をかけて計算します。

【売った親の側】

親は実際に受け取った500万円で譲渡所得を計算します。取得費が500万円以上なら譲渡所得は生じませんが、譲渡損として他の所得と通算することもできません。

重要ポイント:「著しく低い」の判定に明確な倍率の基準はありません。土地や建物は通常の取引価額、それ以外の財産は相続税評価額と比べて個別に判断されます。

なお、法人に対して時価の2分の1未満で譲渡した場合は、時価で譲渡したものとみなされます。個人間の取引とは基準が違う点に注意してください。

参照元:国税庁 No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき

親族間売買の価格はどう決めるか

親族間で売買するなら、価格の決め方が重要です。相続税評価額で売買すると「著しく低い価額」と判断されるおそれがあります。

相続税評価額(路線価など)は、時価の8割程度に設定されています。そのため相続税評価額のままで売ると、時価との差額が贈与とみなされる余地が残ります。

価格の決め方 評価
不動産鑑定士の鑑定評価 もっとも安全。費用は数十万円
不動産会社の査定価格 実務でよく使われる。複数社から取る
近隣の取引事例 参考になる。公示価格や取引価格情報も使う
相続税評価額そのまま 時価より低いため、差額を指摘されるおそれ
固定資産税評価額そのまま 時価の7割程度。低すぎる

金額が大きい取引では、鑑定評価を取るのが確実です。数十万円の費用で、数百万円の贈与税を避けられることがあります。また、親族間売買では住宅ローンが組みにくい点にも注意が必要です。金融機関が慎重になるため、資金計画も先に確認してください。

負担付贈与|借金付きでもらう場合

住宅ローンが残った不動産をもらうようなケースが負担付贈与です。もらう側は「財産の価額-引き受けた債務」に贈与税、渡す側は債務の額を対価として譲渡所得が生じます。

立場 かかる税金 計算
もらう側(受贈者) 贈与税 財産の価額-引き受けた債務の額
渡す側(贈与者) 所得税(譲渡所得) 債務の額を譲渡代金として計算

債務から解放されることは、対価を受け取ることと同じと考えられます。そのため贈与のつもりでも、渡した側に所得税が生じる点が最大の注意点です。

また、負担付贈与の場合は不動産の評価が変わります。通常の贈与なら相続税評価額で計算しますが、負担付贈与では通常の取引価額(時価)で判定します。

個人から法人へ贈与した場合

個人が法人に財産を贈与すると、みなし譲渡の規定が働きます。無償で渡しても、時価で売ったものとみなして所得税が課されます。

受け取った法人側では、時価相当額が受贈益となり法人税の対象になります。個人と法人の間では、贈与税ではなく所得税と法人税で処理される形です。

注意:自分が経営する法人に不動産を贈与すると、現金は動かないのに所得税がかかります。含み益のある不動産では税負担が大きくなるため、必ず事前に試算してください。

個人と法人の4パターン

贈与の当事者が個人か法人かで、課税の組み合わせが変わります。4つのパターンで整理すると、どの税金が出てくるかが一目で分かります。

渡す側→もらう側 渡す側の税金 もらう側の税金
個人 → 個人 なし(低額譲渡なら所得税) 贈与税
個人 → 法人 所得税(みなし譲渡) 法人税(受贈益)
法人 → 個人 法人税(寄附金など) 所得税(給与所得・一時所得)
法人 → 法人 法人税(寄附金など) 法人税(受贈益)

表の見方:贈与税が登場するのは「個人→個人」だけです。法人が関わると、贈与税ではなく所得税と法人税で処理されます。

自分の会社に資産を移すケースでは、この違いが大きく影響します。無償のつもりでも所得税が生じるため、事前の試算が必要です。

みなし贈与になる主なパターン

実際に「贈与」と呼んでいなくても、贈与税がかかる取引があります。相続税法では、経済的な利益を無償で受けた場合を広く贈与とみなしています。

取引 贈与とみなされる部分
著しく低い価額での譲受 時価と支払った対価の差額
債務の免除・引受け・肩代わり 免除や負担してもらった金額
保険料の負担者と受取人が違う保険金 受け取った保険金
掛金の負担者と違う人が受け取る年金 受け取る権利の評価額
他人が保険料を払った保険契約の名義変更 解約返戻金相当額など
同族会社の増資で有利な条件を受けた 受けた利益の額
無償で不動産の名義を変えた 財産の評価額

いずれも「お金をもらっていないのに贈与税がかかる」という点が共通しています。名義変更や増資のように、現金が動かない取引でも課税されることがあります。

不動産の名義を家族に変えるときは、必ず税金を確認してください。登記は法務局で完結しますが、税務署には登記情報が伝わります。

債務免除・肩代わりの扱い

お金の受け渡しがなくても、贈与とみなされる場面があります。借金を免除してもらったり、他人に返済してもらったりした場合は贈与税の対象です。

債務免除は「みなし贈与」

借金を免除してもらうと、その分だけ経済的な利益を受けたことになります。現金をもらっていなくても、免除された金額に贈与税がかかります。

ケース 扱い
親に借金を免除してもらった 免除額が贈与とみなされる
親が子の借金を代わりに返済した 返済額が贈与とみなされる
返済能力がなく、扶養義務者が引き受けた 弁済が困難な部分は課税されない
親子間の貸借で返済実績がない 当初から贈与とみなされることがある

重要ポイント:資力を失って返済できない人が、扶養義務者に債務を引き受けてもらった場合は例外です。弁済が困難と認められる部分には、贈与税がかかりません。

親子間の貸し借りで気をつけること

親から借りたつもりでも、贈与と判断されることがあります。返済の実績がなく、契約書もない場合は「あるとき払いの催促なし」として贈与とみなされます。

【貸借と認められるための条件】

  • 借用書(金銭消費貸借契約書)を作る
  • 返済期限と返済方法を決める
  • 銀行振込で実際に返済し、記録を残す
  • 返済できる収入があること
  • 無利息でも構わないが、金額が大きい場合は利息相当額が贈与とされることもある

住宅の購入資金を親から借りるケースは特に多くあります。贈与とみなされないよう、必ず契約書と返済の記録を残してください。

一時所得になる場合の計算

法人からの贈与や満期保険金は、一時所得として計算します。50万円の特別控除があり、さらに残った金額の半分だけが課税対象になります。ただし住民税もかかり、ほかの所得と合算されます。

一時所得の計算式

計算は3段階です。「収入-支出-50万円」を計算し、その2分の1をほかの所得と合算します。

ケース 計算 課税される所得
法人から200万円をもらった (200万円-0-50万円)÷2 75万円
満期保険金500万円・払込400万円 (500万円-400万円-50万円)÷2 25万円
懸賞金80万円 (80万円-0-50万円)÷2 15万円
法人から40万円をもらった 50万円以下 0円(課税されない)

計算ロジック:特別控除50万円は、1年間の一時所得の合計に対して1回だけ使えます。複数の一時所得がある年は、合計してから50万円を引きます。

同じ200万円でも、負担は同じではありません。親からの贈与なら贈与税は9万円、法人からの一時所得なら所得税率5%の人でも住民税と合わせて約11万円です。

一時所得はほかの所得と合算されるため、所得税率が高い人ほど負担が増えます。所得税率20%の人なら、住民税と合わせて約23万円です。

公的な給付金やポイントの扱い

国や自治体からの給付金は、扱いが個別に決まっています。生活支援のための給付金は、法律で非課税と定められているものが多くあります。

受け取るもの 課税の扱い
生活支援のための給付金 法律で非課税とされているものが多い
事業者向けの給付金・補助金 事業所得などの収入になる
企業のポイント・マイル 通常の買い物に伴うものは課税されない
臨時・多額のポイント付与 一時所得になることがある
遺族年金・障害年金 非課税
ふるさと納税の返礼品 一時所得(50万円の特別控除の対象)

迷いやすいのは、事業者が受け取る給付金です。個人への生活支援は非課税でも、事業に対する給付は収入として計上します。給付金は制度ごとに扱いが定められています。受け取ったときは、その制度の案内で課税の有無を確認してください。

ポイントについては、通常の買い物で付くものは値引きと同じ扱いで課税されません。特別なキャンペーンで多額に付与された場合は確認が必要です。

夫婦間・住宅資金の課税の整理

家族の間でお金が動く場面は、判断に迷いやすいところです。生活費として渡す分は課税されませんが、名義や持分が絡むと贈与になります。

夫婦間の財産移動

夫婦の間でも、贈与税の考え方は同じです。生活費として渡して使った分は課税されませんが、使わずに配偶者の口座に貯まると名義預金の問題になります。

ケース 扱い
生活費として渡し、実際に使った 課税されない
生活費の名目で渡し、配偶者名義で貯めた 名義預金として本人の財産のまま
婚姻20年超で居住用不動産を贈与 配偶者控除で2,110万円まで非課税
離婚時の財産分与(金銭) 原則として贈与税はかからない
離婚時に不動産を分与した側 譲渡所得として所得税がかかることがある
住宅の持分と出資割合が違う 差額が贈与になる

注意:離婚時の財産分与は、受け取る側に贈与税はかかりません。しかし不動産を渡した側には、時価で譲渡したものとして譲渡所得税がかかることがあります。「財産を渡すだけなのに税金がかかる」典型例です。

共有名義の設定も注意が必要です。夫が全額を出したのに持分を半分にすると、その半分が妻への贈与になります。

住宅資金の援助を受ける場合

住宅の購入で親から援助を受けるときは、渡し方で税金が変わります。「もらう」「借りる」「共同で買う」の3つで、かかる税金が違います。

受け取り方 税金 ポイント
もらう(贈与) 贈与税 住宅取得等資金の特例で最大1,000万円が非課税(2026年12月末まで)
借りる(貸借) 原則かからない 契約書と返済実績が必要。実績がないと贈与とみなされる
共同で買う(共有) 原則かからない 出資割合どおりに持分を登記する
親名義で買って住む 原則かからない 使用貸借なら課税されない(家賃を払うと不動産所得)

親が出したお金を子の単独名義にすると、その分が贈与になります。共有名義にするか、特例を使って贈与するか、貸借にするかを先に決めてください。

家をもらう場合の税金は、下記の記事で解説しています。

相続でもらう場合との違い

同じ財産を受け取るにも、贈与と相続で税金が変わります。どちらも所得税は非課税ですが、税率と控除の枠が大きく違います。

項目 贈与 相続
かかる税金 贈与税(所得税は非課税) 相続税(所得税は非課税)
基礎控除 年110万円 3,000万円+600万円×法定相続人の数
不動産取得税 かかる かからない
登録免許税 固定資産税評価額の2% 0.4%
小規模宅地等の特例 使えない 使える(要件を満たせば最大80%減)
売却時の取得費 贈与者から引き継ぐ 被相続人から引き継ぐ

不動産を渡す場合、贈与のほうが登録免許税が5倍になり、不動産取得税もかかります。自宅の土地は小規模宅地等の特例が使える相続のほうが有利なことが多いです。

相続と贈与の選び方は、下記の記事で解説しています。

生命保険金は3つに分かれる

生命保険金は、契約の形によってかかる税金が変わります。保険料を誰が負担し、誰が受け取ったかで相続税・所得税・贈与税の3つに分かれます。

契約形態別の判定表

3つのパターンを整理します。保険料の負担者と受取人が同じなら所得税、違えば相続税か贈与税です。

被保険者 保険料の負担者 受取人 かかる税金
父 父 子 相続税(みなし相続財産)
父 子 子 所得税(一時所得)
父 母 子 贈与税

計算ロジック:所得税(一時所得)になる場合は「保険金-払った保険料-特別控除50万円」の2分の1が課税対象です。相続税になる場合は500万円×法定相続人の数の非課税枠が使えます。

3パターンのうち、もっとも負担が重くなりやすいのは贈与税のケースです。契約時に負担者と受取人の組み合わせを確認しておくことが大切です。

相続税になる場合は「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が使えます。相続人3人なら1,500万円まで非課税なので、3パターンの中では有利です。

相続の所得税との関係は、下記の記事で解説しています。

参照元:国税庁 No.1750 死亡保険金を受け取ったとき

満期保険金・解約返戻金の扱い

死亡以外で受け取る保険金も、負担者と受取人の関係で決まります。自分で払った保険の満期金を自分が受け取れば一時所得、親が払った保険を子が受け取れば贈与税です。

学資保険で親が保険料を払い、満期金を子が受け取る形にしていると、贈与税の対象になることがあります。契約者と受取人の設定を確認してください。

なお、一時所得は50万円の特別控除があります。払った保険料を超える部分が50万円以下なら、実質的に課税されません。

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財産の種類別|課税のマップ

もらう財産の種類によって、注意点が変わります。現金は単純ですが、不動産や暗号資産は渡した側にも税金が生じることがあります。

種類別の注意点一覧

主な財産の扱いを整理します。評価の方法と、渡した側に税金が生じるかどうかが分かれ目です。

財産 評価 渡した側の税金
現金・預金 金額そのまま なし
土地 路線価方式または倍率方式 なし(負担付・低額譲渡は所得税)
建物 固定資産税評価額 なし(同上)
上場株式 贈与日の終値など4つのうち最も低い額 なし
非上場株式 会社の規模と株主区分に応じた方式 なし
自動車 中古車としての時価 なし
暗号資産 贈与時の時価 所得税(雑所得)が生じる取扱いがある
ゴルフ会員権・書画骨董 取引価額や精通者意見価格 なし

注意:暗号資産は扱いが特殊です。国税庁のFAQでは、贈与により移転した場合はその時の価額で譲渡したものとして、渡した側に所得税(雑所得)が生じるとされています。もらう側の贈与税と合わせて、両方の税金を確認してください。

暗号資産を贈与・相続したときの税金は、下記の記事で解説しています。

不動産を贈与すると、贈与税以外にも費用がかかります。登録免許税(固定資産税評価額の2%)と不動産取得税が発生します。

固定資産税評価額2,000万円の不動産なら、登録免許税は40万円です。相続なら0.4%で8万円なので、贈与のほうが32万円多くかかります。

さらに司法書士に登記を依頼する費用も必要です。贈与税が0円でも、これらの費用は発生する点を見込んでおいてください。一方、現金の贈与なら追加の費用はかかりません。同じ金額を渡すなら、不動産より現金のほうが手続きも費用も軽くなります。

もらった後に確定申告が必要になるケース

贈与を受けた翌年以降も、申告が必要になる場面があります。財産から収入が生じたり、売却したときは所得税の確定申告をします。

状況 必要な申告
もらった不動産を売った 譲渡所得の確定申告
もらった賃貸物件の家賃が入る 不動産所得の確定申告(毎年)
もらった株式を売った・配当を受けた 譲渡所得・配当所得(特定口座なら省略可)
法人からもらった(一時所得) 一時所得の確定申告
もらった財産で事業を始めた 事業所得の確定申告

収益を生む財産をもらうと、毎年の確定申告が必要になります。これまで申告をしたことがない人は、手続きの負担も見込んでおいてください。

収益物件の贈与は所得の分散になる

収益物件を早めに贈与すると、所得税の面でも効果があります。家賃収入が受贈者に移るため、所得が分散して税率が下がることがあります。

【例】年間300万円の家賃収入がある物件

親の所得が高く税率33%なら、家賃300万円に対する所得税・住民税は約120万円です。所得の少ない子に移せば税率が下がり、負担は大きく減ります。

【あわせて相続税の対策にもなる】

家賃収入が親の預金として積み上がるのを止められるため、将来の相続財産が増えるのを抑えられます。

ただし贈与時には贈与税がかかります。相続時精算課税を使えば2,500万円まで贈与税なしで移せるため、収益物件では選択肢になります。受贈者の社会保険料が上がる点にも注意が必要です。扶養に入っている人に移すと、扶養から外れることがあります。

また、建物だけを贈与して土地は親名義のままにする方法もあります。建物の評価は固定資産税評価額なので、土地ごと渡すより贈与税を抑えられます。

この場合、土地は使用貸借として無償で使わせる形にします。家賃収入は建物の所有者に帰属するため、所得の分散の効果は同じです。

贈与税の基本と申告の実務

贈与税がかかる場合の基本も押さえておきましょう。年110万円までは非課税で、超えた部分に税率をかけて計算します。

贈与税の計算と非課税枠

暦年課税では、1年間に受け取った贈与の合計から110万円を引いて計算します。親や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与は、税率が低い特例贈与財産として計算します。

受け取った額 課税される額 特例贈与財産の税額
200万円 90万円 9万円
510万円 400万円 50万円
1,110万円 1,000万円 210万円

用途を限定した非課税の特例もあります。住宅取得等資金は2026年12月31日まで最大1,000万円、結婚・子育て資金は2027年3月31日まで1,000万円が非課税です。

教育資金の一括贈与は2026年3月31日で新規の受付が終了しました。制度ごとの限度額と期限は、下記の記事で解説しています。

参照元:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

申告先と期限の違い

贈与税と所得税では、申告の期限も提出先も違います。贈与税は翌年2月1日から3月15日まで、所得税の確定申告は2月16日から3月15日までです。

項目 贈与税 所得税
申告期間 翌年2月1日〜3月15日 翌年2月16日〜3月15日
申告する人 財産をもらった人 所得を得た人
提出先 もらった人の住所地の税務署 本人の住所地の税務署
納付期限 3月15日 3月15日
延納 5年以内(利子税あり) 一定の要件で延納あり

贈与税の申告開始は所得税より2週間早い2月1日です。同じ年に両方の申告が必要なら、まとめて準備すると効率的です。もらった財産を売って譲渡所得が生じた場合は、贈与税と所得税の両方を申告します。この場合も、対象になる財産や所得は別々です。

両方の申告が必要になるケース

1つの取引で、贈与税と所得税の両方を申告する場面があります。親から安く買って、その後に売却した場合が典型です。

状況 必要な申告
親から安く買った 買った人=贈与税/売った親=譲渡所得(利益があれば)
もらった年に売却した 同じ人が贈与税と譲渡所得の両方を申告
負担付贈与を受けた もらった人=贈与税/渡した人=譲渡所得
もらった賃貸物件の家賃が入った 同じ人が贈与税と不動産所得の両方を申告

同じ人が両方を申告する場合も、対象になるものは別です。贈与税は「もらった財産」、所得税は「売却益や家賃収入」に対する税金です。申告書は別々に作りますが、期限はどちらも3月15日です。まとめて準備すると効率的です。

贈与税を払うのはもらった人|あげた人にも納める責任が残る

贈与税を申告して納めるのは、財産をもらった人です。あげた人には、贈与税の申告も納付も必要ありません。ただし、あげた人も無関係ではありません。もらった人が贈与税を払わないと、あげた人が代わりに納めるよう求められることがあります(相続税法34条4項)。

立場 贈与税の申告 贈与税の納付
もらった人 必要(年110万円を超えた場合) 必要
あげた人 不要 もらった人が払わないときは、贈与した財産の価額までは納める責任がある

あげた人が自分から子の贈与税を払うと、その税額も新たな贈与になるのが原則です。贈与税の分まで渡したいなら、その金額も含めて贈与し、もらった人が自分で納めてください。

重要ポイント:あげた人が代わりに納めても贈与税がかからないのは、もらった人が資力を失って納められない場合などに限られます(相続税法基本通達34-3)。

連帯して納める責任の範囲と限度額は、下記の記事で解説しています。

参照元:国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合

あげた側に確定申告は必要?|必要になるのは4つの場合

個人に財産を無償であげただけなら、あげた側は贈与税も所得税も申告は不要です。所得税の確定申告が必要になるのは、渡した側に「売った」のと同じ利益が生じる場合です。

渡し方 あげた側の所得税 確定申告
個人に現金・不動産・株式を無償で贈与 かからない 不要
借金付きで贈与(負担付贈与) 引き受けてもらった借金の額で売ったものとして譲渡所得 利益が出れば必要
個人に時価より安く売った 受け取った代金で譲渡所得。時価の2分の1未満なら損は出なかったものとされる 利益が出れば必要
法人に贈与・時価の2分の1未満で売った 時価で売ったものとみなして譲渡所得 利益が出れば必要
暗号資産を贈与 贈与時の価額で雑所得 原則必要(給与所得者で他の所得が20万円以下なら不要)

表の見方:「不要」なのは、個人に対価なしで渡す場合だけです。借金を引き受けてもらう・安く売る・法人に渡す・暗号資産を渡す場合は、あげた側の所得税を先に試算してください。

重要ポイント:あげた側が申告するのは所得税で、期限は翌年3月15日です。もらった側の贈与税とは、申告する人も税金の種類も別です。

計算ロジック:1,000万円で買った土地(時価3,000万円)を、住宅ローン2,000万円ごと子に渡した例です。親の譲渡所得は2,000万円−1,000万円=1,000万円で、5年超の所有なら税額は約203万円です(税率20.315%)。

子には、時価3,000万円−引き受けたローン2,000万円=1,000万円に贈与税がかかります。負担付贈与の土地は、路線価ではなく通常の取引価額で計算します。

参照元:国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法

相続があった年の贈与は相続税になる

特別な扱いがあるのが、相続があった年の贈与です。亡くなった年に被相続人から受けた贈与には、贈与税ではなく相続税がかかります。

1月に父から200万円をもらい、その年の8月に父が亡くなったケースなら、その200万円は相続財産に加算されます。贈与税の申告は不要です。

重要ポイント:この扱いは、相続や遺贈で財産を取得した人に適用されます。財産を取得しない人がその年に贈与を受けていた場合は、通常どおり贈与税の申告が必要です。

相続税の申告と贈与税の申告のどちらをするのか、迷いやすい場面です。相続が起きた年の贈与は、相続税の申告でまとめて処理します。

海外が絡む贈与の扱い

国境をまたぐ贈与では、判定が複雑になります。受け取る人が日本に住所があれば、海外の財産をもらっても日本の贈与税がかかります。

状況 日本の贈与税
もらう人が日本に住所あり 国内外すべての財産にかかる
もらう人が海外在住・日本国籍で10年以内に住所あり 国内外すべての財産にかかる
もらう人が海外在住で長期に日本を離れている 国内の財産のみ(要件により異なる)
海外から100万円超の送金を受けた 国外送金等調書で税務署に把握される

海外送金は100万円を超えると調書で税務署に通知されます。「海外からの送金は分からない」ということはありません。また、海外の税金との二重課税を調整する仕組みもあります。海外が絡む贈与は要件が細かいため、税理士に確認してください。

申告を忘れたときのペナルティ

申告を忘れると、加算税と延滞税がかかります。無申告加算税は15%からで、金額が大きいと30%まで上がります。

種類 税率
無申告加算税 15%(50万円超20%・300万円超30%)
調査通知前に自分から申告 5%
重加算税(隠した場合) 40%
延滞税 年2.8%(2ヶ月経過後は年9.1%)

贈与税の申告漏れは、不動産の登記や相続税の調査で見つかります。贈与税の時効は原則6年、意図的に申告しなかった場合は7年です。

ただし、そもそも贈与が成立していない場合は時効も始まりません。名義だけを子に変えて親が管理していた預金は、名義預金として相続財産に含められます。

「時効を待つ」という考えは成り立ちません。年数が経つほど延滞税も積み上がるため、気づいた時点で申告するほうが負担は軽くなります。

期限後でも、税務署の連絡を待たずに自分から申告すれば無申告加算税は5%です。調査で指摘されると15%以上になるため、差は3倍以上になります。

税務署が把握する仕組みと実行の手順

贈与は当事者だけの取引ですが、税務署に把握されるルートがあります。不動産の登記や保険金の支払調書から、財産が動いた事実が伝わります。

把握されるルート

税務署に財産の移動が伝わる主なルートは、次のとおりです。相続税の調査で過去の預金の動きを確認され、そのときに贈与税の申告漏れが判明するケースが最も多くあります。

ルート 把握される内容
不動産の登記情報 贈与を原因とする所有権の移転
買入価額などのお尋ね 不動産を買った資金の出どころ
生命保険金の支払調書 保険料の負担者と受取人(100万円超)
国外送金等調書 100万円を超える海外送金
相続税の調査 過去10年分の預金の動き
金融機関への照会 本人の同意なく残高と取引履歴を確認できる

登記をすれば、贈与の事実は必ず残ります。不動産の名義変更をしたなら、贈与税の申告が必要かを必ず確認してください。

贈与を実行するまでの手順

実行前に確認する順番を決めておくと、失敗を防げます。「誰に何を渡すか」を決めたら、税金の種類を確認してから動きます。

STEP1
渡す相手と財産を決める。相手が個人か法人か、財産が現金か不動産かで税金が変わる

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STEP2
対価や負担がないかを確認する。安く売る・借金を引き受けさせる形なら渡す側にも所得税が生じる

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STEP3
使える非課税の特例と期限を確認する。住宅資金は2026年12月末、結婚子育ては2027年3月末まで

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STEP4
贈与契約書を作り、銀行振込で実行する。不動産なら登記も行う

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STEP5
翌年2月1日〜3月15日に贈与税の申告をする。所得税が生じる場合は2月16日〜3月15日に確定申告する

重要ポイント:STEP2を飛ばすと、渡した側に想定外の所得税が生じます。「無償で渡す」のか「対価や負担があるのか」を、実行前に必ず整理してください。

贈与税の申告書と添付書類

贈与税の申告は、専用の申告書で行います。暦年課税なら第一表、相続時精算課税なら第二表を使い、特例を使う場合は添付書類が必要です。

使う様式・書類 内容
申告書 第一表 暦年課税の贈与を記載する
申告書 第二表 相続時精算課税の贈与を記載する
相続時精算課税選択届出書 精算課税を初めて使う年に提出する
戸籍謄本など 贈与者との関係を示す(特例を使う場合)
登記事項証明書 不動産の贈与や住宅資金の特例で必要

e-Taxでも申告できます。添付書類はイメージデータで送信できるため、書類のコピーを郵送する手間が省けます。

トラブル事例とチェックリスト

贈与と所得税の判断でつまずいた実例を挙げます。多くは「両方の税金が動くケース」を知らなかったことが原因です。

事例と対策

事例1:親から安く買って贈与税を課された

時価3,000万円の土地を親から500万円で購入したケース。売買契約書もあり適正だと考えていましたが、差額2,500万円が贈与とみなされ、子に贈与税が課されました。

対策:親族間の売買は時価で行います。安くする場合は、差額に贈与税がかかる前提で試算します。

事例2:ローン付きの家をもらい親に所得税がかかった

住宅ローンが残る家を子に贈与したケース。子には差額に贈与税がかかり、さらに親にはローン残高を対価とする譲渡所得税が課されました。対策:負担付贈与は渡す側にも税金がかかります。ローンを完済してから贈与するか、税額を試算してから判断します。

事例3:もらった株を売って想定外の税額になった

父からもらった株を売却したケース。もらった時点の評価額を取得費と考えていましたが、実際は父の購入額を引き継ぐため、譲渡所得が想定より大きくなりました。対策:取得費は贈与者の購入額を引き継ぎます。売却前に、贈与者の取得価額が分かる資料を確認します。

事例4:学資保険の受取人設定で贈与税がかかった

親が保険料を負担し、満期金の受取人を子にしていたケース。保険料の負担者と受取人が違うため、満期金が贈与税の対象になりました。対策:保険料の負担者と受取人を同じにすれば一時所得になり、50万円の特別控除が使えます。契約時に確認します。

事例5:自分の会社に不動産を贈与して所得税がかかった

経営する会社に、含み益のある土地を無償で移したケース。現金は動いていないのに、時価で譲渡したものとみなされて所得税が課され、納税資金の準備に困りました。

対策:個人から法人への贈与はみなし譲渡になります。移す前に譲渡所得の試算をし、納税資金を確保します。

事例6:離婚で不動産を渡した側に課税された

離婚の財産分与として自宅を配偶者に渡したケース。受け取る側には贈与税がかからない一方、渡した側には時価で譲渡したものとして譲渡所得税が課されました。

対策:財産分与で不動産を渡すと、渡した側に課税されることがあります。居住用財産の特例が使えるかを含めて確認します。

重要ポイント:6つの事例に共通するのは、実行前の試算をしていなかったことです。親族間の売買・負担付贈与・保険の契約形態は、事前に確認すれば避けられます。

実行前のチェックリスト

財産を渡す前・受け取る前に、次の項目を確認してください。1つでも不明な点があれば、実行前に確認するのが安全です。

  • □ 渡す相手は個人か法人か確認したか
  • □ 対価をやりとりする場合、時価と比べて著しく低くないか
  • □ 借金や負担を引き受ける形になっていないか
  • □ もらった財産を売る予定があるなら、贈与者の取得価額を確認したか
  • □ 保険の契約形態(負担者と受取人)を確認したか
  • □ 親子間の貸借なら、契約書と返済の記録があるか
  • □ 贈与税と所得税、どちらの申告が必要か整理したか
  • □ 非課税の特例を使うなら、期限内に実行できるか
相続税の一括相談・見積りは相続税理士ナビ
相続税の一括相談・見積りは相続税理士ナビ

贈与税と所得税は相続税の対応実績がある税理士へ|一括相談・見積り

贈与は、渡し方によってかかる税金の種類が変わります。相続税の対応実績がある税理士なら、贈与税と所得税の両面から有利な方法を示せます。複数の税理士に一括で相談し、比較して選ぶのがおすすめです。

相続税の対応実績がある税理士が必要な理由

贈与の税務は、複数の税目にまたがります。贈与税だけを見て判断すると、渡す側の所得税や将来の譲渡所得で損をすることがあります。

相続税の対応実績がある税理士が必要な理由

  • 贈与税・所得税・相続税を通して有利な渡し方を判断できる
  • 親族間売買で「著しく低い価額」にならない水準を助言できる
  • 負担付贈与やみなし譲渡のリスクを事前に指摘できる
  • 取得費の引き継ぎを踏まえ、売却まで含めた試算ができる
  • 保険の契約形態を確認し、課税される税目を整理できる

たとえば含み益のある不動産を法人に贈与すると、現金が動かないのに所得税がかかります。実行してからでは戻せないため、事前の確認が欠かせません。

税理士を比較するときの3つの判定ポイント

相続税に対応している税理士でも、贈与の提案力には差があります。見積りや初回相談で、次の3点を比べてみてください。「申告実績数・複数税目での試算・実行前の確認」の3点を確認すれば、任せられる事務所かを見分けられます。

判定ポイント1:相続税申告の実績数
年間の相続税申告の件数を確認します。「年間5件」と「年間100件以上」では、贈与と相続をつないで考える経験に差が出ます。→ 実績数が多い税理士のほうが、判断に迷いがないと判定できます。

判定ポイント2:複数の税目で試算できるか
贈与税だけでなく、渡す側の所得税や将来の譲渡所得まで示してくれるかを見ます。→ 複数税目で試算できる税理士のほうが、トータルで損しない案を出せると判定できます。

判定ポイント3:実行前に確認してくれるか
「実行前に相談してください」と言ってくれるかを確認します。→ 事前確認を促す税理士のほうが、取り返せない失敗を防げると判定できます。

相談しないまま進めるリスク

自己判断で贈与すると、想定外の税金が生じます。特に親族間の売買と負担付贈与は、渡した側に思わぬ負担が生じます。贈与は実行した時点で結果が確定します。相談しないまま進めると、具体的には次のようなリスクがあります。

相談せずに進めた場合のリスク

  • 親族間で安く売買し、差額に贈与税を課される
  • 負担付贈与で、渡した側に譲渡所得税が生じる
  • 法人への贈与でみなし譲渡となり、現金がないまま課税される
  • 取得費の引き継ぎを知らず、売却時の税額を見誤る
  • 保険の契約形態を確認せず、贈与税の対象になる

これらの多くは、実行前に相談していれば防げたものです。相談は無料のことが多く、動くなら早いほど選択肢が広がります。

一括相談・見積りの手順|STEP1〜STEP4

実際に一括相談・見積りを利用する流れは、次の4ステップです。フォームの記入自体は5分ほどで終わります。贈与を実行する前に相談すれば、税金の種類と金額を確認してから動けます。

STEP1
贈与の概要を整理する。誰から誰へ・財産の種類と金額・対価や負担の有無・売却の予定・相続財産の概算をまとめる

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STEP2
一括見積り・相談サービスに依頼する。贈与税の申告・生前対策などの希望内容を明記し、相続税の対応実績がある税理士3〜5の事務所へ同時に打診する。不動産があれば所在地と広さも伝える(記入は5分程度)

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STEP3
各税理士から「提案内容」「試算した税額」「報酬額」が記載された見積りが届く。気になる事務所と初回相談を行う

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STEP4
「提案内容の質」「説明の丁寧さ」「報酬の納得性」で最適な事務所を選び、正式に依頼する。贈与の実行前に方針を固める

重要ポイント:「渡す側」「もらう側」の両方の税金を試算してもらってください。片方だけを見て決めると、家族全体では損をすることがあります。

よくある質問

Q1. 贈与された財産に所得税はかかりますか?

個人からの贈与なら所得税はかかりません。所得税法で非課税と定められており、贈与税の対象になります。ただし法人からもらった場合は贈与税ではなく所得税(給与所得または一時所得)がかかります。

Q2. 贈与税と所得税が二重にかかることはありますか?

同じ人が同じ財産で両方を払うことはありません。親から安く買った場合は「買った人に贈与税、売った人に所得税」となりますが、課税される人が違うため二重課税ではありません。

Q3. もらった不動産を売ったときの税金は?

譲渡所得として所得税がかかります。取得費と取得時期は贈与した人のものを引き継ぐため、贈与者が買った金額が取得費になります。贈与者が5年を超えて所有していれば、長期譲渡所得(税率約20%)になります。

Q4. 親から時価より安く買うとどうなりますか?

時価と支払った金額の差額が贈与とみなされ、買った人に贈与税がかかります。「著しく低い」の基準は明確な倍率がなく、土地建物は通常の取引価額、それ以外は相続税評価額と比べて個別に判断されます。

Q5. 生命保険金にはどの税金がかかりますか?

契約形態で3つに分かれます。被相続人が保険料を負担していれば相続税、受取人自身が負担していれば所得税(一時所得)、負担者と被保険者と受取人がすべて違えば贈与税です。契約時の設定を確認してください。

Q6. 贈与を受けると住民税や社会保険料は上がりますか?

個人からの贈与は所得ではないため、住民税・国民健康保険料・税法上の扶養には影響しません。ただし法人からもらった場合や、もらった財産から家賃・配当が生じた場合は所得になるため影響します。生活保護を受けている場合は収入として認定されます。

Q7. 財産をあげた側も確定申告が必要ですか?

個人に無償であげただけなら不要です。借金付きで贈与した場合、時価より安く売った場合、法人に贈与した場合、暗号資産を贈与した場合は、あげた側に所得税がかかり確定申告が必要になることがあります。

まとめ|誰から・どう受け取ったかで税金が決まる

個人から財産をもらった場合、所得税はかからず贈与税だけがかかります。一方、法人からもらった場合は所得税の対象です。もらった後に売る・貸すと、そこから生じる利益には所得税がかかります。

  • 個人からの贈与は贈与税、法人からは所得税。住民税・保険料・扶養には影響しない
  • もらった後に売る・貸すと所得税がかかり、取得費は贈与者から引き継ぐ
  • 贈与税を払うのはもらった人。負担付贈与・低額譲渡・法人への贈与では、あげた側に所得税がかかる

今すぐ取るべき行動

  • 渡す相手が個人か法人かを確認する
  • 対価をやりとりするなら、時価と比べて著しく低くないか確認する
  • 借金や負担を引き受ける形になっていないか確認する
  • 売る予定があるなら、贈与者の取得価額を先に調べる
  • 判断に不安があれば、実行前に相続税の対応実績がある税理士に一括で相談・見積りを依頼する

※本記事は2026年10月時点の情報にもとづいて作成しています。税制は改正される場合があります。個別の判断にあたっては、最新の情報を国税庁の公式サイトで確認するか、相続税の対応実績がある税理士にご相談ください。

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