


家族が亡くなると、相続税だけでなく、いくつもの税金が関わってきます。死亡後にかかる税金は、大きく分けて5種類あります。
具体的には、相続税・所得税(準確定申告)・住民税・固定資産税・登録免許税です。それぞれ、誰が・いつまでに・いくら払うかが異なります。
特に注意したいのが、申告や納税の期限です。準確定申告は4ヶ月以内、相続税は10ヶ月以内と、種類によって期限がばらばらに定められています。
また、住民税や固定資産税は、亡くなった日が1月1日の前か後かで、課税されるかどうかが変わります。死亡日によって扱いが変わる税金があるのです。
一方で、遺族年金や香典など、税金がかからないお金もあります。さらに、準確定申告で所得税が戻ってくるなど、受け取れるお金もあります。
本記事では、死亡後にかかる5種類の税金を「いつ・誰が・いくら払うか」で横断的に整理し、税金のスケジュール、かからないお金・戻ってくるお金、よくある注意点までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

まず結論からお伝えします。死亡後にかかる税金は、相続税・所得税・住民税・固定資産税・登録免許税の5種類が中心です。それぞれ、かかる対象も期限も異なります。
すべての人に5種類すべてがかかるわけではありません。不動産があれば固定資産税や登録免許税が関わり、故人に所得があれば準確定申告が必要になります。まずは全体像を早見表で確認しましょう。
たとえば、賃貸アパートを持っていた個人事業主が亡くなった場合は、相続税・準確定申告・固定資産税・登録免許税が関わり、5種類のうち4種類が該当します。一方、預貯金だけを遺して所得のなかった人なら、相続税がかかるかどうかだけを確認すれば足りることもあります。
自分のケースで、どの税金が関係するかを見極めることが大切です。
5種類の税金について、誰が・いつまでに・いくら払うかを一覧にまとめます。自分のケースでどれが関係するかを、まずこの表で確認してください。
| 税金 | かかる対象 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 相続税 | 基礎控除を超える遺産 | 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月 |
| 所得税(準確定申告) | 故人の生前の所得 | 相続開始を知った日の翌日から4ヶ月 |
| 住民税 | 故人の前年の所得(死亡日で変動) | 納税通知書の納期 |
| 固定資産税 | 1月1日時点で所有する不動産 | 各自治体の納期 |
| 登録免許税 | 相続登記(名義変更) | 相続登記のとき |
表の見方:5種類のうち、相続税と所得税は「申告」が必要な税金です。住民税・固定資産税は通知が届く税金、登録免許税は名義変更のときに払う税金と整理すると分かりやすいです。
死亡後の税金でまず意識すべきは、2つの申告期限です。準確定申告は4ヶ月以内、相続税の申告は10ヶ月以内と、期限が異なります。どちらも過ぎるとペナルティがかかります。
準確定申告のほうが早く来るため、うっかり見落としがちです。まず4ヶ月以内の準確定申告、次に10ヶ月以内の相続税、という順番を最初に頭に入れておきましょう。
住民税や固定資産税は、自治体から納税通知書が届きます。自分で申告する必要はありませんが、通知を放置すると滞納になります。届いた通知は必ず確認しましょう。
期限の数え方は「相続の開始を知った日の翌日から」が基準です。多くの場合は亡くなった日の翌日から数えますが、死亡を後から知ったケースでは、知った日が起点になります。準確定申告の4ヶ月も相続税の10ヶ月も、この同じ起点から数える点を押さえておきましょう。

死亡後の税金の代表が相続税です。相続税は、亡くなった人から受け継ぐ遺産が一定額(基礎控除)を超える場合にかかります。遺産が基礎控除以下なら、相続税はかかりません。
相続税は、遺産の総額から基礎控除を引いた金額に対してかかります。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。遺産がこの金額以下なら、申告も納税も不要です。
相続税の申告と納税の期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。この期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税がかかります。相続税の税率や計算方法の詳細は、下記の記事で解説しています。
相続税は、財産を受け取った各相続人が、取得した割合に応じて負担します。誰がいくら払うかは、遺産分割の内容で決まります。遺産の分け方によって、各人の相続税の負担額が変わる点も押さえておきましょう。

相続で受け取るお金の中には、一定額まで相続税がかからないものがあります。死亡保険金と死亡退職金は、それぞれ「500万円×法定相続人の数」までが非課税です。
たとえば法定相続人が3人なら、死亡保険金は1,500万円まで、死亡退職金も1,500万円まで非課税になります。この非課税枠を使うと、相続税の負担を抑えられます。死亡保険金の詳しい扱いは、下記の記事で解説しています。
ただし、この非課税枠を使えるのは相続人が受け取った場合に限られます。相続放棄をした人や、相続人以外が受け取った保険金には、非課税枠が適用されません。誰が受け取るかで扱いが変わる点に注意しましょう。
死亡退職金は、死亡後3年以内に支給が確定したものが相続税の対象になります。3年を過ぎてから確定した退職金は、受け取った人の一時所得として所得税の対象になり、扱いが変わります。同じ退職金でも、支給が確定した時期によって、かかる税金が相続税か所得税かに分かれます。

相続税がかかるかどうかは、まず遺産の総額と基礎控除を比べて判断します。遺産が基礎控除以下なら、そもそも相続税はかからず、申告も不要です。法定相続人の数で基礎控除が変わります。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
重要ポイント:たとえば相続人が子2人なら、基礎控除は4,200万円です。遺産が4,200万円以下なら相続税はかからず、超える部分にだけ課税されます。まず遺産総額を把握することが第一歩です。
注意したいのは、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って相続税が0円になる場合でも、申告そのものは必要な点です。これらの特例は、申告して初めて適用されます。「0円だから申告不要」と思い込むと、特例が使えず課税されるおそれがあります。

2つ目の税金は、故人の生前の所得にかかる所得税です。亡くなった人に一定の所得があった場合、相続人が代わりに「準確定申告」をして所得税を納めます。相続税とは別の手続きです。
準確定申告とは、亡くなった人のその年の所得を、相続人が代わりに申告する手続きです。対象期間は、その年の1月1日から死亡日までの所得です。通常の確定申告を、相続人が故人に代わって行うイメージです。
期限は、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内です。相続税の10ヶ月より早く来るため、見落とさないよう注意が必要です。相続人が複数いる場合は、原則として全員が連署して申告します。
準確定申告で納めた所得税は、相続税の債務控除の対象になります。逆に、還付された所得税は相続財産に加わります。準確定申告は所得税の手続きですが、その結果は相続税の計算にも影響します。両方をあわせて考えることが大切です。
準確定申告は、故人が生前に確定申告をする必要があった場合に必要です。事業所得や不動産所得がある人、給与が2,000万円を超える人などが対象になります。必要な人・不要な人を整理します。
| 準確定申告が必要な人 | 原則不要な人 |
|---|---|
| 個人事業主(事業所得がある) | 年金収入のみで一定額以下 |
| 不動産所得(家賃収入)がある | 給与のみで年末調整済み |
| 給与収入が2,000万円を超える | 所得が少なく申告義務がない |
年金収入だけの人は、公的年金などの収入が400万円以下で、そのほかの所得が20万円以下なら、準確定申告は原則として不要です。ただし、年金から所得税が源泉徴収されていて、医療費控除などを反映すると納めすぎになる場合は、申告すれば還付を受けられます。
重要ポイント:会社員でも、亡くなった年に医療費が多くかかっていた場合などは、準確定申告で還付を受けられることがあります。「不要」に見えても、還付があるなら申告する価値があります。
準確定申告では、納めるだけでなく、税金が戻ってくることもあります。給与や年金から源泉徴収されていた所得税が、精算の結果として還付される場合があるからです。
特に、亡くなった年に高額な医療費を払っていた場合は、医療費控除で還付を受けられることがあります。この還付金は、相続財産に含まれて相続税の対象になります。準確定申告の手続きの詳細は、下記の記事で解説しています。
準確定申告には、故人の源泉徴収票や年金の支払通知書、生前の医療費の領収書、生命保険料控除の証明書などが必要です。通常の確定申告と同じ資料に加え、相続人全員の情報を記載した付表を添付します。書類集めには時間がかかるため、4ヶ月の期限を意識して早めに動きましょう。
たとえば、賃貸経営をしていた故人の場合、1月1日から死亡日までの家賃収入と経費を集計して申告します。年の途中で亡くなると、1年分ではなく死亡日までの所得で計算する点が、通常の確定申告と異なります。事業や不動産の帳簿がある場合は、早めに整理を始めましょう。

参照元:国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)

3つ目は住民税です。住民税は、亡くなった日が1月1日の前か後かで、翌年度に課税されるかどうかが変わります。死亡日によって扱いが分かれる点が特徴です。
住民税は、その年の1月1日時点で生きている人に対して、前年の所得をもとに課税されます。1月1日より前に亡くなった場合は、その年度の住民税はかかりません。死亡日で扱いを整理しましょう。
| 死亡日 | その年度の住民税 |
|---|---|
| 前年の12月31日以前に死亡 | その年度分は課税されない |
| 1月1日以降に死亡 | 1月1日時点で納税義務が確定し、課税される |
重要ポイント:住民税は前年の所得に対してかかる「後払い」の税金です。1月2日以降に亡くなると、亡くなった後でもその年度の住民税を相続人が納めることになります。
亡くなった人の住民税は、相続人が代わりに納めます。自治体から届く納税通知書にもとづき、記載された納期までに納付します。通知は例年6月頃に送られてきます。
納めた住民税のうち、死亡日時点で未払いだった分は、相続税の債務控除の対象になります。マイナスの財産として遺産から差し引けるため、申告時に忘れず反映しましょう。未納の税金は放置すると延滞金がつくので、早めに納めるのが安全です。
会社員だった故人の場合、給与から住民税が天引き(特別徴収)されていたのが、死亡後は納付書での納付(普通徴収)に切り替わります。自治体から相続人あてに納税通知書が届くので、記載の納期までに納めます。切り替えの通知を見落とさないようにしましょう。
普通徴収の住民税は、通常6月・8月・10月・翌年1月の年4回に分けて納めます。死亡後は、まだ納めていない残りの期の分を相続人がまとめて納付する形になります。一括で納める必要がある場合もあるため、金額が大きいときは資金の準備もしておきましょう。

4つ目は固定資産税です。固定資産税は、1月1日時点で土地や家屋を所有している人にかかる税金です。不動産を相続する場合に関わってきます。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して、その年の1年分が課税されます。1月1日より後に亡くなった場合、その年の固定資産税は被相続人に課税され、相続人が引き継いで納めます。
| 死亡日 | その年の固定資産税 |
|---|---|
| 前年の12月31日以前に死亡 | その年分は被相続人に課税されない |
| 1月1日以降に死亡 | 被相続人に課税され、相続人が納付する |
なお、固定資産税には免税点があります。同じ市町村内で、課税標準額が土地は30万円、家屋は20万円に満たない場合は課税されません。評価額の低い不動産だけなら、固定資産税がかからないこともあります。
重要ポイント:相続後も、不動産を持ち続ける限り毎年固定資産税がかかります。相続した不動産の固定資産税は、翌年以降は相続した人が負担し続けることになります。
市街化区域にある不動産には、固定資産税とあわせて都市計画税もかかります。都市計画税も1月1日時点の所有者に課税され、固定資産税と一緒に納税通知書が届きます。
相続登記が済むまでは、複数の相続人が共有で納税義務を負う形になります。誰が納めるかを早めに決めておかないと、支払いが宙に浮くことがあります。
相続した不動産の固定資産税は、遺産分割で取得する人が引き継ぐのが一般的です。不動産の評価や税金は下記の記事も参考になります。

相続登記が済むまでの間、固定資産税の納税通知を誰が受け取るかを決める手続きがあります。多くの自治体では「相続人代表者指定届」を提出し、代表者が通知の受け取りと納付を担います。
この届出をしないと、自治体が相続人の中から代表者を決めることがあります。代表者が納めた税金は、実際に不動産を相続する人との間で、後から精算するのが一般的です。まずは代表者を決めて、納付が滞らないようにしましょう。

5つ目は登録免許税です。相続した不動産の名義を故人から相続人に変更する「相続登記」のときに、登録免許税がかかります。法務局に納める国税です。
相続登記の登録免許税は、不動産の固定資産税評価額に0.4%をかけて計算します。たとえば評価額2,000万円の不動産なら、登録免許税は8万円です。土地と建物それぞれで計算します。
評価額は、市区町村から届く固定資産税の課税明細書や、固定資産評価証明書で確認できます。売買や贈与での名義変更(2%)より税率が低く設定されているのが、相続登記の特徴です。
たとえば、土地の評価額が1,500万円、建物が500万円なら、合計2,000万円に0.4%をかけて登録免許税は8万円です。土地と建物を別々に計算し、それぞれの評価額を合算してから税額を出します。マンションの場合は、土地の持分割合も考慮します。
登録免許税には、一定の場合に免税される措置があります。また、2024年4月から相続登記が義務化され、取得を知った日から3年以内の登記が必要になりました。怠ると過料の対象です。
相続した土地の登記をしないうちに次の相続が起きた場合など、一定の条件で登録免許税が免除されることがあります。いずれにしても、相続登記は早めに済ませるのが安全です。
たとえば、評価額100万円以下の土地は、相続登記の登録免許税が免税されます。また、土地を相続した人が登記しないまま亡くなり、その土地をさらに相続する場合も、最初の相続登記分の登録免許税が免税されます。
これらの免税措置には適用期限があるため、早めに登記するほど活用しやすくなります。相続登記を先延ばしにせず、早めに済ませておきましょう。
相続登記は、自分で法務局に申請することもできますが、書類集めや申請書の作成に手間がかかります。不安があれば、司法書士や税理士に依頼するのも一つの方法です。相続登記の登録免許税は、税理士に依頼する相続税申告とあわせて相談すると、手続き全体をまとめて進められます。

ここまでの税金を、時系列で整理します。死亡後は、4ヶ月・10ヶ月という2つの申告期限を軸に、税金の手続きが進みます。全体の流れを把握しておきましょう。
死亡後に発生する税金の手続きを、時系列で確認します。準確定申告と相続税の期限が特に重要です。
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重要ポイント:最初に来る期限は準確定申告の4ヶ月です。相続税の10ヶ月ばかり意識していると、4ヶ月の準確定申告を見落としがちなので注意しましょう。
それぞれの税金は、期限を過ぎるとペナルティが発生します。申告が遅れれば加算税、納付が遅れれば延滞税や延滞金がかかります。期限ごとに整理しておきましょう。
| 逃した期限 | 起こること |
|---|---|
| 準確定申告(4ヶ月) | 無申告加算税・延滞税がかかる |
| 相続税の申告(10ヶ月) | 無申告加算税・延滞税がかかる |
| 住民税・固定資産税の納付 | 延滞金が加算される |
| 相続登記(3年) | 10万円以下の過料の対象になる |
重要ポイント:どの期限も、過ぎると余計な出費につながります。特に準確定申告と相続税は申告が遅れるほどペナルティが重くなるため、期限を最優先で管理しましょう。

死亡後に受け取るお金の中には、税金がかからないものや、逆に戻ってくるお金もあります。「かかる税金」だけでなく、「かからないお金」「戻るお金」も知っておくと安心です。整理しておきましょう。
遺族が受け取るお金の中には、税金がかからないものがあります。遺族年金・香典・一定の範囲の弔慰金などは、原則として相続税も所得税もかかりません。主なものを確認しましょう。
| お金 | 税金の扱い |
|---|---|
| 遺族年金 | 非課税(相続税・所得税ともにかからない) |
| 香典 | 非課税(社会通念上相当な範囲) |
| 弔慰金 | 一定の範囲まで非課税 |
重要ポイント:遺族年金は、遺された家族の生活を支えるためのお金なので非課税です。これらを相続財産に含めて申告する必要はありません。ただし弔慰金は範囲を超えると課税されることがあります。
弔慰金には、非課税になる範囲の目安があります。業務上の死亡なら給与のおおむね3年分、業務外の死亡なら給与のおおむね半年分までが非課税です。この範囲を超えた部分は、死亡退職金として相続税の対象になります。
勤務先から受け取る弔慰金は、金額に注意しましょう。弔慰金の詳しい扱いは下記の記事で解説しています。

死亡後には、手続きをすることで戻ってくるお金もあります。準確定申告による所得税の還付、高額療養費、未支給年金などが代表的です。忘れずに請求しましょう。
準確定申告で所得税が還付される場合、その還付金は相続財産として相続税の対象になります。高額療養費は、亡くなった月までの医療費が高額だった場合に払い戻されるお金です。未支給年金は、故人が受け取れなかった年金を遺族が請求できるものです。
高額療養費は加入していた健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険など)に、未支給年金は年金事務所に請求します。未支給年金は遺族固有の権利として受け取るため相続税はかからず、受け取った人の一時所得として扱われます。
葬祭費・埋葬料も、加入していた健康保険から数万円程度が支給されます。いずれも請求しないと受け取れないため、忘れずに手続きしましょう。
これらのお金は、自動では戻ってきません。相続人や遺族が自分で請求手続きをする必要があります。受け取れるお金を取りこぼさないよう、早めに確認しておきましょう。
| 戻る・受け取れるお金 | 内容 |
|---|---|
| 所得税の還付金 | 準確定申告で払いすぎた所得税が戻る(相続財産に含む) |
| 高額療養費 | ひと月の医療費が上限を超えた分が払い戻される |
| 未支給年金 | 故人が受け取れなかった年金を遺族が請求できる |
| 葬祭費・埋葬料 | 健康保険から葬儀費用の一部が支給される |
重要ポイント:これらには請求の期限があるものが多くあります。未支給年金や高額療養費、葬祭費などは時効で請求できなくなることもあるため、早めに手続きしましょう。税金の扱いも項目ごとに異なります。

死亡後の税金は種類が多く、期限もばらばらなため、見落としによるトラブルが起こりがちです。代表的な失敗を事例で知っておけば、同じミスを避けられます。よくあるケースを見ていきましょう。
事例1:準確定申告の4ヶ月を忘れた
相続税の10ヶ月ばかり意識して、準確定申告の4ヶ月の期限を過ぎてしまったケース。故人に不動産所得があり、無申告加算税と延滞税が発生しました。
対策:死亡後はまず準確定申告の要否を確認します。所得がある人は4ヶ月以内の申告を最優先にします。
事例2:亡くなった後の住民税・固定資産税を見落とした
1月2日以降に亡くなったのに、「亡くなったから税金はかからない」と思い込み、届いた納税通知書を放置したケース。延滞金が加算されてしまいました。
対策:1月1日以降の死亡は、その年度の住民税・固定資産税がかかります。届いた通知は必ず納付します。
事例3:未納の税金を債務控除し忘れた
死亡時点で未払いだった住民税や固定資産税を、相続税の債務控除に反映せず、相続税を払いすぎたケース。マイナスの財産として差し引けたのに見落としました。
対策:未納の税金は債務控除の対象です。相続税の申告時に、未払いの税金を漏れなく差し引きます。
事例4:相続登記を放置してしまった
相続した実家の名義変更を後回しにし、相続登記を長く放置したケース。2024年4月からの義務化で、3年の期限を過ぎると過料の対象になり、売却もできない状態が続きました。
対策:相続した不動産は、取得を知った日から3年以内に登記します。登録免許税とあわせて、早めに手続きします。
重要ポイント:4つの事例に共通するのは「期限と種類の把握不足」です。死亡後の税金は種類ごとに期限が違うため、最初に全体像とスケジュールを押さえることが大切です。
借金が多いなどの理由で相続放棄をする場合は、税金の扱いにも注意が必要です。相続放棄をすると、被相続人の未納の税金を納める義務もなくなります。固定資産税や住民税の滞納分も引き継ぎません。
ここで気をつけたいのが、放棄する前に故人の預貯金で税金を払ってしまわないことです。故人の財産で支払いをすると、相続を承認したとみなされ、放棄できなくなるおそれがあります。相続放棄を考えているなら、税金を含めて支払いはいったん止め、早めに専門家へ相談しましょう。
死亡後の税金は、次の項目を早い段階で確認しておくと安心です。ひとつでも不明な点があれば、税務署や専門家に確認しましょう。
重要ポイント:チェックが埋まらない項目は、そのまま見落としやトラブルの火種になりやすい部分です。特に準確定申告の4ヶ月と、死亡日による住民税・固定資産税の扱いは間違えやすいので注意しましょう。

死亡後の税金は種類が多く、期限もばらばらで、自己判断が難しい分野です。相続税の対応実績がある税理士なら、準確定申告から相続税まで、必要な手続きを漏れなく進めてくれます。複数の税理士に一括で相談し、比較して選ぶのがおすすめです。
死亡後の税金は、準確定申告と相続税で期限が違い、住民税・固定資産税・登録免許税まで関わります。実績のある税理士は、これらを一括で見渡し、期限や控除の漏れを防ぎます。だからこそ、任せる意味があります。
相続税の対応実績がある税理士が必要な理由
たとえば、準確定申告を忘れると、後から加算税や延滞税がかかります。期限の見落としが、そのまま余計な出費につながるのです。
相続税に対応している税理士でも、死亡後の税金全体への対応力には差があります。見積りや初回相談で、次の3点を比べてみてください。
「相続税の実績数・準確定申告の対応・説明のわかりやすさ」の3点を確認すれば、死亡後の税金に強い税理士かを見分けられます。
判定ポイント1:相続税申告の実績数
年間の相続税申告の件数を確認します。「年間5件」と「年間100件以上」では、対応経験に差が出ます。→ 実績数が多い税理士のほうが、手続きに慣れていると判定できます。
判定ポイント2:準確定申告への対応
準確定申告もあわせて依頼できるかを確認します。→ 準確定申告から相続税まで一括で任せられる税理士のほうが、期限管理を漏らさないと判定できます。
判定ポイント3:説明のわかりやすさ
どの税金がいつ・いくらかかるかを、わかりやすく説明してくれるかを確認します。→ 丁寧に説明できる税理士のほうが、全体を把握して対応していると判定できます。
自分だけで死亡後の税金を処理すると、期限の見落としや控除漏れのリスクが大きくなります。準確定申告の期限を過ぎたり、未納税金の債務控除を忘れたりすると、余計な税金がかかります。
死亡後の税金は、種類も期限も多く、後戻りが難しい分野です。相談しないまま進めると、具体的には次のようなリスクがあります。
相談せずに進めた場合のリスク
これらの多くは、早い段階で複数の税理士に相談していれば防げたものです。相談は無料のことが多く、動くなら早いほど選択肢が広がります。
実際に一括相談・見積りを利用する流れは、次の4ステップです。フォームの記入自体は5分ほどで終わります。
相続税の申告期限は10ヶ月なので、相続開始から7ヶ月以内に依頼先を決めておくと安心です。
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重要ポイント:死亡後の税金は準確定申告と相続税の両方の期限管理が命です。複数の税理士の見積りを比べ、必要な手続きを漏れなく任せられる事務所を選びましょう。
主に5種類です。相続税・所得税(準確定申告)・住民税・固定資産税・登録免許税があります。すべてが全員にかかるわけではなく、遺産の額や不動産の有無、故人の生前の所得によって、関係する税金が変わります。
準確定申告は、故人の生前の所得にかかる所得税を、相続人が代わりに申告する手続きで、期限は4ヶ月以内です。相続税の申告は、受け継ぐ遺産にかかる税金の申告で、期限は10ヶ月以内です。対象も期限も別のものです。
亡くなった日が1月1日以降であれば、その年度の住民税・固定資産税は被相続人に課税され、相続人が納めます。1月1日より前に亡くなった場合は、その年度分はかかりません。死亡日で扱いが変わります。
あります。遺族年金や香典は原則として非課税です。弔慰金も一定の範囲までは非課税です。これらは相続財産に含めて申告する必要はありません。ただし弔慰金は範囲を超えると課税されることがあります。
あります。準確定申告による所得税の還付、高額療養費、未支給年金などが代表的です。いずれも自動では戻らず、相続人や遺族が自分で請求手続きをする必要があります。準確定申告の還付金は相続税の対象になります。
死亡後にかかる税金は、相続税・所得税(準確定申告)・住民税・固定資産税・登録免許税の主に5種類です。それぞれ、誰が・いつまでに・いくら払うかが異なります。まずは全体像と期限を最初に押さえることが大切です。
特に、準確定申告の4ヶ月と相続税の10ヶ月という2つの期限、そして死亡日による住民税・固定資産税の扱いは間違えやすいポイントです。以下のアクションから始めましょう。
※本記事は2026年7月時点の情報にもとづいて作成しています。相続税法や関連する取り扱いは改正される場合があります。個別の判断にあたっては、最新の情報を国税庁の公式サイトで確認するか、相続税の対応実績がある税理士にご相談ください。