株式相続の税金はいくら?相続税と売却時の譲渡税・手続きを解説

株式_相続税_計算

株式を相続すると、大きく2つの税金が関わります。1つは相続したときにかかる相続税、もう1つは相続した株を売ったときにかかる譲渡所得税です。この2つを分けて理解することが、株の相続を整理する第一歩です。

相続税は、株式を相続開始時点の時価で評価し、ほかの財産と合算して計算します。上場株式なら市場の株価をもとに評価し、非上場株式は会社の規模や業績に応じた方法で評価します。

一方、相続した株を売って利益が出た場合は、その利益に譲渡所得税がかかります。税率は20.315%で、相続税とは別に、売却した翌年の確定申告で納めます。

株を相続したら、売る・売らないにかかわらず、まず名義を自分に変える手続きが必要です。上場株式は証券会社、非上場株式は発行会社へ手続きし、名義変更が済んで初めて売却できます。

手続きや税金の判断を誤ると、余計な税金を払ったり、売り時を逃したりします。特に非上場株式は評価も手続きも複雑で、専門家の関与が欠かせないケースが多くあります。

本記事では、株式相続でかかる相続税と譲渡税の2つを速算表で整理し、名義変更から売却までの手続き、売却時の節税(取得費加算)まで解説します。

▼ この記事の3行まとめ

  • 株の相続には「相続したときの相続税」と「売ったときの譲渡所得税(20.315%)」の2つがかかる
  • 相続税は相続開始時の時価で評価。上場株と非上場株で評価も手続きも大きく異なる
  • 売る前に名義変更が必要。3年10ヶ月以内の売却なら取得費加算で譲渡税を軽くできる
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結論|株の相続には相続税と売却時の譲渡税の2つがかかる

まず結論からお伝えします。株を相続すると、保有した時点で相続税、売却して利益が出た時点で譲渡所得税、という2つの税金がかかります。この2段階を分けて考えると、株の相続はぐっと分かりやすくなります。

相続税は財産全体にかかる税金、譲渡税は売却益にかかる税金です。まずは全体像を早見表で確認しましょう。

多くの人が混同しがちですが、この2つはまったく別の税金です。相続税は「財産をもらったこと」に対して、譲渡税は「売って利益が出たこと」に対してかかります。かかるタイミングも、計算方法も、申告先も異なります。

この違いを押さえておくと、株の相続で何をすべきかが見えてきます。まず相続税を申告・納税し、その後で株を売るなら譲渡税を確定申告する、という2段階で進むのが基本の流れです。

この記事では、まず相続税(評価と速算表)、次に上場・非上場の違い、名義変更などの手続き、そして売却時の譲渡税と節税、という順で解説します。自分のケースに当てはめながら読み進めてください。

2つの税金の全体像

株の相続にかかる税金を、段階ごとに整理します。相続したときと、売却したときで、かかる税金も計算方法もまったく別です

この2つを混同すると、「株の税金は結局いくらなのか」が分からなくなります。相続税は相続時に一度だけ、譲渡税は売ったときだけ、と切り分けて考えれば、頭の中がすっきり整理できます。次の表で、それぞれのタイミングと税金を確認しましょう。

タイミング かかる税金 ポイント
相続したとき 相続税 相続開始時の時価で評価し、他の財産と合算
売却したとき 譲渡所得税(20.315%) 売却益に課税。翌年に確定申告で納付
保有中 配当への所得税 相続後に受け取る配当は通常の課税

表の見方:相続税は「もらったこと」に、譲渡税は「売って利益が出たこと」にかかります。相続した株を売らずに持ち続けるなら、譲渡税はかかりません

売るか持ち続けるかで税金が変わる

相続した株を売却するかどうかで、その後の税金は変わります。売れば譲渡所得税がかかりますが、持ち続ければ譲渡税はかからず、配当を受け取るたびに所得税がかかるだけです

「相続した株は必ず売らないといけない」と思っている方もいますが、そんなことはありません。相続税さえ払えるなら、そのまま保有して資産運用を続けても構いません。売るか持つかは、あくまで相続人の判断です。

ただし、値動きのある株を持ち続けるにはリスクもあります。相続後に株価が下がれば、相続税は高い評価額で計算されたのに、手元の資産は目減りする、という事態も起こり得ます。保有を続けるなら、こうしたリスクも理解しておきましょう。

納税資金のために売る場合も、値上がり益を確定させたい場合も、売却には譲渡税がついて回ります。売る前に、いくら税金がかかるかを把握しておくことが大切です。売却時の節税策も後ほど解説します。

相続した株を「とりあえず持っておく」という選択もあります。値上がりを期待する、配当を受け取り続けるといった目的があるなら、無理に売る必要はありません。ただし、相続税の納税資金が必要なら、売却して現金化するのが現実的です。

売るか持つかは、納税資金の状況・今後の値動きの見通し・配当の魅力などを踏まえて判断します。特に、相続税を現金で払えない場合は、株の売却が有力な選択肢になります。

まずは相続税から確認する

株を相続したら、最初に考えるのは相続税です。株式を含めた遺産全体が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えると、相続税がかかります

基礎控除以下なら、相続税はかからず申告も原則不要です。次のセクションで、株式の相続税がいくらになるかを、評価の考え方と速算表で見ていきましょう。

ここで大切なのは、株式は「相続財産の一部」だという視点です。株だけを取り出して税額を出すのではなく、預貯金や不動産と合わせた全体で相続税が決まります。株の評価額は、その全体の中の一項目として効いてきます。

逆に、株式を含めた財産が基礎控除を超えるなら、相続税の申告と納税が必要です。株式の評価額が大きいと、それだけで基礎控除を超えることもあります。まずは株を含めた財産の総額を把握することが第一歩です。

なお、株式だけで相続税額が決まるわけではありません。預貯金・不動産・生命保険など、すべての財産を合算して計算します。株式はその一部として、評価額が全体の税額に影響する、という位置づけです。

参照元:国税庁 No.4155 相続税の税率

株式にかかる相続税|評価の考え方と速算表 

株式の相続税は、まず株を評価し、ほかの財産と合算して計算します。相続税の対象になるのは、相続開始時(被相続人が亡くなった日)の時価です。上場株式と非上場株式で評価方法が異なります。

相続開始時の時価で評価する

株式は、亡くなった日の価値をもとに相続財産として評価されます。上場株式なら、課税時期の終値をもとに、有利な価額を選んで評価できます

ここでいう「課税時期」とは、被相続人が亡くなった日のことです。土日や祝日で市場が休みだった場合は、その日に最も近い日の終値を使います。基本は亡くなった日の株価、と覚えておけば大きく外しません。

上場株式は、次の4つの価額のうち最も低いものを選んで評価できます。株価は日々動くため、有利な価額を選べる仕組みです。

上場株式の評価に使える4つの価額(最も低いものを選ぶ)
① 相続開始日(課税時期)の終値
② 相続開始日が属する月の、毎日の終値の平均額
③ その前月の、毎日の終値の平均額
④ その前々月の、毎日の終値の平均額

表の見方:①〜④のうち最も低い価額を、銘柄ごとに選べます。株価が急落した月があれば、その低い価額で評価でき、相続税を抑えられます。相場変動の大きい時期ほど、この選択が節税に効きます。

各日の終値は、証券会社の残高証明書で確認できます。証券会社によっては、4つの価額と最安値をまとめた「相続税評価額の証明書」を発行してくれることもあり、これを使えば評価の手間を大きく減らせます。相続手続きの際に依頼してみましょう。

投資信託やETFも、基本的には上場株式に準じて評価します。銘柄ごとに計算するため、複数の銘柄がある場合はそれぞれ確認が必要です。相続開始時点の残高で評価するので、最新の残高証明書を取り寄せるのが確実です

非上場株式は市場価格がないため、会社の規模・業績・資産をもとに評価します。評価方法が複雑で、評価額が大きく変わることもあるため、専門的な計算が必要です。評価の詳しい算出方法は下記の記事で解説しています。

参照元:国税庁 No.4632 上場株式の評価

相続税の速算表

評価した株式をほかの財産と合算し、基礎控除を引いた課税遺産総額に、次の速算表の税率をかけて相続税を計算します。税率は財産額に応じて10%から55%まで段階的に上がります

相続税は、遺産全体をいったん法定相続分で分けたものとして各人の税額を計算し、それを合計して全体の税額を出します。そのうえで、実際に取得した割合で各相続人が負担します。少し複雑ですが、株式もこの全体計算の中に組み込まれる、と理解しておけば十分です。

法定相続分に応じた取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

表の見方:この税率は株式だけにかかるのではなく、株式を含めた遺産全体で計算します。株の評価額が大きいほど、全体の税率が上がり、相続税も増えます

計算ロジック:相続税は、遺産全体から基礎控除を引いた額を法定相続分で分け、各人の取得金額に上表の税率をかけて合計します。株式単独の税額を出すのではなく、財産全体の中での株式の割合で負担が決まる、と理解しておきましょう。

株式の評価額が納税資金を左右する

注意したいのは、株式の評価額が大きいと、その分だけ相続税も増える点です。特に非上場株式は、業績のよい会社ほど評価額が高くなり、思わぬ高額な相続税になることがあります

しかも非上場株式は売却しにくく、現金化して納税にあてるのが難しい財産です。評価額が高いのに現金が用意できず、納税に困るケースもあります。生前の対策が重要になる理由です。

株式の評価は、相続税額を左右する重要な作業です。特に、財産の中で株式の割合が大きい場合は、評価の正確さがそのまま税額に直結します。評価を誤ると、払いすぎか、後の否認による追徴か、どちらかのリスクを抱えることになります。

上場株式は評価がほぼ機械的に決まるため、大きなミスは起こりにくい財産です。注意が必要なのは、やはり非上場株式です。評価方法の選択しだいで金額が大きく変わり、税務署との見解の違いも生じやすいため、専門家の関与が欠かせません。

上場株式の場合は、評価額が高くても市場で売却できるため、納税資金にはあてやすいといえます。問題になりやすいのは、やはり換金しにくい非上場株式です。同じ「株式」でも、上場か非上場かで悩みの質がまったく違ってきます。

上場株式と非上場株式の違い

株式の相続は、上場株式か非上場株式かで、難易度がまったく変わります。上場株式は評価も手続きも比較的シンプルですが、非上場株式は評価が複雑で、手続きにも手間がかかります。自分が相続した株がどちらかをまず確認しましょう。

上場株式は、証券取引所で売買されている会社の株です。証券会社の口座で管理され、市場価格があります。一方、非上場株式は、証券取引所に上場していない会社の株で、多くは同族会社(家族経営の会社)の株です。この2つは、同じ「株」でも性質がまるで違います。

一般の方が相続で受け取るのは、多くが上場株式です。証券会社を通じて売買していた株なら、上場株式と考えてよいでしょう。非上場株式が問題になるのは、被相続人が会社を経営していた、または同族会社の株を持っていたケースです。

評価・手続き・売却の違いを一覧で

上場株式と非上場株式の違いを、評価・手続き・売却の3つの観点で比べます。

項目 上場株式 非上場株式
評価 市場の株価から4つの価額の最安値 会社の規模・業績・資産から算定
名義変更 証券会社で手続き 発行会社に株主名簿の書換えを請求
売却 市場で売却でき、換金しやすい 買い手を探すのが難しく換金しにくい
難易度 比較的やさしい 専門家の関与がほぼ必須

重要ポイント:上場株式は市場価格があるため、評価も売却も分かりやすい財産です。一方、非上場株式は評価も換金も難しく、相続でトラブルになりやすい財産です

非上場株式が難しい理由

非上場株式は、市場で取引されていないため価格がありません。そのため、会社の資産や利益をもとに評価する必要があり、計算が非常に複雑になります

非上場株式が相続で難しいのには、大きく3つの理由があります。評価・換金・納税の、どの面でもハードルが高いのが特徴です。

非上場株式が相続で難しい3つの理由

  • 評価が複雑:市場価格がなく、会社の決算書や資産をもとに専門的に算定する。株主の立場でも評価方法が変わる
  • 換金しにくい:買い手が見つからず、売るには会社の承認が要ることも。実質は発行会社か関係者に買い取ってもらうしかない
  • 納税資金に困る:評価は高いのに現金化できず、相続税を払えないことがある

さらに、誰がその株を相続するかも悩みどころです。会社を継がない相続人が非上場株式を相続すると、配当も出ず売れもせず、それでいて相続税はかかる「持っていても困る財産」になりかねません

後継者に株を集中させる場合は、ほかの相続人との公平性の調整も必要です。株の評価額が大きいと、他の相続人へ渡す財産が足りなくなることもあります。

非上場株式の相続は、誰が継ぐか・納税資金をどうするかを、生前から計画しておくことが不可欠です

一方、上場株式は市場でいつでも売れるため、換金の心配はほとんどありません。相続する株が上場株式だけなら、証券会社の案内に沿って進めればそれほど困りません。

非上場株式を含む場合だけ、早めに専門家へ相談しましょう。

株を相続したときの手続き|名義変更から売却まで

株を相続したら、まず名義を自分に変える手続きが必要です。名義が被相続人のままでは、売ることも配当を受け取ることもできません。手続きの流れを時系列で確認しましょう。

相続手続きでは、まず被相続人がどんな株を持っていたかを把握することが出発点です。取引残高報告書、配当通知書、株主総会の招集通知などが、株式を保有していた手がかりになります。これらの郵便物を探すことから始めましょう。

手がかりが見つからないときは、証券保管振替機構(ほふり)への開示請求が有効です。これにより、被相続人がどの証券会社に口座を持っていたかを一括で調べられます。株式の見落としを防ぐためにも、心当たりがあれば利用しましょう。

相続から売却までの流れ

株式の相続は、次のステップで進みます。名義変更が済んで初めて、売却や配当の受け取りができるようになります。まずは全体の流れを押さえましょう。

STEP1
株式の有無と銘柄を確認する。証券会社の残高証明書や、配当通知書から把握する

STEP2
遺産分割協議で、誰が株を相続するかを決める

STEP3
名義変更。上場株式は証券会社、非上場株式は発行会社へ手続きする

STEP4
必要に応じて売却。相続税の申告・納税(10ヶ月以内)も行う

上場株式の名義変更

上場株式は、被相続人が取引していた証券会社で名義変更します。相続人名義の証券口座が必要になるため、口座がなければ新たに開設します

手続きには、被相続人の死亡が分かる戸籍謄本、相続人の戸籍、遺産分割協議書または遺言書、相続人の口座情報などが必要です。証券会社ごとに必要書類が異なるため、早めに問い合わせておくとスムーズです。

戸籍謄本は、法定相続情報一覧図を作成しておくと、複数の証券会社や金融機関で使い回せて便利です。株式のほかに預貯金や不動産もある場合は、一度作っておくと相続手続き全体がスムーズに進みます。

どの証券会社に口座があるか分からない場合は、証券保管振替機構(ほふり)に開示請求すると、被相続人名義の口座を調べられます。取引残高報告書や配当通知書が手元にあれば、そこから証券会社を特定できます。

相続人名義の口座は、被相続人と同じ証券会社に開設するのが一般的です。異なる証券会社の口座へ移す(移管する)ことも可能ですが、手続きに時間がかかることがあります。売却を急ぐなら、同じ証券会社で口座を作るのがスムーズです。

名義変更(移管)が完了するまでは、株を売ることはできません。相場が動いても、名義変更中は身動きが取れないということです。売却を予定しているなら、名義変更をできるだけ早く進めることが、機会損失を防ぐことにもつながります。

名義変更にかかる期間は、書類がそろっていれば数週間程度が目安です。ただし、相続人が複数いて遺産分割が決まらないと、そもそも名義変更に進めません。売却を急ぐなら、分割協議を早くまとめることが先決になります。

非上場株式の名義変更

非上場株式は、発行会社に対して株主名簿の書換えを請求します。証券会社ではなく、株式を発行している会社そのものに手続きするのが特徴です

会社の定款によっては、株式の譲渡(相続)に会社の承認が必要な場合もあります。オーナー経営者の相続では、後継者への株式集中や、ほかの相続人との調整も絡むため、手続きが複雑になりがちです。

また、非上場株式は株券が発行されていないことも多く、誰が何株持っているかがあいまいなケースもあります。過去の増資や名義株の問題が絡むと、そもそも株主構成の確認から必要になることもあります。

こうした事情から、非上場株式の名義変更は、会社の顧問税理士や相続に詳しい専門家と連携して進めるのが安全です。手続きだけでなく、評価や納税資金までまとめて相談できると安心です。

相続した株を売ったときの税金|譲渡所得税20.315%

相続した株を売って利益が出ると、その利益に譲渡所得税がかかります。税率は一律20.315%で、相続税とは別に、売却した翌年の確定申告で納めます

株の売却益は「申告分離課税」といって、給与など他の所得とは分けて計算します。所得がいくら多くても税率は一律20.315%なので、累進課税の給与所得とは扱いが異なります。相続した株を売る場合も、この分離課税で計算します。

この20.315%の内訳は、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%です。上場株式でも非上場株式でも、譲渡益にかかる税率は同じです。ただし、非上場株式を発行会社へ売る場合は、後述する特例を使わないと配当扱いで高い税率になる点に注意が必要です。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得は「売却価格−取得費−売却手数料」で計算します。この譲渡所得に20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)をかけた額が税金です

ここでの「取得費」は、原則として被相続人がその株を買ったときの価格を引き継ぎます。相続した時点の評価額ではない点に注意が必要です。取得費が分からない場合は、売却価格の5%を取得費とみなすこともできます。この点は誤解が多いので、しっかり押さえておきましょう。

この「取得費の引き継ぎ」は、意外と見落とされがちです。相続税評価額(亡くなった日の株価)を取得費と勘違いすると、譲渡所得を過少に計算してしまいます。被相続人がいくらで買ったかを示す資料(取引報告書など)を探しておきましょう。

古くから持っている株で、購入価格が分からないこともあります。その場合は売却価格の5%を取得費とみなせますが、実際の購入価格のほうが高ければ、そちらを使うほうが有利です。取得の記録が残っていないか、証券会社に確認してみましょう。

購入価格が分からず売却価格の5%を取得費とすると、売却額のほぼ全額が譲渡所得となり、税負担が重くなります。被相続人が長く保有していた株ほど、この問題が起こりやすいです。過去の取引記録を探すことが、そのまま節税につながります。

計算ロジック:被相続人が100万円で買った株を相続後に300万円で売ると、譲渡所得は約200万円です。これに20.315%をかけた約40万円が譲渡所得税です。取得費は相続時の評価額ではなく購入価格を引き継ぎます。

売却益がなければ譲渡税はかからない

譲渡税がかかるのは、あくまで売却益が出た場合です。取得費より安く売って損失が出たなら、譲渡所得税はかかりません

被相続人が高値づかみしていた株なら、相続後に売っても損失になり、譲渡税はかかりません。逆に、何十年も前に安く買った株が値上がりしている場合は、大きな売却益が出て譲渡税も高くなります。取得費を確認して、売却益の見込みを立てておきましょう。

ここで押さえておきたいのは、相続税と譲渡税で二重に税金がかかるように見える点です。相続時に評価額に相続税、売却時に売却益に譲渡税、と2回課税されます。この負担を和らげるのが、次に説明する取得費加算の特例です。

また、同じ年にほかの上場株式で売却損があれば、利益と損失を通算できます。複数の株を売買している場合は、損益を合わせて計算することで、税負担を抑えられることがあります。

上場株式の売却損は、確定申告をすれば翌年以降3年間繰り越せます。相続した株を売って損失が出た年は、申告しておくと、翌年以降の利益と相殺できる可能性があります。損が出た場合も、申告する価値があるということです。

また、配当と売却損を通算する「損益通算」も可能です。配当を申告分離課税で申告すれば、その年の株の売却損と相殺できます。相続した株の配当や売買がある年は、申告方法によって税負担が変わるため、有利な方法を選びましょう。

なお、特定口座(源泉徴収あり)で売却すれば、証券会社が税金を計算・納付してくれるため、原則として確定申告は不要です。ただし、取得費加算の特例を使う場合や、損益通算をする場合は、確定申告が必要になります。

相続した株を売るときは、取得費加算を使いたいケースが多いため、結局は確定申告が必要になることがほとんどです。特定口座だからと申告を省くと、取得費加算による還付を受け損ねます。売却した翌年の確定申告を忘れないようにしましょう。

参照元:国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)

売却時の節税|取得費加算と非上場株の特例

相続した株を売るなら、譲渡税を軽くできる特例があります。代表的なのが「取得費加算の特例」で、一定期間内の売却なら相続税の一部を取得費に加算できます。非上場株式にはさらに別の特例もあります。

これらの特例は、相続税と譲渡税の二重課税をやわらげるためのものです。相続で一度課税された財産を売って、さらに譲渡税がかかる負担を軽くする趣旨があります。相続した株を売るなら、必ず知っておきたい制度です。

取得費加算の特例

相続した財産を一定期間内に売ると、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。取得費が増えれば譲渡所得が減り、その分だけ譲渡所得税が軽くなります

適用の条件は、相続税を課された人が、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年(相続開始から3年10ヶ月)以内に売却することです。株式の売却を考えているなら、この期限内に行うと節税になります。取得費加算の詳細は下記の記事で解説しています。

加算できる金額は、売却した株式に対応する相続税額です。相続税を多く払った人ほど、加算できる金額も大きくなり、譲渡税の軽減効果も大きくなります。特例を使うには確定申告が必要なので、売却した翌年の申告を忘れないようにしましょう。

この特例は、売却する予定があるなら「早く売る」インセンティブにもなります。3年10ヶ月という期限を過ぎると使えなくなるため、株を手放すつもりなら、期限内に売却を済ませるのが得策です。名義変更の時間も見込んで、逆算で動きましょう。

参照元:国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

取得費加算の特例の計算方法とタイムラインは、下記の記事で解説しています。

非上場株式を発行会社に売る特例(金庫株)

非上場株式は、発行会社に買い取ってもらう(金庫株)ことがよくあります。通常、会社に株を売ると配当とみなされて高い税率がかかりますが、相続した非上場株式には特例があります

相続税の申告期限の翌日以後3年以内に、相続した非上場株式を発行会社へ譲渡した場合、みなし配当課税がされず、全額が譲渡所得(20.315%)として扱われます。さらに取得費加算も併用できるため、納税資金づくりに有効な方法です。

通常、非上場株式を発行会社に売ると、売却額のうち資本金を超える部分が「配当」とみなされ、最高で約50%の高い税率がかかります。この特例を使えば、その部分も含めて一律20.315%の譲渡所得税で済むため、税負担が大きく変わります。

たとえば、みなし配当として約50%課税されるはずが、特例で20.315%に下がれば、税負担はおよそ半分以下になります。金額が大きい非上場株式では、この差は数百万円規模になることもあります。特例を使うかどうかで、手元に残る金額が大きく変わるのです。

非上場株式の納税資金に困ったとき、会社に買い取ってもらいながら税負担も抑えられるこの特例は、非常に強力です。ただし期限(申告期限後3年以内)と要件があるため、使うなら早めに税理士へ相談しましょう。

この方法は、会社に買い取り資金があることが前提です。会社に余裕資金がなければ、株を買い取ってもらえません。事業承継を見据えるなら、会社が自社株を買い取れるだけの資金を準備しておくことも、生前対策の一つになります。

金庫株の特例は、後継者が納税資金を確保する手段として非常に有効です。相続した非上場株式の一部を会社に買い取ってもらい、その代金を相続税の納税にあてる、という使い方ができます。手続きや要件が細かいため、必ず税理士と相談しながら進めましょう。

参照元:国税庁 No.1477 相続により取得した非上場株式をその発行会社に譲渡した場合の課税の特例

見落としやすい税金|配当・準確定申告・端株

株の相続では、相続税と譲渡税のほかにも、見落としやすい税金や手続きがあります。配当金の扱いや準確定申告、単元未満株など、細かい点も押さえておきましょう

未受領の配当金の扱い

被相続人が亡くなった時点で、まだ受け取っていない配当金があることがあります。配当の権利が確定していれば、その配当金(未収配当金)も相続財産に含まれます

配当は、決算期末などの「基準日」に株を持っている人に支払われます。基準日を過ぎてから被相続人が亡くなった場合、配当を受け取る権利はすでに確定しているため、その分は相続財産です。金額が大きくないことも多いですが、申告では計上します。

相続後に受け取る配当は、相続人の所得として通常どおり課税されます。相続時点で権利が確定していた分は相続財産、その後の分は相続人の所得、と時期で分けて考えるのが基本です。

特に、名義変更が遅れると、被相続人名義のまま配当が支払われ続けることがあります。誰の所得になるかがあいまいになりやすいため、この点でも名義変更は早めに済ませておくのが安心です。

配当は、相続税と所得税の両方が関わる点で少しややこしい財産です。基準日を過ぎて権利が確定した未受領配当は相続財産、名義変更後に受け取る配当は相続人の所得、と整理しておけば混乱しません。

具体的には、配当の基準日を被相続人が過ぎていて、まだ受け取っていない配当は「未収配当金」として相続財産に含めます。金額が大きくないことも多いですが、申告漏れにならないよう確認しておきましょう。

準確定申告が必要なケース

被相続人がその年に配当や株の売却益を得ていた場合、準確定申告が必要になることがあります。準確定申告は、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に、相続人が代わりに行う所得税の申告です

配当を源泉徴収だけで済ませていた場合は、必ずしも準確定申告は必要ありません。ただし、配当控除や還付を受けられるケースもあるため、被相続人の所得状況を確認しておくとよいでしょう。

準確定申告の期限は4ヶ月と、相続税の10ヶ月より早く来ます。被相続人が事業をしていた、複数の所得があった、といった場合は特に、早めに準確定申告の要否を確認しておくことが大切です。うっかり期限を過ぎると、加算税や延滞税がかかることもあります。

なお、準確定申告で納めた所得税は、相続税の計算で債務控除の対象になります。被相続人が納めるはずだった税金なので、相続財産から差し引けるということです。準確定申告と相続税申告は、こうした形でつながっています。

単元未満株・端株の確認

相続財産を調べるとき、見落とされやすいのが単元未満株(端株)です。昔の株式で、1株や数株といった単元に満たない株が残っていることがあります

特に、過去に株式分割や合併があった銘柄では、端株が生じていることがあります。証券会社の口座に入っていない「タンス株(株券)」が残っているケースもあり、こうした株は見落とされがちです。相続財産の調査では、こうした埋もれた株も探す必要があります。

単元未満株も相続財産であり、評価して申告する必要があります。証券保管振替機構(ほふり)への開示請求で、被相続人名義の株式を調べられるので、心当たりがあれば確認しておきましょう。金額が小さくても、申告に含めるのが原則です。

特に、昔から株式投資をしていた人の相続では、忘れられた株が見つかることがあります。タンスから古い株券が出てきた、配当通知だけが届いていた、といったケースです。こうした株も相続財産なので、見つけたら評価して申告に含めます。

単元未満株は、市場で普通に売買できないため、発行会社に買い取ってもらう(買取請求)のが一般的です。金額は小さくても、手続きが必要になることは覚えておきましょう。

株式の申告漏れは、税務調査で指摘されやすいポイントの一つです。金融機関の情報から、税務署は被相続人の株式保有をかなり把握しています。「少額だから」「古い株だから」と省かず、すべての株式を漏れなく申告することが大切です。

株の相続でよくある失敗と注意点

株の相続には、思い込みや準備不足による失敗がつきものです。「評価を自己判断する」「売り時を逃す」「非上場株の納税資金を用意していない」の3つが代表的な失敗です

非上場株式の評価を自己判断する

【失敗1】非上場株式を自分で評価して申告した

非上場株式の評価は非常に複雑で、会社の規模や資産状況に応じた専門的な計算が必要です。自己流の評価で申告すると、過大に払いすぎたり、逆に過少で否認されたりします。

非上場株式を相続したら、評価は必ず専門家に依頼するのが安全です。評価額が数百万円単位で変わることも珍しくありません。

非上場株式の評価には、会社の規模に応じて「類似業種比準方式」「純資産価額方式」などの方法があります。どの方式を使うか、どう組み合わせるかで評価額が変わるため、専門知識が欠かせません。自己流の評価は、過大申告にも過少申告にもつながります。

売却の期限(取得費加算)を逃す

【失敗2】取得費加算の期限を過ぎてから売った

取得費加算は、相続開始から3年10ヶ月以内の売却が条件です。この期限を過ぎると特例が使えず、譲渡所得税が高くなります。売却予定があるなら、期限を意識して動く必要があります。

売る予定があるなら、取得費加算が使える3年10ヶ月以内に売却するのが節税のコツです。名義変更に時間がかかることもあるため、早めの準備が大切です。

もちろん、株価の動きも考慮する必要があります。取得費加算の期限にこだわるあまり、株価が下がったタイミングで急いで売っては本末転倒です。とはいえ、売る意思が固まっているなら、期限を意識して動くほうが有利になります。

上場株式は、名義変更さえ済めばいつでも売れるため、売り時を選びやすい財産です。相場を見ながら、取得費加算の期限内で有利なタイミングを選ぶとよいでしょう。ただし、名義変更に想定外の時間がかかることもあるため、余裕を持って準備しておくことが大切です。

納税資金のために売る場合は、相続税の納付期限(10ヶ月)も意識する必要があります。「取得費加算の3年10ヶ月」と「納税の10ヶ月」は別の期限なので、混同しないよう注意しましょう。納税に売却代金をあてるなら、10ヶ月以内の売却が前提になります。

非上場株の納税資金を用意していない

【失敗3】評価は高いのに現金がなく納税できない

非上場株式は評価額が高くても、売却して現金化するのが難しい財産です。相続税は現金一括が原則のため、株の評価額に対して納税資金が足りず、困るケースがあります。

非上場株式が中心の相続では、金庫株の特例や延納・納税猶予まで含めて、納税資金の計画を立てることが不可欠です。事業を継ぐ後継者にとっては、特に重要な課題になります。

会社の業績がよいほど株の評価額は上がり、相続税も高くなります。にもかかわらず、その株はすぐには現金化できません。「黒字の優良企業を継いだのに、相続税が払えない」という皮肉な状況も起こり得ます。だからこそ、生前からの準備が決定的に重要です。

対策としては、金庫株の特例で会社に一部を買い取ってもらう、延納で分割納付する、事業承継税制で納税を猶予する、といった選択肢があります。どれを使うかは会社と後継者の状況によるため、専門家と相談して最適な組み合わせを選ぶことが大切です。

生前にできる株式の相続対策

株式の相続は、生前の準備で負担を大きく減らせます。評価を下げる、納税資金を用意する、後継者へ計画的に引き継ぐ、という3つが柱です

評価を下げる・納税資金を用意する

非上場株式は、生前の対策で評価額を下げられる場合があります。役員退職金の活用や、資産構成の見直しなどが代表的です。評価を下げれば相続税も下がり、納税資金の負担も軽くなります

あわせて、納税資金の準備も欠かせません。生命保険を活用して、後継者が納税資金を受け取れるようにしておく方法がよく使われます。評価を下げる方法の全体像は下記の記事で解説しています。

生命保険には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠もあります。会社の株を後継者に集中させつつ、他の相続人には保険金で代償金を用意する、といった使い方もできます。納税資金と遺産分割の両方に効く対策です。

たとえば、オーナー経営者が退任する際に役員退職金を支払うと、会社の利益や純資産が減り、株の評価額が下がります。このタイミングで後継者へ株を移すと、低い評価額で承継でき、相続税を抑えられます。こうした対策は生前でなければできず、早めの準備が効いてきます。

事業承継税制(納税猶予)の活用

後継者へ会社の株を引き継ぐ場合、事業承継税制という制度があります。一定の要件を満たせば、非上場株式にかかる相続税の納税を猶予・免除できる制度です

納税資金の確保が難しい非上場株式の相続では、有力な選択肢になります。ただし要件や手続きが複雑で、期限もあるため、早めの検討が必要です。納税猶予の詳細は下記の記事で解説しています。

事業承継税制には、事前に「特例承継計画」を提出するなどの手続きが必要です。適用の期限も設けられているため、後継者への承継を考えているなら、早い段階で税理士に相談して準備を進めることが欠かせません。

ただし、事業承継税制は納税を「猶予」する制度であり、その後も要件を満たし続ける必要があります。要件を外れると猶予が打ち切られ、猶予されていた税金と利子税を納めることになります。使うかどうかは、メリットと継続要件の両面を見て判断しましょう。

NISA口座の株式は要注意

被相続人がNISA口座で株式を持っていた場合、相続時の扱いに注意が必要です。NISAの非課税メリットは相続では引き継げず、相続人の課税口座へ移されます

相続後、NISA口座の株式は相続人の課税口座に移されます。その後の値上がり益には通常どおり課税されるため、生前の非課税メリットは相続では続きません。また、取得費は相続時の時価が基準になるなど、通常の相続株とは扱いが異なる点もあります。

NISA口座の株式も、相続税の対象になる点は通常の株式と同じです。「NISAだから相続税もかからない」わけではありません。相続税は非課税枠と関係なくかかり、その後の運用が課税口座に移るだけ、と理解しておきましょう。

相続人がNISA口座を持っていても、被相続人のNISA枠をそのまま引き継ぐことはできません。相続で受け取った株は、相続人の課税口座で管理されます。相続人自身のNISA枠で新たに買い直す、といった対応になる点も知っておくとよいでしょう。

NISA口座の株式の相続税評価や、移管の手続き、売却時の税金は下記の記事で詳しく解説しています。

株式相続の相談は相続税の対応実績がある税理士へ|一括相談・見積り

株式の相続、特に非上場株式は、評価も手続きも専門性が高く、自己判断が難しい分野です。相続税の対応実績がある税理士なら、正確な評価と、売却・納税の最適な方法を提案できます。複数の税理士に一括で相談し、比較して選ぶのがおすすめです。

相続税の対応実績がある税理士が必要な理由

株式、とりわけ非上場株式の評価は、税理士によって結果が変わることさえあります。実績のある税理士は、適正な範囲で評価を抑え、売却時の特例まで踏まえて税負担を最小化できます。だからこそ、任せる意味があります。

相続税の対応実績がある税理士が必要な理由

  • 非上場株式を適正に評価し、過大な相続税を防げる
  • 取得費加算や金庫株の特例で、売却時の譲渡税を抑えられる
  • 名義変更や売却の手続きまで見通して助言できる
  • 事業承継税制など、納税猶予の選択肢を提案できる
  • 準確定申告や配当の扱いまで漏れなく対応できる

たとえば、非上場株式の評価方法を誤ると、相続税が数百万円単位で変わります。評価の質の差が、そのまま税額の差につながるのです。

税理士を比較するときの3つの判定ポイント

相続税に対応している税理士でも、株式の評価力には差があります。見積りや初回相談で、次の3点を比べてみてください。

「相続税の実績数・非上場株式の評価経験・事業承継への対応」の3点を確認すれば、株式に強い税理士かを見分けられます

判定ポイント1:相続税申告の実績数
年間の相続税申告の件数を確認します。「年間5件」と「年間100件以上」では、株式評価の経験に差が出ます。→ 実績数が多い税理士のほうが、評価の判断に慣れていると判定できます。

判定ポイント2:非上場株式の評価経験
非上場株式の評価実績があるかを聞きます。→ 評価の経験が豊富な税理士のほうが、適正かつ有利な評価ができると判定できます。

判定ポイント3:事業承継・納税猶予への対応
事業承継税制や金庫株の特例に対応できるかを確認します。→ これらに詳しい税理士のほうが、納税資金の対策まで任せられると判定できます。

相談しないまま進めるリスク

自分だけで判断し、株式の評価や売却を誤ると、負担は大きくふくらみます。評価を誤って相続税を払いすぎたり、特例の期限を逃して譲渡税が高くなったりします

特に非上場株式は、専門知識なしで正しく扱うのが難しい財産です。相談しないまま進めると、具体的には次のようなリスクがあります。

相談せずに進めた場合のリスク

  • 非上場株式を過大に評価し、相続税を払いすぎる
  • 取得費加算の期限(3年10ヶ月)を逃し、譲渡税が高くなる
  • 金庫株の特例を知らず、みなし配当課税で高い税率がかかる
  • 評価は高いのに納税資金が足りず、資金繰りに困る
  • 準確定申告や単元未満株を見落として、申告漏れになる

これらの多くは、申告の段階で複数の税理士に相談していれば防げたものです。相談は無料のことが多く、動くなら早いほど選択肢が広がります。

一括相談・見積りの手順|STEP1〜STEP4

実際に一括相談・見積りを利用する流れは、次の4ステップです。フォームの記入自体は5分ほどで終わります。

申告期限は10ヶ月なので、相続開始から7ヶ月以内に依頼先を決めておくと安心です

STEP1
相続の概要を整理する。被相続人の資産内容・株式の銘柄や保有状況(上場・非上場)・相続人の構成・遺言の有無をまとめる

STEP2
一括見積り・相談サービスに依頼する。相続税申告・株式の評価・事業承継などの希望内容を明記し、相続税の対応実績がある税理士3〜5社へ同時に打診する。非上場株式がある場合はその旨も伝え、財産の種類や相続人の人数はできるだけ正確に伝える(記入は5分程度)

STEP3
各税理士から「提案内容」「試算した相続税額」「報酬額」が記載された見積りが届く。気になる事務所と初回相談を行う

STEP4
「提案内容の質」「説明の丁寧さ」「報酬の納得性」で最適な事務所を選び、正式に依頼する。相続開始から7ヶ月以内の決定が目安

重要ポイント:非上場株式は評価も手続きも専門性が高い分野です。複数の税理士の見積りを比べ、株式の評価や事業承継まで対応できる事務所を選びましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 株を相続すると、どんな税金がかかりますか?

相続したときに相続税、その株を売って利益が出たときに譲渡所得税(20.315%)がかかります。持ち続ける場合、相続後に受け取る配当には所得税がかかります。相続税と譲渡税は別の税金なので、分けて考えるのが基本です。

Q2. 相続した株の相続税評価はどう計算しますか?

上場株式は、亡くなった日の終値のほか、その月・前月・前々月の毎日の終値の平均額のうち、最も低い価額で評価できます。非上場株式は会社の規模や業績に応じた方法で評価するため、専門的な計算が必要です。

Q3. 相続した株を売るときの税金はいくらですか?

売却益に対して20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)がかかります。取得費は被相続人の購入価格を引き継ぎます。相続開始から3年10ヶ月以内に売れば、取得費加算の特例で税負担を軽くできます。

Q4. 株を売るには何が必要ですか?

まず名義を相続人に変更する必要があります。上場株式は証券会社、非上場株式は発行会社で手続きします。名義変更が済んで初めて売却できるため、売却を急ぐ場合も、先に名義変更を進めましょう。

Q5. 非上場株式は売れないと聞きましたが、納税はどうすれば?

非上場株式は買い手が見つかりにくいですが、発行会社に買い取ってもらう方法(金庫株)があります。相続した非上場株式を申告期限後3年以内に発行会社へ譲渡すれば、みなし配当課税されず有利です。事業承継税制で納税を猶予する選択肢もあります。

まとめ|株の相続は2つの税金と手続きを押さえる

株を相続すると、相続したときの相続税と、売ったときの譲渡所得税(20.315%)の2つがかかります。相続税は相続開始時の時価で評価し、上場株式と非上場株式で評価も手続きも大きく異なります。

大切なのは、税金と手続きの全体像を早めに把握することです。以下のアクションから始めましょう。

  • 相続した株式の銘柄と、上場・非上場を確認する
  • 売る前に、証券会社または発行会社で名義変更を行う
  • 売却するなら、取得費加算が使える3年10ヶ月以内を意識する
  • 非上場株式や評価・納税に迷ったら、相続税の対応実績がある税理士に一括で相談・見積りを依頼する

※本記事は2026年7月時点の情報にもとづいて作成しています。相続税法や関連する取り扱いは改正される場合があります。個別の判断にあたっては、最新の情報を国税庁の公式サイトで確認するか、相続税の対応実績がある税理士にご相談ください。

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