


タンス預金にも相続税はかかります。自宅で保管していた現金も、亡くなった人の財産として預貯金と同じように相続税の対象になるからです。
ただし、タンス預金を含めた遺産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、相続税は0円で申告も要りません。
「現金なら記録が残らない」と考えて申告から外す人もいますが、税務署は口座の出金履歴や生前の収入から手元の現金を推定できます。
国税庁の統計でも、相続税の調査で見つかる申告漏れは、財産の種類別では現金・預貯金等が最も多くなっています。
隠して見つかれば、重加算税や延滞税に加えて配偶者の税額軽減も使えなくなり、正直に申告した場合より負担は大きくなります。
一方で、遺品整理で親の現金を見つけ、どう扱えばよいか迷っている相続人も少なくありません。
この記事では、タンス預金に相続税がかかるかの判定と増える税額の早見表、バレる理由、ペナルティ、時効、見つけたときの手続きを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

タンス預金にも相続税はかかります。ただし、相続税がかかるかどうかは、タンス預金の額ではなく遺産全体の合計と基礎控除を比べて決まります。ここでは判定の手順と、申告に含める現金の範囲を整理します。
相続税は、亡くなった人が持っていたすべての財産にかかります。現金は保管場所が自宅のタンスでも金庫でも、預貯金と同じく相続財産です。
「100万円までなら申告しなくてよい」「少額ならバレない」という話を見かけますが、タンス預金に申告不要の上限額はなく、1円から相続財産に含めます。
現金を自宅に置いておくこと自体は、法律上まったく自由です。問題になるのは、相続税の申告でその現金を財産から外したときだけです。
相続税がかかるのは、遺産の合計が基礎控除額を超えたときだけです。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 | 相続人の例 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 配偶者のみ/子1人 |
| 2人 | 4,200万円 | 配偶者+子1人/子2人 |
| 3人 | 4,800万円 | 配偶者+子2人/子3人 |
| 4人 | 5,400万円 | 配偶者+子3人 |
表の見方:タンス預金を含めた遺産の合計がこの金額以下なら、相続税は0円で申告も要りません。遺産の合計には生命保険金などを含め、借入金や葬式費用を差し引きます。
判定に使うのは「タンス預金の額」ではなく「タンス預金を足した遺産の合計」です。現金だけを見て「少額だから大丈夫」と判断しないでください。
なお、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使った結果として相続税が0円になる場合は、申告書の提出が必要です。
基礎控除の計算と、相続税がかかるかの判定手順は、下記の記事で詳しく解説しています。

相続人が配偶者と子2人(基礎控除4,800万円)の家庭で、タンス預金を足したときに判定がどう変わるかを3つのケースで比べます。
| ケース | タンス預金以外の遺産 | タンス預金 | 遺産の合計 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| A | 4,000万円 | 500万円 | 4,500万円 | 基礎控除以下(申告不要) |
| B | 4,500万円 | 500万円 | 5,000万円 | 200万円超過(申告が必要) |
| C | 4,500万円 | 1,000万円 | 5,500万円 | 700万円超過(申告が必要) |
表の見方:ケースBとCは、タンス預金を除けば4,500万円で基礎控除以下です。タンス預金を足したことで初めて申告が必要になります。
重要ポイント:「預貯金と不動産だけなら基礎控除以下」という家庭ほど、タンス預金で判定が変わります。タンス預金を外して「申告不要」と判断すると、無申告として扱われます。
計算ロジック:基礎控除=3,000万円+600万円×3人=4,800万円。ケースBは5,000万円−4,800万円=200万円、ケースCは5,500万円−4,800万円=700万円が基礎控除を超えるため申告が必要です(相続税法15条・27条)。
「タンス預金」と呼ばれるものに限らず、亡くなった日に故人が持っていた現金はすべて相続財産です。漏れやすい現金を一覧にしました。
| 現金の種類 | 申告に含める額 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 自宅のタンス・金庫・仏壇などの現金 | 亡くなった日にあった全額 | 複数の場所に分けて保管していることが多い |
| 財布の中の現金 | 亡くなった日にあった額 | 少額でも対象になる |
| 銀行の貸金庫の現金 | 全額 | 貸金庫の契約は銀行の記録に残る |
| 亡くなる直前に口座から引き出した現金 | 亡くなった日に残っていた額 | 口座の残高証明書には載らない |
| 家族が預かっていた故人の現金 | 全額 | 名目が「預かり金」でも故人の財産 |
入院費や葬儀に備えて、亡くなる直前に家族が口座からお金を引き出すことはよくあります。引き出したお金のうち、亡くなった日に残っていた分は「現金」として申告が必要です。
たとえば直前に300万円を引き出し、亡くなる前に入院費50万円を支払っていれば、亡くなった日に残っていた250万円が相続財産の現金になります。
残った現金で葬儀費用を払った場合も、申告する現金の額は250万円のままです。支払った葬儀費用は「葬式費用」として遺産から差し引けます。亡くなった後に払った入院費も、未払いの債務として差し引けます。
重要ポイント:金の延べ棒や金貨、外貨の現金も同じく相続財産です。金地金は200万円を超えて売却すると、買取業者から税務署へ支払調書が提出されます。
参照元:国税庁 No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
相続した金の評価額の計算方法と、売るときの税金は、下記の記事で解説しています。


タンス預金を申告すると、相続税はどれだけ増えるのか。増える額は遺産の規模と家族構成で大きく変わります。早見表で自分の家庭に近いケースを確認してください。
相続人が子2人(基礎控除4,200万円)で、遺産を2分の1ずつ分ける場合の相続税です。金額は子2人が納める相続税の合計で、( )内はタンス預金がない場合からの増加額です。
| タンス預金以外の遺産 | タンス預金なし | +500万円 | +1,000万円 | +2,000万円 |
|---|---|---|---|---|
| 4,000万円 | 0円 | 30万円(+30万円) | 80万円(+80万円) | 180万円(+180万円) |
| 6,000万円 | 180万円 | 245万円(+65万円) | 320万円(+140万円) | 470万円(+290万円) |
| 8,000万円 | 470万円 | 545万円(+75万円) | 620万円(+150万円) | 770万円(+300万円) |
| 1億円 | 770万円 | 860万円(+90万円) | 960万円(+190万円) | 1,160万円(+390万円) |
表の見方:左の列が預貯金や不動産などの遺産、上の行が見つかったタンス預金の額です。たとえば遺産8,000万円の家庭で1,000万円のタンス預金があれば、相続税は470万円から620万円へ150万円増えます。
重要ポイント:遺産4,000万円の家庭は、タンス預金がなければ相続税0円です。500万円のタンス預金があるだけで基礎控除を超え、申告と納税が必要になります。
計算ロジック:【例】遺産8,000万円+タンス預金1,000万円。(9,000万円−4,200万円)÷2=2,400万円、2,400万円×15%−50万円=310万円×2人=620万円(相続税の速算表・国税庁 No.4155)。
相続人が配偶者と子2人(基礎控除4,800万円)で、法定相続分(配偶者2分の1・子4分の1ずつ)どおりに分ける場合です。金額は家族全体で納める相続税の合計です。
| タンス預金以外の遺産 | タンス預金なし | +500万円 | +1,000万円 | +2,000万円 |
|---|---|---|---|---|
| 4,000万円 | 0円 | 0円(増加なし) | 10万円(+10万円) | 60万円(+60万円) |
| 6,000万円 | 60万円 | 85万円(+25万円) | 112.5万円(+52.5万円) | 175万円(+115万円) |
| 8,000万円 | 175万円 | 約206万円(+約31万円) | 240万円(+65万円) | 315万円(+140万円) |
| 1億円 | 315万円 | 352.5万円(+37.5万円) | 392.5万円(+77.5万円) | 480万円(+165万円) |
表の見方:配偶者は配偶者の税額軽減により納める相続税が0円になるため、表の金額は子2人が納める額の合計です。子2人の家庭より金額が小さいのは、相続税の総額の半分が軽減されるためです。
重要ポイント:配偶者の税額軽減は、申告して初めて使える制度です。タンス預金を隠して見つかった場合、隠した財産の分は軽減の対象外になり、表の金額より大きく増えます。
計算ロジック:【例】遺産8,000万円+タンス預金1,000万円。4,200万円(9,000万円−4,800万円)を法定相続分で分け、配偶者265万円+子107.5万円×2人=総額480万円。配偶者分240万円が軽減され、納める額は240万円です。
子2人・遺産8,000万円の家庭で1,000万円のタンス預金を正直に申告すると、増える相続税は150万円です。隠して税務調査で見つかると、同じ150万円に加算税と延滞税が上乗せされ、約214万円になります。
つまり、隠し通せたとしても「得」は150万円にとどまり、見つかれば64万円ほど「損」が増えます。しかも見つかる確率は高く、隠した現金は使えば足がつきます。
税額が0円の家庭でも、タンス預金を足すと申告が必要になることがあります。まずは早見表で、自分の家庭が申告ラインの近くにいるかを確認してください。

「家の中の現金がなぜ分かるのか」を具体的に見ていきます。現金そのものに記録はなくても、現金が生まれるまでの出金と、使われるときの入金や購入には必ず記録が残ります。税務署はこの記録から手元の現金を推定します。
死亡届が出されると、その情報は市区町村から税務署へ通知されます(相続税法58条)。遺族が何もしなくても、税務署は相続が起きたことを把握します。
国税庁は、KSK(国税総合管理)システムで、過去の確定申告・給与や年金の支払い・不動産の売買・保険金の支払いなどの情報を個人ごとに管理しています。
相続が起きると、税務署はこの情報から故人の「生涯の収入」と「残っているはずの財産」を見積もり、申告書と突き合わせます。収入の割に申告した財産が少ないというズレが、タンス預金を疑うきっかけになります。
相続税の申告が必要そうな家庭には、亡くなってから数か月後に「相続税の申告等についてのご案内」が届くことがあります。届いた時点で、税務署はある程度の財産規模を見込んでいると考えてください。
ご案内が届く時期と、届いたときの対処は、下記の記事で解説しています。

税務署は、金融機関に故人の取引履歴を照会できます。相続税の調査では、一般に過去10年分程度の入出金が確認されます。
【特に確認される出金のパターン】
出金した理由を相続人が説明できなければ、「現金のまま手元に残っている」と推定されます。タンス預金の多くはもともと口座から引き出されたお金なので、引き出した記録は何年たっても残ります。
調査では、故人だけでなく配偶者・子・孫など家族名義の口座の入出金も確認されます。
見つけたタンス預金をこっそり自分の口座に入れると、その入金が収入に見合わない「不自然なお金」として浮かび上がります。家族の口座に入れても、隠したことにはなりません。
故人のお金で作られた家族名義の預金は「名義預金」として、故人の相続財産と判定されます。タンス預金と名義預金は、相続税の調査で特に指摘されやすい2つの論点です。
名義預金の判定基準と、判定されたときに増える相続税は、下記の記事で解説しています。

現金は使った瞬間にも記録を残します。金融機関や事業者から税務署へ届く主な情報は次のとおりです。
| 税務署に届く情報 | 届く条件 | 分かること |
|---|---|---|
| 生命保険金の支払調書 | 受取額が100万円を超えるとき | 誰がいくら受け取ったか |
| 国外送金等調書 | 1回100万円を超える海外送金 | 海外へ移したお金 |
| 金地金等の譲渡の対価の支払調書 | 200万円を超える金の売却 | 金を現金に換えた事実 |
| 不動産の登記 | 不動産の購入・名義変更 | 現金で不動産を買った事実 |
重要ポイント:申告した遺産が少ないのに、相続後に住宅や車を現金で買えば「その資金はどこから来たのか」と確認されます。隠したタンス預金は、使った時点で見つかる可能性が高い財産です。
データで疑いが強まると、調査官が自宅を訪れる実地調査が行われます。一般に、申告から1〜2年後に行われることが多いとされます。
実地調査では、金庫・仏壇・引き出しなどの保管場所を確認するだけでなく、家族への質問から現金の存在を確かめます。質問への答えと出金履歴の食い違いが、タンス預金の発見につながります。
| 質問される人 | 主な質問 | 調査官が確かめたいこと |
|---|---|---|
| 故人について | 経歴・収入・趣味・毎月の生活費・最期の入院の様子 | 生活費で使い切れたお金か |
| 配偶者 | 職歴・収入・自分名義の預金の原資 | 名義預金や配偶者へ移した現金がないか |
| 子・孫 | 職業・収入・贈与を受けたことがあるか | 受け取った現金や生前贈与の有無 |
| 家族全員 | お金の管理は誰がしていたか・現金の保管場所 | 手元に残る現金の場所と管理者 |
表の見方:質問は相続人ごとに行われ、答えの食い違いも比べられます。口裏を合わせても、出金履歴という記録とは矛盾します。
税務調査の流れと、どこまで調べられるかは、下記の記事で解説しています。

税務署は、データ上のズレが大きい家庭を選んで実地調査に入ります。次のような特徴がある家庭は、調査の対象に選ばれやすくなります。
【調査に選ばれやすい家庭の特徴】
タンス預金がある家庭は、ほぼこの条件に当てはまります。出金の使いみちを説明できる資料をそろえ、根拠のある申告書を出すことが、調査を遠ざける最善の方法です。
調査に選ばれやすい家庭と、いくら以上で調査が来るのかは、下記の記事で解説しています。

国税庁が公表した令和6事務年度(2024年7月〜2025年6月)の相続税調査の主な数字です。
| 項目 | 令和6事務年度 |
|---|---|
| 実地調査の件数 | 9,512件 |
| 申告漏れなどが見つかった割合 | 82.3% |
| 1件あたりの追徴税額 | 867万円 |
| 申告漏れ財産のうち現金・預貯金等 | 837億円(29.1%) |
申告漏れ財産を種類別に見ると、現金・預貯金等が最も多くなっています。土地や株式と違い、評価の解釈ではなく「あったかなかったか」の争いになるため、言い逃れが難しい財産です。
国税庁は実際の調査事例も公表しています。相続開始前に引き出した多額の現金について、相続人は「寄付して残っていない」と説明しましたが、相続人宅の金庫から現金が見つかった事例です。
| 公表事例の項目 | 内容 |
|---|---|
| 隠し方 | 相続開始前に引き出した現金を相続人宅の金庫で保管し、申告から除外 |
| 増えた課税価格 | 約2億5千万円 |
| 追徴税額 | 約1億2千万円(重加算税あり) |

タンス預金の申告漏れが見つかると、本来の相続税に加えてペナルティがかかります。負担は「いつ申告し直したか」と「わざと隠したか」で大きく変わります。
加算税の割合は、税務署から調査の通知が来る前に自分で申告し直したかどうかで変わります。
| ペナルティ | 調査の通知前に自主的に申告 | 通知後〜調査前 | 調査後 |
|---|---|---|---|
| 過少申告加算税(申告したが財産が漏れていた) | 0% | 5%(10%) | 10%(15%) |
| 無申告加算税(申告していなかった) | 5% | 10%(15%・25%) | 15%(20%・30%) |
| 重加算税(隠蔽・仮装と認定された) | ― | 35%(無申告は40%) | 35%(無申告は40%) |
| 延滞税(納付の遅れ) | 2026年は年2.8% | 同左 | 同左 |
表の見方:( )内は増えた税額のうち一定額を超える部分の割合です。過少申告加算税は50万円か当初の税額の多い方を超える部分、無申告加算税は50万円超・300万円超の部分に高い割合がかかります。
重要ポイント:調査の通知前に自分で修正申告すれば、過少申告加算税は0%です。タンス預金を意図的に隠したと認定されると、過少申告加算税・無申告加算税に代えて重加算税がかかり、過去5年以内に重加算税などを課されていればさらに10%加算されます。
計算ロジック:延滞税は納期限の翌日から2か月を過ぎると年9.1%(2026年)に上がります。修正申告の場合は申告書を出した日が納期限になるため、出した日に納付すれば低い割合だけで済みます(国税通則法60条・国税庁 No.9205)。
延滞税は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数にかかります。ただし、期限内に申告していた人が後から修正申告した場合は、計算期間に特例があります。
| ケース | 延滞税がかかる期間 |
|---|---|
| 期限内に申告し、1年を過ぎてから修正申告(うっかり漏れ) | 法定納期限の翌日から1年分まで(その後の期間は除く) |
| 隠蔽・仮装で税を免れていた(隠して発覚) | 法定納期限の翌日から納付する日まで全期間 |
わざと隠したと認定されると、延滞税の計算期間の特例が使えず、経過した全期間に延滞税がかかります。隠したまま時間がたつほど、延滞税は増え続けます。
配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した財産が1億6,000万円か法定相続分までなら、配偶者の相続税を0円にできる制度です。ただし、隠蔽・仮装されていた財産は、配偶者の税額軽減の対象に含まれません。
配偶者が隠していたタンス預金2,000万円が調査で見つかった場合と、最初から申告していた場合を比べます。
| 項目 | 最初から申告 | 配偶者が隠して発覚 |
|---|---|---|
| 遺産の合計 | 1億2,000万円 | 1億2,000万円 |
| 相続税の総額 | 960万円 | 960万円 |
| 配偶者の税額軽減 | 560万円 | 315万円 |
| 配偶者が納める相続税 | 0円 | 245万円 |
| 子2人が納める相続税 | 400万円 | 400万円 |
| 加算税 | 0円 | 約94万円 |
| 家族全体の負担(延滞税を除く) | 400万円 | 約739万円 |
表の見方:最初から申告していれば配偶者の相続税は0円でした。隠した2,000万円が軽減の計算から外れたため、配偶者に245万円の相続税が生じています。
重要ポイント:同じ1億2,000万円の遺産でも、隠して見つかると家族の負担は約339万円増えます。配偶者が相続人にいる家庭ほど、タンス預金を隠す損は大きくなります。
計算ロジック:【前提】配偶者+子2人、申告した遺産1億円、配偶者が隠した現金2,000万円を配偶者が取得。軽減額は隠した分を除いた総額630万円×5,000万円÷1億円=315万円です(相続税法19条の2第5項)。
加算税約94万円は、配偶者の重加算税(245万円×35%=85.75万円)と、子2人の過少申告加算税(各4.2万円)の合計です。子は隠蔽に関与していない前提で、増えた42.5万円ずつに10%をかけています。
偽りその他不正の行為で相続税を免れた場合は、税金の上乗せに加えて刑事罰の対象になります。
| 罪 | 内容 | 刑罰(相続税法68条・69条) |
|---|---|---|
| ほ脱犯 | 偽りその他不正の行為で相続税を免れた | 10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(併科あり) |
| 申告書不提出のほ脱犯 | 故意に申告書を出さず相続税を免れた | 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり) |
| 無申告犯 | 正当な理由なく期限内に申告書を出さなかった | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
刑事事件になれば、追徴された税金とは別に前科がつくおそれがあります。免れた税額が1,000万円を超える場合は、罰金の上限がその税額まで引き上げられることもあります。
申告漏れが見つかったときの追徴課税の計算と、修正申告のやり方は、下記の記事で解説しています。


同じタンス預金でも、申告するタイミングと隠したかどうかで負担は変わります。最初から申告した場合と、隠して見つかった場合の差を数字で確認します。
【前提】相続人は子2人(基礎控除4,200万円)。申告した遺産8,000万円とは別に、タンス預金1,000万円があったケースです。法定申告期限は2023年10月31日、申告し直して納付したのは3年後の2026年10月30日とします。
タンス預金1,000万円を加えると相続税の総額は470万円から620万円になり、追加で納める本税は150万円です。この150万円に、申告し直したタイミングに応じて加算税と延滞税が加わります。
同じ150万円の本税に、どれだけ上乗せされるかを4つの場合で比べます。
| ケース | 追加の本税 | 加算税 | 延滞税 | 合計 | 最初から申告との比較 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①最初から申告 | 150万円 | 0円 | 0円 | 150万円 | ― |
| ②調査の通知前に自主的に修正申告 | 150万円 | 0円 | 約3.6万円 | 約153.6万円 | 1.02倍 |
| ③調査で指摘された(うっかり漏れ) | 150万円 | 15万円 | 約3.6万円 | 約168.6万円 | 1.12倍 |
| ④隠して調査で発覚(重加算税) | 150万円 | 52.5万円 | 約11.3万円 | 約213.8万円 | 1.43倍 |
表の見方:②と③は延滞税が1年分で止まりますが、④は隠したため3年分すべてにかかります。④は①より約64万円多く、②と比べても約60万円の差があります。
重要ポイント:同じタンス預金でも、自分で申告し直すか隠して見つかるかで約60万円の差が生まれます。気づいた時点で、調査の通知が来る前に修正申告するのが最も負担が小さい方法です。
計算ロジック:過少申告加算税=150万円×10%=15万円、重加算税=150万円×35%=52.5万円。延滞税は2025年までが年2.4%、2026年が年2.8%です(国税庁 No.9205)。
②③の延滞税は2023年11月1日〜2024年10月31日の366日分で、150万円×2.4%×366÷365≒3.6万円です。④は2026年10月30日までの全期間で約11.3万円になります。いずれも修正申告した日に納付した前提です。
申告した後でタンス預金が出てきたら、慌てずに自分で修正申告してください。調査の通知前に自分で修正申告すれば、加算税はかからず、延滞税も最長1年分で止まります。
上の比較では、②の負担は本税150万円に約3.6万円が加わるだけでした。見つかった後の対応の早さが、負担の大きさをほぼ決めます。発見が遅れたこと自体はペナルティの対象ではありません。
修正申告の手順と書き方は、下記の記事で解説しています。

隠したことの代償は、ペナルティの金額にとどまらず、調査の範囲や家族の関係にも及びます。タンス預金を隠していたことが1つ見つかると、調査官は「他にも隠しているのでは」と考えます。
名義預金・生前贈与・土地の評価まで調査の範囲が広がり、資料の準備や立ち会いに数か月かかることもあります。「誰が隠していたのか」をめぐって、相続人同士の関係が壊れることも少なくありません。
相続人の一人が隠した場合でも、他の相続人には連帯して納付する義務があります。家族の誰かが隠した現金の税金を、別の家族が負担させられるおそれもあります。

相続税にも時効があります。ただし、時効の期間は長く、その間に調査が来れば重いペナルティが課されるため、時効を待つのは現実的ではありません。
税務署が相続税を課税できる期間は、原則として法定申告期限から5年です。偽りその他不正の行為があった場合は7年に延びます(国税通則法70条)。
タンス預金をわざと申告から外した場合は「不正の行為」にあたり、7年が基準になります。たとえば2026年2月10日に亡くなった場合は次のとおりです。
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| 亡くなった日 | 2026年2月10日 |
| 申告期限(10か月後) | 2026年12月10日 |
| うっかり漏れの場合の時効 | 2031年12月10日 |
| 隠していた場合の時効 | 2033年12月10日 |
表の見方:隠していた場合、亡くなってから約7年10か月は課税される可能性が残ります。申告期限が土日・祝日にあたると、期限は翌平日にずれます。
時効は何年前までさかのぼるのか、調査の「10年」との違いは、下記の記事で整理しています。

インターネット上には「タンス預金を申告しなかったがばれなかった」という書き込みもあります。しかし、その多くは時効が来る前に書かれたもので、まだ調査が来ていないだけかもしれません。
税務署の接触は実地調査だけではありません。令和6事務年度には、文書や電話で申告漏れを確認する「簡易な接触」が21,969件行われ、記録の公表を始めてから最も多くなりました。
申告していなかった人への実地調査も650件行われ、86.5%で申告漏れが見つかりました。無申告の調査1件あたりの追徴税額は2,187万円で、調査全体の平均867万円の約2.5倍です。
時効を待っている間も、延滞税は日数に応じて増え続けます。隠していた場合は延滞税の計算期間の特例も使えません。
さらに重加算税35〜40%、配偶者がいれば税額軽減の取り消しが重なります。長く隠すほど、見つかったときの負担は大きくなります。時効を待つより、今すぐ申告し直すほうが確実に安く済みます。
相続税を申告していない場合にバレる理由と、今からすべきことは、下記の記事で解説しています。


遺品整理で現金を見つけたら、どうすればよいのか。「記録する→全員で共有する→遺産分割協議書に書く→申告する」の4ステップで、通常の相続財産として扱います。
見つけた現金は、次の順番で手続きします。手順を踏めば、タンス預金はリスクではなく単なる相続財産の一部になります。
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重要ポイント:見つけた現金をすぐ自分の口座に入れるのは避けてください。誰の財産か分かりにくくなり、使い込みを疑われる原因になります。分割が決まるまでは現金のまま安全な場所で保管しましょう。
見つけたタンス預金は「見つけた人のもの」ではありません。故人の財産である以上、相続人全員で分ける遺産分割の対象になります。
現金は1円単位で分けられるため、分け方そのものは簡単です。もめやすいのは「本当にこれで全部か」という金額の透明性です。
見つけた人が1人で数えて申告すると、「本当はもっとあったのでは」という疑いが残ります。複数人で立ち会う、すぐ全員に連絡する、写真とメモで共有する。この3点で疑いの芽をつぶせます。
遺産の使い込みが疑われたときの相続税の扱いは、下記の記事で解説しています。

相続人の1人が故人の現金を持ち出して黙っていたことが、後から分かるケースもあります。その場合でも、隠された現金は遺産として扱い、相続人全員で分け直せます。
遺産分割の前に相続人の1人が勝手に処分した財産は、ほかの相続人全員が同意すれば、遺産分割のときに遺産として残っているものとみなせます(民法906条の2)。持ち出した本人の同意は要りません。
相続税の面では、申告に漏れた分の本税と延滞税をほかの相続人も負うことがあります。相続人どうしには、ほかの相続人の相続税を連帯して納める義務もあります(相続税法34条)。
重要ポイント:「自分は知らなかった」相続人も、申告し直さなければ影響を受けます。持ち出しに気づいたら、証拠を残したうえで早めに税理士や弁護士へ相談してください。
相続税の申告を終えた後でタンス預金が出てきたら、修正申告で増えた相続税を納めます。
税務調査の通知が来る前に自分で修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。負担は増えた本税と延滞税だけで済み、「隠した」場合とは扱いがまったく違います。
遺産分割協議を終えた後に見つかった場合は、見つかった現金だけを対象に追加で協議できます。相続人全員が合意すれば、最初の協議をやり直すこともできます。
「見つけた現金を葬儀費用や生活費に使ってしまった。もう申告できないのでは」という相談もありますが、心配は要りません。
相続税の対象は亡くなった日にあった財産です。その後に使ったかどうかに関係なく、亡くなった日にあった現金の額を申告します。何にいくら使ったかを、領収書とあわせて記録に残しましょう。
注意:遺産分割協議の前に遺産の現金を使うと、他の相続人とのトラブルや、相続放棄ができなくなる原因になります。原則として、分割が決まるまで遺産の現金には手を付けないでください。

タンス預金を「いくらまで置いてよいか」は、何の基準で考えるかで答えが変わります。法律・相続税・手元の目安・銀行の手続きの4つに分けて考えると迷いません。
自宅に現金を置くことは違法ではありません。金額の上限もありません。税金が問題になるのは、そのお金の出どころや渡し方に次のような事情があるときです。
| 場面 | かかる税金 | ポイント |
|---|---|---|
| 持ち主が亡くなった | 相続税 | 遺産の合計が基礎控除を超えれば、タンス預金も含めて申告 |
| 家族などから現金をもらった | 贈与税 | 1年間にもらった額が110万円を超えれば申告(現金手渡しでも同じ) |
| 申告していない収入を現金で貯めた | 所得税など | 現金の元になった収入の申告漏れが問題になる |
表の見方:自分の給料や年金から貯めた現金を自宅に置いているだけなら、どの場面にもあたらず税金はかかりません。問題になるのは「持つこと」ではなく、相続・贈与・収入の申告から外すことです。
「タンス預金はいくらまで」という問いには、基準ごとに答えが4つあります。
| 基準 | いくらまで | 理由 |
|---|---|---|
| 法律(違法かどうか) | 上限なし | 現金の保管方法に法律の制限はない |
| 相続税の申告 | 1円から対象 | 遺産の合計が基礎控除以下なら申告不要 |
| 手元に置く目安 | 生活費の1〜3か月分程度 | 災害や急な出費への備えとして十分な額 |
| 銀行に預けるときの手続き | 現金200万円まで | 200万円を超えると取引時確認の対象になる |
重要ポイント:手元に置く目安は法律上の基準ではありません。数百万円を超える現金を常に置いておくと、盗難・火災のリスクと相続時の申告漏れのリスクが大きくなります。
タンス預金そのものを全否定する必要はありません。メリットは少額でも得られる一方、デメリットは金額が大きいほど深刻になります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| いつでもすぐ使える(ATMが要らない) | 火災・水害で失うおそれがある |
| 持ち主が亡くなって口座が凍結されても使える | 盗難や特殊詐欺の標的になりやすい |
| 銀行が破綻しても影響を受けない | 保管場所を忘れる・家族が気づかず処分する |
| 引き出しの手数料がかからない | 利息がつかず、物価が上がると目減りする |
| ― | 相続時の申告漏れ・分け方のトラブルの原因になる |
表の見方:メリットは生活費の数か月分で十分に得られます。それを超える額を自宅に置く理由は乏しく、相続時の負担だけが大きくなります。
タンス預金を銀行に預けても、税金はかかりません。お金の置き場所が自宅から銀行に移るだけで、財産が増えるわけではないからです。
現金で200万円を超える入金をすると、銀行は本人確認や取引の目的・職業などを確認します(犯罪収益移転防止法施行令7条)。これはマネーロンダリング対策の本人確認で、確認したこと自体が税務署へ通知される仕組みではありません。
銀行が「疑わしい取引」と判断して届け出た情報は、一定の犯罪の捜査や国税当局の犯則調査のために提供されることがあります(犯罪収益移転防止法13条)。
「怪しまれないように少しずつ入金する」のは逆効果です。金融庁の参考事例では、確認の基準額をわずかに下回る取引を繰り返すことも、疑わしい取引の例に挙げられています。分けずに一度に入金し、記録を1本にまとめるほうが後から説明しやすくなります。
【入金前に整理しておくこと】
注意:入金先は「そのお金の持ち主の口座」が原則です。親のタンス預金を子の口座に、夫の現金を妻の口座に入れると、贈与や名義預金の問題が生じます。
参照元:疑わしい取引の参考事例:金融庁
親が家に現金を貯めているようだと気づいたら、相続の前に整理できる時期です。頭ごなしに否定せず、現金を手元に置く理由をまず聞いてみてください。
そのうえで、おおよその金額と保管場所を家族で共有してもらうことが最優先です。認知症が進むと、本人も保管場所を思い出せなくなります。
【親が元気なうちに共有しておきたいこと】
「お金の話」はしにくいものです。相続の話ではなく、災害時の備えの確認として切り出すと話し合いを始めやすくなります。生活に必要な分を残して親の口座に戻してもらえれば、相続時の申告漏れも防げます。

タンス預金で相続税は減らせませんが、合法的に減らす方法はあります。「隠す」から「制度を使う」へ切り替えることが、相続税を減らす唯一の正しい方法です。
現金は額面がそのまま相続税の評価額になります。1,000万円の現金は、どこに置いていても1,000万円の財産です。
一方で土地は、時価より低い路線価などで評価されます。自宅の土地なら小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減らせることもあります。現金のまま持ち続けることは、相続税の面では最も不利な持ち方です。
ただし、相続税を減らす目的だけで不動産を買うと、売りにくさや維持費の負担が残ります。財産全体の構成を見て判断することが大切です。
手元の現金を一時払い終身保険などに置き換えると、死亡保険金のうち「500万円×法定相続人の数」が非課税になります。
相続人が子2人なら、1,000万円までの死亡保険金に相続税がかかりません。同じ1,000万円でも、現金のままなら課税され、保険金なら非課税にできます。
保険金は受取人が単独で受け取れるため、口座凍結に備えた当面の資金にもなります。「すぐ使えるお金を残したい」というタンス預金の目的は、保険で安全に実現できます。
参照元:国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
一時払い終身保険の効果と、現金・贈与との比較は、下記の記事で解説しています。

年110万円までの贈与は贈与税が非課税です。ただし、相続や遺贈で財産を受け取る人への贈与は、亡くなる前の一定期間の分が相続財産に足し戻されます。
| 亡くなった日 | 足し戻される贈与 |
|---|---|
| 2026年12月31日まで | 亡くなる前3年以内の贈与 |
| 2027年1月1日〜2030年12月31日 | 2024年1月1日以後の贈与 |
| 2031年1月1日以後 | 亡くなる前7年以内の贈与 |
表の見方:足し戻す期間は2024年1月1日以後の贈与から段階的に延び、7年すべてが対象になるのは2031年以後の相続からです。延びた4年分の贈与は、合計100万円まで足し戻しません。
重要ポイント:現金を手渡しで配っても贈与であることは変わらず、記録が残らない分だけ名義預金を疑われやすくなります。贈与は銀行振込で行い、もらった人が自分で口座を管理しましょう。
参照元:国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
生前贈与の効かせ方と注意点は、下記の記事で解説しています。

子や孫の学費・生活費を親や祖父母が負担する場合、必要な都度、必要な額を渡す限り贈与税の対象外です。110万円の枠とは別で、金額の上限もありません。
ポイントは「都度・直接・実費」です。学費は学校へ、医療費は病院へ直接払うと記録も残ります。まとめて渡して使い残しが貯金に回ると、その部分は贈与として課税されます。
タンス預金で隠すことと、正規の対策を並べて比べます。
| 方法 | 相続税を減らす効果 | リスク・注意点 |
|---|---|---|
| タンス預金で隠す | なし(見つかれば負担が増える) | 重加算税35〜40%・配偶者の税額軽減の取り消し・刑事罰 |
| 生命保険の非課税枠 | 500万円×法定相続人の数まで非課税 | 商品の選び方と受取人の指定 |
| 生前贈与 | 年110万円×人数×年数 | 亡くなる前の一定期間は足し戻し・名義預金に注意 |
| 教育費・生活費の援助 | 都度の支払いは非課税 | まとめて渡すと贈与になる |
| 小規模宅地等の特例 | 自宅の土地の評価を最大80%減 | 要件を満たし申告することが必要 |
表の見方:正規の対策は効果があってリスクが小さく、タンス預金は効果がなくリスクだけが大きい方法です。手元の現金が多い家庭ほど、財産全体で対策を組み立てる価値があります。
相続税を減らす方法の全体像と効果は、下記の記事で解説しています。


タンス預金がある相続は、扱いを誤ると重加算税や配偶者の税額軽減の取り消しにつながります。相続税の対応実績がある税理士なら、出金履歴の確認から申告まで通して任せられます。複数の税理士に一括で相談し、比較して選ぶのがおすすめです。
タンス預金は「いくらあったか」を証明するのが難しい財産です。出金履歴から手元の現金を推定し、根拠をそろえて申告できるかで、税額と調査のリスクが変わります。
【相続税の対応実績がある税理士が必要な理由】
たとえば遺品整理で現金800万円が見つかった場合、金額だけを書いた申告と、出金履歴と照らし合わせて出どころを説明した申告では、調査になったときの説明のしやすさがまったく違います。
相続税に対応している税理士でも、現金が絡む案件の経験には差があります。見積りや初回相談で、次の3点を比べてください。
「出金履歴の確認手順・書面添付への対応・調査の立ち会い」の3点で見分けられます。
判定ポイント1:出金履歴の確認手順を説明できるか
A税理士は「現金はありますか」と聞くだけ、B税理士は過去の通帳から出金のパターンを見て手元の現金を推定する手順を説明した。→ B税理士の方が、税務署と同じ目線で申告を点検できると判定できます。
判定ポイント2:書面添付制度に対応しているか
税理士が申告内容の確認の過程を書面で添付する制度です。見積りに書面添付が含まれているかを確認します。→ 対応している事務所の方が、申告の品質に責任を持てると判定できます。
判定ポイント3:税務調査の立ち会いが見積りに含まれているか
調査になった場合の立ち会いと対応の費用まで提示されているかを確認します。→ 調査対応まで示している事務所の方が、現金が絡む案件の経験が豊富と判定できます。
書面添付制度の仕組みと、税務調査が減る理由は、下記の記事で解説しています。

タンス預金の扱いを誤ると、過少にも過大にも申告してしまいます。子2人・遺産8,000万円で1,000万円の現金が漏れて調査で隠したと認定されれば、負担は150万円から約214万円に増えます。
具体的には、次のようなリスクがあります。
【相談せずに進めた場合のリスク】
これらの多くは、申告前の確認で防げます。相談は無料のことが多く、早いほど選べる手段が増えます。
実際に一括相談・見積りを利用する流れは、次の4ステップです。フォームの記入自体は5分ほどで終わります。
現金が見つかった場合は特に、申告期限の10か月から逆算して早めに動いてください。
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重要ポイント:「現金が見つかった」「直前に出金がある」といった情報は最初に伝えてください。税理士に全情報を出してこそ、調査に強い申告書が作れます。
相談の前に、次の資料をそろえておくと話が早く進みます。
【相談前にそろえておきたいもの】
重要ポイント:通帳の出金履歴は、税理士が手元の現金を推定するための最も重要な資料です。分からないことは分からないと正直に伝えれば、確認の方法は税理士が組み立てます。
タンス預金だけで決まる上限額はありません。タンス預金を含めた遺産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、相続税は0円で申告も不要です。
基礎控除を超える場合は、少額のタンス預金でも申告に含める必要があります。
「この金額までならバレない」という基準はありません。税務署は金額ではなく、故人の収入と申告した財産のズレや、口座の出金履歴から現金の存在を推定します。
使いみちを説明できない出金は、金額にかかわらず確認の対象になります。
自分のお金を銀行に預けるだけなら税金はかかりません。現金で200万円を超える入金をすると本人確認などの手続きがありますが、確認したこと自体が税務署へ通知される仕組みではありません。
ただし、亡くなった親のタンス預金を申告せずに自分の口座へ入れると、調査で不自然な入金として確認されます。
対象です。故人が自分の収入から貯めた現金は、へそくりと呼んでいても相続財産です。
配偶者が故人の収入から貯めたへそくりも、元のお金が故人のものなら故人の相続財産と判定されるのが原則です。
わざと隠した場合の時効は申告期限から7年で、亡くなってから約7年10か月は課税される可能性が残ります。税務調査は一般に申告から1〜2年後に行われることが多く、時効よりずっと早く来ます。
見つかれば重加算税と全期間の延滞税がかかり、配偶者の税額軽減も使えなくなります。時効を待つより、今すぐ申告し直すほうが負担は小さく済みます。
タンス預金と相続税について、重要なポイントを整理します。
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年10月時点の法令・情報に基づいて作成しています。相続税法などの改正により、内容が変更となる可能性があります。最新の制度については国税庁の公式サイトや相続税の対応実績がある税理士にご確認ください。