


相続税は、相続した財産(遺産)の中から払って構いません。受け取った預貯金で納めるのが基本で、相続人が自分の財布から出す必要はありません。
ただし、相続税は現金一括で納めるのが原則です。遺産の大半が不動産で、相続した預貯金だけでは足りない場合、現金が用意できずに困るケースが出てきます。
そのようなときは、慌てて借金をする前に、遺産そのものを使って払う方法を検討します。基本の順番は「①相続財産を売却して現金化 → ②延納で分割 → ③物納で現物納付」です。
ただし、それぞれに要件やコスト、向き不向きがあります。売却は譲渡所得税、延納は利子税、物納は最終手段で手続きが重い、といった違いを踏まえて選ぶ必要があります。
特に物納は「延納でも払えない場合」に初めて使える制度で、対象財産の順位や、物納できない財産のルールも決まっています。売却と物納のどちらが得かも、財産によって変わります。
判断を誤ると、必要以上に資産を手放したり、期限に間に合わず延滞税がかかったりします。遺産から払う手段を正しく理解しておくことが、損をしない近道です。
本記事では、相続税を遺産から払えるかの考え方と、足りないときの売却・延納・物納の選び方を、判断フローと比較表で整理します。あわせて分割の工夫や放置のリスクまで、2026年の最新情報で解説します。
▼ この記事の3行まとめ

まず結論からお伝えします。相続税は相続した財産から払ってよく、現金が足りないときは「売却→延納→物納」の順に検討します。物納は最後の手段です。
この順番には理由があります。現金化しやすく、損の少ない手段から先に検討するのが合理的だからです。まずは全体像を早見表で確認しましょう。
ポイントは、相続税の納付には10ヶ月という期限があることです。どの手段を選ぶにせよ、この期限を意識して早めに動くことが欠かせません。手段選びに時間をかけすぎると、間に合わなくなります。
相続税を遺産から払う手段は、大きく3つ(+借入)です。現金化しやすいものから順に検討するのが基本で、物納は延納でも払えない場合に限られます。
なぜこの順番かというと、後ろの手段ほど手続きが重く、時間もコストもかかるからです。売却なら自分の判断で進められますが、延納・物納は税務署の審査があります。手軽で損の少ない手段から検討するのが合理的です。
| 手段 | 内容 | 検討の位置づけ |
|---|---|---|
| ①売却 | 相続財産を売って現金化する | まず検討。取得費加算の特例あり |
| ②延納 | 相続税を分割で納める | 一括が難しいとき。利子税がかかる |
| ③物納 | 相続財産そのもので納める | 延納でも払えないときの最終手段 |
| (借入) | 金融機関から借りて納める | 延納の利子税と金利を比較して判断 |
表の見方:上から検討の順序に並んでいます。現金化できる財産があれば売却が基本で、物納はハードルが高く実際にはあまり使われません。
手段を検討する前に、まず相続した預貯金で払えるかを確認します。相続税は遺産から払ってよいので、預貯金が十分あれば、それで納めれば済みます。
問題になるのは、遺産の大半が不動産で、現金化できる預貯金が少ないケースです。この「現金不足」をどう解消するかが、この記事のテーマになります。
この記事では、売却・延納・物納の3つを軸に、遺産から相続税を払う手段を順に解説します。それぞれの要件と、どれを選ぶかの判断基準を押さえれば、自分に合った方法が見えてきます。
結論を先取りすると、まず現金化しやすい財産を売却し、足りなければ延納、それも無理なら物納、という順です。物納は延納でも払えない場合の最終手段で、実際に使う人はごくわずかです。まずはこの大枠を頭に入れておきましょう。
まず、相続する財産の中に預貯金がどれだけあるかを確認しましょう。相続税額より預貯金が多ければ、その中から納めれば済みます。足りない場合に、次のセクション以降の売却・延納・物納を検討していく流れです。
相続財産に占める不動産の割合は、多くの家庭で高くなっています。土地や家屋が中心の相続では、現金が不足しやすく、この記事で扱う手段の出番になります。現金不足は決して珍しい悩みではありません。
まずは、相続する預貯金の額と、納めるべき相続税額を並べてみましょう。預貯金のほうが多ければ問題ありませんが、税額のほうが大きければ、その差額をどう埋めるかを考える必要があります。この差額が、売却・延納・物納で用意すべき金額です。
なお、相続した預貯金は、遺産分割が決まらないと引き出せないことがあります。分割前でも一定額を払い戻せる「預貯金の仮払い制度」もあるため、資金繰りに困る場合は活用を検討しましょう。
逆にいえば、預貯金が相続税額より多いなら、この記事の売却・延納・物納は基本的に不要です。まずは自分の相続がどちらのタイプかを見極めることが、最初のステップになります。現金が足りないと分かってから、次の手段を考えれば十分です。
なお、期限が迫っている・とにかく手段を一覧で知りたいという場合の緊急対処は、下記の記事で7つの方法を解説しています。本記事は「遺産から払う手段の選び方」に絞って掘り下げます。


まず、相続税の納め方の基本を確認します。相続税は、申告期限までに現金で一括して納めるのが原則です。この現金は、相続した遺産から出して構いません。
「相続税は自分の貯金から払うの?」と不安に思う方もいますが、その必要はありません。相続した預貯金など、遺産の中から相続税を払って構いません。
実際、多くの相続では、相続した預貯金で相続税をまかなえます。困るのは、遺産に現金化できる財産が少なく、納税額に足りないケースです。
相続税がかかるのは、遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合です。基礎控除を超える財産があるということは、それなりの資産を相続しているということでもあります。だからこそ、その財産の中から納税資金を作れないかを考えるのが基本です。
誤解されがちですが、相続税は「相続で得た財産にかかる税金」です。もらった財産の中から払うのが自然な形で、相続人がもともと持っていた自分の資産を取り崩す必要は、本来ありません。
そのため、まず考えるべきは「相続した財産の中で、どれを現金にあてるか」です。自分の生活資金を削る前に、遺産の中から納税資金を作れないかを検討します。この順番を間違えると、必要以上に自分の負担が重くなってしまいます。
ただし、相続する預貯金が少なく不動産が中心の場合は、話が変わります。価値のある土地や家を相続しても、そのままでは税金を払えないため、現金をどう用意するかが課題になります。
相続税は、財産をもらった各相続人が、自分の取得分に応じて負担します。預貯金を多く相続した人は手元の現金で払えますが、不動産を相続した人は現金が足りなくなりやすい、という差が生まれます。
この差を踏まえ、誰がどの財産を相続するかは、納税資金まで考えて決めるのが理想です。分け方の工夫については、後のセクションで詳しく解説します。
相続税は、遺産の総額に対する税額を計算し、それを各相続人の取得割合で按分して負担します。つまり、多くもらう人ほど税額も大きくなります。不動産を多く相続する人は、そのぶん納税額も大きくなりやすい点を意識しておきましょう。
なお、相続税には「連帯納付義務」というルールもあります。ある相続人が自分の相続税を納めないと、ほかの相続人が代わりに納める義務を負うことがあります。自分の分だけでなく、相続人全体で納税を見ておくことも大切です。
相続税は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に、現金で一括納付するのが原則です。分割払い(延納)や現物納付(物納)は、一定の要件を満たした場合の例外的な方法です。
この「10ヶ月・現金一括」という原則が、納税の出発点です。所得税のように毎年の収入から少しずつ、というわけにはいかず、一度にまとまった現金が必要になります。だからこそ、現金が足りるかどうかが最初の関門になります。
つまり、まずは現金で払えないかを考え、それが難しい場合に延納や物納を検討する、という順序になります。次のセクションで、なぜ現金が足りなくなるのかを見ていきましょう。
納付方法そのものは、現金のほか、クレジットカード納付やコンビニ納付、e-Taxなど複数あります。ただし、これらはあくまで「納める手段」であって、資金がなければ使えません。ここで扱うのは、その原資となる現金をどう用意するか、という一段手前の問題です。
現金一括が原則である以上、税務署のほうから「分割にしましょう」と提案してくれることはありません。延納や物納を使いたいなら、自分で申請する必要があります。しかも申請の期限は申告期限(10ヶ月)までなので、早めの準備が欠かせません。

相続税が遺産から払えなくなるのは、いくつかの典型的な原因があります。遺産が不動産中心、遺産分割が長引く、納税資金の準備不足、想定以上の税額、の4つが代表的です。
自分のケースがどれに当てはまるかを確認しましょう。原因が分かれば、取るべき手段も見えてきます。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 遺産が不動産中心 | 納税に充てる預貯金が少なく、現金が不足する |
| 遺産分割が長引く | 分割が決まらず、預貯金を引き出せない |
| 納税資金の準備不足 | 生命保険などの備えがなく、手元に現金がない |
| 想定以上の税額 | 土地評価などで、思ったより税額が大きくなる |
重要ポイント:最も多いのは「遺産が不動産中心」のケースです。土地や家は価値があっても、そのままでは相続税の支払いに使えません。現金化するか、延納・物納を検討することになります。
見落とされがちなのが、遺産分割が終わっていないケースです。分割がまとまらないと、被相続人の預貯金を自由に引き出せず、納税に使えないことがあります。
さらに、未分割のままだと小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が使えず、いったん高い相続税を納めなければなりません。分割を早くまとめることも、納税対策の一つです。
また、想定より税額が大きくなるのも、払えなくなる原因の一つです。土地の評価は路線価や補正で複雑になりやすく、自分で計算した額より高くなることがあります。早めに正確な税額を把握しておくと、資金不足に気づくのも早くなります。
納税資金の準備不足も、よくある原因です。相続税がかかると思っていなかった、あるいは想定より多くかかった、というケースでは、手元に納税用の現金がありません。生前に相続税額を試算し、備えておくことが理想的な対策になります。
相続人どうしで話し合いがまとまらず、分割が長引くケースは少なくありません。感情的な対立や、遠方の相続人との連絡の難しさが原因になることもあります。分割が進まないと納税資金も動かせないため、早めの話し合いが重要です。
「土地はあるのに現金がない」という状況は、地主の家系や、自宅以外に不動産を持つ家庭で起こりがちです。財産の額としては相続税がかかるのに、手元の現金では払えない、というギャップが生まれます。
こうしたケースこそ、遺産から払う手段の出番です。次のセクションから、売却・延納・物納の3つを順番に見ていきます。それぞれの特徴を理解し、自分の財産構成に合う方法を選びましょう。

現金が足りないとき、最初に検討するのが相続財産の売却です。不動産や上場株式を売って現金化し、その現金で相続税を納めます。延納や物納より先に検討するのが基本です。
売却が基本になるのは、まとまった現金を確保でき、その後の維持費もかからなくなるからです。上場株式や投資信託ならすぐに換金でき、納税資金の準備に向いています。
売る財産の順番も考えどころです。まずは換金しやすく、思い入れの少ない財産から検討するのが基本です。上場株式や投資信託を先に、収益を生まない遊休地を次に、といった優先順位で考えると整理しやすくなります。
逆に、自宅や、家賃収入を生む収益物件は、なるべく残したいところです。売却する財産を選ぶときは、「手放しても困らないか」「今後の生活や収入に影響しないか」も含めて考えると、後悔の少ない選択になります。
相続人が複数いる場合は、誰の財産を売って納税にあてるかも話し合いが必要です。特定の人の財産だけを売ると不公平感が生まれやすいため、分割の段階から「納税用に売る財産」を決めておくと、後のトラブルを防げます。
一方、不動産の売却には数ヶ月かかることもあります。買い手が見つからない、希望価格で売れないといったリスクもあるため、早めの着手が大切です。
売却のもう一つの利点は、その後の維持費がかからなくなることです。使わない土地や空き家を持ち続けると、固定資産税や管理費が毎年かかります。納税を機に手放せば、こうした負担からも解放されます。
特に、使い道のない遠方の土地や空き家は、持ち続けるほど負担になりがちです。相続税の納税をきっかけに整理すれば、資金確保と管理負担の解消を同時にかなえられます。「どうせ活用しない」財産なら、売却は前向きな選択です。
ただし、売却するには相続登記を済ませ、名義を相続人に移しておく必要があります。名義が被相続人のままでは売れないため、この点も早めに進めておきましょう。
売却で納税する場合の注意点は、時間です。相続税の納付期限は10ヶ月なので、その期限までに売却の決済(現金化)まで終わらせる必要があります。
不動産は売り出してから引き渡しまで数ヶ月かかるのが普通です。期限直前に動くと間に合わないため、相続が発生したら早い段階で売却の準備を始めましょう。
もし10ヶ月以内の決済が間に合わない場合は、いったん延納を申請しておき、売却が決まったら残りを一括で納める、という方法もあります。売却と延納を並行して準備しておけば、期限切れによる延滞税を防げます。
目安として、売り出しから買い手が決まるまで数ヶ月、契約から決済までさらに1〜2ヶ月かかります。逆算すると、遅くとも相続開始から半年ほどで売却活動を始めておきたいところです。人気の物件でも、余裕を持った段取りが安心です。
特に、遺産分割で誰が相続するかが決まらないと、売却に着手できません。分割協議と売却準備を並行して進めるくらいの意識が必要です。買い手との交渉や測量が必要な土地は、さらに時間がかかります。
納期限に間に合わない見込みなら、売却と並行して延納の申請準備もしておくと安心です。売却が間に合えば延納を取り下げればよく、二段構えで期限切れを防げます。
相続財産を売ると、売却益に譲渡所得税がかかります。ただし、相続税の申告期限から3年以内(相続開始から3年10ヶ月以内)に売れば、「取得費加算の特例」で譲渡所得税を軽くできます。
この特例は、支払った相続税の一部を売却資産の取得費に加算し、譲渡所得を圧縮する仕組みです。ただし「3年10ヶ月」は取得費加算の期限で、相続税の納付期限(10ヶ月)とは別なので混同しないよう注意しましょう。取得費加算の詳細は下記の記事で解説しています。
納税のために売る場合は、この特例をほぼ確実に使えます。納税資金を作るための売却は、当然10ヶ月前後に行うため、3年10ヶ月の期限には十分間に合うからです。売却益が出そうなときは、忘れずに活用しましょう。
納税のための売却では、実務上この2つの期限が重なります。まず10ヶ月以内に決済して納税資金を作り、その売却が3年10ヶ月以内であれば取得費加算も使える、という関係です。納税のために早く売れば、節税の特例も自然と満たせます。
取得費加算を使うには、売却した翌年の確定申告で手続きが必要です。相続税の申告をしていることが前提になるため、まず相続税を正しく申告しておくことが出発点になります。売却益が出そうなときは、この特例を忘れず活用しましょう。

重要ポイント:売却は「相続税の10ヶ月以内に決済」「譲渡税は3年10ヶ月以内なら軽減」という2つの期限が関わります。納税は10ヶ月厳守、節税は3年10ヶ月、と分けて覚えましょう。
売却して現金化するときは、手取り額が売却価格そのものではない点に注意が必要です。売却益には譲渡所得税・住民税がかかり、仲介手数料や登記費用も差し引かれます。
不動産の場合、仲介手数料は売却価格の3%程度が目安です。これに加えて、測量が必要なら測量費、抵当権が残っていれば抹消費用もかかります。手取りで納税資金がいくら残るかを、逆算して確認しておきましょう。
売却価格から諸費用と税金を引いた「手取り額」が、相続税額を上回るかがポイントです。ぎりぎりだと納税資金が足りなくなるため、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
参照元:国税庁 No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

売却でも現金を用意できない、あるいは売りたくない財産の場合は、延納を検討します。延納とは、相続税を分割で納める制度で、最長20年まで分割できます。ただし利子税がかかります。
延納を使うには、次の要件をすべて満たす必要があります。申告期限までに申請することが必須です。
重要ポイント:延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下なら、担保は不要です。延納は「申告期限までの申請」が絶対条件で、期限を過ぎてからでは使えません。
延納できる期間は、相続財産に占める不動産の割合によって変わります。不動産の割合が高いほど期間は長くなり、最長20年まで分割できます。
不動産の割合が高いケースほど、現金化しにくく納税に困りやすいため、長い分割期間が認められる仕組みです。逆に、財産のほとんどが預貯金なら、そもそも延納の必要性が低いと判断され、期間も短くなります。
延納期間中は、分割して残っている税額に対して利子税がかかります。利子税の率や計算方法、延納の詳しい要件は下記の記事で解説しています。
延納は「一時的に現金が足りないが、収入や将来の売却で分割なら払える」というケースに向きます。たとえば賃貸収入がある不動産を相続した場合、その家賃収入から少しずつ納めていく、という使い方ができます。
担保には、相続した不動産や有価証券などを提供するのが一般的です。担保として認められる財産には条件があり、抵当権のない不動産などが使われます。担保の準備にも時間がかかるため、延納を考えるなら早めに動きましょう。
なお、延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下の場合は、担保の提供が不要です。少額・短期の延納なら、手続きの負担も比較的軽く済みます。自分の延納額と期間が、担保の要否ラインに当てはまるかを確認しておきましょう。
一方で、延納は審査があり、担保の提供も必要になるのが原則です。実際に許可される件数は多くなく、「申請すれば必ず通る」ものではない点は理解しておきましょう。
延納が認められるのは、あくまで「一括では払えないが、分割なら払える」場合です。生活費や事業の運転資金まで取り崩さないと払えないか、といった観点で、金銭納付が困難な範囲が判断されます。手元の現金が十分にあると、延納は認められにくくなります。

延納の代わりに、金融機関からお金を借りて一括で納める方法もあります。延納の利子税率と、銀行の借入金利を比べて、総負担が少ないほうを選ぶのがポイントです。
借入は担保提供や税務署への申請が不要で、手続きが早いという利点があります。一方で、審査に通る必要があり、返済も確実に求められます。利子税の率は下記の記事で確認できます。
近年は延納の利子税率が低めに推移しているため、単純な率だけなら延納が有利なこともあります。ただし延納は担保設定の手間があり、借入は自由度が高いという違いもあります。率だけでなく、手続きの手間や返済期間も含めて総合的に選びましょう。
金融機関のなかには、相続税の納税資金向けのローンを用意しているところもあります。相続した不動産を担保に借りる形が一般的です。延納の申請が間に合わない、担保の手続きが煩雑といった場合に、借入が現実的な選択肢になることもあります。


売却も延納も難しい場合の最終手段が、物納です。物納とは、現金の代わりに相続した財産そのもので相続税を納める制度です。延納でも払えない場合に、初めて検討できます。
物納は、いつでも自由に選べる制度ではありません。「現金一括が無理→延納でも無理」という順を経て、初めて認められる最終手段です。
実際、物納が認められる件数はごくわずかで、ハードルは高めです。「売れない土地を国に引き取ってもらえる制度」ではなく、国が管理・処分できる状態に整える必要があります。
そもそも物納が認められるのは、延納でも金銭で納めることが難しいと判断された場合だけです。延納で分割すれば払えるなら、物納は認められません。この「延納でも無理」という高いハードルが、物納をまれな選択肢にしています。
とはいえ、地方に売れない不動産を多く抱えるようなケースでは、物納が有力な選択肢になることもあります。売っても値がつかない土地なら、相続税評価額で国に納められる物納のほうが合理的な場合があるためです。自分の財産が物納に向くかは、専門家に確認するのが確実です。
むしろ、売れない土地ほど物納も難しいという面があります。境界が不明だったり、道路に接していなかったりする土地は、国も引き取れないため物納できません。「売れないから物納」という発想は通用しないのです。
物納が向くのは、きちんと管理された土地で、かつ時価が相続税評価額を下回るようなケースです。売却すると評価額より安くなってしまう土地なら、評価額で納付できる物納のほうが有利になることがあります。とはいえ、こうしたケースは限られます。
物納に充てられる財産には、法律で優先順位が決まっています。上位の財産があれば、それを飛ばして下位の財産を物納することはできません。
たとえば、不動産(第1順位)と動産(第3順位)を持っている場合、まず不動産を物納に充てる必要があります。「価値の低い動産だけを物納したい」という選び方はできない、ということです。
この優先順位は、国が管理・処分しやすい財産から順に受け入れる、という考え方によるものです。換金性の高い上場株式や不動産が上位で、換金しにくい動産が下位になっています。納税者の希望で自由に選べない点が、物納の使いにくさの一因です。
「残したい自宅を手元に置き、価値の低い土地を物納したい」と思っても、順位のルール上そう都合よくはいきません。どの財産が物納対象になるかは、保有する財産の種類によって決まります。この点も、物納が思いどおりに使えない理由の一つです。
| 順位 | 物納できる財産 |
|---|---|
| 第1順位 | 不動産・船舶・国債・地方債・上場株式など |
| 第2順位 | 非上場株式など |
| 第3順位 | 動産(書画・骨董など) |
表の見方:第1順位の不動産などがあれば、まずそれを物納に充てます。納税者が自由に「これを物納したい」と選べるわけではない点に注意が必要です。
物納には、「国が管理・処分できる状態」であることが求められます。担保権が設定された不動産、境界が不明な土地、権利に争いがある財産などは物納できません。
これらは「管理処分不適格財産」と呼ばれ、物納の対象から外れます。境界確定の測量や、抵当権の抹消などが必要になり、時間と費用がかかる点にも注意が必要です。
特に境界の問題は、地方や古くからの土地でよく起こります。隣地との境界が確定していないと、まず測量と境界確認を行う必要があり、費用も数十万円以上かかることがあります。この準備が10ヶ月の期限に間に合わず、物納を断念するケースも少なくありません。
また、「物納劣後財産」という区分もあります。これは、ほかに物納できる財産がない場合にのみ認められる財産で、接道義務を満たさない土地や、市街化調整区域の土地などが該当します。優先順位が低く、単独では物納しにくい財産です。
物納を目指すなら、生前のうちに境界を確定させ、抵当権を抹消しておくといった準備が有効です。相続が起きてから慌てて整えようとしても、10ヶ月の期限には間に合わないことが多いためです。
物納も、申告期限(10ヶ月)までに物納申請書を提出する必要があります。申請後、税務署が財産の状態を審査し、許可されて初めて納付が完了します。
物納の手続きは、売却や延納に比べて格段に複雑です。だからこそ、物納を検討する場合は、早い段階で相続に詳しい税理士に相談することをおすすめします。専門家の関与なしで進めるのは、現実的に難しい制度です。
審査には現地調査や境界確認が含まれ、許可まで時間がかかります。物納の許可を待つ間も利子税が発生する点は、覚えておきましょう。
物納の申請には、登記事項証明書や測量図など、多くの書類が必要です。書類の準備だけでも手間がかかるため、物納を考えるなら早い段階で専門家に相談し、必要書類をそろえ始めるのが現実的です。
期限までに書類がそろわない場合は、提出期限の延長を申請できる仕組みもあります。ただし延長にも限度があり、いつまでも待ってもらえるわけではありません。やはり早めの着手が、物納をスムーズに進める鍵になります。
申請してから許可・却下が決まるまでは、数ヶ月かかるのが一般的です。却下された場合は、あらためて金銭で納めるか、別の財産で物納し直すことになります。物納は「申請すれば安心」ではなく、許可されて初めて完了する制度だと理解しておきましょう。

ここまでの手段を、あらためて比較します。基本は売却で現金化、それが無理なら延納、それでも無理なら物納、という順で考えます。借入は延納と比べて判断します。
スピード・コスト・向くケースを一覧で比べましょう。自分の状況に合う手段を選ぶ参考にしてください。
大前提として、これらは「どれか1つだけ」を選ぶとは限りません。一部を売却し、残りを延納する、といった組み合わせも可能です。財産の内容に応じて、柔軟に組み合わせるのが実務的です。
たとえば、換金しやすい上場株式は売却して当面の納税資金にあて、残りの税額は賃貸不動産の家賃収入で延納する、という組み合わせが考えられます。すべてを一つの手段でまかなおうとせず、財産ごとに最適な方法を割り当てるのがコツです。
組み合わせを考えるときも、順序は「売却→延納→物納」が基本です。まず現金化できるものは売却で、それでも足りない分を延納で、延納も難しい部分だけを物納で、という具合に段階を踏みます。物納はあくまで最後に残った部分の受け皿と考えましょう。
どの手段も、単独で完璧な正解というわけではありません。財産の構成、手放してよいもの、今後の収入、期限までの時間を総合して、複数を組み合わせるのが現実的です。迷ったら、全体像を整理したうえで専門家に相談するのがおすすめです。
| 手段 | コスト | 向くケース |
|---|---|---|
| 売却 | 譲渡所得税(3年10ヶ月で軽減) | 手放してよい財産がある・時価が高い |
| 延納 | 利子税 | 一時的な現金不足・分割で払える見込み |
| 物納 | 測量費・利子税 | 売れない不動産が中心・延納も困難 |
| 借入 | 借入金利 | 金利が利子税より低い・審査に通る |
重要ポイント:まず「売れる財産があるか」を考え、なければ「分割(延納)で払えるか」、それも無理なら「物納」という順です。物納は手続きが重く時間もかかるため、実際に使われるのはまれです。
不動産を手放す場合、物納と売却のどちらが得かは財産によって変わります。判断の軸は「時価」と「相続税評価額」の関係です。
土地の相続税評価額(路線価など)は、一般に時価の8割程度とされています。人気エリアの土地なら時価が評価額を上回るため、売却して現金化するほうが手取りが多くなります。
逆に、郊外や地方の売れにくい土地では、時価が評価額を下回ることがあります。この場合、評価額で納付できる物納のほうが、安く売るより有利になり得ます。ただし物納には手続きの重さがあるため、総合的な判断が必要です。
もっとも、物納が有利に見えても、測量費や境界確定の費用、許可までの時間を考えると、結局は売却のほうが早く確実というケースも多いです。物納は「評価額で納められる」という一点だけで判断せず、手間とコストまで含めて比べることが大切です。
また、物納は許可されるまで納税が確定しません。却下されれば、あらためて現金で納めることになり、その間の延滞リスクもあります。確実に納税を終わらせたいなら、多少手取りが減っても売却を選ぶ、という判断も十分に合理的です。
| 状況 | 有利な選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 時価 > 相続税評価額 | 売却 | 売れば評価額以上の現金が手に入る |
| 時価 < 相続税評価額 | 物納 | 評価額で納付でき、安く売るより有利 |
計算ロジック:物納は「相続税評価額」で納付します。時価が評価額を下回る土地は、物納のほうが有利になり得ます。逆に時価が高い土地は、売却して現金化するほうが手取りが多くなります。譲渡所得税や仲介手数料も含めて総額で比較しましょう。
どの手段を選ぶか、順を追って判断してみましょう。上から順に検討し、当てはまるところで手段が決まります。
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このフローはあくまで基本形です。実際には、財産の一部を売却しつつ残りを延納する、といった組み合わせも珍しくありません。大切なのは「現金化しやすいものから、損の少ない手段で」という考え方です。
どの段階でも共通するのは、10ヶ月の期限を意識することです。売却なら早めの着手、延納・物納なら期限内の申請、と時間の制約がついて回ります。判断に迷ったら、フローの入口の段階で専門家に相談するのが賢明です。

納税資金は、遺産分割の段階から対策できます。誰がどの財産を相続するかを工夫すれば、納税に困らない形にできます。それでも払えないときは、相続放棄も選択肢です。
分割の工夫でよくあるのが、納税資金が必要な相続人に預貯金を多めに相続してもらう方法です。不動産を相続する人ほど納税資金に困りやすいため、その人に現金も配分するとバランスが取れます。
また、配偶者の税額軽減を活用しつつ、二次相続まで見据えて分けることも大切です。目先の相続税だけでなく、次の相続までを見通した分割が、結果的に納税をラクにします。
具体的には、不動産を相続する人に預貯金も一定額を配分し、その現金で納税できるようにします。逆に、現金の少ない人に不動産だけを相続させると、その人だけが納税に困る、という事態になりかねません。
納税資金の負担が偏らないよう、相続人全員で「誰がいくら払うのか」を確認しながら分けることが大切です。分け方しだいで、売却や延納をせずに済むこともあります。
生命保険金も、納税資金の準備に役立ちます。受取人を指定した死亡保険金は、遺産分割を待たずに受け取れるため、すぐに納税資金として使えます。生前対策として、納税資金分の保険に加入しておくのも有効な方法です。
死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠もあります。納税資金を用意しながら相続税も抑えられるため、現金の少ない不動産中心の家庭では特に有効です。相続が起きる前に検討しておきたい対策の一つです。
分割がまとまらないまま申告期限を迎えると、不利になります。未分割だと小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が使えず、いったん高い相続税を払うことになります。
注意:未分割でも申告期限は待ってくれません。期限内に法定相続分で申告・納税し、後から分割が決まって特例を使う場合は、更正の請求で還付を受ける流れになります。特例を使うには「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出も必要です。
特例が使えないと、本来より高い税額を現金で納めることになります。分割の遅れが、そのまま納税資金の不足に直結してしまうのです。もめそうな場合は、早めに専門家を交えて話し合いを進めましょう。
プラスの財産より借入金などのマイナスが多い場合は、相続放棄も選択肢です。相続放棄をすれば、財産も債務も一切引き継がないため、相続税もかかりません。
ただし、相続放棄はプラスの財産も放棄することになり、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きが必要です。放棄すべきか相続すべきかは、財産と債務の全体像を把握してから判断しましょう。
注意したいのは、相続税が払えないからといって、安易に放棄するのは早計だという点です。相続税は「財産をもらった範囲」でかかる税金なので、プラスの財産のほうが多いなら、売却や延納で払えば手元に財産が残ります。放棄は債務超過のときの選択肢と考えましょう。
また、相続放棄は一度すると原則として撤回できません。3ヶ月の期限に追われて慌てて放棄すると、後から「売却すれば払えたのに」と後悔することもあります。財産と債務、納税の手段をひととおり確認してから判断することが大切です。

相続税を払えないからといって、何もせず放置するのは最も避けるべきです。期限を過ぎると延滞税が日々加算され、最終的には財産の差押えに至ることもあります。
納付期限を過ぎて放置すると、次のように状況が悪化していきます。段階を追って重くなる点を押さえておきましょう。
延滞税は、納期限の翌日から日数に応じて加算されます。2ヶ月を過ぎると率が上がり、時間が経つほど負担が重くなります。「払えないから」と放っておくほど、払うべき金額がふくらんでいく仕組みです。
督促状が届いても納めないと、最終的には給与や預金、不動産などの財産が差し押さえられます。差押えは、生活にも大きな影響を及ぼす重い措置です。ここまで至る前に、必ず何らかの手を打つことが大切です。
重要ポイント:大切なのは「払えないこと」ではなく「何もしないこと」がリスクだという点です。払えなくても、期限内に申告し、延納・物納・売却などの手を打てば、差押えのような最悪の事態は避けられます。
忘れてはいけないのが、延納・物納はどちらも申告期限(10ヶ月)までの申請が必須という点です。期限を過ぎてから「やっぱり延納したい」と言っても、原則として認められません。
つまり、「払えないと分かってから考える」のでは遅いことがあります。申告と同時に延納・物納を申請するには、それまでに担保や必要書類をそろえておく必要があります。逆算すると、相続開始から早い段階で準備を始めることが欠かせません。
だからこそ、払えそうにないと分かった時点で、早めに動くことが重要です。期限ぎりぎりで慌てないよう、相続が始まったら早い段階で納税の見通しを立てましょう。
延納も物納も難しく、一時的に納付が困難な場合には、「換価の猶予」という制度もあります。これは、財産の差押えや売却(換価)を一定期間待ってもらえる制度です。
換価の猶予は、納付が困難な事情があり、期限までに申請することなどが条件です。認められれば、原則1年間(延長で最長2年)、差押えや換価が猶予されます。ただし猶予期間中も延滞税は軽減されつつ発生します。
いずれにせよ、こうした制度を使うにも「自分から動くこと」が前提です。放置していては何も始まりません。払えないと分かったら、税務署や税理士に相談し、使える制度を探ることが大切です。
税務署は、相談に行けば納付についての案内をしてくれます。「払えないから行きづらい」と感じるかもしれませんが、放置して差押えに至るより、早めに相談するほうがずっと建設的です。使える制度を一緒に探してもらえます。
まずやるべきは、相続税額のおおよその試算と、手元で用意できる現金の把握です。この2つを比べれば、足りるのか、いくら不足するのかが見えてきます。不足額が分かれば、売却・延納・物納のどれで補うかを検討できます。
見通しさえ立てば、あとは期限から逆算して動くだけです。売却なら数ヶ月前から、延納・物納なら申告と同時に申請、と段取りを決めておけば、慌てずに済みます。分からないことがあれば、早めに専門家へ相談しましょう。
相続税が払えないという悩みは、決して恥ずかしいことでも珍しいことでもありません。財産の大半が不動産という家庭では、ごく自然に起こる状況です。大切なのは、放置せずに正しい手段を選ぶこと、その一点に尽きます。

売却・延納・物納のどれを選ぶかは、財産の中身や期限で変わり、自己判断が難しい分野です。相続税の対応実績がある税理士なら、遺産の構成に合わせて最適な納税方法を提案できます。複数の税理士に一括で相談し、比較して選ぶのがおすすめです。
納税方法の選択は、期限との勝負でもあります。10ヶ月の期限内に、売却・延納・物納のどれで進めるかを見極め、必要な申請まで間に合わせる必要があります。だからこそ、経験のある税理士に任せる意味があります。
相続税の対応実績がある税理士が必要な理由
たとえば、物納が有利な土地を安く売ってしまうと、手取りが大きく減ることもあります。判断の質の差が、そのまま手元に残る財産の差につながるのです。
相続税に対応している税理士でも、納税対策の実務力には差があります。見積りや初回相談で、次の3点を比べてみてください。
「相続税の実績数・納税方法の提案力・期限内対応」の3点を確認すれば、実務に強い税理士かを見分けられます。
判定ポイント1:相続税申告の実績数
年間の相続税申告の件数を確認します。「年間5件」と「年間100件以上」では、納税方法の判断経験に差が出ます。→ 実績数が多い税理士のほうが、売却・延納・物納の判断に慣れていると判定できます。
判定ポイント2:納税方法の提案力
不動産の売却・延納・物納まで含めて提案するかを聞きます。→ 財産構成に応じた納税プランを示す税理士のほうが、資金繰りまで見ていると判定できます。
判定ポイント3:期限内に動く体制
10ヶ月の期限内に売却や延納・物納の申請を間に合わせられるかを確認します。→ スピード感のある事務所のほうが、期限切れによる不利を防げると判定できます。
自分だけで判断し、納税方法を誤ると、思わぬ損につながります。安く売りすぎたり、期限に間に合わず延滞税がかかったりします。
納税方法の選択は期限との勝負で、後戻りが難しい分野です。相談しないまま進めると、具体的には次のようなリスクがあります。
相談せずに進めた場合のリスク
これらの多くは、早い段階で複数の税理士に相談していれば防げたものです。相談は無料のことが多く、動くなら早いほど選択肢が広がります。
実際に一括相談・見積りを利用する流れは、次の4ステップです。フォームの記入自体は5分ほどで終わります。
申告期限は10ヶ月なので、相続開始から7ヶ月以内に依頼先を決めておくと安心です。
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重要ポイント:納税方法は期限内に決めて動く必要があります。複数の税理士の見積りを比べ、売却・延納・物納まで踏まえて提案してくれる事務所を選びましょう。
Q1. 相続税は遺産から払ってもよいのですか?
はい。相続税は、相続した預貯金など遺産の中から払って構いません。相続人が自分の貯金から出す必要はありません。ただし現金一括が原則のため、遺産に現金化できる財産が少ないと不足することがあります。
Q2. 相続財産を売って相続税を払ってもいいですか?
問題ありません。むしろ現金が足りないときは、延納や物納より先に売却を検討するのが基本です。相続税の申告期限から3年以内(相続開始から3年10ヶ月以内)に売れば、取得費加算の特例で譲渡所得税を軽くできます。
Q3. 延納と物納はどちらを先に検討しますか?
延納が先です。物納は「現金一括も延納も難しい場合」に初めて認められる最終手段です。延納も物納も、申告期限(10ヶ月)までに申請する必要があります。
Q4. 物納と売却はどちらが得ですか?
財産の時価と相続税評価額の関係で変わります。時価が評価額より高ければ売却、時価が評価額より低ければ物納が有利になりやすいです。譲渡所得税や仲介手数料も含めて総額で比較しましょう。
Q5. 相続税を払えないまま放置するとどうなりますか?
納付期限の翌日から延滞税が加算され、督促を経て最終的には財産が差し押さえられることもあります。払えなくても、期限内に申告し延納・物納・売却などの手を打てば、最悪の事態は避けられます。
相続税は遺産から払ってよく、現金が足りないときは「売却→延納→物納」の順で検討します。物納は延納でも払えない場合の最終手段で、物納と売却の損得は時価と評価額で変わります。
大切なのは、期限内に手段を決めて動くことです。以下のアクションから始めましょう。
※本記事は2026年7月時点の情報にもとづいて作成しています。相続税法や関連する取り扱いは改正される場合があります。個別の判断にあたっては、最新の情報を国税庁の公式サイトで確認するか、相続税の対応実績がある税理士にご相談ください。