MENU
相談無料のコンシェルジュと税理士選び
税理士選び

法人税と所得税の違いとは?税率・計算方法・経費の範囲・法人化の分岐点まで15項目で徹底比較

法人税_所得税_違い

法人税と所得税は、どちらも「所得(儲け)」に対して課される税金ですが、その仕組みは大きく異なります。

法人税は法人の所得に対して原則23.2%の比例税率で課され、所得税は個人の所得に対して5〜45%の超過累進税率で課されます。

個人事業主として事業を営んでいる方にとって、「法人化した方が税金面で得なのか?」は最も関心の高いテーマでしょう。

結論から言えば、事業所得が800万〜900万円を超えるあたりから法人化の方が税負担が軽くなる傾向がありますが、税率の違いだけでは判断できません。

法人には社会保険料の会社負担分や法人住民税の均等割(赤字でも年間約7万円)が新たに発生し、税理士費用も増加するため、これらの「隠れたコスト」を含めたトータルで比較する必要があります。

本記事では、法人税と所得税の違いを15項目で横並び比較し、さらに所得別の実質税負担率シミュレーション、法人でのみ経費にできるものの一覧、法人化のトータルコスト比較まで網羅的に解説します。

この記事の要点

  • 法人税は比例税率(原則23.2%)、所得税は累進税率(5〜45%)。所得が増えるほど法人税が有利に
  • 法人は経費の範囲が広い(役員報酬・社宅・旅費日当等)が、均等割・社会保険料・設立費用などの隠れたコストも発生
  • 事業所得800万〜900万円超が法人化の分岐点の目安。ただし税金だけでなくトータルコストで判断すべき

\税理士を探す90%が信頼できると回答/

無料で税理士をご紹介

税理士ドットコム

登録税理士全国7,200名以上
完全無料でご利用可能
そもそも税理士が必要かも相談できる
詳細を見る >

※要望に合った税理士とマッチング

法人税と所得税の違い|15項目の横並び完全比較表

【完全比較表】法人税vs所得税の15項目一覧

比較項目法人税所得税
納税義務者法人(株式会社・合同会社等)個人(個人事業主・給与所得者等)
課税対象法人の所得(益金−損金)個人の所得(収入−必要経費)
税率構造比例税率(原則23.2%)超過累進税率(5〜45%の7段階)
所得の区分一括課税(区分なし)10種類に分類(事業・給与・不動産等)
課税期間事業年度(定款で自由に設定)暦年(1月1日〜12月31日)
申告期限事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内翌年2月16日〜3月15日
申告先税務署(法人税・地方法人税)+自治体(住民税・事業税)税務署(所得税)+自治体(住民税は原則申告不要)
経費(損金)の範囲広い(役員報酬・社宅・旅費日当等も可)狭い(事業主本人の給与・社宅は不可)
所得控除なしあり(基礎控除・配偶者控除・医療費控除等)
赤字時の税金法人税はゼロだが均等割(年間約7万円〜)が発生所得税・住民税ともにゼロ
損失の繰越期間最大10年間最大3年間
損失の繰り戻し還付あり(中小法人等)原則なし(純損失の繰戻しは一部あり)
中間申告前期法人税額20万円超で必要予定納税(前年の所得税額15万円以上で必要)
社会保険強制加入(健康保険・厚生年金)国民健康保険・国民年金(任意で付加年金等)
事業税すべての事業に課税一部の業種のみ課税(事業主控除290万円あり)

※法人税率は普通法人(資本金1億円以下の中小法人は800万円以下に15%)。所得税率は復興特別所得税(2.1%)を除く。参照:国税庁|No.5759 法人税の税率国税庁|No.2260 所得税の税率

最も重要な違い①:税率構造(比例税率vs累進税率)

法人税と所得税の最大の違いは税率構造です。法人税は所得がいくら増えても税率が原則23.2%で一定の比例税率です。

一方、所得税は所得が増えるほど税率が5%→10%→20%→23%→33%→40%→45%と段階的に上がる超過累進税率です。このため、所得が一定水準を超えると、所得税の方が法人税よりも税率が高くなります。

最も重要な違い②:所得の区分(一括課税vs10種類に分類)

所得税は個人の所得を事業所得・給与所得・不動産所得・譲渡所得・利子所得など10種類に分類し、それぞれ計算方法や課税方式(総合課税・分離課税)が異なります。

一方、法人税は法人の事業活動から生じた所得を一括して課税し、所得の種類による区分はありません。

最も重要な違い③:経費(損金)の範囲

法人は個人事業主に比べて経費にできる範囲が広いのが大きな特徴です。

経営者自身の給与(役員報酬)、社宅の家賃、出張旅費日当、法人名義の生命保険料などは法人では損金に算入できますが、個人事業主では経費にできません。この違いが法人化の節税メリットの源泉の一つです。

税率の違いを深掘り|法人税率と所得税率の比較

法人税率:原則23.2%(中小法人は800万円以下に15%)

普通法人の法人税率は23.2%です。資本金1億円以下の中小法人には、年800万円以下の所得に15%の軽減税率が適用されます(参照:国税庁|No.5759 法人税の税率)。

所得がいくら増えても税率は23.2%を超えないため、高所得になるほど法人税の方が有利になります。

所得税率:5%〜45%の7段階累進課税(+住民税10%)

所得税は以下の7段階の超過累進税率が適用されます(参照:国税庁|No.2260 所得税の税率)。

課税所得金額所得税率控除額住民税を含めた合計税率
〜195万円以下5%0円15%
195万円超〜330万円以下10%97,500円20%
330万円超〜695万円以下20%427,500円30%
695万円超〜900万円以下23%636,000円33%
900万円超〜1,800万円以下33%1,536,000円43%
1,800万円超〜4,000万円以下40%2,796,000円50%
4,000万円超45%4,796,000円55%

所得税に住民税10%を加えると、最高税率は55%に達します。法人税の実効税率(約30〜34%)と比べると、所得が高くなるほど個人の税負担は重くなります。

【税率比較表】法人税率vs所得税率+住民税率

所得金額ごとに法人税率と所得税率+住民税率を比較すると、以下のようになります。

所得金額法人税率(中小法人)所得税率+住民税率有利な方
〜330万円15%10〜20%ケースにより異なる
330万〜695万円15〜23.2%30%法人がやや有利
695万〜900万円15〜23.2%33%法人が有利
900万〜1,800万円15〜23.2%43%法人が明確に有利
1,800万円超15〜23.2%50〜55%法人が大幅に有利

※法人税率は法人税(国税)のみの単純比較。実際には法人にも住民税・事業税が加わるため、実効税率ベースでの比較が必要(後述のシミュレーションで詳しく解説)。

「法人税等」と「所得税+住民税+事業税」の実質税負担率の違い

法人税率(23.2%)と所得税率の単純比較では不十分です。法人には法人住民税・法人事業税が加わり、実効税率は約30〜34%になります。

個人にも住民税10%と個人事業税(一部業種、事業主控除290万円あり)が加わり、実質税負担率は約15〜55%になります。この「トータルの税負担率」で比較することが重要です。

所得の計算方法の違い

法人税:益金−損金(+税務調整)=課税所得

法人税の課税所得は、会計上の「税引前当期純利益」をベースに、法人税法に基づく税務調整(加算・減算)を行って算出します。

企業会計上は費用だが税法上は損金にならないもの(交際費の超過額・寄附金の制限超過等)を加算し、会計上は費用にならないが税法上は損金とするもの(欠損金の繰越控除等)を減算します。

所得税:収入−必要経費=各種所得→合計所得→課税所得

所得税は、まず収入から必要経費を差し引いて各種所得(事業所得、給与所得、不動産所得等)を計算し、これらを合算して合計所得金額を算出します。

そこから基礎控除・配偶者控除・医療費控除などの所得控除を差し引いた金額が課税所得金額となります。法人税にはこのような所得控除の仕組みがありません。

法人は「利益」に課税、個人は「所得」に課税(税務調整の違い)

法人税の計算で特に重要なのが税務調整です。会計上の「利益」と税法上の「所得」は一致しないため、交際費の損金不算入、減価償却の超過額、引当金の繰入限度超過額などを加算・減算する調整が必要です。

一方、所得税にも「収入に含めるべきもの」「経費にできないもの」のルールはありますが、法人税ほど複雑な税務調整は求められません。

経費(損金)の範囲の違い|法人でのみ経費にできるもの一覧

法人化の最大の節税メリットの一つが、経費にできる範囲の拡大です。

法人でのみ経費にできるもの

項目法人個人事業主
経営者自身の給与(役員報酬)損金算入可(定期同額給与等の要件あり)経費にできない(事業主の生活費)
社宅の家賃損金算入可(本人負担額との差額)経費にできない
経営者の出張旅費日当損金算入可(旅費規程の整備が必要)事業主本人の日当は経費にできない
法人名義の生命保険料一部または全額損金算入可所得控除(最大12万円)のみ
退職金全額損金算入可事業主本人に退職金は支給不可
経営セーフティ共済の掛金全額損金算入可(年間最大240万円)全額必要経費算入可(この点は同じ)

個人事業主でも経費にできるもの

仕入原価、人件費(従業員給与)、事務所家賃、通信費、水道光熱費、消耗品費、減価償却費、広告宣伝費などは、法人・個人事業主のどちらでも経費にできます。

法人で経費にできないもの(損金不算入の制限)

法人は経費の範囲が広い一方、税法上の制限もあります。交際費は中小法人で年間800万円超の部分が損金不算入、寄附金にも損金算入限度額があります。

また、役員への賞与は原則損金不算入(事前確定届出給与の届出があれば可)です。

赤字時の扱いの違い

法人:欠損金の繰越控除は最大10年間、繰り戻し還付あり

法人は赤字(欠損金)が発生した場合、翌期以降最大10年間にわたって繰り越し、将来の黒字の所得と相殺できます。中小法人は所得の全額まで控除可能です(参照:国税庁|No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除)。

さらに、中小法人等は前期に納付した法人税の一部を取り戻す繰り戻し還付も利用できます。

個人:損失の繰越控除は最大3年間、繰り戻し還付は原則なし

個人事業主の場合、青色申告であれば純損失を翌年以降最大3年間繰り越せますが、法人の10年間と比べると短期間です。繰り戻し還付は純損失について一定の場合に認められますが、法人ほど広く活用されていません。

法人は赤字でも均等割(年間約7万円)が発生、個人はゼロ

法人は赤字であっても、法人住民税の均等割(年間最低約7万円)が毎年必ず発生します。一方、個人事業主は赤字であれば所得税も住民税もゼロです。この「赤字でもかかるコスト」は法人の隠れたデメリットです。

個人事業税には事業主控除290万円がある(法人事業税にはない)

個人事業税には事業主控除290万円が設けられており、事業所得が290万円以下であれば個人事業税はゼロです。一方、法人事業税にはこのような控除がないため、少額の所得であっても法人事業税が発生します。

申告・納付の違い

申告期間:法人は事業年度終了から2ヶ月以内、個人は2月16日〜3月15日

法人税の申告期限は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。3月決算なら5月31日、12月決算なら2月末日が期限です。一定の要件を満たせば1ヶ月の延長も可能です。

一方、所得税の確定申告は毎年2月16日〜3月15日の固定期間に行います。

法人は定款で決算月を自由に設定できるため、繁忙期を避けて決算月を選ぶことが可能です。個人事業主は暦年(1〜12月)が固定のため、この柔軟性はありません。

申告先:法人税は税務署、法人住民税・事業税は自治体

法人税と地方法人税は税務署に申告・納付します。法人住民税は都道府県と市区町村、法人事業税・特別法人事業税は都道府県にそれぞれ申告・納付します。

所得税も税務署に申告しますが、住民税は原則として確定申告の情報が自動的に自治体に送られるため、別途申告は不要です。

中間申告:法人は前期法人税額20万円超で必要、個人は予定納税(15万円以上)

法人は前事業年度の法人税額が20万円超の場合、事業年度の途中で中間申告・中間納付が必要です。

個人事業主の場合は予定納税の仕組みがあり、前年の所得税額が15万円以上の場合に7月と11月の2回、前年の所得税額の1/3ずつを前払いします。

【所得別シミュレーション】法人税等vs所得税等の実質税負担率比較

ここからは、同じ事業所得に対して「個人事業主のまま(所得税+住民税+事業税)」と「法人化した場合(法人税等+役員報酬にかかる所得税等)」の税負担を概算で比較します。

所得500万円のケース:個人の方がやや有利

項目個人事業主法人化した場合
税負担(概算)約97万円約110万円
判定個人が約13万円有利

所得500万円では所得税+住民税の合計税率がまだ低いため、法人化のメリットは限定的です。法人化すると均等割(約7万円)や社会保険料の負担増もあり、個人の方がやや有利です。

所得800万円のケース:法人化の分岐点

項目個人事業主法人化した場合
税負担(概算)約200万円約190万円
判定法人が約10万円有利(分岐点付近)

所得800万円前後が法人化の分岐点です。所得税+住民税の合計税率が30%に達するため、法人税の実効税率(約30〜34%)とほぼ拮抗します。ただし、法人化による給与所得控除のメリットを考慮すると、法人がやや有利になり始めます。

所得1,000万円のケース:法人が明確に有利

項目個人事業主法人化した場合
税負担(概算)約280万円約250万円
判定法人が約30万円有利

所得1,500万〜2,000万円のケース:法人化の節税効果が拡大

所得金額個人事業主の税負担法人化した場合の税負担差額
1,500万円約470万円約400万円法人が約70万円有利
2,000万円約680万円約560万円法人が約120万円有利

※個人の税負担は所得税+復興特別所得税+住民税+個人事業税の概算(青色申告特別控除65万円、基礎控除48万円適用)。法人は役員報酬を最適配分した場合の法人税等+個人の所得税等の合計概算。社会保険料の差は考慮していません。参照:国税庁|No.2260 所得税の税率国税庁|No.5759 法人税の税率

法人化した場合の「給与所得控除」メリットの数値化

法人化の大きなメリットの一つが、経営者が法人から役員報酬を受け取ることで給与所得控除が適用される点です。

個人事業主の事業所得には給与所得控除はありませんが、法人化して役員報酬として受け取ると、その報酬額に応じた給与所得控除が自動的に差し引かれます。

たとえば、役員報酬を年間800万円に設定した場合、給与所得控除額は190万円です(2025年以降)。この190万円分の所得が控除されるため、個人の所得税・住民税が軽減されます。

法人税等と個人の所得税等のトータルでは、給与所得控除分だけ法人化が有利になる仕組みです。

法人化の「隠れたコスト」|税金以外に増える負担

法人化の判断は税金の比較だけでは不十分です。法人化によって新たに発生する「隠れたコスト」を把握しておく必要があります。

会社設立費用(株式会社で約25万円・合同会社で約10万円)

株式会社の設立には定款認証費用(約5万円)、登録免許税(15万円)、その他費用を合わせて約25万円が必要です。合同会社であれば登録免許税が6万円で済むため、約10万円で設立可能です。

法人住民税の均等割(赤字でも年間約7万円)

法人は赤字であっても法人住民税の均等割が毎年発生します。最低額は年間約7万円(都道府県分2万円+市区町村分5万円)です。個人事業主にはこの負担がありません。

社会保険料の会社負担分(従業員+役員分)

法人は健康保険と厚生年金への加入が強制です。社会保険料は報酬額の約30%(法人負担約15%+本人負担約15%)で、個人事業主の国民健康保険・国民年金と比べると総額が増加するケースが多いです。

ただし、厚生年金は将来の年金受給額が国民年金より多くなるため、単純にコスト増とは言い切れません。

税理士顧問料の増加(法人の方が個人より高い)

法人税の申告は個人の確定申告よりも複雑であるため、税理士の顧問料・決算料は法人の方が高くなるのが一般的です。

個人事業主の確定申告を税理士に依頼する場合の費用は年間10〜20万円程度ですが、法人の場合は年間30〜50万円以上が目安です。

決算・申告の複雑化(法人税申告書は個人の確定申告より複雑)

法人税の申告書は「別表」と呼ばれる多数の付表で構成されており、個人の確定申告書と比べて格段に複雑です。税理士への依頼なしに法人税の申告を行うのは現実的ではなく、この点も法人化のコストとして考慮すべきです。

法人化すべきかの判断基準まとめ

税金面だけで見た法人化の分岐点:事業所得800万〜900万円超

前述のシミュレーションから、事業所得が800万〜900万円を超えるあたりで法人化した方が税金面で有利になる傾向があります。

所得が高いほど法人化の節税効果は大きくなり、所得2,000万円では年間約120万円の差が出る可能性があります。

税金以外のメリット(社会的信用・資金調達・事業承継)

法人化には税金面以外にも、取引先からの社会的信用の向上、銀行融資での有利さ、事業承継のしやすさ(株式の譲渡で事業を引き継げる)、有限責任(出資額の範囲での責任)といったメリットがあります。

税金以外のデメリット(設立費用・社会保険・事務負担)

設立費用(約10〜25万円)、社会保険料の負担増、赤字でも発生する均等割(年間約7万円)、税理士費用の増加、決算・申告の複雑化、役員報酬の変更制限(期首3ヶ月以内のみ)などがデメリットです。

法人化の判断チェックリスト

以下のチェックリストで、法人化すべきかどうかの目安を確認してください。

  • ☑ 事業所得が800万円を超えている(または超える見込みがある)
  • ☑ 経営者自身の給与(役員報酬)の給与所得控除を活用したい
  • ☑ 社宅制度や旅費日当など法人でのみ経費にできる制度を活用したい
  • ☑ 取引先や金融機関からの信用を高めたい
  • ☑ 将来的に事業を売却・承継する可能性がある
  • ☑ 従業員を雇用しており、社会保険への加入が必要(または加入したい)
  • ☑ 税理士と顧問契約を結ぶ予算がある

上記のうち3つ以上に該当する場合は、法人化を具体的に検討する価値があります。ただし、最終的な判断は税理士にシミュレーションを依頼し、税金・社会保険・設立費用を含めたトータルコストで比較したうえで行ってください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 法人税と所得税の最大の違いは何ですか?

税率構造の違いです。法人税は所得がいくら増えても原則23.2%の比例税率ですが、所得税は所得が増えるほど税率が上がる累進税率(5〜45%、住民税を含めると最高55%)です。

そのため、所得が高くなるほど法人税の方が有利になります。

Q2. 法人税率と所得税率はどちらが高いですか?

所得金額によって異なります。

課税所得330万円以下では所得税率(10%+住民税10%=20%)の方が法人税率(15%〜23.2%)と近い水準ですが、課税所得695万円を超えると所得税率+住民税率(33%以上)が法人税の実効税率(約30〜34%)を上回り始めます。

Q3. 所得がいくらになったら法人化した方が得ですか?

一般的に、事業所得が800万〜900万円を超えるあたりから法人化した方が税負担が軽くなる傾向があります。

ただし、社会保険料の負担増や法人住民税の均等割、税理士費用の増加など「隠れたコスト」も考慮してトータルで判断する必要があります。

Q4. 法人は経費の範囲が広いと聞きましたが具体的に何が違いますか?

法人では経営者自身の給与(役員報酬)、社宅の家賃、出張旅費日当、法人名義の生命保険料、退職金などを損金に算入できます。

個人事業主はこれらを経費にできません。特に役員報酬にかかる給与所得控除は法人化の大きな節税メリットです。

Q5. 法人化すると社会保険料はどうなりますか?

法人は健康保険と厚生年金への加入が強制されます。社会保険料は報酬額の約30%(会社負担約15%+本人負担約15%)で、個人事業主の国民健康保険+国民年金と比べると総額が増加するケースが多いです。

ただし、厚生年金は将来の年金受給額が増えるメリットもあります。

まとめ|法人税と所得税の違いを正しく理解し、最適な事業形態を選択する

法人税と所得税は、税率構造(比例vs累進)、所得の区分(一括vs10種類)、経費の範囲、赤字時の扱いなど、多くの点で異なります。

所得が低いうちは個人事業主の方が有利ですが、所得が800万〜900万円を超えるあたりから法人化が税金面で有利になり始めます。

最後に、法人税と所得税の違いに基づく行動指針を整理します。

1. まずは15項目の比較表で全体像を把握する

本記事の比較表で法人税と所得税の違いを体系的に理解し、自社(自分)にとってどちらが有利かの基本的な感覚をつかんでください。

2. 所得別シミュレーションで分岐点を確認する

現在の事業所得(または見込み所得)を本記事のシミュレーション表に当てはめ、法人化のメリットがどの程度あるかを概算で確認してください。

3. 税理士にトータルコストのシミュレーションを依頼する

税金だけでなく、社会保険料・設立費用・均等割・税理士費用を含めたトータルコストで比較する必要があります。最終的な法人化の判断は、税理士にシミュレーションを依頼し、数字に基づいて行ってください。

※本記事の情報は2026年3月時点のものです。税制は毎年改正される可能性があるため、具体的な税務判断にあたっては最新の情報を確認し、税理士にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!