MENU
相談無料のコンシェルジュと税理士選び
税理士選び

宗教法人に法人税はかかる?非課税の範囲と収益事業の課税ライン・税率を完全解説【収入別早見表付き】

宗教_法人税

「宗教法人は税金を払わなくていい」――こんな話を聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、これは正確ではありません。

宗教法人は、お布施やお賽銭などの宗教活動による収入には法人税がかかりません

しかし、駐車場経営や不動産賃貸、物品販売といった「収益事業」を行っている場合は、その所得に対して法人税が課されます

しかも、宗教法人に適用される法人税率は普通法人の23.2%ではなく、公益法人等としての税率(年800万円超の所得は19%、800万円以下は15%)である点も見落とされがちです。

本記事では、宗教法人がなぜ非課税なのかの法的・歴史的根拠から、宗教法人が得るあらゆる収入の課税/非課税を一覧表で整理し、収益事業の具体的な課税ライン、法人税以外の税金の扱い、そして申告が必要かどうかの判定フローまで網羅的に解説します。

この記事の要点

  • 宗教法人は公益法人等に分類され、宗教活動の収入(お布施・お賽銭等)は法人税非課税
  • 収益事業(法人税法施行令で定める34種類)を行えば法人税が課される。税率は19%(800万円以下は15%)
  • お守り・おみくじは原則非課税だが、駐車場経営・不動産賃貸・物品販売は課税対象。課税ラインの判定が重要

\税理士を探す90%が信頼できると回答/

無料で税理士をご紹介

税理士ドットコム

登録税理士全国7,200名以上
完全無料でご利用可能
そもそも税理士が必要かも相談できる
詳細を見る >

※要望に合った税理士とマッチング

宗教法人に法人税はかかるのか?結論を最初に

宗教活動の収入→非課税、収益事業の収入→課税

宗教法人の法人税の取扱いはシンプルです。宗教活動で得た収入には法人税はかかりません。一方、収益事業で得た所得には法人税が課されます

たとえば、葬儀や法要で受け取るお布施は宗教活動の収入であり非課税です。

しかし、境内の土地を月極駐車場として貸し出して得た収入は「駐車場業」という収益事業に該当し、その所得には法人税が課されます。

「宗教法人は非課税」は不正確。正しくは「宗教活動が非課税」

世間で言われる「宗教法人は非課税」という表現は不正確です。正確には、「宗教法人が行う宗教活動による収入が非課税」であり、宗教法人という存在そのものが非課税なわけではありません。

宗教法人であっても、収益事業を行えば普通の法人と同様に法人税の申告・納付義務が発生します。

なぜ宗教法人は非課税なのか?法的根拠と歴史的経緯

Magnifying glass with question mark in focus on wooden background. concept of search and research. Research, searching or investigating something

宗教法人の宗教活動が非課税とされるのには、明確な法的根拠と歴史的な経緯があります。

法人税法上の位置づけ:宗教法人は「公益法人等」に分類される

法人税法において、宗教法人は「公益法人等」に分類されます(参照:国税庁|No.5759 法人税の税率)。公益法人等には宗教法人のほか、学校法人、社会福祉法人、NPO法人なども含まれます。

公益法人等は、収益事業を行う場合に限って法人税を納める義務を負います。

非課税の根拠①:公益法人は営利を目的としない(法人税法第4条)

法人税法第4条第1項では、公益法人等は収益事業を行う場合等に限って法人税の納税義務があると定めています(参照:e-Gov|法人税法)。

公益法人は営利を目的とせず、国や自治体が担いきれない公益的活動を行っていることから、その本来の活動(宗教法人であれば宗教活動)は課税対象から除かれているのです。

非課税の根拠②:憲法の信教の自由・政教分離原則との関係

日本国憲法第20条は信教の自由を保障し、第89条は宗教上の組織への公金支出を禁止しています。

宗教法人の宗教活動に対する課税は、間接的に宗教活動を制約する可能性があるため、政教分離原則のもと、宗教的側面に対する課税権の行使は抑制されるべきという考え方が根底にあります。

歴史的経緯:昭和25年以前は完全非課税→課税逃れ横行→34種の収益事業が定められた

実は、昭和25年(1950年)以前は、公益法人等は一切課税されていませんでした

しかし、この完全非課税の制度を悪用し、営利事業者が公益法人の形態を利用して課税逃れを行うケースが横行しました。

これを防止するため、昭和25年の税制改正で「公益法人であっても課税対象となる収益事業」が定められ、現在の法人税法施行令第5条に規定される34種類の収益事業の枠組みが作られました。

宗教法人であっても、この34種類に該当する事業で得た所得には法人税が課されます。

【完全早見表】宗教法人の収入別・課税/非課税の判定一覧

宗教法人が得る主な収入について、法人税の課税/非課税を一覧表にまとめました。

宗教活動の収入(非課税)

収入の種類法人税備考
お布施(葬儀・法要・供養)非課税信仰に基づく喜捨金であり対価性なし
お賽銭非課税寄付の一種であり所得にならない
初穂料・玉串料非課税神道における宗教行為の報謝金
戒名料・法名料非課税宗教行為に対する喜捨金
永代供養料非課税宗教活動の一環
墳墓地(お墓)の永代使用料・地代非課税不動産貸付業に該当するが特例で非課税
お守り・お札・おみくじの頒布非課税売価と原価の差額が実質的な喜捨金と認められる場合
結婚式(挙式)の挙式料非課税宗教行為の一環
寄付金・奉納金非課税信者・檀家等からの任意の寄付

収益事業の収入(課税)

収入の種類法人税該当する収益事業
有料駐車場の経営課税駐車場業
墳墓地以外の土地・建物の賃貸課税不動産貸付業
絵はがき・朱印帳・暦・文鎮等の販売課税物品販売業
結婚式後の披露宴会場・料理の提供課税飲食店業・席貸業
境内のレストラン・カフェの経営課税飲食店業
有料の宿泊施設(宿坊)の運営課税旅館業(※1泊1,000円以下の簡易宿泊は非課税)
茶道・華道・書道教室の運営課税技芸教授業
境内施設の娯楽・会議用の席貸し課税席貸業
幼稚園の経営(学校法人でない場合)課税技芸教授業等
出版物の販売課税出版業

※収益事業の34種類は法人税法施行令第5条に規定。参照:e-Gov|法人税法施行令

グレーゾーンの判定基準

宗教法人の税務で最も判断が難しいのが、課税と非課税の「グレーゾーン」です。以下に主な判定基準をまとめます。

収入の種類非課税になる場合課税になる場合
お守り・お札・おみくじ売価と原価の差額が実質的な喜捨金と認められる場合一般の物品販売業者も扱うような商品を通常価格で販売する場合
線香・ろうそく・供花参詣者が神前・仏前に捧げるために頒布する場合土産物として一般消費者に販売する場合
宿泊施設(宿坊等)宗教活動に伴う簡易な共同宿泊施設で1泊1,000円以下(2食付き1,500円以下)左記の金額を超える宿泊料を受け取る場合
宝物館・資料館の公開所蔵品を常設の宝物館で観覧させる場合特別展を開催し入館料を徴収する場合は判断が分かれる
結婚式関連挙式そのもの(宗教行為)披露宴会場の提供・料理の提供(飲食店業・席貸業)

判断に迷う場合は、税理士や所轄の税務署に事前に確認することをおすすめします。

宗教法人に課される法人税率|普通法人とは異なる優遇税率

宗教法人が収益事業を行い法人税が課される場合、適用される税率は普通法人(株式会社等)とは異なります。

公益法人等の法人税率:年800万円超は19%、800万円以下は15%

宗教法人を含む公益法人等に適用される法人税率は以下のとおりです(参照:国税庁|No.5759 法人税の税率)。

所得区分宗教法人(公益法人等)普通法人(参考)
年800万円以下の所得15%15%(中小法人)/ 23.2%(大企業)
年800万円超の所得19%23.2%

※15%は租税特別措置法による時限措置(令和9年3月31日まで)。本則税率は19%。参照:国税庁|No.5759 法人税の税率

このように、宗教法人の収益事業に対する法人税率は、普通法人の23.2%よりも低い19%が適用されます。

800万円以下の所得に対する15%の軽減税率は普通法人の中小法人と同じですが、800万円超の部分は普通法人(23.2%)よりも4.2ポイント低い19%です。

普通法人(23.2%)との比較

たとえば、宗教法人が収益事業で課税所得1,200万円を得た場合の法人税額を計算してみましょう。

宗教法人の場合:800万円×15%+400万円×19%=120万円+76万円=196万円

普通法人(中小法人)の場合:800万円×15%+400万円×23.2%=120万円+92.8万円=212.8万円

同じ課税所得1,200万円でも、宗教法人は普通法人より約16.8万円法人税が少なくなります。

みなし寄附金制度(収益事業の所得の50%を宗教活動に繰り入れ可能)

宗教法人を含む公益法人等には、みなし寄附金制度が適用されます。これは、収益事業の所得のうち一定額を宗教活動(本来事業)に支出した場合、その支出を「寄附金」とみなして収益事業の損金に算入できる制度です。

宗教法人の場合、損金算入限度額は収益事業の所得の50%、または200万円のいずれか大きい方です(参照:国税庁|No.5283 公益法人等のみなし寄附金)。

この制度を活用すれば、収益事業の課税所得を最大50%まで圧縮できるため、大きな節税効果があります。

収益事業34種類と宗教法人に関係の深い具体例

法人税法施行令第5条には34種類の収益事業が列挙されています。ここでは宗教法人が行うことの多い事業について、課税ラインの具体的な判定基準を解説します。

物品販売業(お守り・お札は非課税、絵はがき・線香は判定が分かれる)

宗教法人が物品を販売する場合、その取扱いは物品の性質によって異なります。

お守り、お札、おみくじなど、売価と仕入れ原価の差額が実質的な喜捨金と認められる場合は、物品販売業には該当せず非課税です。これらは宗教行為の一環として頒布されるものであり、営利目的の販売とはみなされません。

一方、絵はがき、写真帳、暦、朱印帳、文鎮、メダル、キーホルダー、ペナント、杯、杓子、箸、陶器などは、一般の販売業者も取り扱う物品であるため、通常の販売価格で販売する場合は物品販売業に該当し課税対象となります。

線香、ろうそく、供花については、専ら参詣者が神前・仏前に捧げるために頒布する場合は非課税ですが、土産物として販売する場合は課税対象です。

不動産貸付業(墳墓地は非課税、土地・建物の賃貸は課税)

宗教法人が所有する不動産を第三者に貸し付ける場合は、原則として不動産貸付業に該当し課税対象です。

ただし、墳墓地(お墓)の貸し付けは収益事業に該当しないと特別に定められています。永代使用料として一括で徴収する場合も、使用期間を定めて継続的に地代を徴収する場合も、いずれも非課税です。

駐車場業(境内の有料駐車場は課税)

境内の一部を時間決めで不特定多数に駐車させたり、月極めで同一の人に駐車場所を提供する事業は駐車場業に該当し課税対象です。駐車場に適する土地を一括して貸し付ける場合も同様です。

席貸業(境内施設の貸し出しは原則課税)

境内地や本堂、講堂等の施設を不特定多数の者の娯楽・遊興・慰安のために貸し出す行為は、すべて席貸業に該当し課税対象です。会議・研修のための席貸しも、国や地方公共団体に直接貸し付ける場合等を除き、原則として課税対象になります。

旅館業(宿坊は1泊1,000円以下なら非課税)

宗教法人が宿泊施設に信者や参詣人を宿泊させて宿泊料を受ける行為は、宿泊料の名目にかかわらず旅館業に該当します。

ただし、宗教活動に関連して利用される簡易な共同宿泊施設で、宿泊料がすべての利用者について1泊1,000円以下(2食付きで1,500円以下)の場合は、収益事業に該当しません。

技芸教授業(茶道・華道教室は課税)

宗教法人が茶道、華道、書道、音楽、絵画などの特定の技芸を教授する教室を開設し、生徒を募って教える事業は技芸教授業に該当し課税対象です。

実際に技芸を教授するものだけでなく、資格や称号のみを付与する場合も該当します。

飲食店業(境内のレストラン・カフェは課税)

境内にレストランやカフェ、茶屋等を設けて飲食物を提供する事業は飲食店業に該当し課税対象です。

結婚式の挙式そのものは宗教行為として非課税ですが、挙式後の披露宴における会場提供や料理の提供は飲食店業・席貸業として課税対象となります。

法人税以外に宗教法人にかかる税金

税金 緑背景

宗教法人にかかる税金は法人税だけではありません。法人税以外の税金についても課税・非課税のルールを確認しておきましょう。

消費税:課税売上1,000万円超なら宗教法人でも課税

消費税は、収益事業か宗教活動かにかかわらず、対価性のある資産の譲渡等が課税対象になります。

ただし、お布施やお賽銭は対価性がないため消費税の課税対象外です。前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超える場合は消費税の申告・納付義務が発生します。

固定資産税:境内地・境内建物は非課税、それ以外は課税

宗教法人が宗教活動のために使用する境内地および境内建物は、固定資産税が非課税です(地方税法第348条第2項)。

ただし、宗教活動に使用していない土地・建物(収益事業用の不動産、住職の個人的な居住用部分等)は課税対象です。

源泉所得税:住職・職員への給与支払い時に源泉徴収義務あり

宗教法人が住職(代表役員)や職員に給与を支払う場合は、一般の企業と同様に源泉徴収義務者として所得税を天引きし、国に納付する義務があります。

住職が宗教法人の収入を個人的に使用した場合も、給与の支払いがあったものとして源泉徴収の対象になります。

なお、住職への食事の提供や住居の無償提供は現物給与として給与に含めて源泉徴収する必要がある点にも注意してください。

不動産取得税・登録免許税:境内地の取得は非課税

宗教法人が境内地や境内建物を取得する場合の不動産取得税、および所有権の移転登記にかかる登録免許税は非課税です。

ただし、収益事業用の不動産の取得には通常どおり課税されます。

住民税均等割:収益事業を行っていなければ非課税の自治体が多い

法人住民税の均等割は、法人が存在する限り赤字でも課される税金ですが、多くの自治体では収益事業を行っていない宗教法人に対して均等割を非課税としています。

ただし、自治体によって取扱いが異なる場合があるため、所在地の自治体に確認してください。

宗教法人の法人税申告が必要かどうかの判定フロー

収益事業を行っていなければ法人税の申告は不要

宗教法人が収益事業を一切行っていなければ、法人税の確定申告書を提出する必要はありません。宗教活動のみを行い、お布施やお賽銭だけで運営している宗教法人は、法人税の申告義務がないということです。

ただし、収益事業を行っている場合は、たとえその所得がわずかであっても法人税の確定申告が必要です。

また、消費税の課税事業者に該当する場合は消費税の申告も別途必要になります。

収益事業がある場合の申告手続きと提出書類

収益事業を行っている宗教法人が法人税の確定申告を行う場合、以下の書類が必要です。

  • 法人税確定申告書(別表一〜)
  • 収益事業に関する損益計算書・貸借対照表
  • 勘定科目内訳明細書
  • 法人事業概況説明書

宗教活動と収益事業の会計を明確に区分経理することが求められます。収益事業に直接関連する費用だけでなく、宗教活動と収益事業の両方に共通する費用(共通経費)の合理的な配分方法も重要なポイントです。

税務調査で指摘されやすいポイント

宗教法人に対する税務調査では、以下の点が指摘されやすい傾向があります。

  • 収益事業と宗教活動の区分が不明確:駐車場収入や不動産賃貸収入を宗教活動の収入として処理していないか
  • 住職への過大な給与:宗教法人の収入規模に対して不相応に高額な給与を支払っていないか
  • 宗教法人の資金の私的流用:宗教法人の口座から住職個人の生活費が支出されていないか
  • みなし寄附金の限度額超過:収益事業の所得の50%を超える金額を宗教活動に繰り入れていないか

宗教法人の法人税に詳しい税理士の選び方

宗教法人の税務は、一般の法人税務とは大きく異なります。

収益事業と宗教活動の区分経理、みなし寄附金の活用、源泉所得税の処理、宗教法人特有の固定資産税の非課税判定など、専門的な知識が求められるため、宗教法人の税務に精通した税理士を選ぶことが重要です。

①宗教法人の顧問実績があるかを確認する

税理士選びで最も重要なのは、宗教法人の顧問・申告実績があるかどうかです。

税理士の大半は株式会社や個人事業主を主な顧客としており、宗教法人の税務に対応した経験がない税理士も少なくありません。

ホームページに「宗教法人の顧問実績あり」「寺院・神社の税務に対応」と明記されている事務所を優先して候補に入れましょう。

②収益事業と宗教活動の区分経理に詳しいか

宗教法人の税務で最も判断が難しいのが、「どこまでが宗教活動で、どこからが収益事業か」の線引きです。

お守りの販売は非課税でも朱印帳は課税、結婚式の挙式は非課税でも披露宴は課税――このようなグレーゾーンの判定経験が豊富な税理士であれば、税務調査のリスクを最小限に抑えながら適切な節税が可能です。

初回面談で「お守りの販売は収益事業に該当しますか?」と質問し、即座に根拠を示して回答できるかどうかが一つの判断基準です。

③みなし寄附金制度の活用提案ができるか

宗教法人が収益事業を行っている場合、みなし寄附金制度(収益事業の所得の50%を宗教活動に繰り入れて損金算入)の活用が節税の要です。

この制度を活用していない宗教法人は意外に多く、税理士からの積極的な提案があるかどうかは重要なチェックポイントです。「現在みなし寄附金を活用していますか?」と聞いてみてください。

④源泉所得税・現物給与の処理に対応できるか

住職への給与支払いにおける源泉徴収はもちろん、住職への食事の提供や庫裏(住居)の無償提供が現物給与に該当するかどうかの判断は、宗教法人特有の論点です。

現物給与の取扱いを正しく理解している税理士でなければ、税務調査で指摘を受けるリスクがあります。

⑤宗教法人の運営全般(宗教法人法・所轄庁への届出)にも対応できるか

宗教法人は法人税だけでなく、宗教法人法に基づく収支計算書や財産目録の作成、所轄庁への書類提出義務もあります。税務だけでなく宗教法人法の手続きにも対応できる税理士であれば、税務と法務をワンストップで依頼でき、手間とコストを削減できます。

⑥料金体系が明確で、宗教法人の規模に合った報酬設定か

宗教法人の収入規模は法人によって大きく異なります。檀家数十軒の小規模寺院から、大規模な宗教施設まで幅広いため、宗教法人の規模に応じた料金体系を持っている事務所を選びましょう。

「収益事業がない場合」と「収益事業がある場合」で報酬が分かれている事務所は、宗教法人の実態を理解している証拠です。

宗教法人の法人税に詳しい税理士はどこから探す?

宗教法人の税務に対応できる税理士は全体の中でも少数派です。効率よく見つけるための方法を5つ紹介します。

①インターネットで「宗教法人 税理士+地域名」で検索する

最も手軽な方法は、「宗教法人 税理士 ○○市」「寺院 税理士 ○○県」などのキーワードでインターネット検索することです。

ホームページに宗教法人の対応実績や専門ページを設けている事務所であれば、一定の経験と知見があると判断できます。複数の事務所を比較し、無料相談を活用して相性を確かめましょう。

②宗派・教団の本山や宗務庁に紹介を依頼する

所属する宗派や教団の本山・宗務庁に相談すれば、同宗派の寺院を顧問している税理士を紹介してもらえるケースがあります。

同じ宗派の寺院を複数顧問している税理士であれば、その宗派特有の会計慣行や収入構造を理解しているため、スムーズなコミュニケーションが期待できます。

③近隣の同業(寺院・神社・教会)に紹介を依頼する

近隣の寺院や神社、教会の住職・宮司に「どの税理士に頼んでいるか」を聞くのも有効な方法です。

同じ地域で宗教法人の顧問実績がある税理士は、地元の税務署の傾向や固定資産税の非課税判定の実務にも精通していることが多いです。

④税理士紹介サービスを利用する

税理士紹介サービス(マッチングサイト)を利用すれば、「宗教法人対応」を条件に絞り込んで税理士を探すことができます。

利用料は無料(税理士側が紹介手数料を負担)のサービスが一般的です。ただし、紹介された税理士が本当に宗教法人の税務に詳しいかどうかは、面談で確認する必要があります。

⑤日本税理士会連合会の税理士検索サイトを利用する

日本税理士会連合会が運営する税理士情報検索サイトでは、地域や取扱業務で税理士を検索できます(参照:日本税理士会連合会|税理士情報検索サイト)。

ただし、このサイトでは「宗教法人対応」という絞り込みはできないため、候補を見つけた後に電話やメールで宗教法人の対応実績を確認してください。

税理士に依頼する際に伝えるべき情報

税理士に初めて相談する際は、以下の情報を事前に整理しておくとスムーズです。

  • 宗教法人の種類(寺院・神社・教会・その他)と宗派
  • 収益事業の有無と内容(駐車場、不動産賃貸、物品販売など)
  • 年間の宗教活動収入の概算(お布施・お賽銭等の合計)
  • 年間の収益事業収入の概算
  • 職員・僧侶の人数と給与の支払い状況
  • 現在の法人税申告の状況(申告済み・未申告・不明)
  • 所有する不動産の一覧(境内地・収益事業用不動産の区分)

これらの情報を伝えることで、税理士は宗教法人の税務状況を把握しやすくなり、正確な見積もりと具体的な提案が可能になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 宗教法人は法人税を払わなくていいのですか?

宗教活動による収入(お布施、お賽銭、初穂料等)には法人税はかかりません。

ただし、駐車場経営、不動産賃貸、物品販売などの収益事業を行っている場合は、その所得に対して法人税が課されます。「宗教法人は非課税」ではなく、「宗教活動が非課税」が正確な表現です。

Q2. お布施やお賽銭に税金はかかりますか?

かかりません。お布施やお賽銭は信仰に基づく喜捨金(寄付金)であり、対価性のある収入ではないため、法人税も消費税も課税対象外です。

Q3. お守りやおみくじの販売に税金はかかりますか?

原則としてかかりません。お守り、お札、おみくじなどは、売価と原価の差額が実質的な喜捨金と認められるため、物品販売業には該当しないとされています。

ただし、一般の販売業者も扱うような商品を通常の販売価格で販売する場合は課税対象となる可能性があります。

Q4. 宗教法人の法人税率は何%ですか?

宗教法人は公益法人等に分類されるため、収益事業の所得に対して年800万円超は19%、年800万円以下は15%の法人税率が適用されます。普通法人(株式会社等)の23.2%よりも低い優遇税率です。

Q5. 住職(僧侶)の給与にも税金はかかりますか?

かかります。住職が宗教法人から受け取る報酬は給与所得として扱われ、一般のサラリーマンと同様に所得税が課されます。

宗教法人は源泉徴収義務者として、給与支払い時に所得税を天引きして国に納付する義務があります。食事の提供や住居の無償提供も現物給与として課税対象です。

まとめ|宗教法人の税務は「宗教活動」と「収益事業」の線引きがすべて

宗教法人の法人税は、「宗教活動は非課税、収益事業は課税」というシンプルな原則に基づいています。しかし、実際には「何が宗教活動で何が収益事業か」の線引きは一筋縄ではいきません。

最後に、宗教法人の税務で押さえるべきポイントを整理します。

1. 宗教活動と収益事業を明確に区分経理する

お布施やお賽銭などの宗教活動収入と、駐車場収入や不動産賃貸収入などの収益事業収入は、会計上明確に区分して記帳してください。この区分が曖昧な場合、税務調査で指摘を受けるリスクが高まります。

2. 課税ラインの判定に迷ったら税理士に相談する

お守りの販売は非課税でも、朱印帳の販売は課税。結婚式は非課税でも、披露宴は課税。このように課税と非課税の線引きは細かく、判断に迷うケースは少なくありません。本記事の早見表を参考にしつつ、具体的な判断は宗教法人の税務に詳しい税理士に相談してください。

3. みなし寄附金制度を活用して収益事業の税負担を軽減する

収益事業の所得の50%(または200万円)を宗教活動に繰り入れることで、収益事業の課税所得を圧縮できます。この制度は宗教法人を含む公益法人等に認められた大きな節税手段です。収益事業を行っている場合は必ず活用を検討してください。

※本記事の情報は2026年3月時点のものです。税制は改正される可能性があるため、具体的な税務判断にあたっては最新の情報を確認し、税理士にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!