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非上場株式の相続税|評価方法・計算手順・事業承継税制の活用を解説

非上場株式_相続税

中小企業のオーナーが亡くなった場合、その会社の株式(非上場株式)は相続財産として相続税の課税対象になります。非上場株式は市場で取引されないため、預貯金や上場株式のように時価が明確ではなく、複雑な評価計算が必要です。評価方法を誤ると、本来より高い相続税を払うことになりかねません。

この記事では、非上場株式の評価方法を決めるフロー、類似業種比準方式と純資産価額方式の計算手順、5パターンのケース別シミュレーション、事業承継税制による納税猶予の活用、株価を下げる節税対策まで、順序立てて解説します。相続発生後は申告期限(10か月)が迫るため、早めに全体像を把握しておくことが重要です。

▼ この記事の3行まとめ

  • 非上場株式の相続税評価は「株主区分→特定会社確認→会社規模判定」の3ステップで評価方式が決まり、選択した方式で税額が数倍変わるケースがある
  • 事業承継税制(特例措置)を活用すれば、後継者が取得した非上場株式の相続税を全額納税猶予・最終的に免除できる
  • 評価計算は非常に複雑で専門知識が必要なため、相続発生後は速やかに相続税専門の税理士へ相談することが不可欠

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非上場株式とは|上場株式との違いと相続税上の位置づけ

相続税の計算では、財産の種類ごとに決められた評価方法があります。非上場株式は「取引相場のない株式」として分類され、上場株式とはまったく異なる評価の手順が定められています。まず基本的な定義と特徴を確認しましょう。

上場株式との評価方法の根本的な違い

上場株式は株式市場で取引されているため、相続発生日の株価(または相続発生月・前後2か月の平均株価のうち最も低いもの)をそのまま評価額として使います。評価方法が単純で、証券会社の残高証明書を取得すればほぼ確認できます。

一方、非上場株式には市場で決まる価格がありません。そのため、会社の財務内容・事業規模・株主構成などをもとに、国税庁が定める評価方法(財産評価基本通達)に従って評価額を算出します。

比較項目上場株式非上場株式
評価の基礎市場の取引価格(株価)会社の財務数値から計算
評価の複雑さ低い(株価参照のみ)高い(複数のステップが必要)
評価額の幅一意に決まる評価方式によって数倍変わる
専門家の必要性低い非常に高い

評価方式の選択によって非上場株式の評価額は最大4倍程度変わることがあります。正しい評価方式を選ぶことが、相続税を適正な水準に抑えるための最重要ポイントです。

非上場株式は「取引相場のない株式」として評価する

税法上、非上場株式は「取引相場のない株式」と呼ばれます。具体的には、金融商品取引所(東証・名証など)や店頭市場(JASDAQ等)に上場していない会社の株式を指します。日本の法人の99%以上は中小企業であり、その多くが非上場です。中小企業オーナーの相続では、自社株式の評価が相続税全体の中で最も大きな比重を占めるケースが少なくありません。

会社が利益を上げていたり、資産が多かったりすると、株式の評価額も高くなります。遺産総額が基礎控除を大きく上回り、相続税が数千万円〜数億円になるケースも珍しくありません。

非上場株式の評価は会社の決算書・株主名簿・定款などの資料が必要になります。相続発生後は速やかにこれらを収集することが必要です。

中小企業オーナーの相続で最も複雑になる財産

中小企業オーナーの相続では、一般的な相続(不動産・預貯金が中心)と比べて以下の点が複雑になります。

  • 評価方式の選択:株主区分・会社規模・特定会社の該当有無によって適用する評価方式が変わる
  • 会社の決算数値が評価額に直結:直前2〜3期の利益・配当・純資産が評価額を左右する
  • 事業承継との同時検討が必要:誰が会社を引き継ぐかによって、使える特例(事業承継税制)が変わる
  • 名義株式の整理:形式上は他人名義でも実質的には被相続人の株式として課税されるケースがある
  • 生前対策の有無で税額が大きく変わる:株価引き下げ対策や生前贈与の実施状況が評価額に影響する

これらの複雑な要素が絡み合うため、非上場株式の相続税申告は相続税専門の税理士に依頼することが強く推奨されます。

評価方法を決める3つのステップ

非上場株式の評価方法は、3つのステップを経て決定します。どの評価方式を適用するかによって最終的な税額が大きく変わるため、このフローを正確に理解することが重要です。

STEP1|株主区分を判定する(同族株主か少数株主か)

まず、株式を相続する人が「同族株主」に該当するかどうかを判定します。同族株主かどうかによって適用する評価方式(原則的評価方式 or 配当還元方式)が決まります。

同族株主の判定基準

同族株主とは、株主の1人およびその同族関係者(配偶者・親族・関連会社など)の議決権の合計が、会社の議決権総数の30%以上を占める株主グループに属する株主をいいます。

状況同族株主の判定適用する評価方式
議決権30%以上の同族グループに属する同族株主原則的評価方式(類似業種比準・純資産価額)
筆頭株主グループが50%超を保有し、その グループに属さない少数株主配当還元方式(特例的評価方式)
どの同族グループも30%未満の場合で15%未満のグループに属する少数株主配当還元方式(特例的評価方式)

参照元:国税庁 No.4638 取引相場のない株式の評価

配当還元方式は原則的評価方式より大幅に低い評価額になります。少数株主であれば配当還元方式が適用されるため、株主区分の判定は評価額を左右する最初の重要ポイントです。

STEP2|特定会社に該当するか確認する

同族株主に該当した場合(原則的評価方式を適用する場合)、次に「特定会社」に該当するかどうかを確認します。特定会社に該当すると、通常の会社規模判定ではなく、純資産価額方式のみが適用されます。

特定会社の主な種類

特定会社の種類該当する条件評価方式
株式等保有特定会社総資産に占める株式等の割合が50%以上純資産価額方式のみ(S1+S2方式も選択可)
土地保有特定会社総資産に占める土地等の割合が一定割合以上(大会社70%・中小会社90%)純資産価額方式のみ
比準要素数1の会社配当・利益・簿価純資産の3要素のうち2つがゼロ純資産価額方式のみ(または類似業種比準25%+純資産75%も選択可)
開業後3年未満の会社設立後3年が経過していない純資産価額方式のみ
休廃業中の会社事業を休止または廃業している純資産価額方式のみ

持株会社や不動産管理会社は「株式等保有特定会社」や「土地保有特定会社」に該当することが多く、純資産価額方式のみが適用されます。これらの会社は一般に評価額が高くなりやすいため、生前対策が特に重要です。

STEP3|会社規模(大・中・小)を判定する

特定会社に該当しない場合、会社規模を「大会社・中会社・小会社」に判定します。会社規模によって類似業種比準方式と純資産価額方式の配分割合が変わります。

会社規模は、①従業員数、②取引金額(売上高)、③総資産価額の3要素で判定します。

会社規模類似業種比準割合純資産価額割合判定の目安
大会社100%(純資産価額も選択可)従業員70人以上 または 売上・総資産が大規模
中会社の大90%10%大会社と中会社の中の間
中会社の中75%25%中規模の会社
中会社の小60%40%中会社の中と小会社の間
小会社100%(類似50%+純資産50%も選択可)従業員5人以下 または 売上・総資産が小規模

類似業種比準方式は一般に純資産価額方式より評価額が低くなります。そのため、会社規模が大きいほど(大会社に近いほど)、類似業種比準方式の割合が高くなり、評価額が低くなる傾向があります。会社規模の境界線付近にある会社は、従業員数の増減・資産構成の変化で判定が変わることがあるため、事前に確認することが重要です。

原則的評価方式の計算方法|類似業種比準方式と純資産価額方式

原則的評価方式には「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」の2つがあります。それぞれの計算の仕組みと、会社規模に応じた使い分けを理解しましょう。

類似業種比準方式|配当・利益・純資産の3要素で評価する

類似業種比準方式は、評価する会社と業種が似ている上場会社の株価を基準に、配当金額・利益金額・純資産価額(簿価)の3つの要素を比較して評価額を算出する方法です。

計算式

1株当たりの類似業種比準価額 = 類似業種株価 × {(D/D’ + E/E’ + F/F’)÷ 3}× 斟酌率

記号意味計算の基礎
D評価会社の1株当たり配当金額直前2期の平均
E評価会社の1株当たり利益金額直前期または直前2期の平均
F評価会社の1株当たり簿価純資産直前期末の純資産÷発行済株式数
D’・E’・F’類似業種の各数値国税庁が毎月公表
斟酌率規模別の調整率大会社0.7・中会社0.6・小会社0.5

類似業種比準方式のポイントは、評価会社の利益が低いほど(または無配当であるほど)、評価額が下がる点です。利益が多く出ている会社ほど評価額が高くなります。

類似業種の株価・配当・利益・純資産の数値は国税庁が毎月公表しており、相続発生月の数値を使って計算します。必ず相続発生月の数値を確認してください。

純資産価額方式|相続税評価額に基づく純資産で評価する

純資産価額方式は、会社が保有するすべての資産を「相続税評価額」で評価し直し、そこから負債と法人税等相当額を差し引いた純資産を発行済株式数で割って1株当たりの評価額を算出する方法です。

計算式

1株当たりの純資産価額 =(相続税評価額による総資産 − 負債 − 法人税等相当額)÷ 発行済株式数

法人税等相当額 =(相続税評価額による純資産 − 帳簿価額による純資産)× 37%

法人税等相当額は「含み益(相続税評価額 − 帳簿価額)」に対して37%を控除するものです。会社が保有する土地や株式に含み益がある場合、その37%が差し引かれることで評価額が抑えられます。含み益がなければこの控除はゼロです。

資産の種類帳簿価額での評価相続税評価額での評価
土地取得価額(購入時の金額)路線価方式・倍率方式
建物取得価額 − 減価償却累計額固定資産税評価額
上場株式取得価額相続発生時の終値等の平均
売掛金・預金帳簿価額帳簿価額(同じ)

純資産価額方式は会社の資産内容を相続税評価額で洗い替えるため、帳簿価額と相続税評価額の差(含み益)が大きい会社では評価額が高くなります。土地を多く保有している会社は特に注意が必要です。

折衷方式|会社規模に応じた2方式の組み合わせ

中会社に分類された会社は、類似業種比準方式と純資産価額方式を一定の割合で組み合わせた「折衷方式」を使います。

折衷後の評価額 = 類似業種比準価額 × L + 純資産価額 ×(1 − L)

会社規模L(類似業種の割合)計算イメージ
中会社の大0.9類似90% + 純資産10%
中会社の中0.75類似75% + 純資産25%
中会社の小0.6類似60% + 純資産40%

小会社は純資産価額方式100%が原則ですが、「類似業種比準価額 × 0.5 + 純資産価額 × 0.5」を選択することも可能です。いずれか低い方を選択できるため、小会社でも類似業種比準方式を50%混在させる折衷を使うことで評価額を下げられる場合があります。必ず両方を計算して比較してください。

評価方式で税額が最大4倍変わる理由

国税庁の調査(2020〜21年分)によると、純資産価額方式による評価額の中央値が約4万2,648円であるのに対し、類似業種比準方式は約1万1,622円と、約3.7倍の差がありました。これが「評価方式で税額が最大4倍変わる」といわれる根拠です。

評価方式1株当たり評価額の中央値特徴
類似業種比準方式約1万1,622円業界平均との比較のため低くなりやすい
純資産価額方式約4万2,648円含み益も加味するため高くなりやすい

この差が生まれる最大の理由は、純資産価額方式では「含み益(帳簿価額と相続税評価額の差)」が評価額に反映されるのに対し、類似業種比準方式では簿価ベースの純資産を使うためです。土地や株式の含み益が大きい会社では、評価方式の違いが税額に甚大な影響を与えます。

ケース別シミュレーション5パターン|非上場株式の相続税額を試算

実際の相続では、会社規模・業種・財産構成・株主構成によって非上場株式の評価額と相続税額が大きく異なります。ここでは5つのパターンで具体的な税額を試算します。なお、試算は概算であり、実際の申告では詳細な計算が必要です。

パターン1|大会社・類似業種比準方式100%のケース

前提条件

  • 業種:製造業・従業員80人(大会社に該当)
  • 発行済株式数:10,000株・相続株数:5,000株(50%保有)
  • 類似業種比準価額:1株あたり10,000円(斟酌率0.7適用後)
  • 純資産価額:1株あたり30,000円
  • 非上場株式の相続税評価額:10,000円 × 5,000株 = 5,000万円
  • 他の財産:預貯金2,000万円 / 相続人:子2人(母は既に死亡)

計算の流れ

  • 相続財産の総額:5,000万円 + 2,000万円 = 7,000万円
  • 基礎控除:3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円
  • 課税遺産総額:7,000万円 − 4,200万円 = 2,800万円
  • 各人の法定相続分(各1/2):1,400万円 → 160万円(税率15%−50万円)
  • 相続税の総額:160万円 × 2 = 320万円

純資産価額方式のみで評価した場合(30,000円×5,000株=1億5,000万円)と比べると、類似業種比準方式を使うことで非上場株式の評価額が3分の1になり、相続税も大幅に低減されます。大会社に分類された場合は類似業種比準方式100%が使えるため、会社規模の判定結果が節税に直結します。

パターン2|小会社・純資産価額方式100%のケース

前提条件

  • 業種:不動産業・従業員3人(小会社に該当)
  • 発行済株式数:1,000株・相続株数:700株(70%保有)
  • 純資産価額:1株あたり50,000円(含み益に法人税等37%控除後)
  • 非上場株式の相続税評価額:50,000円 × 700株 = 3,500万円
  • 他の財産:預貯金1,000万円 / 相続人:配偶者・子1人(合計2人)

計算の流れ

  • 相続財産の総額:3,500万円 + 1,000万円 = 4,500万円
  • 基礎控除:3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円
  • 課税遺産総額:4,500万円 − 4,200万円 = 300万円
  • 配偶者(1/2):150万円 → 15万円(税率10%)
  • 子(1/2):150万円 → 15万円(税率10%)
  • 相続税の総額:30万円(配偶者控除適用で実質子のみ15万円)

小会社でも折衷方式(類似50%+純資産50%)を選択できます。利益が出ている会社であれば折衷方式の方が低くなる場合があるため、両方を計算して比較することが重要です。

パターン3|中会社(中)・折衷方式のケース

前提条件

  • 業種:小売業・従業員15人(中会社の中に該当)
  • 発行済株式数:5,000株・相続株数:3,000株(60%保有)
  • 類似業種比準価額:1株あたり8,000円
  • 純資産価額:1株あたり20,000円
  • 折衷計算:8,000円 × 0.75 + 20,000円 × 0.25 = 6,000円 + 5,000円 = 11,000円
  • 非上場株式の相続税評価額:11,000円 × 3,000株 = 3,300万円
  • 他の財産:預貯金3,000万円 / 相続人:子2人

計算の流れ

  • 相続財産の総額:3,300万円 + 3,000万円 = 6,300万円
  • 基礎控除:4,200万円
  • 課税遺産総額:6,300万円 − 4,200万円 = 2,100万円
  • 各人の法定相続分(各1/2):1,050万円 → 107.5万円(税率15%−50万円)
  • 相続税の総額:107.5万円 × 2 = 215万円

純資産価額方式100%で評価した場合(20,000円×3,000株=6,000万円)と比べると、折衷方式を使うことで評価額が3,300万円になり、相続税が大幅に減少します。折衷方式では類似業種比準価額と純資産価額の両方を正確に計算することが前提となります。いずれかを誤ると折衷後の評価額も変わります。

パターン4|少数株主・配当還元方式が使えるケース

前提条件

  • 会社:同族グループが議決権70%超を保有する中規模会社
  • 相続株数:200株(議決権4%保有・少数株主に該当)
  • 1株当たりの年間配当:5円(1株あたり資本金等の額を50円として計算)
  • 配当還元価額:5円 ÷ 10% = 50円/株
  • 非上場株式の相続税評価額:50円 × 200株 = 1万円

同じ会社の株式でも、同族株主の評価(純資産価額方式)が1株20,000円の場合、少数株主の配当還元価額は1株50円となり、400分の1の評価額になります。これが配当還元方式の最大のポイントです。

ただし、少数株主の判定基準は厳密であり、形式上は少数株主でも実質的に経営に参画している場合は原則的評価方式が適用されるリスクがあります。株主区分の判定は必ず専門家に確認してください。

パターン5|事業承継税制を活用して納税猶予を受けるケース

前提条件

  • 相続人(後継者・長男)が非上場株式を全株相続
  • 非上場株式の評価額:1億円(相続税に換算すると仮定の税額2,000万円)
  • 他の財産:なし / 相続人:長男1人
  • 事業承継税制(特例措置)の適用を受ける

特例措置適用後の納税額

  • 通常の相続税(特例なし):約2,000万円
  • 特例措置適用後の猶予税額:2,000万円 × 100% = 2,000万円猶予
  • 実際の納税額:0円(猶予)
  • 後継者が代表者を継続し、一定要件を5年間満たした後、次の後継者に引き継いだ場合:猶予税額が免除

事業承継税制(特例措置)を活用することで、後継者が取得した全株式の相続税を100%猶予し、最終的に免除を受けることができます。ただし適用には事前の認定申請・申告期限内の申請が必要です。相続発生後すぐに税理士へ相談することが必要です。

少数株主が使える「配当還元方式」

少数株主(同族株主以外の株主)が非上場株式を相続した場合、「配当還元方式」という特例的な評価方式が適用されます。この方式では評価額が原則的評価方式より大幅に低くなるため、自分が少数株主に該当するかどうかの確認は非常に重要です。

配当還元方式が使える株主の要件

配当還元方式が適用されるのは「少数株主」に分類された場合です。少数株主とは以下のいずれかに該当する株主をいいます。

  • 議決権の30%以上を保有する同族グループに属さない株主(そのグループが存在する場合)
  • 議決権の15%未満しか保有していない株主(どの同族グループも30%未満の場合)

少数株主は会社の経営に実質的に関与できない立場にあるため、「配当を受け取る権利」だけが価値として評価されます。これが配当還元方式の考え方の基礎です。

形式上は少数株主でも、実際には経営判断に関与していたり、大株主と密接な関係にある場合は原則的評価方式が適用されるリスクがあります。判定には注意が必要です。

計算式と評価額の算出方法

配当還元方式の計算式は以下の通りです。

1株当たりの配当還元価額 = 1株当たりの年間配当金額 ÷ 10%

1株当たりの年間配当金額 = 直前2期の平均配当金額 ÷(資本金等の額 ÷ 50円)

計算例:直前2期の平均配当金額が100万円、資本金が1,000万円(1株50円換算で20,000株)の場合

  • 1株当たりの年間配当金額:100万円 ÷ 20,000株 = 50円
  • 1株当たりの配当還元価額:50円 ÷ 10% = 500円

無配当(配当なし)の場合でも、最低評価額として「2円50銭 ÷ 10% = 25円」が設定されています。純資産価額方式の評価額が配当還元価額より低い場合は、純資産価額方式の価額が上限になります。

原則的評価方式との評価額の差

評価方式評価額の傾向税負担の目安
類似業種比準方式(大会社)市場類似株価の0.5〜0.7程度中程度
純資産価額方式相続税評価額ベースの純資産高い
配当還元方式年間配当の10倍(非常に低い)非常に低い

同じ会社の株式でも、同族株主(原則的評価方式)と少数株主(配当還元方式)では評価額に数十〜数百倍の差が生じることがあります。

事業承継税制|相続税の納税を猶予・免除できる特例

事業承継税制(法人版)とは、後継者である相続人が、一定の要件を満たす中小企業の非上場株式等を相続した場合に、その相続税の納税を猶予し、最終的に免除される制度です。中小企業の事業継続を支援することを目的として設けられています。

参照元:国税庁 No.4148 非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例等

一般措置と特例措置の違い

比較項目一般措置特例措置(2018〜2027年)
対象となる株式数議決権株式の2/3まで全株式(上限なし)
猶予割合80%100%
後継者の数1人最大3人
雇用確保要件5年平均で8割維持が必要未達成でも理由説明で猶予継続可
適用期限期限なし2027年12月31日までに承継が必要

特例措置は2027年12月31日までに承継(相続または贈与)を行うことが要件です。期限が迫っているため、事業承継を検討している場合は早急に対応する必要があります。

特例措置の適用要件(先代経営者・後継者・会社)

先代経営者(被相続人)の要件

  • 会社の代表者であったこと
  • 相続開始直前において、同族関係者と合わせて総議決権の50%超を有し、その同族グループ内で筆頭株主であったこと

後継者(相続人)の要件

  • 相続後に会社の代表者になること(または既になっていること)
  • 相続後、同族グループ内で筆頭株主になること
  • 会社の非上場株式等を一定数以上取得すること

会社の要件

  • 中小企業者であること(資本金・従業員数が中小企業基本法の基準以内)
  • 上場会社でないこと
  • 資産管理会社でないこと(一定の要件を満たせば適用可能なケースあり)
  • 風俗営業会社でないこと

猶予から免除になる条件

猶予された相続税が最終的に「免除」になる主な条件は以下の通りです。

免除の条件内容
後継者が死亡した場合猶予税額が全額免除
次の後継者に贈与税の特例措置で承継した場合猶予税額が免除
破産・解散等をした場合一定の条件のもとで免除

猶予を継続するためには、相続税の申告後も毎年「継続届出書」を税務署に提出する義務があります。提出を忘れると猶予が取り消され、猶予税額と利子税を一括納付しなければならなくなります。

活用する際のリスクと注意点

事業承継税制は強力な節税ツールですが、以下のリスクも伴います。

  • 猶予取消しリスク:後継者が代表者を退任したり、株式を第三者に譲渡したりすると猶予が取り消され、猶予税額+利子税を一括納付しなければならない
  • 書類・届出の義務:毎年の継続届出書、5年後の定期報告など、継続的な管理義務がある
  • 事前認定が必要:相続発生後8か月以内に都道府県知事の「認定」を受けることが必要で、手続きが複雑
  • 事業継続が前提:会社を継続して経営することが前提であり、会社を売却したい場合は猶予が取り消される

非上場株式の相続税を下げる節税対策

非上場株式の評価額は、会社の財務状況・配当・利益によって変動します。相続が発生する前に計画的に対策を打つことで、評価額を引き下げ、相続税の負担を軽減することが可能です。

株価を引き下げる4つの方法

類似業種比準方式で評価される会社(大会社・中会社)の場合、配当・利益・純資産の3つの要素を下げることで評価額を引き下げることができます。

対策の種類具体的な方法効果が出やすい会社
利益の圧縮役員報酬の増額、設備投資、含み損の実現利益が多い会社
配当の調整配当を抑制または無配にする高配当の会社
純資産の圧縮不要な資産の処分、退職金の支払い内部留保が多い会社
含み益の圧縮含み益のある資産を処分して含み損を活用土地・株式を多く保有する会社

株価引き下げ対策は、相続発生の2〜3年前から計画的に実施することが効果的です。直前に急激に利益を圧縮する行為は税務調査で否認されるリスクがあります。

生前贈与による株式移転(暦年贈与・相続時精算課税)

株価が低い時期(業績不振・利益圧縮後)に後継者へ株式を生前贈与することで、相続財産から株式を減らすことができます。

贈与方法非課税枠特徴
暦年贈与年間110万円まで非課税少額を毎年贈与して株式を移転。相続発生前7年以内の贈与は相続財産に加算(2024年以降)
相続時精算課税累計2,500万円まで贈与税ゼロ大量の株式を一度に贈与できる。相続発生時に相続財産に加算されるが、贈与時の評価額で固定される
事業承継税制(贈与版)全株式の贈与税を猶予後継者への株式贈与で贈与税を猶予・免除。相続発生時の引継ぎで相続税も猶予

相続時精算課税制度は、贈与時に株価が低い時期に活用することで効果を最大化できます。贈与後に株価が上昇しても、贈与時の低い評価額で相続財産に加算されるため、株価が下がっている時期の贈与が有利です。

名義株式を整理しておく重要性

「名義株式」とは、形式上は他の人(子・孫など)の名義になっているが、実質的には被相続人が出資・管理・議決権行使を行っている株式を指します。名義株式は相続発生時に被相続人の相続財産として課税されます。

名義株式と判断される主なケース対策
株式の取得資金を被相続人が出した名義人が自己資金で取得した実態を証明する書類を整備
配当金を被相続人が受け取っていた配当金を名義人の口座に振り込む形にする
名義人が株主として行動していない株主総会への参加・議決権行使の記録を残す
名義人が株式の存在を知らない正式な贈与手続きを行い名義を整理する

名義株式は税務調査で最も問題になりやすい項目の一つです。相続発生前に正式な贈与手続きを完了させ、贈与税の申告を行うことで名義株式問題を解消することが重要です。

相続後の非上場株式の処理|3つの選択肢と税金比較

非上場株式を相続した後、その株式をどう処理するかは相続人にとって重要な選択です。会社に関与し続けるか、株式を換金するかによって税負担が異なります。

方法1|そのまま保有し続ける

会社の経営に引き続き関与する場合や、株式を換金する必要がない場合は保有継続が選択されます。この場合、追加的な税金は発生しません(毎年の配当所得に対しては所得税がかかります)。

ただし、後継者問題や他の相続人との共有によるトラブルが将来発生するリスクがあります。また、保有し続けることで次の相続時(二次相続)に再び非上場株式の評価額が問題になります。

保有継続する場合も、次世代への承継計画を早期に立てることが重要です。後継者不在のまま放置すると、相続のたびに株式が分散し、経営権が不安定になります。

方法2|第三者(M&A)に売却する

後継者がいない場合や、事業を廃止したい場合は第三者(M&A)への売却が選択肢になります。売却益(譲渡所得)には申告分離課税が適用されます。

非上場株式の譲渡所得税率 = 所得税15% + 住民税5% = 20.315%

売却価格から取得費(相続税評価額)と譲渡費用を差し引いた利益が課税対象です。なお、相続で取得した株式の取得費は原則として相続税評価額が使われます。

相続税の申告期限から3年以内にM&A等で株式を売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる「相続税の取得費加算の特例」(租税特別措置法第39条)が使えます。売却を検討している場合は3年以内という期限を意識することが重要です。

方法3|会社が自社株を買い取る(金庫株)

会社自身が相続人から株式を買い取る「自己株式の取得(金庫株)」という方法もあります。相続人が現金化できると同時に、オーナー家以外への株式分散を防ぐことができます。

比較項目第三者への売却(M&A)会社への売却(金庫株)
税率20.315%(譲渡所得)原則20.315%(ただし配当課税になるケースあり)
株式の行き先第三者が株主になる会社が自己株式として保有
経営への影響経営権が移転する可能性経営権を維持しやすい
会社の資金関係なし会社に買取資金が必要

金庫株の場合、買取価格が相続税評価額を超える部分は「みなし配当」として総合課税(最高55%)になるケースがあります。取引価格と税負担を慎重に検討してください。

税務調査で問題になりやすい3つのポイント

非上場株式の相続税申告は複雑なため、税務調査で問題が発覚するケースが少なくありません。特に問題になりやすい3つのポイントを把握しておきましょう。

名義株式の認定リスク

前述の通り、形式上は他の人名義でも実質的には被相続人の株式であると税務署が認定した場合、申告漏れとして追徴課税されます。追徴課税には本税に加えて、重加算税(35〜40%)と延滞税が課される可能性があります。

税務調査では以下の点が確認されます。

  • 株式取得時の資金の出所(名義人自身が出資したか)
  • 配当金の受取者と使途(名義人の口座に入金されているか)
  • 株主総会への参加・議決権行使の有無
  • 名義人が株式の存在を認識しているか

名義株式問題は相続発生後では解決が困難です。生前に正式な贈与手続きを完了させ、贈与税申告を行っておくことが最善の対策です。

株価評価の誤りによる追徴課税

非上場株式の評価計算は複雑であるため、評価方式の選択誤り・計算式の適用ミス・使用する数値の取り違えなどが発生しやすいです。税務調査で評価誤りが発覚した場合、修正申告と追徴課税が必要になります。

評価で間違いが起きやすい主なポイントを確認しましょう。

ミスが起きやすいポイント正しい取り扱い
株主区分の判定誤り同族関係者の範囲・議決権割合を正確に確認する
類似業種の業種分類の選択国税庁公表の業種目表で正しい業種を選択する
1株当たりの資本金等の額の計算発行済株式数の基準(1株50円換算)を正確に適用する
純資産価額の計算(法人税等37%の適用)含み益がある場合のみ37%控除を適用する
特定会社の判定漏れ株式保有割合・土地保有割合を確認する

申告漏れが発覚しやすいパターン

非上場株式に関して税務調査で申告漏れが発覚しやすいパターンを確認しましょう。

  • 子・孫名義の株式(名義株式)の申告漏れ:実質的には被相続人のものとして課税される
  • 過去の贈与を遡及して課税:生前の株式贈与が適正な贈与税申告を伴っていない場合
  • 持株会社の評価漏れ:持株会社を通じた間接保有株式の申告漏れ
  • 外国子会社株式の申告漏れ:海外法人の株式を所有していた場合

非上場株式の相続税申告の調査率は一般的な相続よりも高い傾向にあります。申告前に税理士による完全なチェックを受けることが不可欠です。

非上場株式の相続こそ早めに税理士へ相談すべき理由

非上場株式の相続は、評価計算・事業承継税制の活用・節税対策・税務調査リスクのすべてにおいて高度な専門知識が必要です。相続発生後に早めに税理士へ相談することが、節税と申告ミス防止の両面から極めて重要です。

相談すべき理由|評価額が税理士によって変わる

非上場株式の評価では、適用する評価方式の選択・会社規模の判定・計算に使う数値の取り方など、複数の判断が必要です。これらの判断は税理士によって異なることがあり、適切な評価方式を選択できるかどうかで税額が数百万〜数千万円変わるケースがあります。

  • 株主区分の判定(同族株主 / 少数株主)が税額に直結する
  • 会社規模の境界線にある場合は、どちらの規模に分類されるかで評価割合が変わる
  • 特定会社の判定基準の適用が評価方式を純資産価額方式のみに限定するかどうかを左右する
  • 類似業種の業種分類の選択が類似業種比準価額の水準に影響する

相談するメリット|税負担軽減と申告ミス防止

  • 正しい評価方式の選択:複数の評価方式を計算し、最も有利な方式を選択することで過払いを防ぐ
  • 事業承継税制の活用判断:特例措置の適用要件・申請スケジュール・リスクを総合的に判断してアドバイス
  • 節税対策の実施:株価引き下げ・生前贈与・持株会社スキームなどの対策立案
  • 税務調査リスクの低減:名義株式の整理・評価計算の正確性確保により調査リスクを下げる
  • 申告書の作成代行:複雑な計算式・添付書類の作成をプロに任せることで申告ミスを防止

相談しなかった場合のリスク

リスクの種類具体的な内容金銭的な影響の目安
評価方式の選択ミス有利な評価方式を見落として過大な税額を申告数百万〜数千万円の過払い
名義株式の申告漏れ税務調査で認定され追徴課税追徴本税+重加算税(35〜40%)+延滞税
事業承継税制の申請失敗要件未確認・期限超過で特例を使えなかった猶予されるはずだった相続税全額を納付
申告期限の超過10か月の申告期限を過ぎた無申告加算税(5〜20%)+延滞税
特例措置の期限切れ2027年末までに承継が間に合わなかった特例措置が使えず一般措置のみ(猶予80%)

費用対効果の試算|税理士報酬 vs 節税・リスク回避効果

項目金額の目安
非上場株式を含む相続税申告の税理士報酬50〜150万円程度(財産規模・複雑さによる)
適切な評価方式選択による節税効果数百万〜数千万円(評価額の差による)
事業承継税制活用による猶予・免除効果相続税額の全額(特例措置の場合100%猶予)
名義株式問題の解消(重加算税回避)追徴本税の35〜40%のリスク回避
節税対策の事前実施(株価引き下げ)株価水準次第で数百万〜数千万円

非上場株式を含む相続では、税理士報酬を大幅に上回る節税・リスク回避効果が得られるケースがほとんどです。相続税専門かつ事業承継に詳しい税理士を選ぶことが重要です。

初回相談で確認すべき質問リスト

  • □ 当社の株式は同族株主と少数株主のどちらに分類されますか?
  • □ 当社は特定会社(株式等保有・土地保有・比準要素数1など)に該当しますか?
  • □ 会社規模は大・中・小のどれに分類されますか?類似業種比準方式は使えますか?
  • □ 名義株式に該当する可能性がある株式はありますか?どう整理すればいいですか?
  • □ 事業承継税制(特例措置)の適用要件を満たしていますか?手続きのスケジュールを教えてください。
  • □ 株価を下げるために今からできる対策はありますか?
  • □ 相続後に株式を売却した場合、取得費加算の特例は使えますか?
  • □ 申告書の作成から税務署への提出まで一貫して依頼できますか?

よくある質問(FAQ)

Q. 非上場株式の相続税評価は、自分で計算できますか?

理論上は自分で計算することも可能ですが、株主区分の判定・会社規模の判定・類似業種の選択・純資産価額の算出など、複数のステップにわたる複雑な計算が必要です。計算ミスや評価方式の選択誤りが追徴課税につながるリスクが高く、また有利な評価方式を見落とす可能性もあるため、相続税専門の税理士への依頼を強く推奨します。

Q. 会社を継ぐ後継者がいない場合、事業承継税制は使えますか?

事業承継税制は後継者が会社を引き継いで代表者になることが要件です。後継者がいない場合は適用できません。後継者が見つからない場合は、M&Aによる第三者への売却か、会社の清算を選択することになります。清算の場合は残余財産が相続人に分配され、その額が相続税の課税対象になります。

Q. 赤字続きの会社の株式でも相続税はかかりますか?

赤字の会社でも純資産(資産−負債)がプラスであれば相続税の課税対象になります。純資産がマイナス(債務超過)の場合は株式の評価額がゼロになり、相続税はかかりません。ただし、会社が負債を抱えている場合でも、株式評価ゼロと判断されるまでには慎重な計算が必要です。

Q. 事業承継税制の特例措置の期限(2027年)に間に合わない場合はどうなりますか?

2027年12月31日までに特例承継計画の提出と承継(相続または贈与)が完了しなかった場合、特例措置は使えなくなり、一般措置のみが適用されます。一般措置では猶予割合が80%(特例は100%)、対象株式数が議決権の2/3まで(特例は全株)という制限があります。期限が迫っているため、早急に税理士に相談することをお勧めします。

Q. 相続した非上場株式を売却したいのですが、すぐに買い手は見つかりますか?

非上場株式は市場で自由に売買できないため、一般的に買い手を見つけることは困難です。選択肢としては、①他の株主(同族株主)への売却、②会社自身への売却(自己株式取得・金庫株)、③M&A仲介業者を通じた第三者への売却があります。会社の業績・財務内容によって買い手の関心度が変わるため、M&Aアドバイザーや税理士に相談することをお勧めします。

まとめ|非上場株式の相続は専門家への早期相談が最重要

非上場株式の評価方法の基本

  • 評価方式は「株主区分(同族株主 / 少数株主)→ 特定会社の確認 → 会社規模(大・中・小)判定」の3ステップで決まる
  • 大会社は類似業種比準方式100%、小会社は純資産価額方式100%が原則で、中会社は両方式の折衷を使う
  • 評価方式の違いで税額が最大4倍異なるケースがあり、正しい方式の選択が最重要

節税・特例活用のポイント

  • 事業承継税制(特例措置)を活用すれば後継者が取得した全株式の相続税を100%猶予・最終的に免除できる(2027年12月31日までに承継が必要)
  • 株価引き下げ対策(利益圧縮・配当調整)や生前贈与による株式移転は、相続発生の2〜3年前から計画的に実施することが効果的
  • 名義株式は生前に正式な贈与手続きで整理しておかないと、税務調査で申告漏れとして追徴課税されるリスクがある

相続後の処理と注意点

  • 相続後に株式を売却する場合は、申告期限から3年以内であれば「相続税の取得費加算の特例」を活用して譲渡所得税を軽減できる
  • 会社への売却(金庫株)では買取価格の設定によりみなし配当課税が発生するケースがあるため、価格設定に注意が必要

今すぐ取るべき行動

  • 相続が発生したら、会社の決算書・株主名簿・定款を速やかに収集し、非上場株式の評価と事業承継税制の適用可否を相続税専門かつ事業承継に詳しい税理士に確認してください
  • まだ相続が発生していない場合も、事業承継税制の特例措置の期限(2027年12月31日)が迫っているため、早急に対策を検討することをお勧めします

※本記事は2025年12月時点の法令・税率に基づいて作成しています。税制は改正されることがありますので、申告前には必ず税理士または税務署へご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談に代わるものではありません。

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