


相続とは、人が亡くなったときに財産を法定相続人などが引き継ぐことをいいます。
贈与とは、生きている人が自分の意思で無償で財産を渡すことです。渡すタイミングとかかる税金が両者で異なります。
相続には相続税、贈与には贈与税がかかり、この2つは税率・控除・納税時期がそれぞれ違います。
「どちらで渡すのが得か」は多くの人が悩む点です。税率だけなら相続税が低く、単純比較では相続が有利に見えます。
しかし贈与の非課税枠を長期間・複数人に活用すれば、贈与が有利になることもあります。どちらが得かは状況で変わります。
さらに2024年改正で生前贈与加算が7年に延長され、贈与を選ぶ判断材料も変わりました。
この記事では、相続と贈与の違い、税額の比較、損得分岐点、状況別の選び方、7年加算の影響までを整理します。
▼ この記事の3行まとめ

相続と贈与は、どちらも財産を次の世代へ引き継ぐ手段ですが、性質が大きく異なります。まずは両者の違いを整理し、全体像をつかむことが出発点です。
ここでは相続と贈与の基本的な違い、贈与の種類、手続きの違い、よくある誤解を解説します。
相続と贈与の最大の違いは、財産を渡すタイミングです。相続は人が亡くなったときに発生し、贈与は生きているうちに自分の意思で行います。
相続では、財産を受け取るのは原則として法定相続人です。一方、贈与は相手を自由に選べ、法定相続人以外の孫や第三者にも渡せます。
また、相続は放棄できますが、贈与は当事者双方の合意で成立する契約のため、一度成立すると原則として取り消せません。この違いも重要です。
相続では、誰がどの財産を引き継ぐかを遺産分割協議で決めます。遺言があればそれに従い、なければ相続人全員で話し合って分けます。
一方、贈与は渡す側が相手とタイミングを自由に決められます。この自由度の高さが、生前贈与を相続税対策として使う際の強みになります。
ただし贈与は、渡す側の「あげます」と受け取る側の「もらいます」という双方の意思表示が必要です。一方的に渡すだけでは贈与になりません。
| 項目 | 相続 | 贈与 |
|---|---|---|
| タイミング | 亡くなったとき | 生きているうち |
| 渡せる相手 | 原則、法定相続人 | 誰でも自由に選べる |
| かかる税金 | 相続税 | 贈与税 |
| 放棄・撤回 | 相続放棄が可能 | 成立後は原則撤回不可 |
表の見方:相続は亡くなったときに法定相続人へ、贈与は生前に自由な相手へ渡せます。渡すタイミングと相手の自由度が大きな違いです。
ひとくちに贈与といっても、いくつかの種類があります。代表的なのが生前贈与・死因贈与・負担付贈与の3つです。
生前贈与は、生きているうちに財産を渡す最も一般的な贈与です。死因贈与は「自分が死んだら渡す」という約束の贈与で、相続に近い性質を持ちます。
負担付贈与は、財産を渡す代わりに一定の義務を負わせる贈与です。たとえば「不動産を渡す代わりにローンを引き継ぐ」といったケースが該当します。
死因贈与は、渡す側と受け取る側の合意で成立する契約である点が遺言と異なります。遺言は一方的に作れますが、死因贈与は双方の合意が必要です。
これらの贈与は課税の扱いも異なります。死因贈与は相続税の対象、負担付贈与は負担部分を差し引いた額が贈与税の対象になるなど、種類ごとにルールが変わります。
| 贈与の種類 | 内容 | かかる税金 |
|---|---|---|
| 生前贈与 | 生きているうちに渡す | 贈与税 |
| 死因贈与 | 死亡を条件に渡す契約 | 相続税 |
| 負担付贈与 | 義務と引き換えに渡す | 贈与税(負担分を控除) |
重要ポイント:一般的な相続税対策で使うのは生前贈与です。死因贈与は相続税、負担付贈与は課税関係が複雑になる点に注意が必要です。
相続と贈与では、財産を引き継ぐ手続きの流れも異なります。相続は亡くなった後に手続きが始まり、贈与は生前に当事者間で完結します。
相続では、遺言の確認・相続人の確定・財産調査・遺産分割協議・名義変更という流れを踏みます。相続税がかかる場合は10ヶ月以内の申告も必要です。
一方、贈与は当事者の合意だけで成立します。ただし口頭の約束は後のトラブルや税務署との争いの原因になるため、贈与契約書の作成が基本です。
特に現金の贈与では、契約書や振込記録がないと「名義預金」と判断され、贈与と認められないことがあります。相続税の税務調査で最も指摘が多いポイントです。
【贈与を確実に成立させる3つのポイント】
ポイント1:贈与のたびに贈与契約書を作成し、双方が署名・押印する
ポイント2:現金は手渡しせず、銀行振込で記録を残す
ポイント3:通帳・カード・印鑑は受け取った側が自分で管理する
重要ポイント:贈与は必ず贈与契約書と振込記録を残してください。名義預金と判断されると、贈与自体が否認されます。
相続と贈与は違いが多い一方、共通する点もあります。どちらも財産を次の世代へ移す手段であり、税金がかかる点は同じです。
また、どちらも財産の種類(現金・不動産・株式など)を問わず行えます。渡す財産の評価方法も、基本的には共通のルールにもとづきます。
そして最も重要な共通点は、どちらも「早めに計画すること」で税負担を抑えられることです。相続でも贈与でも、事前の準備が節税の鍵になります。
重要ポイント:相続も贈与も早めの計画で税負担を抑えられます。どちらを選ぶにせよ、準備は早いほど有利です。
相続と贈与の違いは誤解されやすく、思い込みで動くと損をすることがあります。特に多い3つの誤解を確認しておきましょう。
【誤解1】贈与はいつでも節税になる
一度に多額を贈与すると、相続より高い税率がかかります。節税になるのは、非課税枠を計画的に使った場合です。
【誤解2】110万円以下なら何もしなくてよい
申告は不要でも、贈与契約書や振込記録は必要です。記録がないと名義預金と判断されるリスクがあります。
【誤解3】贈与した財産に相続税はかからない
相続人への亡くなる前7年以内の贈与は、相続財産に加算されます。贈与すれば終わり、ではありません。
重要ポイント:贈与は「計画的に・記録を残して・早く始める」が節税の条件です。思い込みで進めず、仕組みを理解して活用しましょう。

相続と贈与のどちらが得かを判断するには、相続税と贈与税の違いを理解する必要があります。両者は税率・控除・納税時期・不動産の移転コストの4点で大きく異なります。
ここでは、この4つの違いを具体的に解説します。数字で比較することで、どちらが有利かの目安がつかめます。
相続税も贈与税も、財産が多いほど税率が上がる累進課税です。どちらも最高税率は55%ですが、同じ税率に達するまでの金額が異なります。
贈与税は少額でも税率が高く上がります。たとえば基礎控除後1,000万円で、贈与税(特例税率)は30%ですが、相続税で30%に達するのは法定相続分5,000万円超からです。
つまり、一度に多額を渡す場合は相続税のほうが税率は低くなります。贈与税の税率が高いのは、生前の財産移転による相続税逃れを防ぐためです。
ただし、この「税率の高さ」は一度に渡した場合の話です。贈与税には年110万円の基礎控除があるため、少額ずつ渡せば税率の高さは問題になりません。
なお、贈与税の税率には特例税率と一般税率の2種類があります。親から18歳以上の子・孫への贈与には、税率が低い特例税率が適用されます。
| 課税価格 | 相続税率 | 贈与税率(特例) |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | 10〜30% |
| 3,000万円以下 | 15〜20% | 45〜50% |
| 5,000万円以下 | 20〜30% | 55% |
表の見方:同じ課税価格なら贈与税のほうが税率が高くなります。一度に多額を渡すなら相続が有利です。
控除の大きさも、相続税と贈与税で大きく異なります。相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という大きな基礎控除があります。
一方、贈与税の基礎控除は年110万円です。単年で見れば相続税の控除のほうが圧倒的に大きく、少額の財産なら相続税がかからないことも多くあります。
ただし、贈与の110万円は毎年使えます。10年で1,100万円、複数人に渡せばさらに大きな額を非課税で移せる点が、贈与の強みです。
相続税の特例には、配偶者の税額軽減(1億6,000万円まで非課税)や小規模宅地等の特例(最大80%減額)など、大きな効果を持つものがあります。これらは相続でしか使えません。
一方、贈与にも住宅取得資金・教育資金・結婚子育て資金などの非課税特例があります。目的に応じて使い分けることで、それぞれの控除を最大限活かせます。
婚姻期間20年以上の夫婦なら、居住用不動産の贈与に2,000万円の配偶者控除(おしどり贈与)を使う選択肢もあります。
| 主な控除・特例 | 相続税 | 贈与税 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 3,000万円+600万円×相続人の数 | 年110万円 |
| 配偶者向け | 1億6,000万円まで非課税 | 居住用不動産2,000万円控除 |
| その他の主な特例 | 小規模宅地等(最大80%減額) | 住宅・教育など目的別非課税 |
表の見方:単発の控除の大きさは相続税が上ですが、贈与税の控除は繰り返し使えます。両者の控除の性質の違いを押さえましょう。
重要ポイント:相続税の基礎控除は大きい一方、贈与の110万円は毎年・複数人に使える点が強みです。使い方で有利さが変わります。
納税のタイミングも異なります。相続税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納税します。
贈与税は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに申告・納税します。贈与のたびに、その年の分をまとめて申告する形です。
相続税は一度にまとまった納税が必要になる一方、贈与税は計画的に少しずつ納めていけます。納税資金の準備という観点でも違いがあります。
また、贈与税の申告は財産を受け取った側が行います。相続税は財産を取得した相続人などが申告する点も、混同しやすい違いです。
重要ポイント:相続税は10ヶ月以内に一括納税、贈与税は毎年少しずつ納税できます。納税資金の準備にも影響します。
不動産を渡す場合は、相続税・贈与税のほかに、名義変更にかかる税金にも違いがあります。登録免許税と不動産取得税で、贈与のほうが負担が重くなります。
登録免許税は、相続なら固定資産税評価額の0.4%ですが、贈与では2%と5倍です。さらに贈与では不動産取得税(原則3%)もかかります。
相続で取得した場合、不動産取得税はかかりません。この差は評価額が大きい不動産ほど無視できない金額になります。
| 税金の種類 | 相続 | 贈与 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 評価額の0.4% | 評価額の2% |
| 不動産取得税 | かからない | 原則3%(土地・住宅) |
| 評価額3,000万円の負担例 | 12万円 | 150万円 |
表の見方:評価額3,000万円の不動産では、名義変更のコストだけで約138万円の差がつきます。不動産の贈与は移転コストも考慮が必要です。
計算ロジック:【前提】固定資産税評価額3,000万円の土地・住宅。相続:3,000万円×0.4%=12万円。贈与:3,000万円×2%+3,000万円×3%=150万円です。

「結局どちらが安いのか」は最も気になるポイントです。答えは「渡し方によって変わる」ですが、判断の目安となる考え方があります。
ここでは、損得を分ける3つの要素、贈与税を払ってでも得になるケース、相続税がかかるかの確認手順を解説します。
相続と贈与のどちらが得かは、主に3つの要素で決まります。財産の規模・渡すまでの期間・渡す相手の人数です。
財産が大きく相続税率が高い家庭ほど、贈与で少しずつ減らす効果が大きくなります。渡すまでの期間が長いほど、贈与を多く積み重ねられます。
渡す相手が多いほど、贈与の110万円枠を人数分使えます。この3要素がそろうほど、贈与が有利になります。
3要素は掛け算で効いてきます。たとえば「年110万円×3人×15年」なら4,950万円と、贈与だけで数千万円規模の財産を非課税で移せる計算です。
逆に、財産が少なく相続税がかからない、渡す期間が短い、相手が少ないという場合は、相続のほうが有利です。自分の状況がどちらに近いかを見極めることが大切です。
【贈与が有利になりやすい条件】
条件1:財産が大きく相続税率が高い
条件2:渡すまでの期間を長く取れる
条件3:渡す相手(子・孫)が複数いる
重要ポイント:財産が大きく・期間が長く・相手が多いほど贈与が有利です。逆の場合は相続のほうが得なこともあります。
贈与税の税率は高いですが、あえて贈与税を払ってでも贈与が得になるケースがあります。相続税率のほうが高い家庭では、贈与税を払っても全体で有利になります。
たとえば相続税率が高い家庭では、年110万円を超えて贈与し、低い税率の贈与税を払っても、将来の相続税を大きく減らせることがあります。
ポイントは「相続税率と贈与税率のどちらが低いか」です。相続税率のほうが高いなら、その税率より低い範囲で贈与するほど得になります。
たとえば相続税率が30%の家庭で、贈与税率が10〜15%の範囲(年310万円程度まで)で贈与すれば、相続で渡すより税負担を抑えられます。差の分だけ得になる計算です。
この「損得分岐点」は財産規模で変わります。財産が大きく相続税率が高いほど、多めに贈与しても得になる範囲が広がります。
計算ロジック:【判断の目安】想定される相続税率より低い贈与税率の範囲で贈与すれば得になります。相続税率が高い家庭ほど、贈与できる範囲が広がります。
一方、相続のほうが有利なケースもあります。財産が基礎控除以下で、そもそも相続税がかからない家庭です。
この場合、贈与税を払ってまで生前に渡す意味は薄く、相続で引き継ぐほうが税負担なしで済みます。まず相続税がかかるかどうかを確認することが出発点です。
また、高齢で贈与できる期間が短い場合も、贈与を積み重ねられないため、相続のほうが結果的に有利になることがあります。
なお、相続税がかからない家庭でも、争いを防ぐ目的で生前に財産を渡しておくことはあります。節税以外の目的なら、選択の考え方は変わります。
注意:財産が基礎控除以下なら相続が有利です。相続税がかからないのに贈与税を払うのは逆効果になります。
損得を比較する出発点は、自分の家庭に相続税がかかるかどうかの確認です。かからないなら、贈与税を払ってまで対策する必要はありません。
確認は次の3つの手順で行います。財産の合計と基礎控除を比べるだけなので、自分でも概算できます。
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重要ポイント:財産が基礎控除を超えるかどうかが最初の分かれ道です。超える場合にはじめて、贈与の活用を検討する意味が出てきます。

相続と贈与でどれだけ税額が変わるのかを、具体的な数字でシミュレーションします。同じ財産でも渡し方しだいで税額は数百万円変わります。
いずれも一般的な条件による試算です。実際の税額は個別の状況で変わるため、目安として参照してください。
遺産1億円を、子2人が相続するケースを試算します。相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×2人=4,200万円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 遺産総額 | 1億円 |
| 基礎控除 | 4,200万円 |
| 課税遺産総額 | 5,800万円 |
| 相続税額(子2人合計) | 770万円 |
なお、同じ条件で遺産が5,000万円なら、相続税は2人合計80万円です。財産規模によって税率と税額が大きく変わる点も覚えておきましょう。
計算ロジック:【前提】遺産1億円・子2人。課税遺産総額5,800万円を法定相続分で分け、各2,900万円×15%−50万円=385万円。2人合計で770万円です。
同じ財産のうち2,000万円を、一度に子へ贈与した場合を試算します。贈与税の基礎控除は年110万円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 贈与額 | 2,000万円 |
| 基礎控除 | 110万円 |
| 課税価格 | 1,890万円 |
| 贈与税額(特例税率) | 585.5万円 |
表の見方:2,000万円を一度に贈与すると贈与税は585.5万円。一度に多額を贈与すると、高い税率がかかります。
計算ロジック:【前提】2,000万円贈与・特例税率。(2,000万円−110万円)×45%−265万円=585.5万円。一度の贈与は税率が高くなります。
同じ2,000万円を、年200万円ずつ10年に分けて贈与した場合を試算します。基礎控除110万円を毎年使えます。
なお、毎年同じ額を機械的に渡すと「定期贈与」とみなされるおそれがあります。贈与のつど契約書を交わすことで、このリスクを避けられます。
| 渡し方 | 贈与税の合計 |
|---|---|
| 2,000万円を一度に贈与 | 585.5万円 |
| 年200万円×10年に分けて贈与 | 90万円 |
表の見方:同じ2,000万円でも、10年に分けると贈与税は585.5万円から90万円へ、約495万円も軽くなります。
計算ロジック:【前提】特例税率。年200万円は「(200万円−110万円)×10%=9万円」で10年分90万円。分けるほど低い税率で済みます。
参照元:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
最後に、遺産1億円・子2人の家庭で、贈与を併用した場合の総負担を3パターンで比較します。贈与税と相続税の合計額で見るのがポイントです。
パターンA:贈与をせず、1億円すべてを相続で渡す。
パターンB:年110万円ずつ子2人へ10年間贈与し、残りを相続で渡す。
パターンC:年200万円ずつ子2人へ10年間贈与し、残りを相続で渡す。
| パターン | 贈与税 | 相続税 | 総負担 |
|---|---|---|---|
| A|相続のみ | 0円 | 770万円 | 770万円 |
| B|年110万円×2人×10年 | 0円 | 440万円 | 440万円 |
| C|年200万円×2人×10年 | 180万円 | 180万円 | 360万円 |
表の見方:パターンAとCの総負担の差は410万円です。贈与税を払っても、総負担で見ると贈与併用が大きく有利になります。
重要ポイント:比較は「贈与税+相続税の合計」で行うことが大切です。贈与税だけを見て損と判断しないよう注意してください。
計算ロジック:【前提】遺産1億円・子2人・特例税率。贈与は生前贈与加算の対象外の期間に完了したと仮定。相続税は課税遺産総額を法定相続分で按分し、相続税率(2026年時点)で算出しています。

ここまでの比較を踏まえ、相続を選ぶべき具体的なケースを整理します。相続が向いているのは、主に税負担が少ない、または贈与の効果が薄い家庭です。
ここでは相続がおすすめの4つのケースを解説します。
財産が基礎控除以下で相続税がかからない、または相続税が少額の家庭は、相続で引き継ぐのが有利です。贈与税を払ってまで生前に渡す必要がありません。
たとえば財産が4,000万円で法定相続人が2人なら、基礎控除4,200万円以下となり相続税はかかりません。この場合、無理に贈与せず相続で渡すのが得策です。
国税庁の統計では、相続税がかかるのは亡くなった人の1割程度です。多くの家庭では、そもそも相続税自体が発生しません。
まず自分の家庭に相続税がかかるかを確認し、かからないなら相続を基本に考えるのがよいでしょう。基礎控除額の目安は次のとおりです。
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
表の見方:財産がこの金額以下なら相続税はかかりません。法定相続人が多いほど基礎控除は大きくなります。
重要ポイント:相続税がかからない家庭は相続が有利です。まず基礎控除を超えるかを確認しましょう。
高齢で、贈与を積み重ねる時間が少ない場合も、相続のほうが有利になることがあります。贈与は長期間かけてこそ効果が出るためです。
また、2024年改正の7年加算により、亡くなる直前の贈与は相続財産に加算されます。期間が短いと、せっかくの贈与が加算で戻される可能性が高まります。
この場合、相続時精算課税の年110万円枠を使う方法もありますが、基本的には相続を軸に考えるほうが無難です。
残された時間が短いなら、贈与よりも遺言の作成や生命保険の活用など、相続を前提とした準備に力を注ぐほうが効果的です。
重要ポイント:贈与期間が短いと7年加算で効果が薄れるため、相続が有利になりやすくなります。
自宅の土地などに小規模宅地等の特例が使える場合は、相続で引き継ぐほうが有利なことが多くあります。この特例は相続でしか使えないためです。
小規模宅地等の特例は、居住用の土地などの評価額を最大80%減額できる制度です。生前に贈与してしまうと、この大きな減額を受けられなくなります。
自宅を子に渡したい場合、生前贈与よりも相続で引き継ぎ、特例を使うほうが税負担を抑えられるケースが多いです。
たとえば評価額5,000万円の自宅の土地なら、特例の適用で評価額は1,000万円まで下がります。減額効果は4,000万円にもなります。
注意:自宅を生前贈与すると小規模宅地等の特例(最大80%減額)が使えなくなります。自宅は相続で引き継ぐほうが有利なことが多いです。
贈与する側が高齢で、認知症などにより判断能力に不安がある場合は、無理に贈与せず相続を軸に考えるべきです。
贈与は契約であるため、贈与する側に意思能力が必要です。認知症が進んで意思能力を失うと、贈与自体ができなくなります。
意思能力がない状態で行われた贈与は、後から無効と判断されるリスクがあります。相続人同士の争いや、税務署とのトラブルの原因にもなります。
注意:意思能力を失った後の贈与は無効になるリスクがあります。判断能力に不安が出てきたら、贈与ではなく相続の準備に切り替えましょう。

次に、贈与を選ぶべきケースを整理します。贈与が向いているのは、時間をかけて計画的に財産を移せる家庭です。
ここでは贈与がおすすめの5つのケースを解説します。
財産を渡す側が若く健康で、長期間にわたって贈与を続けられる場合は、贈与が有利です。時間をかけるほど、非課税枠を多く使えます。
たとえば60代から贈与を始めれば、20年以上かけて計画的に財産を移せます。年110万円でも20年で2,200万円、複数人ならさらに大きな額を非課税で渡せます。
7年加算があっても、早く始めれば加算されない贈与を多く積み重ねられます。健康なうちに始めることが、贈与を成功させる条件です。
贈与の効果は「年数×人数×金額」で決まります。始める年齢が早いほど、この掛け算を大きくできます。
重要ポイント:渡す側が若く健康で贈与期間を長く取れるほど、贈与が有利です。早く始めるほど効果が高まります。
子や孫など、財産を受け取る人が多い家庭も、贈与が有利です。贈与税の110万円基礎控除は、もらう人ごとに使えるためです。
たとえば子2人・孫3人の計5人に年110万円ずつ贈与すれば、年間550万円を非課税で移せます。相続を待つより、はるかに多くの財産を早く渡せます。
特に孫への贈与は、相続を一世代飛ばせるうえ、7年加算の対象外になりやすい利点もあります。渡す相手が多いほど、贈与の効果は拡大します。
子から孫への相続を待つと、相続税が2回かかります。孫へ直接贈与すれば、この1回分を丸ごと省けるのも大きな利点です。
計算ロジック:基礎控除はもらう人ごと。5人へ110万円ずつなら年550万円を非課税で移転できます。相手が多いほど有利です。
賃貸アパートなど、家賃収入を生む不動産を持っている場合も、贈与が有利になることがあります。収益物件を早めに贈与すれば、その後の家賃収入も受贈者のものになります。
収益物件を相続まで持ち続けると、家賃収入がどんどん被相続人の財産に積み上がり、相続税が増えます。早めに贈与すれば、この積み上がりを防げます。
贈与後の家賃収入は受贈者の所得になるため、所得を分散して所得税の負担を抑える効果も期待できます。
値上がりが見込まれる財産も同様です。値上がり前に贈与すれば、その後の値上がり分を相続財産から切り離せます。相続時精算課税の活用も選択肢です。
重要ポイント:家賃収入や値上がりが見込まれる財産は早めに贈与すると、その後の収益・値上がり分を相続財産から外せます。
孫や子の配偶者、お世話になった人など、法定相続人以外に財産を渡したい場合も、贈与が向いています。相続では原則、法定相続人しか財産を受け取れないためです。
遺言でも相続人以外に財産を渡せますが、形式の不備で無効になったり、遺留分をめぐる争いに発展したりするリスクがあります。
生前贈与なら、自分の意思で確実に渡せるうえ、相手が受け取る姿を自分の目で見届けられます。この確実性は贈与ならではの利点です。
重要ポイント:法定相続人以外へ確実に財産を渡せるのは贈与の強みです。遺言よりも確実性が高い方法といえます。
子や孫の住宅購入・教育など、財産の使いみちが決まっている場合も、贈与が有利です。目的別の大きな非課税特例を使えるためです。
住宅取得等資金の贈与は、省エネ等住宅で1,000万円まで非課税です。教育資金の一括贈与は1,500万円まで非課税になります。
これらの特例は年110万円の基礎控除と併用できます。まとまった額を一度に、非課税で渡せるのが大きな利点です。
| 特例 | 非課税限度額 |
|---|---|
| 住宅取得等資金の贈与 | 最大1,000万円 |
| 教育資金の一括贈与 | 最大1,500万円 |
| 結婚・子育て資金の一括贈与 | 最大1,000万円 |
表の見方:目的が決まっているなら110万円とは別枠の非課税特例を使えます。適用には期限や条件があるため、事前確認が必要です。
参照元:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

相続と贈与の選び方は、2024年の改正で大きく変わりました。生前贈与加算の対象期間が3年から7年に延長されたためです。
ここでは、7年加算の内容、対象になる人・ならない人、相続・贈与の選択への影響を解説します。
生前贈与加算とは、相続人が被相続人の亡くなる前の一定期間内に受けた贈与を、相続財産に加算して相続税を計算する制度です。2024年1月以降、この期間が3年から7年へ段階的に延長されました。
加算されると、非課税で贈与したはずの年110万円以下の贈与も相続財産に戻されます。亡くなる直前の贈与は、相続税の節税効果が薄くなります。
7年に完全移行するのは2031年1月1日以降の相続からです。それまでは相続の時期によって加算期間が異なります。延長された4年分の贈与には、総額100万円の控除があります。
| 相続開始の時期 | 加算される贈与の期間 |
|---|---|
| 2026年12月まで | 相続開始前3年以内 |
| 2027年1月〜2030年12月 | 2024年1月1日以降の贈与 |
| 2031年1月以降 | 相続開始前7年以内 |
表の見方:加算期間は段階的に延び、2031年以降の相続で完全に7年になります。今後の贈与ほど加算の影響を受けやすくなります。
重要ポイント:2024年改正で生前贈与加算が3年から7年に延長(2031年完全移行)。贈与を選ぶなら早く始めることが重要です。
生前贈与加算の対象になるのは、相続や遺贈で財産を取得した人への贈与です。具体的には、相続人と遺言で財産を受け取る人が該当します。
一方、相続で財産を受け取らない孫や子の配偶者への贈与は、原則として加算されません。7年加算を避けながら贈与したい場合の有力な選択肢です。
ただし孫でも、代襲相続人である場合、遺言で財産を受け取る場合、生命保険金の受取人である場合は加算の対象になります。
| 贈与の相手 | 7年加算 |
|---|---|
| 相続人(配偶者・子など) | 対象 |
| 遺言で財産を受け取る人 | 対象 |
| 財産を相続しない孫 | 対象外 |
| 子の配偶者(相続人でない場合) | 対象外 |
表の見方:財産を相続しない孫への贈与は7年加算の対象外です。加算を避けつつ財産を移したい場合に有効です。
7年加算により、「亡くなる直前に慌てて贈与する」対策は効きにくくなりました。相続人への贈与は、早く始めないと加算で戻されてしまうためです。
この改正で、贈与を選ぶなら「早く・計画的に」がこれまで以上に重要になりました。逆に、高齢で時間がない場合は、相続を軸に考えるほうが現実的です。
たとえば80歳で贈与を始めて87歳で亡くなると、相続人への贈与はすべて加算対象になり得ます。開始年齢が損得を大きく左右します。
また、加算されない孫への贈与や、相続財産に加算されない相続時精算課税の年110万円枠を活用する方法も、選択肢として重要度が増しています。
重要ポイント:7年加算により贈与は「早く・計画的に」が必須になりました。時間がなければ相続や孫贈与も検討します。
相続時精算課税は、60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で、累計2,500万円まで贈与税がかからない制度です。2024年から年110万円の基礎控除も新設されました。
この年110万円分は、暦年課税と違って相続財産に加算されません。高齢で贈与期間が短い場合でも、確実に財産を移せる点が利点です。
ただし精算課税を選ぶと暦年課税に戻せません。相続と贈与の選択に加えて、贈与の方式選びも慎重に判断する必要があります。
大きな財産を早く移したいなら精算課税、少額を長く続けるなら暦年課税が基本の使い分けです。迷ったら税理士に試算を依頼しましょう。
注意:相続時精算課税は一度選ぶと暦年課税に戻せません。選択は慎重に、専門家と相談して決めてください。

相続と贈与は「どちらか一方」ではなく、組み合わせて使うのが実際には最も効果的です。両者の長所を活かすことで、税負担を最小限にできます。
ここでは、相続と贈与を組み合わせる基本的な考え方を解説します。
相続税がかかる家庭では、生前に贈与で財産を計画的に減らし、残りを相続で引き継ぐのが基本の組み合わせです。贈与で課税遺産を減らせば、相続税も軽くなります。
たとえば財産が多い家庭が、毎年110万円ずつ複数人に贈与しつつ、自宅は小規模宅地等の特例が使える相続で引き継ぐ、という組み合わせが有効です。
贈与と相続のそれぞれが得意な部分を活かすことで、単独で使うより大きな節税ができます。
重要ポイント:贈与で財産を減らし、特例が使える自宅は相続で引き継ぐのが基本の組み合わせです。
財産の種類によって、贈与と相続を使い分けるのも有効です。それぞれの財産に適した渡し方を選ぶことで、全体の税負担を抑えられます。
使い分けの軸は「特例が使えるか」と「時間の経過で価値が変わるか」の2つです。この2軸で財産を仕分けると、渡し方が自然に決まります。
| 財産の種類 | 向いている渡し方 |
|---|---|
| 現金(少額ずつ) | 贈与(110万円枠を活用) |
| 自宅の土地 | 相続(小規模宅地等の特例) |
| 収益・値上がり物件 | 贈与(早めに移す) |
表の見方:財産ごとに適した渡し方は異なります。現金は贈与、特例が使える自宅は相続と使い分けるのが効果的です。
相続と贈与に加えて、生命保険を組み合わせるとさらに効果的です。生命保険には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。
現金を生命保険に換えるだけで非課税枠を確保でき、贈与のような加算リスクもありません。相続・贈与・生命保険の3つを組み合わせるのが、総合的な相続対策の基本です。
非課税枠は相続人3人なら1,500万円です。保険金は受取人を指定でき、遺産分割の対象外になる利点もあります。
どう組み合わせるのが最適かは、財産構成や家族構成で変わります。全体最適で考えることが、税負担を最小にするコツです。
重要ポイント:相続・贈与・生命保険を組み合わせて全体最適で考えるのが、税負担を最小にする基本です。
相続・贈与・生命保険をどう組み合わせるか、財産1億円・妻と子2人の家庭を例に、時期ごとの動きを見てみましょう。
【60代〜】暦年贈与を開始
子2人へ年110万円ずつの贈与を開始。贈与契約書と振込記録を毎年残し、非課税で財産を移していきます。
【70代〜】生命保険で非課税枠を確保
現金1,500万円を一時払い終身保険に換え、「500万円×法定相続人3人」の非課税枠を確保します。
【相続発生時】自宅は特例で減額
自宅の土地は同居する子が相続し、小規模宅地等の特例で評価額を80%減額。残りの財産を分割します。
このように時期ごとに手段を使い分けることで、単独の対策より大きな節税ができます。組み合わせの設計は、税理士と相談しながら進めるのが確実です。
重要ポイント:「早めの贈与+生命保険+自宅は相続」の組み合わせが、1億円規模の家庭の代表的なモデルです。

相続と贈与のどちらを選ぶか、どう組み合わせるかは、多くの要素が絡む複雑な判断です。自分だけで決めると、最適な選択を見逃すこともあります。
ここでは、自分で判断する場合と税理士に相談する場合の違いを解説します。
相続と贈与の選択は、財産規模・家族構成・渡す期間・財産の種類・7年加算など、多くの要素を総合的に考える必要があります。一つの要素だけで判断すると、かえって損をすることがあります。
特に、相続税と贈与税のどちらが得かの損得分岐点は、個々の家庭で異なります。税率・控除・特例を正確に計算しないと、最適な選択はできません。
また、2024年改正で制度が複雑化し、暦年課税と相続時精算課税の選択も加わりました。自己判断のハードルは以前より高くなっています。
インターネットの一般論は、あなたの家庭の事情までは考慮していません。個別の試算があってはじめて、正しい判断ができます。
重要ポイント:相続と贈与の選択は多くの要素が絡み、自己判断は難しい領域です。損得分岐点は家庭ごとに異なります。
相続に強い税理士に相談すれば、財産と家族構成を踏まえて、相続と贈与の最適な組み合わせを試算してもらえます。複数のシナリオを比較できる点が大きな利点です。
税理士は、特例の適用可否や損得分岐点を正確に判断できます。自分では気づかない節税の選択肢を提示してもらえることもあります。
贈与契約書の作成や申告まで含めてサポートを受けられるため、名義預金と判断されるリスクも避けられます。実行面の安心感も違います。
| 項目 | 自分で判断 | 税理士に相談 |
|---|---|---|
| 損得分岐点の判断 | 計算が難しい | 正確に試算できる |
| 特例の活用 | 見逃しやすい | 使える特例をすべて提案 |
| 結果 | 最適解を逃すリスク | 税負担を最小化 |
重要ポイント:税理士に相談すれば損得分岐点を正確に試算し、最適な組み合わせを提案してもらえます。
相続と贈与の相談は、早いほど選択肢が広がります。贈与は時間をかけるほど効果が出るため、元気なうちに相談を始めるのが理想です。
相続が発生してから慌てて相談すると、贈与という選択肢はもう使えません。生前の早い段階で相談し、相続と贈与を組み合わせた計画を立てておくことが重要です。
目安として、退職や相続財産の取得など、資産が大きく動いたタイミングが相談の好機です。健康上の不安が出る前に動きましょう。
重要ポイント:相談は元気なうちに早く始めるほど、贈与を含めた選択肢が広がります。
税理士への相談を有意義にするため、事前に3つのものを準備しておきましょう。準備があるほど、具体的な試算をしてもらえます。
【準備1】財産の一覧メモ
預金・不動産・株式・保険などの種類と概算額を書き出します。固定資産税の課税明細書があると便利です。
【準備2】家族構成のメモ
配偶者・子・孫の人数と年齢を整理します。法定相続人の数で基礎控除や税額が変わるためです。
【準備3】希望の整理
「誰に何を渡したいか」「いつまでに渡したいか」の希望をまとめます。希望が明確なほど提案の精度が上がります。
重要ポイント:準備が整っているほど初回相談から具体的な試算をしてもらえます。概算でよいのでまとめておきましょう。

相続と贈与のどちらを選ぶか、どう組み合わせるかは、税理士の提案力によって結果が大きく変わります。この判断は経験によって差が出ます。
だからこそ、1社だけに相談するのではなく、複数の税理士から提案と見積りを取り寄せて比較することが重要です。ここでは一括相談・見積りの必要性とメリット、手順を解説します。
相続と贈与の最適な組み合わせは、財産構成や家族構成によって一人ひとり異なります。相続に強い税理士は、複数のシナリオを試算して最も有利な組み合わせを提示できます。
一方、相続の経験が浅い税理士は、単純な比較にとどまり、損得分岐点や特例の活用まで踏み込めないことがあります。
たとえば同じ家庭でも、A税理士は「相続で渡すのが無難」とだけ助言し、B税理士は贈与と相続を組み合わせて数百万円の節税を実現する、といった差が出ます。
複数の税理士に一括で相談すれば、相続と贈与の両面に強い税理士を比較して選べます。判定のポイントは次の4つです。
判定ポイント1:損得分岐点の試算力
相続と贈与のどちらが得かを、具体的な数字で試算できるか。試算の精度が高い税理士ほど信頼できます。
判定ポイント2:組み合わせの提案力
相続・贈与・生命保険を組み合わせた総合的な提案ができるか。
判定ポイント3:2024年改正への対応力
7年加算・精算課税110万円を踏まえた提案ができるか。
判定ポイント4:特例活用の実績
小規模宅地等の特例など、相続でしか使えない制度の活用実績があるか。
1社だけに相談すると、その税理士の提案が最適かどうかを判断できません。経験の浅い税理士に当たると、損得分岐点を正確に計算できず、最適な選択を逃します。
たとえば本当は贈与と相続を組み合わせれば節税できたのに、相続一択の助言を受けて、数百万円の節税機会を逃すこともあります。
相続と贈与の選択は、一度実行すると後戻りが難しいものもあります。複数の税理士の提案を比較することで、後悔のない選択ができます。
遺産規模別に、税理士報酬の差と、相続・贈与の最適化で得られる節税効果を試算しました。報酬の安さだけでなく、提案力を含めた総合判断が重要です。
| 遺産規模 | 報酬の幅(最安〜最高) | 提案力による節税効果の差 |
|---|---|---|
| 5,000万円 | 20万〜40万円 | 約150万円 |
| 1億円 | 40万〜80万円 | 約400万円 |
| 2億円 | 70万〜130万円 | 約800万円 |
表の見方:遺産規模が大きいほど、税理士の提案力による節税効果の差が拡大します。報酬差より節税効果の差のほうが大きいのが実情です。
計算ロジック:【前提】相続・贈与の最適化を含む相続対策全体での試算。報酬差は数十万円ですが、組み合わせの巧拙による節税効果の差は数百万円に及びます。
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重要ポイント:相続と贈与の選択は早く相談するほど選択肢が広がります。贈与を含めるなら早めが有利です。
重要ポイント:初回相談では相続と贈与の損得を具体的に試算できるかを必ず確認してください。
重要ポイント:見積りは報酬の安さではなく「節税効果−報酬」の実質メリットで比較してください。
財産規模・渡す期間・相手の人数によって変わります。一度に多額を渡すなら税率の低い相続が有利ですが、長期間かけて複数人に少しずつ渡すなら贈与が有利です。財産が基礎控除以下で相続税がかからない家庭は、相続が得です。
どちらも最高55%の累進課税ですが、同じ税率に達する金額が異なります。贈与税は少額でも税率が高く上がり、一度に多額を渡すと相続税より高くなります。ただし贈与は年110万円の非課税枠を毎年使える点が強みです。
2024年1月以降、相続人が相続開始前7年以内(経過措置あり)に受けた贈与は、相続財産に加算されます。従来の3年から延長されたため、贈与を選ぶなら早く始めることが重要になりました。
自宅の土地は、相続で引き継ぐほうが有利なことが多いです。相続なら小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減額できますが、生前贈与するとこの特例が使えなくなるためです。
組み合わせるのが最も効果的です。現金は贈与で少しずつ減らし、特例が使える自宅は相続で引き継ぐ、といった使い分けができます。生命保険の非課税枠も加えると、さらに税負担を抑えられます。
相続と贈与の違いの基本
選ぶときの注意点
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年7月時点の法令・税率に基づいて作成しています。相続税法・贈与税の改正により取り扱いが変わる場合があります。最新の制度や個別の判断については、国税庁の情報や相続に強い税理士に必ずご確認ください。