相続税の追徴課税とは、相続税の納期限内に納付がなされなかった場合や、税務署に申告した相続税が実際よりも少なかったことが発覚した場合などに追加で払う税金のことです。
「罰金」といっても過言ではなく、極力こういった出費は避けられるものなら避けたいものです。
本記事では、そんな追徴課税について紹介していきます。
もしご自身だけで判断できそうにない場合は税理士に相談することも検討した方がよいでしょう。
*本記事の専門家による監修日は2023年6月28日です。
追徴課税という4つのペナルティと税率

追徴課税は、申告漏れや脱税など、不正確な申告に対する行政制裁であると捉えておきましょう。
この追徴課税の「延滞税」「過少申告加算税」「無申告加算税」「重加算税」の4つについてここでは解説していきます。
延滞税
相続税の納付期限(被相続人の死亡を知った日から10ヵ月以内)までに税金の納付がなされなかった場合に発生する税金です。
実際に払う金額は、追加納付税に追徴課税とこの延滞税をプラスした金額ということになります。
- 納期限の翌日から2か月以内に納付した場合:「年7.3%」と「前年の11月30日の公定歩合+4%」のいずれか低い方
- 納期限から2か月を超えた場合:年14.6%
過少申告加算税
申告期限内に提出された申告書の金額が不足していた場合に課される追徴課税です。
誤りに気づいたら、早めの修正申告をおこなうことで、加算されないこともあります。
- 法定期限までに相続税の申告書を提出し、その申告書の税額が過少であった場合、自主的に修正申告をするとき:なし
- 法定期限までに相続税の申告書を提出し、その申告書の税額が過少であった場合、税務署に指摘されて修正申告をするとき:10%
- その税額が期限内申告税額と50万円のいずれか大きい金額を超えるときの超える部分:15%
- 法定期限までに相続税の申告書を提出し、その申告書の税額が過少であった場合、税務調査の事前通知を受けてから税務調査を受ける前に修正申告をするとき(かつ、調査による更正を予知してされたものでない場合):5%
- その税額が期限内申告税額と50万円のいずれか大きい金額を超えるときの超える部分:10%
無申告加算税
正当な理由なく申告期限までに申告しなかった場合に課される税金です。
- 法定申告期限までに申告せず、自主的に期限後申告するとき:5%
- 法定申告期限まで申告せず、税務調査により期限後申告するとき:納税額のうち50万円までの部分→15%、納税額のうち50万円を超える部分→20%
重加算税
課税対象の財産を悪意を持って隠したりした場合は、重加算税が発生します。
- 申告書を提出した場合で、財産を隠蔽又は事実を仮装していたとき:35%
- 申告書を提出しなかった場合で、財産を隠蔽又は事実を仮装していたとき:40%
多くのケースでは税務調査の際に追徴課税が発覚する
多くの場合、税務調査にて追徴課税が発覚していますが、これは申告時の相続税の金額と調査後の実際の相続税に相違があるためです。
ここではこの税務調査について、詳しく見ていきましょう。
税務調査は拒否できない
通常の税務調査は全て任意調査になります。
しかし、これに応じなかったり妨害したりすると、罰が課せられます。
調査官が質問や検査をおこなっているにもかかわらず、その質問に対して答えなかったり、検査の拒否・妨害をおこなったりした場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
税務調査には強制捜査と任意捜査がある
相続税の調査は以下のように区分しておこなわれます。
①強制捜査
捜査令状のもとに国税局査察部の査察官がおこなう調査です。
②任意捜査(反面調査)
原則として申告内容についての確認といわれる通常の調査で、事前に予定日等が通知されてからおこなわれるものです。
追徴課税が払えない時にすべき行動

いかなる理由があっても、追徴課税は国の税金になるので必ず支払わなければなりません。
いつまでも支払いをおこなわないと、税務署に強制執行されることもあります。
財産の差し押さえがおこなわれる可能性がありますので、強制執行になる前に支払いを完了することが重要です。
ここでは、支払いが困難な人でも支払いが可能になる手段を2つまとめました。
お金を借りて払う
前述したように、「納税は国民の義務」になるので、たとえ手元に支払えるだけのお金がなかったとしても、何としてでも支払わないといけません。
その為には、カードローンなどを利用して支払うのも1つの手段です。
担保保証人不要でお金を借りることが出来ます。
ただし、「即融資」「ブラックでもOK」といった謳い文句で営業している業者は、法外な金利での営業をおこなう闇金である可能性が高いので、くれぐれも注意が必要です。
納税猶予の制度が活用可能な場合もある
以下の条件に該当する人のみ、追徴課税を納付するにあたり、1年間の猶予が与えられます。
法定納期限よりも1年以上遅延している
税額が確定した日が本来の法廷納期限よりも1年以上遅れていることが1つの条件になります。
なお、法定納期限から1年未満の遅延にあたる部分は、猶予してもらうことはできません。
「納税の猶予申請書」を提出している
「納税の猶予申請書」を追徴課税の納期限までに提出していることが条件になります。
猶予された場合は分納が認められ、猶予期間中の延滞税は2分の1が免除されます。
また、この猶予期間中でも支払いきれない場合は2年までの猶予延長が可能です。
まとめ
相続税の申告は期限やルールを守り速やかにおこないましょう。
また、誤りが見つかり修正が必要になった場合にも、速やかに修正をおこない、加算税・延滞税を最小限に抑えましょう。
税金大国である日本は、企業から個人まで取りこぼしのないように税金という名目で課税していきます。
たとえ追徴課税が払えないとしても、再び延滞税に発展してしまうとさらに支払いが困難になり悪循環となりますので、必ず早急に支払うようにしましょう。



