法人税は原則として、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に申告・納付します。3月決算の法人であれば5月31日が納付期限です。
また、前期の法人税額が20万円超の法人は、事業年度の途中で「中間納付」も必要になるため、法人税の支払いは年に最大2回発生します。3月決算法人であれば5月(確定)と11月(中間)の2回です。
本記事では、法人税の確定申告と中間納付の時期、決算月別の納付スケジュール一覧表、設立1年目の法人が初めて法人税を払うタイミング、納税資金の準備額の目安、法人税以外の税金も含めた年間納税カレンダーまで網羅的に解説します。
この記事の要点
- 法人税の納付は年に最大2回:確定申告(決算日の翌日から2ヶ月以内)+中間納付(事業年度開始から8ヶ月以内)
- 設立1年目は中間申告不要。初めての法人税は最初の決算日の翌日から2ヶ月以内に納付
- 納税資金は決算の2ヶ月後に所得の約30%が必要。決算前から計画的に資金を確保すべき
法人税はいつ払う?|結論:決算日の翌日から2ヶ月以内

確定申告の納付期限:事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内
法人税の確定申告書は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に所轄の税務署に提出し、同じ期限までに法人税を納付しなければなりません(参照:国税庁|申告と納税)。
3月31日が決算日の法人であれば、翌日の4月1日から起算して2ヶ月後の5月31日が納付期限です。
中間納付の期限:事業年度開始から6ヶ月経過後2ヶ月以内
前事業年度の法人税額が20万円超の法人は、事業年度の途中で中間申告・中間納付を行う義務があります。
中間申告の期限は、事業年度開始の日から6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内です。3月決算法人であれば、中間期間は4月1日〜9月30日、中間納付の期限は11月30日です。
法人税の支払いは年に最大2回(確定+中間)
法人税の支払いは、確定申告分(決算後2ヶ月以内)と中間申告分(事業年度開始8ヶ月以内)の年に最大2回です。
前期法人税額が20万円以下の法人や設立1年目の法人は中間申告が不要なため、年1回(確定申告分のみ)の支払いとなります。
期限の最終日が土日祝日の場合は翌開庁日
納付期限の最終日が土曜日・日曜日・祝日などの税務署の閉庁日に当たる場合は、その翌日(休み明けの最初の開庁日)が期限となります。
【決算月別一覧表】法人税の確定申告・中間納付の期限(全12パターン)
決算月別の確定申告・中間納付の納付期限一覧表
| 決算月 | 確定申告の納付期限 | 中間納付の期限 |
|---|---|---|
| 1月決算 | 3月31日 | 9月30日 |
| 2月決算 | 4月30日 | 10月31日 |
| 3月決算 | 5月31日 | 11月30日 |
| 4月決算 | 6月30日 | 12月31日 |
| 5月決算 | 7月31日 | 1月31日 |
| 6月決算 | 8月31日 | 2月28日 |
| 7月決算 | 9月30日 | 3月31日 |
| 8月決算 | 10月31日 | 4月30日 |
| 9月決算 | 11月30日 | 5月31日 |
| 10月決算 | 12月31日 | 6月30日 |
| 11月決算 | 1月31日 | 7月31日 |
| 12月決算 | 2月28日 | 8月31日 |
※期限の最終日が土日祝日の場合はその翌開庁日。中間納付は前期法人税額20万円超の法人のみ。
日本で多い決算月は3月・9月・12月
日本の法人で最も多い決算月は3月(全法人の約2割)で、次いで9月と12月が多くなっています。決算月は定款で自由に設定・変更できるため、繁忙期や資金繰りを考慮して選択することが可能です。
3月決算法人の年間納税カレンダー|法人税以外の税金も含めた全体像

【年間カレンダー】3月決算法人が1年間に払う税金と時期
| 時期 | 納付する税金 | 備考 |
|---|---|---|
| 毎月10日 | 源泉所得税 | 前月分の給与・報酬から天引きした分を納付。納期の特例(従業員9人以下)なら年2回 |
| 4月末 | 固定資産税(第1期) | 自治体により異なる。東京都は6月・9月・12月・2月 |
| 5月31日 | 法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税・消費税 | 確定申告の納付期限(最大の納税月) |
| 7月10日 | 源泉所得税(特例:上半期分) | 納期の特例を利用している場合の上半期分 |
| 7月末 | 固定資産税(第2期) | 自治体による |
| 11月30日 | 法人税(中間納付)・消費税(中間納付) | 前期法人税額20万円超の場合 |
| 12月末 | 固定資産税(第3期) | 自治体による |
| 翌年1月20日 | 源泉所得税(特例:下半期分) | 納期の特例を利用している場合の下半期分 |
| 2月末 | 固定資産税(第4期) | 自治体による |
法人税の確定申告・中間納付のタイミング
3月決算法人の場合、法人税の確定申告は5月31日、中間納付は11月30日が期限です。
確定申告では1年間の所得に基づく法人税の全額(中間納付済みの場合はその差額)を納付し、中間納付では前期の法人税額の半額(予定申告の場合)を前払いします。
消費税の確定申告・中間納付のタイミング
消費税の確定申告は法人税と同じ5月31日が期限です。中間申告は前期の消費税額に応じて年1回(48万円超)、年3回(400万円超)、年11回(4,800万円超)と頻度が変わります。
法人住民税・法人事業税の納付タイミング
法人住民税・法人事業税も法人税と同じ5月31日が確定申告の納付期限です。納付先は法人税(税務署)とは異なり、法人住民税は都道府県・市区町村、法人事業税は都道府県に納付します。
源泉所得税の納付タイミング(毎月10日 or 年2回の特例)
給与や報酬から天引きした源泉所得税は、原則として翌月10日までに納付します。従業員9人以下の法人は「納期の特例」を申請することで、年2回(7月10日と翌年1月20日)にまとめて納付できます。
固定資産税の納付タイミング(年4回)
固定資産税は法人・個人に共通の地方税で、自治体が定めた年4回の納期に分けて納付します。東京都23区の場合は6月・9月・12月・2月です。
中間納付の仕組み|対象法人・計算方法・予定申告vs仮決算

中間納付が必要な法人(前期の法人税額20万円超)
前事業年度の確定法人税額が20万円超の法人は、中間申告・中間納付が必要です(参照:国税庁|No.5765 法人税の確定申告)。前期法人税額が20万円以下の法人や設立1年目の法人は中間申告不要です。
予定申告の計算方法(前期の法人税額÷12×6)
予定申告は、前期の法人税額を12で割って6を掛けた金額(=前期法人税額の半額)を中間納付額とする方法です。計算がシンプルで、多くの法人がこの方法を選択しています。
仮決算の計算方法(6ヶ月間の実績で申告)
仮決算は、事業年度開始から6ヶ月間の実績に基づいて中間決算を行い、その結果で中間納付額を計算する方法です。前期に比べて業績が大幅に悪化している場合は、仮決算の方が中間納付額を抑えられます。
予定申告と仮決算の選び方
前期と同程度の業績なら→予定申告(計算がシンプルで手間が少ない)。
前期に比べて業績が大幅に悪化しているなら→仮決算(実績に基づく計算で中間納付額を抑えられる)。どちらを選ぶかは法人が自由に決められます。
設立1年目の法人は法人税をいつ払う?
初めての法人税は最初の決算日の翌日から2ヶ月以内
設立1年目の法人が初めて法人税を払うのは、最初の決算日の翌日から2ヶ月以内です。
たとえば2026年4月1日に設立し、決算月を3月に設定した場合、最初の決算日は2027年3月31日、初めての法人税の納付期限は2027年5月31日です。
設立1年目は中間申告が不要
中間申告は「前事業年度の法人税額」が20万円超の場合に必要ですが、設立1年目は前事業年度が存在しないため、中間申告は不要です。設立1年目は確定申告の1回のみ法人税を納付します。
事業年度が1年未満になるケースの注意点
設立月と決算月の関係によっては、最初の事業年度が1年未満になるケースがあります。
たとえば2026年10月1日に設立し、決算月を3月にした場合、最初の事業年度は2026年10月1日〜2027年3月31日の6ヶ月間です。
この場合も納付期限は決算日の翌日から2ヶ月以内(2027年5月31日)で変わりません。
設立1年目に赤字の場合でも確定申告は必要
設立1年目は投資が先行して赤字になりやすい傾向がありますが、赤字でも確定申告は必ず行ってください。
赤字の欠損金を翌期以降に繰り越して将来の黒字と相殺するには、赤字の年に青色申告書を提出し、その後も連続して確定申告を行うことが要件です。
申告期限の延長と納付期限の関係|延長しても納付は先に必要
延長の特例で申告期限を1ヶ月延長できる
定款に「定時株主総会は事業年度終了後3ヶ月以内に招集する」旨の定めがある法人は、「申告期限の延長の特例」の申請により申告期限を1ヶ月延長できます。
3月決算法人の場合、申告期限は5月31日から6月30日に延長されます。
延長しても「納付期限」は変わらない(見込納付が必要)
延長されるのは申告期限のみであり、納付期限は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内のままです。
3月決算法人の場合、申告期限は6月30日に延長されますが、納付は5月31日までに済ませる必要があります。納付が遅れると利子税(年0.9%)が課されるため、通常は本来の納付期限までに「見込納付」を行います。
延長した場合のタイムライン(3月決算法人の例)
| 時期 | 通常(延長なし) | 延長の特例適用時 |
|---|---|---|
| 3月31日 | 決算日(事業年度終了) | |
| 5月31日 | 申告期限+納付期限 | 納付期限のみ(見込納付) |
| 6月中 | — | 株主総会・決算確定 |
| 6月30日 | — | 申告期限(延長後)+見込納付との差額精算 |
納税資金はいつまでにいくら用意すべきか?

実効税率約30%で概算する方法
法人が納める税金(法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税・消費税を除く)の合計は、実効税率に換算すると約30〜34%です。大まかな目安として、課税所得の約30%を納税資金として準備しておけば安心です。
【目安表】所得別の納税資金準備額
| 課税所得 | 納税資金の目安(約30%) | 確定申告の納付額(中間納付がない場合) |
|---|---|---|
| 300万円 | 約90万円 | 約90万円 |
| 500万円 | 約150万円 | 約150万円 |
| 800万円 | 約240万円 | 約240万円 |
| 1,000万円 | 約300万円 | 約300万円 |
| 3,000万円 | 約900万円 | 約900万円 |
※上記は法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税の合計概算。消費税は別途準備が必要。中間納付済みの場合は差額のみ。
決算の3ヶ月前から納税資金を確保しておくのが理想
法人税の納付期限は決算日から2ヶ月後ですが、決算日を迎えてから慌てて資金を準備するのでは間に合わないケースがあります。
決算の3ヶ月前(=納付期限の5ヶ月前)から、月次の損益を確認して納税額の概算を行い、計画的に資金を確保しておくのが理想です。
法人税vs個人の所得税|支払時期の違い

個人の確定申告は3月15日(固定)、法人は決算月+2ヶ月(変動)
| 項目 | 法人税 | 個人の所得税 |
|---|---|---|
| 課税期間 | 事業年度(定款で自由に設定) | 暦年(1月1日〜12月31日) |
| 申告・納付期限 | 事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内(決算月による) | 翌年3月15日(固定) |
| 中間納付 | 前期法人税額20万円超で年1回 | 予定納税(前年所得税額15万円以上で年2回:7月・11月) |
| 延長の可否 | 申告期限のみ1ヶ月延長可 | 原則延長不可 |
法人成りした場合に注意すべき支払時期の違い
個人事業主から法人成りした場合、それまでの「3月15日に確定申告」という感覚が通用しません。
法人の決算月を3月に設定すれば5月31日が期限、12月に設定すれば2月28日が期限と、決算月によって納付時期が変わる点に注意が必要です。
また、法人は住民税の均等割(最低年間約7万円)が赤字でも発生するため、個人時代にはなかった固定コストが加わります。
納付が遅れた場合のペナルティ
延滞税:年2.4%〜8.7%(2025年)
納付期限を過ぎて法人税を納付した場合、法定納期限の翌日から実際の納付日までの期間に延滞税が課されます。
2025年の税率は、納期限の翌日から2ヶ月以内は年2.4%、2ヶ月を超えた部分は年8.7%です。
無申告加算税:5〜20%
申告期限までに申告しなかった場合、無申告加算税が課されます。税務署の指摘前に自主的に申告すれば5%、指摘後は15〜20%です(参照:国税庁|No.2024 確定申告を忘れた場合)。
遅れに気づいたら1日でも早く自主的に申告することが重要です。
青色申告の取消しリスク(2期連続の期限後申告)
2期連続で期限内に申告しなかった場合、青色申告の承認が取り消されます。
青色申告が取り消されると、欠損金の繰越控除や少額減価償却資産の特例など多くの税制メリットを失います。取消し後1年間は再申請もできません。
法人税の主な納付方法
ダイレクト納付(手数料無料・自動引落し)
e-Taxで事前に届出を行えば、指定した銀行口座から自動引落しで納付できます。手数料無料・24時間対応・上限額なしで、最もコスト効率のよい納付方法です。
インターネットバンキング(ペイジー)
e-Taxで納付情報を登録し、インターネットバンキングから振込む方法です。手数料無料で24時間利用可能です。
クレジットカード納付(手数料あり・ポイント還元)
「国税クレジットカードお支払サイト」からカードで納付できます。
手数料(10,000円ごとに99円=約0.99%)がかかりますが、ポイント還元率1.0%以上のカードなら手数料をポイントで相殺できます。1回1,000万円未満が上限です。
窓口納付・コンビニ納付・スマホアプリ納付
窓口納付は金融機関または税務署に現金と納付書を持参する方法で、領収証書が発行されます。コンビニ納付とスマホアプリ納付は30万円以下の場合に利用可能で、手数料無料です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 法人税はいつ払いますか?
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に納付します。3月決算の法人であれば5月31日が期限です。
前期法人税額が20万円超の法人は、事業年度開始から6ヶ月経過後2ヶ月以内に中間納付も必要です(3月決算なら11月30日)。
Q2. 法人税の中間納付はいつですか?
事業年度開始から6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内です。3月決算法人であれば11月30日が期限です。前期法人税額が20万円以下の法人や設立1年目の法人は中間納付不要です。
Q3. 設立1年目の法人は法人税をいつ払いますか?
最初の決算日の翌日から2ヶ月以内に初めての法人税を納付します。
設立1年目は中間申告が不要のため、年1回の確定申告のみです。赤字でも確定申告は必ず行ってください(欠損金の繰越控除に必要)。
Q4. 法人税の納付期限を延長できますか?
「申告期限」は延長の特例により1ヶ月延長できますが、「納付期限」は延長されません。
3月決算法人の場合、申告期限は6月30日に延長できますが、納付は5月31日までに見込納付で済ませる必要があります。納付が遅れると利子税(年0.9%)が課されます。
Q5. 法人税の納税資金はいくら用意すべきですか?
大まかな目安として、課税所得の約30%を準備してください。所得500万円なら約150万円、1,000万円なら約300万円が目安です。
決算の3ヶ月前から月次の損益を確認し、計画的に資金を確保するのが理想です。
まとめ|法人税は「決算日の翌日から2ヶ月以内」が原則。決算前から納税資金を計画的に準備する
法人税の支払いは年に最大2回(確定申告+中間納付)発生します。設立1年目は確定申告の1回のみですが、2年目以降は前期の法人税額に応じて中間納付も加わります。
最後に、法人税の支払いに関するポイントを整理します。
1. 自社の決算月から納付期限を正確に把握する
本記事の決算月別一覧表で確定申告と中間納付の期限を確認してください。法人税だけでなく、消費税・住民税・事業税・源泉所得税も同時期に納付が集中するため、年間カレンダーで全体像を把握することが重要です。
2. 決算の3ヶ月前から納税資金を計画的に確保する
課税所得の約30%が納税資金の目安です。月次決算で損益を把握し、決算前から計画的に資金を確保してください。「決算後に慌てて資金調達」では間に合わないケースがあります。
3. 納付期限は絶対に守る。遅れそうなら「まず納付」を先に
申告書の作成が間に合わない場合でも、概算額で先に納付を済ませておけば延滞税を最小限に抑えられます。期限後申告が2期連続になると青色申告が取り消されるため、納付期限の管理は最優先事項です。
※本記事の情報は2026年3月時点のものです。税制は改正される可能性があるため、具体的な納付手続きにあたっては最新の情報を確認し、税理士にご相談ください。



