


親が経営していた会社に土地を貸していた場合、その土地の評価を400平方メートルまで80%下げられます。
小規模宅地等の特例のうち、特定同族会社事業用宅地等と呼ばれる枠です。自宅の枠とは別に使えます。
使えるのは6つの要件をすべて満たしたときだけです。1つでも欠けると適用できません。
見落とされやすいのが賃料です。無償や格安で貸していると、それだけで使えなくなります。
効果は大きく、遺産1億5,000万円で子2人なら相続税が1,840万円から560万円になります。
自宅の枠と合わせれば合計730平方メートルまで使えます。この例では200万円まで下がります。
この記事では、制度の位置づけ、6つの要件、相当の対価の決め方、ケース別の判定、他の枠との選び方、申告後の対応までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

小規模宅地等の特例は、亡くなった人が使っていた土地の評価を下げる制度です。土地の使い方に応じて4つの枠があり、それぞれ限度面積と減額割合が違います。
このうち、亡くなった人が同族会社に貸していて、その会社が事業に使っていた土地の枠が特定同族会社事業用宅地等です。自分で事業に使っていた場合と同じ400平方メートル・80%が適用されます。
この章では、4つの枠の中での位置づけと、自分で事業をしていた場合との違いを押さえます。個々の要件は次の章から順に見ていきます。
どの枠に当たるかは、亡くなった直前にその土地がどう使われていたかで決まります。4つを並べると次のとおりです。
| 土地の使い方 | 枠の名前 | 限度面積 | 減額割合 |
|---|---|---|---|
| 自分で事業に使っていた(貸付業を除く) | 特定事業用宅地等 | 400平方メートル | 80% |
| 同族会社に貸し、会社が事業に使っていた | 特定同族会社事業用宅地等 | 400平方メートル | 80% |
| 自宅として住んでいた | 特定居住用宅地等 | 330平方メートル | 80% |
| 人に貸していた(駐車場業などを含む) | 貸付事業用宅地等 | 200平方メートル | 50% |
表の見方:限度面積と減額割合がもっとも有利なのは上2つです。同じ400平方メートル・80%でも、自分で事業をしていたか会社に貸していたかで枠の名前が変わります。
重要ポイント:同族会社に貸していても、会社の事業が不動産の貸付業なら対象外です。その場合は下段の貸付事業用宅地等になり、200平方メートル・50%まで下がります。
参照元:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
4つの枠の全体像と選び方は、下記の記事で解説しています。

自分で事業に使っていた土地の枠は、下記の記事で解説しています。

同じ400平方メートル・80%でも、自分で事業をしていた場合とは要件が違います。違いが3つあります。
もう1つ、有利な違いがあります。自分で事業をしていた場合は亡くなる前3年以内に始めた事業の土地が原則として対象外ですが、この枠にはその制限がありません。
会社を設立して土地を貸し始めたのが直近であっても、要件を満たせば使えます。この点に触れている解説は多くありません。
前提として、その土地の上に建物または構築物がある必要があります。更地のまま会社に貸していた場合は対象になりません。
青空駐車場のようにアスファルト舗装もしていない土地は、構築物がないため特例そのものが使えません。これは4つの枠すべてに共通する前提です。
建物を誰が所有しているかは問われません。亡くなった人が所有していても、会社が所有していても、それぞれ判定の仕方が変わるだけで対象にはなります。

要件は6つあります。会社の状態・相続する人の立場・土地の貸し方の3方向から問われ、すべてを満たす必要があります。
国税庁の解説で「要件」として表にまとめられているのは、このうち2つだけです。残りの4つは制度の定義の中に書かれているため、解説記事によって「6つ」「7つ」と数え方が分かれます。
この章では6つを1つずつ確認します。要件ごとに判定する時点が違う点に注意してください。
判定する時点は「亡くなる直前」と「申告期限」の2つに分かれます。相続してからでも間に合うものと、生前の状態で決まってしまうものがあります。
| 要件 | 判定する時点 | 確認するもの | |
|---|---|---|---|
| ① | 会社の株の50%超を親族で持っていること | 亡くなる直前 | 株主名簿 |
| ② | 土地を相続する人が会社の役員であること | 申告期限 | 登記事項証明書・議事録 |
| ③ | 会社に相当の対価で継続的に貸していたこと | 亡くなる直前 | 賃貸借契約書・入金記録 |
| ④ | 会社の事業が不動産の貸付業でないこと | 亡くなる直前〜申告期限 | 定款・事業内容 |
| ⑤ | 土地を申告期限まで持っていること | 申告期限 | 登記 |
| ⑥ | 申告期限まで会社の事業に使われていること | 申告期限 | 賃貸借契約の継続 |
| — | 1つでも欠けたら | — | 適用できない |
表の見方:3列目が重要です。①③④は亡くなる直前の状態で決まるため、相続が起きてからでは直せません。
重要ポイント:②⑤⑥は申告期限までに整えれば足ります。役員になっていなかった場合は、申告期限までに就任すれば要件を満たせます。
亡くなる直前の時点で、亡くなった人と親族などで会社の株の50%超を持っている必要があります。亡くなった人1人で50%超である必要はありません。
数えるのは発行済株式の総数に対する割合です。ただし議決権が全部制限されている株式は分母から除きます。種類株式を発行している会社では確認が必要です。
親族の範囲は配偶者・6親等内の血族・3親等内の姻族で、これに加えて特別の関係がある者も含まれます。実務では株主名簿を見て、親族を色分けして数えます。
重要ポイント:申告期限において清算中の法人は対象外です。会社をたたむ方向で動いている場合は、清算に入る前に申告できるかを確認してください。
土地を相続する人が、申告期限の時点で会社の役員である必要があります。亡くなる前から役員である必要はありません。
役員とは法人税法が定めるもので、取締役・執行役・会計参与・監査役・理事・監事などが当たります。清算人は除かれます。
使用人兼務役員も役員に含まれます。一方で、名目上の肩書きだけで登記もされていない場合は認められない可能性があります。
重要ポイント:相続してから申告期限までに役員に就任すれば間に合います。土地を誰が相続するかを決める段階で、役員になれるかを確認してください。
会社がその土地で行っている事業が、不動産貸付業・駐車場業・自転車駐車場業などの場合は使えません。準事業も同じく除かれます。
製造業・小売業・飲食業・医業といった事業であれば対象です。会社が他人に又貸ししているだけの状態は対象外になります。
会社が複数の事業を営んでいる場合は、その土地がどの事業に使われていたかで判定します。会社全体の事業内容ではありません。
土地を相続した人は、申告期限まで所有し続ける必要があります。途中で売ると要件を満たしません。
また、申告期限まで会社がその土地を事業に使い続けている必要があります。会社が事業をやめたり、土地を返したりすると使えなくなります。
賃貸借契約も続いている必要があります。相続を機に契約を解除して無償に切り替えると、この時点で要件を欠きます。
重要ポイント:申告期限は亡くなったことを知った日の翌日から10か月です。この10か月は会社の体制も土地の使い方も動かさないのが安全です。
申告期限の数え方は、下記の記事で解説しています。


6つの要件のうち、実務でもっとも問題になるのが賃料です。同族会社との取引は身内どうしの取り決めになりがちで、無償や近隣相場より大幅に安い金額で貸している例が多くあります。
この状態だと特例は使えません。金額が少し安いという程度の話ではなく、要件そのものを満たさなくなります。
この章では、なぜ賃料が要件になるのか、いくらなら相当の対価と言えるのか、格安で貸していた場合に何ができるのかを見ていきます。
この特例は「亡くなった人が事業に使っていた土地」を対象にする制度です。同族会社に貸している土地の場合、亡くなった人がしていたのは会社への貸付けという行為になります。
そして条文は、対象になる事業に「準事業」を含めたうえで、準事業を事業と称するに至らない不動産の貸付けで、相当の対価を得て継続的に行うものと定義しています。
つまり賃料を取っていなければ、貸付けが準事業にも当たりません。その結果「亡くなった人が事業に使っていた土地」ではなくなり、特例の入口に立てなくなります。
要件の1つが欠けるという話ではなく、制度の対象そのものから外れるという構造です。ここを理解しておくと、後の判断が楽になります。
参照元:e-Gov法令検索 租税特別措置法施行令(第40条の2)
条文にも通達にも、具体的な金額や倍率は示されていません。個別の事情をふまえて判断することになります。ただし実務で使われている判断材料は決まっています。
| 判断材料 | 見るもの | 使い方 |
|---|---|---|
| 近隣の賃料相場 | 同じ地域・同程度の条件の土地や建物の賃料 | 不動産会社に査定を依頼する |
| 固定資産税など | その土地・建物にかかる年間の固定資産税と都市計画税 | 最低でもこれを上回るかを見る |
| 収支 | 賃料から必要経費を引いて利益が残るか | 赤字が続いていると事業性を否定されやすい |
| 契約の実態 | 契約書があるか・実際に入金されているか | 通帳の記録で確認する |
表の見方:上2つは金額の水準、下2つは事業として成り立っているかを見るものです。4つすべてを押さえておくと、税務署から問われたときに説明できます。
重要ポイント:固定資産税を下回る賃料は、まず認められません。税金の負担すら回収できていない状態を事業とは呼べないためです。これが実務上の最低ラインになります。
計算ロジック:近隣相場は不動産会社の査定書で示せます。固定資産税は毎年届く課税明細書でわかります。この2つを並べて、賃料がどの位置にあるかを資料として残しておくのが実務の基本です。
相当の対価かどうかが問題になったとき、判断の中心になるのは近隣相場との比較と、貸付けによって利益が出ているかどうかの2点です。
相場の半分程度しか取っていない、固定資産税と同水準しか受け取っていない、契約書はあるが実際には入金されていないといった状態は否定されやすくなります。
逆に、相場と比べて多少低くても、固定資産税を十分に上回り、契約どおり毎月入金されていて、収支が黒字であれば認められる可能性が高まります。
金額の絶対値ではなく、事業として成り立っているかという総合的な見方をされると考えてください。
現時点で無償や格安で貸している場合、相続が起きる前であれば賃料を見直せます。見直したうえで、実際に入金される状態を作ってください。
注意したいのは、要件を判定するのが亡くなる直前の状態だという点です。相続が起きてから賃料を上げても間に合いません。
また、賃料を上げれば会社の負担が増え、受け取る側には所得税がかかります。相続税が下がる金額と、毎年増える負担を並べて判断する必要があります。
重要ポイント:見直すなら契約書を作り直し、口座を通して毎月入金するところまで整えてください。金額だけ変えても、実際の入金がなければ意味がありません。

要件を読んでも、自分のケースに当てはめられないという声が多くあります。とくに建物の所有者と、土地と株を誰が相続するかで迷います。
要件を1つずつ確認するより、似たケースの結論を先に見たほうが早く判断できます。よくある8つのケースを並べます。
この章では、判定の一覧を示したうえで、間違えやすい3つのケースを詳しく見ていきます。
会社と土地と株の関係は家ごとに違います。自分の状況に近いものを探してください。
| ケース | 特例が使えるか | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| 建物を亡くなった人が所有し、会社に貸していた | 使える | 土地も建物も相当の対価で貸していれば要件を満たす |
| 建物を会社が所有し、土地だけ貸していた | 使える | 土地の貸付けが相当の対価であれば問題ない |
| 土地と株を別の相続人が相続した | 使えない | 土地を相続した人自身が役員である必要がある |
| 土地を相続した人が株を1株も持っていない | 使える | 持株は亡くなった人と親族等で50%超あればよい |
| 申告期限までに株を売った | 使える | 株の保有継続は要件になっていない |
| 会社の社宅として使われていた | 使える | 社宅は会社の事業の用に含まれる |
| 持分の定めのある医療法人に貸していた | 使える | 出資持分で50%超を判定する |
| 持分の定めのない医療法人に貸していた | 使えない | 持分がなく50%超の判定ができない |
表の見方:使えるかどうかを分けているのは、土地を相続した人が役員かどうかと、亡くなる直前に親族等で株の50%超を持っていたかの2点です。
重要ポイント:土地を相続した人自身が株を持っている必要はありません。株は亡くなった人と親族等で50%超あれば足ります。ここを誤解して適用を諦める例があります。
土地は亡くなった人のもので、建物は会社が建てたという形は同族会社ではよくあります。この場合も特例は使えます。
判定するのは土地の貸し方です。会社から相当の対価を得て土地を貸していれば要件を満たします。建物を誰が所有しているかは問われません。
注意したいのは賃料の水準です。建物が会社のものである場合、土地だけの賃料になるため金額は建物込みより低くなります。
その場合でも、近隣の土地の賃料相場と比べて妥当な水準かどうかで判断されます。固定資産税を下回っていないかを必ず確認してください。
重要ポイント:建物が会社所有の場合、借地権が発生しているかどうかで土地の評価そのものが変わります。無償返還の届出を出しているかを確認してください。特例の前に評価の話になります。
借地権がある場合の土地の評価は、下記の記事で解説しています。

後継者である長男が株を、次男が土地を相続するという分け方は珍しくありません。この場合は注意が要ります。
特例を使えるのは土地を相続した人です。その人自身が申告期限に会社の役員である必要があります。株を持っているかどうかは関係ありません。
次男が役員でない場合、土地に特例を使えません。対処は2つで、次男を申告期限までに役員にするか、土地を役員である長男が相続するように分け方を変えるかです。
重要ポイント:分け方を決める前に、誰が役員かを確認してください。この記事の例では、土地に特例を使えるかどうかで相続税が1,280万円変わります。
相続した株を申告期限より前に売却しても、土地の特例には影響しません。
要件になっているのは土地を申告期限まで持っていることと、役員であることの2つで、株を持ち続けることは求められていないためです。
ただし役員を辞めてしまうと要件を満たしません。株を手放しても役員には留まる必要があります。株の売却と役員の退任はセットで行われることが多いので注意してください。
会社が従業員向けの社宅として使っていた土地も対象です。社宅の運営は会社の事業の一部とみられ、不動産の貸付業には当たらないためです。
医療法人の場合は、持分の定めがあるかどうかで分かれます。出資持分のある医療法人なら、その持分で50%超を判定できます。
一方で持分の定めのない医療法人は、そもそも持分という概念がないため50%超の判定ができません。基金拠出型の医療法人も同じ扱いになります。
重要ポイント:医療法人は持分あり・なしで結論が正反対になります。定款で確認してください。
医療法人を経営していた場合の相続対策は、下記の記事で解説しています。


同族会社を2社以上持っていたり、会社に貸している土地が複数あったりする場合、判定は土地ごとに行います。会社単位でまとめて判定するのではありません。
限度面積の400平方メートルは、すべての土地を合わせた上限です。超える分には特例が使えないため、どこから使うかで税額が変わります。
この章では、会社ごとの判定、複数の土地がある場合の配分、要件を満たさない会社があった場合の扱いを見ていきます。
会社が2社あれば、それぞれについて6つの要件を確認します。A社の土地は要件を満たし、B社の土地は満たさないということが起こります。
よくあるのは、A社は製造業だがB社が不動産の管理会社というケースです。B社の事業が不動産の貸付業に当たるため、B社に貸した土地は対象外になります。
持株の割合も会社ごとに数えます。A社は親族で80%持っているがB社は40%しかない、という状態ならB社の土地は使えません。
役員かどうかも会社ごとです。土地を相続した人がA社の役員でもB社の役員でなければ、B社の土地には使えません。
重要ポイント:会社ごとに6項目の表を作って埋めるのが確実です。1社でも要件を落とすと、その会社に貸した土地だけが対象外になります。
要件を満たす土地が合計400平方メートルを超える場合、どの土地から使うかを選べます。選び方で税額が変わります。
原則は1平方メートルあたりの評価額が高い土地から使うことです。同じ面積を使うなら、単価の高い土地に当てたほうが減額が大きくなります。
| 土地 | 面積 | 評価額 | 1平方メートルあたり | 優先順位 |
|---|---|---|---|---|
| A(本社工場) | 200平方メートル | 6,000万円 | 30万円 | 1番目 |
| B(第2工場) | 300平方メートル | 4,500万円 | 15万円 | 2番目 |
| C(倉庫) | 400平方メートル | 2,000万円 | 5万円 | 3番目 |
表の見方:面積の大きさではなく、1平方メートルあたりの評価額で並べます。この例ではAの200平方メートルを使い切り、残る200平方メートルをBに当てるのが最も有利です。
計算ロジック:Aに200平方メートル使うと6,000万円の80%で4,800万円の減額。残り200平方メートルをBに当てると15万円×200平方メートル×80%で2,400万円の減額。合計7,200万円が下がります。
重要ポイント:土地を相続する人が違うと、この配分を自由に選べません。要件を満たす人が相続した土地の中からしか選べないため、分け方を決める段階で配分まで考えておく必要があります。
要件を満たさない土地でも、別の枠なら使える場合があります。会社の事業が不動産の貸付業だった場合が典型です。
この場合は貸付事業用宅地等として200平方メートルまで50%下げられる可能性があります。80%には届きませんが、ゼロではありません。
ただし貸付事業用の枠を使うと、他の枠との合計の計算方法が変わります。次の章で詳しく見ます。
貸している土地の枠の要件と計算は、下記の記事で解説しています。


同族会社に貸している土地の枠は、自宅の枠と別枠で合わせて使えます。400平方メートルと330平方メートルで、合計730平方メートルまでです。
ただしこれは、人に貸している土地の枠を使わない場合に限られます。貸している土地にも使うなら、3つを足して200平方メートルまでという別の計算になります。
この章では、併用したときの税額、貸付の枠を混ぜたときの調整、どれを優先すべきかの判断を見ていきます。
【シナリオ】被相続人は同族会社の社長。相続人は子2人。会社に貸している土地400平方メートルが8,000万円、自宅の土地200平方メートルが3,000万円、その他の財産が4,000万円で合計1億5,000万円です。
| 特例の使い方 | 減額 | 課税価格 | 相続税 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| どちらも使わない | 0万円 | 1億5,000万円 | 1,840万円 | — |
| 自宅だけに使う | 2,400万円 | 1億2,600万円 | 1,280万円 | △560万円 |
| 会社に貸している土地だけに使う | 6,400万円 | 8,600万円 | 560万円 | △1,280万円 |
| 両方に使う(合計600平方メートル) | 8,800万円 | 6,200万円 | 200万円 | △1,640万円 |
表の見方:合計600平方メートルなので、730平方メートルの枠に収まり両方をそのまま使えます。面積を削る必要はありません。
重要ポイント:両方に使うと1,640万円下がります。会社の土地だけに使った場合と比べても360万円の差があり、自宅を忘れずに申告することが重要です。
計算ロジック:基礎控除は3,000万円+600万円×2人で4,200万円。会社の土地は8,000万円の80%で6,400万円、自宅は3,000万円の80%で2,400万円を引けます。合計8,800万円が課税価格から減ります。
参照元:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
自宅の枠を使うための条件は、下記の記事で解説しています。

人に貸している土地にも特例を使う場合、3つの枠を単純に足すことはできません。換算して合計200平方メートルに収める計算になります。
【貸付の枠を使う場合の算式】
つまり貸付の枠に1平方メートル使うごとに、他の枠が2平方メートル分減る計算です。減額割合が50%と低いうえに枠も圧迫するため、貸付の枠を使うと不利になることが多くなります。
判断の目安は、1平方メートルあたりの減額額です。同族会社の枠は評価額の80%、貸付の枠は50%なので、評価額が同水準なら同族会社の枠を優先します。
重要ポイント:貸付の枠を使わないほうが有利なケースが多いです。使うかどうかを含めて試算してもらってください。
複数の土地があるとき、次の順で当てはめると迷いません。面積ではなく減額額で比べるのが要点です。
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重要ポイント:STEP4が抜けやすいところです。計算上は有利でも、その土地を要件を満たさない人が相続していたら使えません。分け方と特例の適用はセットで設計してください。

要件を満たすかどうかで税額がどれだけ変わるのかを計算します。この記事の例では1,280万円の差が出ます。
差が大きいのは、減額される金額そのものが大きいためです。評価額8,000万円の土地なら、80%にあたる6,400万円が課税価格から消えます。
この章では、遺産額ごとの比較、代表例の内訳、税額が0円になる場合の注意点を見ていきます。
【シナリオ】被相続人は同族会社の社長。相続人は子2人。会社に貸している土地400平方メートルが8,000万円で、要件をすべて満たしているものとします。
| 遺産の総額 | 特例を使えない | 特例を使える | 差額 |
|---|---|---|---|
| 8,000万円 | 470万円 | 0万円 | △470万円 |
| 1億2,000万円 | 1,160万円 | 140万円 | △1,020万円 |
| 1億5,000万円 | 1,840万円 | 560万円 | △1,280万円 |
| 2億円 | 3,340万円 | 1,480万円 | △1,860万円 |
表の見方:「使える」は土地の評価額8,000万円から80%にあたる6,400万円を引いて計算しています。土地以外の財産と相続人の数は変えていません。
重要ポイント:遺産8,000万円では特例を使うと相続税が0円になります。課税価格が1,600万円となり、基礎控除4,200万円を下回るためです。
計算ロジック:基礎控除は3,000万円+600万円×2人で4,200万円。課税価格から基礎控除を引いた額を法律で決まった割合(子2人なら2分の1ずつ)で分け、それぞれに税率をかけて合計しています。
相続税そのものの計算手順は、下記の記事で解説しています。

基礎控除の計算と課税されるかの判定は、下記の記事で解説しています。

特例を使って税額が0円になる場合があります。ここに落とし穴があります。
この特例は申告書を出して初めて使えるものです。税額が出ないから申告しなくてよい、とはなりません。
申告しないまま期限を過ぎると、特例を使っていない状態で税額が計算されます。前の表の「使えない」の金額に、無申告加算税と延滞税が上乗せされることになります。
重要ポイント:0円になる場合こそ期限内の申告が絶対条件です。税額が出ないことと申告が不要なことは別だと覚えてください。
同族会社の相続では、土地だけでなく自社株も相続財産になります。株の評価額が大きいと、土地の特例だけでは足りないことがあります。
注意したいのは、土地の評価が下がっても株の評価には反映されない点です。この特例は相続税の課税価格を計算するための制度で、会社の資産としての土地の評価を下げるものではありません。
会社が土地を所有している場合は逆に、株の評価を通じて間接的に土地の価値が反映されます。この場合はこの特例の対象外です。
株の評価を下げる方法は別の枠組みになるため、土地と株は分けて対策を考える必要があります。
納税資金の見通しも合わせて立ててください。同族会社の相続では財産の大半が土地と自社株で、評価額は大きいのに現金が足りない状態になりがちです。
土地の特例で税額が下がっても、納める分の現金は用意する必要があります。会社から役員退職金を出す、会社に土地を買い取ってもらうといった方法を検討することになります。
いずれも会社側の資金繰りと税務に影響するため、相続税だけを見て決めることはできません。法人側の顧問税理士と相続税の担当者を同席させて詰めるのが確実です。

要件を満たしていても、書類で示せなければ適用できません。この枠は会社側の書類が必要になる点が他の枠と違うところです。
定款と株主名簿は会社が保管しているもので、相続人が自由に取れるとは限りません。早い段階で会社に依頼しておく必要があります。
この章では、必要な書類、会社側の書類で何を示すのか、分けられないまま期限が来た場合の扱いを見ていきます。
相続税申告の一般的な書類に加えて、この枠に固有の書類が必要になります。会社側と個人側に分かれます。
| 書類 | 何を示すためのものか | 入手先 |
|---|---|---|
| 定款の写し | 会社の事業内容が貸付業でないこと | 会社の保管書類 |
| 株主名簿(相続開始時点のもの) | 親族等で50%超を持っていること | 会社の保管書類 |
| 登記事項証明書(会社) | 相続する人が役員であること | 法務局 |
| 賃貸借契約書 | 相当の対価で貸していたこと | 手元の書類 |
| 賃料の入金がわかる通帳の写し | 継続的に受け取っていたこと | 手元の書類 |
| 固定資産税の課税明細書 | 賃料が固定資産税を上回ること | 毎年届く通知 |
| 遺産分割協議書の写しと印鑑証明書 | 誰がその土地を取得したか | 相続人が作成・市区町村 |
表の見方:上3つが会社側、中3つが賃貸の実態を示すものです。賃貸の実態を示す書類は、要件③を満たすことの根拠になります。
重要ポイント:株主名簿は相続開始時点のものが必要です。相続後に株を動かしていると、現在の名簿では判定できません。亡くなった日時点の株主構成がわかる資料を用意してください。
定款で見られるのは事業の目的です。不動産の貸付けだけを目的としている会社だと、その時点で対象外と判断される可能性があります。
実際に何をしていたかが優先されますが、定款の記載と実態が食い違っていると説明を求められます。事業の実態を示す資料も合わせて用意しておくと安全です。
株主名簿では、親族等で50%超を持っていたことを示します。誰が親族に当たるかがわかるよう、株主ごとの続柄を整理した一覧を添えると伝わりやすくなります。
議決権が制限されている株式を発行している場合は、その内容も示す必要があります。分母から除くかどうかで割合が変わるためです。
後継者をめぐって話がまとまらず、申告期限までに分け方が決まらないことがあります。この場合、その時点では特例を使えません。
ただし申告書と一緒に1枚の届出を出しておけば、あとから取り戻せます。「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類です。
これを出しておけば、3年以内に分け方が決まった時点で特例を適用し直し、納めすぎた分を返してもらえます。出し忘れると、あとで分けても特例は使えません。
重要ポイント:出せるのは申告書と一緒のときが原則です。同族会社の相続は分割が長引きやすいので、税理士にこの書類を出すかどうかを必ず確認してください。
参照元:国税庁 B1-5 相続税の申告書の提出期限から3年以内に分割する旨の届出手続
分けられないまま申告する場合の進め方は、下記の記事で解説しています。

申告に必要な書類の全体像は、下記の記事で解説しています。


この枠の要件のうち3つは、申告期限まで状態を保つことを求めています。期限までに崩れると特例は使えません。
逆に言えば、申告期限を過ぎてからであれば土地を売っても会社をたたんでも影響しません。ここを混同して、売却を何年も先延ばしにする例があります。
この章では、いつ起きたかで結論がどう変わるか、期限前に崩れた場合の対応、10か月を乗り切るための注意点を見ていきます。
条文は「相続税の申告期限まで有していること」「申告期限まで事業の用に供されていること」と定めています。期間の終わりは申告期限です。
| いつ起きたか | 土地を売った | 会社が事業をやめた | 役員を辞めた |
|---|---|---|---|
| 申告期限より前 | 使えなくなる | 使えなくなる | 使えなくなる |
| 申告期限より後 | 影響なし | 影響なし | 影響なし |
表の見方:境目は申告期限だけです。相続開始から10か月を過ぎていれば、売却も事業の廃止も役員の退任も特例に影響しません。
重要ポイント:申告期限の翌日に売っても問題ありません。「何年か持っていないといけない」という決まりはないので、売却を予定しているなら期限を待つだけで足ります。
参照元:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
申告期限より前に会社が倒産した、事業を廃止した、土地を手放したという場合、その土地にはこの枠を使えません。
ただし別の枠が残っていないかを確認してください。会社が土地を使わなくなった後で第三者に貸したなら、貸付事業用の枠で50%下げられる可能性があります。
また、申告後に要件を欠いたと判明した場合は修正申告が必要です。自分から修正申告をすれば加算税は軽くなり、税務署の調査で指摘されると重くなります。
重要ポイント:事情が変わったら、気づいた時点で税理士に伝えること。放置して調査で見つかると、本来の税額に加算税と延滞税が上乗せされます。
申告期限までの10か月は、会社と土地に関する状態を動かさないのが基本です。動かす必要があるなら、事前に影響を確認してください。
最後の項目は見落とされやすいところです。申告期限において清算中の法人は対象外と定められているため、後継者がいないからと清算に入ると特例を失います。
会社をたたむ判断をしている場合でも、申告期限を過ぎてから手続きに入れば特例は維持できます。順番を変えるだけで結果が変わります。
同族会社の相続では、自社株の相続税を猶予する制度も選択肢になります。この土地の特例とは別の制度で、両方を同時に使うことができます。
対象が違うためです。この記事の特例は会社に貸している土地の評価を下げるもので、納税猶予は自社株にかかる相続税の納付を先送りするものです。
ただし性格は大きく違います。土地の特例は使えば税額がその場で確定して下がりますが、納税猶予は免除されるまで要件を守り続ける必要があります。途中で崩れると猶予されていた税額に利子税が付いて一括で納めることになります。
どちらを軸にするかは、土地と株のどちらの評価額が大きいかで変わります。土地が大半なら特例だけで足りることもあり、株が大半なら猶予の検討が要ります。
重要ポイント:納税猶予は計画の提出など事前の手続きが要る制度です。相続が起きてから検討を始めると間に合わないことがあるため、経営者が元気なうちに方針を決めておいてください。
自社株の対策と事業承継の進め方は、下記の記事で解説しています。


申告を済ませた後で、特例を使えたと気づくことがあります。納めすぎた相続税は取り戻せます。
期限は法定申告期限から5年で、相続開始から数えると5年10か月です。数年前の申告でも間に合うことが多く、気づいた時点で動けば取り返せる余地が残っています。
この章では、見直しで見つかりやすい誤解、自分で確認する方法、誰に頼むかを見ていきます。
この枠は要件が多く、1つでも誤解すると適用しないまま申告してしまいます。よくあるのは次の4つです。
【使えたのに使っていない例】
もう1つ多いのが、貸付事業用の枠で50%しか使っていないケースです。本来この枠なら80%下げられたのに、会社への貸付けを単なる不動産の貸付けとして処理している例があります。
自宅の枠を使い忘れている場合もあります。合計730平方メートルまで併用できることを知らず、どちらか一方しか申告していないケースです。
依頼する前に、手元の控えを見れば見込みがある程度わかります。専門的な読み方は要らず、次の4か所を見るだけです。
| 申告書の控えで見る場所 | 確認すること | 見直しの見込み |
|---|---|---|
| 小規模宅地等の明細書があるか | 土地ごとに記載されているか | 無ければ検討していない可能性が高い |
| 適用した枠の区分 | 特定同族会社事業用と書かれているか | 貸付事業用になっていれば50%で止まっている |
| 使った面積 | 400平方メートルまで使い切っているか | 余っていれば他の土地に使える余地がある |
| 自宅の土地の扱い | 自宅にも適用されているか | 使っていなければ合計730平方メートルの枠が余っている |
表の見方:2行目と4行目が特に重要です。区分が貸付事業用になっている、または自宅に使っていないなら見直す価値があります。
重要ポイント:明細書そのものが付いていないなら、特例をまったく検討していない可能性があります。まずこの1点を確かめてください。
納めすぎた相続税を返してもらう手続きを、更正の請求といいます。相続税の場合、法定申告期限から5年以内であれば請求できます。
請求が認められると、納めすぎていた分が還付されます。同族会社の相続は金額が大きいため、戻る額も数百万円単位になることがあります。
なお、遺産分割がまとまったことなど後から生じた事情による場合は、その事実が起きた日から4か月以内という別の期限になります。特例の適用漏れは5年のほうを使います。
参照元:国税庁 B1-27 相続税及び贈与税の更正の請求手続
戻る金額の目安と手続きの流れは、下記の記事で解説しています。

期限を過ぎてしまった場合に何が起きるかは、下記の記事で解説しています。

申告を担当した税理士に見直しを頼むのは難しい場面があります。自分の判断を訂正することになるためで、「問題ありません」という回答で終わることもあります。
別の事務所に意見を求める道があります。申告書の控え・定款・株主名簿・賃貸借契約書があれば判断できます。土地を見に行く必要はないので、遠方の事務所でも相談できます。
確認してもらうのは、亡くなる直前に親族等で50%超を持っていたか、土地を相続した人が申告期限に役員だったか、賃料が相当の対価と言える水準だったかの3点です。
重要ポイント:会社の書類がそろっているかが分かれ目です。定款と相続開始時点の株主名簿を先に用意してから相談すると、判断が早く出ます。

ここまで見てきたとおり、この枠は要件が6つあり、判定する時点も要件ごとに違います。会社の書類と賃貸の実態まで確認しないと結論が出ません。
しかも分け方を決めた後では取り返せない要件があります。誰が土地を相続し、その人が役員かどうかで結論が変わるためです。
相続税の対応実績がある税理士に早い段階で相談し、複数の事務所から見積りを取って比べることをおすすめします。
この相続で差がつくのは計算の速さではありません。会社側の資料まで踏み込んで要件を確認できるかです。個人の財産しか見ない事務所では、この枠の存在に気づかないまま申告してしまいます。
【実績のある税理士が押さえていること】
金額で見ると差は明確です。【シナリオ】被相続人は同族会社の社長、相続人は子2人。会社に貸している土地400平方メートルが8,000万円で、遺産の合計が1億5,000万円というケースです。
差は1,280万円です。同じ事実関係で、会社の書類を見たかどうかだけで生まれます。
計算ロジック:基礎控除は3,000万円+600万円×2人で4,200万円。この枠を使うと土地8,000万円から6,400万円を引けるので、課税価格は8,600万円まで下がります。
この相続では、初回相談で何を聞かれるかに事務所の姿勢が表れます。3〜5の事務所から取れば、会社側まで見る事務所かどうかが読み取れます。
判定ポイント1:会社の書類を求めてくるかA税理士は個人の財産目録だけを求め、B税理士は定款・相続開始時点の株主名簿・賃貸借契約書まで求めてきた。→ B税理士の方が、この枠の要件を判定するつもりがあると判定できます。
判定ポイント2:賃料の水準を確認するか賃料がいくらか、固定資産税はいくらか、実際に入金されているかを聞いてくるかを見る。→ 確認する事務所の方が、要件を落とすリスクを避けられます。
判定ポイント3:誰が土地を相続すると有利かを提案するかA税理士は法定相続分の1案だけ、B税理士は役員かどうかと自宅の枠を踏まえて複数案を出してきた。→ B税理士の方が、分け方と特例をセットで設計していると判定できます。
3つとも、専門知識がなくても答えのあるなしが分かります。同じ資料を渡したうえで比べてください。
見積りの比べ方は、下記の記事で詳しく解説しています。

1つの事務所だけで決めると、その判断が正しいかを確かめる材料がありません。「この枠は使えません」と言われても、それが妥当なのか分からないまま申告することになります。
【相談しないまま進めたときに起きること】
金額で言えば、この枠を落とすだけで1,280万円多く納めることになります。申告報酬の何倍にもなる金額です。
重要ポイント:分け方を決める前に相談することが最も重要です。誰が土地を相続するかで結論が変わるため、決めてから相談すると選択肢がなくなります。
相談から依頼までの流れです。相続開始から7か月以内に依頼先を決めることを目安にしてください。
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重要ポイント:STEP2で同族会社に土地を貸していたことを最初に伝えてください。この一言があるかないかで、返ってくる提案の中身が変わります。
使えます。株は亡くなった人と親族などで合わせて50%超を持っていればよく、土地を相続する人自身が持っている必要はありません。この点を誤解して適用を諦める例が多くあります。
ただしその人が申告期限の時点で会社の役員である必要はあります。役員でない場合は、申告期限までに就任すれば要件を満たせます。相続してからでも間に合う要件です。
直せません。要件を判定するのは亡くなる直前の状態だからです。相続が起きてから賃料を設定しても、この枠は使えません。
無償だと使えない理由は、条文が対象になる貸付けを「相当の対価を得て継続的に行うもの」と定めているためです。賃料を取っていなければ、そもそも制度の対象から外れます。経営者が元気なうちに契約を整えておく必要があります。
使えます。判定するのは土地の貸し方で、建物を誰が所有しているかは問われません。会社から相当の対価を得て土地を貸していれば要件を満たします。
ただし建物が会社所有の場合、借地権が発生しているかどうかで土地の評価そのものが変わります。無償返還の届出を出しているかを確認してください。特例の前に評価の話になります。
使えます。会社に貸している土地は400平方メートルまで、自宅は330平方メートルまでで、合計730平方メートルまで両方に適用できます。
ただし人に貸している土地の枠も使う場合は計算が変わり、3つを換算して合計200平方メートルに収める必要があります。この記事の例では、両方に使うと相続税が1,840万円から200万円になりました。
大丈夫です。要件は「申告期限まで持っていること」なので、申告期限を過ぎていれば売っても特例は取り消されません。何年か持ち続けなければならないという決まりはありません。
会社が事業をやめた場合や、役員を辞めた場合も同じです。申告期限より前だと要件を欠きますが、期限を過ぎていれば影響しません。売却や清算の予定があるなら、順番を意識してください。
会社ごとに要件を判定します。A社の土地は使えてB社の土地は使えない、ということが起こります。持株の割合も役員かどうかも会社ごとに確認してください。
限度面積の400平方メートルは、すべての土地を合わせた上限です。要件を満たす土地が400平方メートルを超える場合は、1平方メートルあたりの評価額が高い土地から使うと有利になります。
法定申告期限から5年以内であれば、更正の請求という手続きで納めすぎた分を返してもらえます。相続開始から数えると5年10か月あります。
見込みがあるかどうかは申告書の控えで確認できます。小規模宅地等の明細書が付いていない、または適用した枠が貸付事業用になっているなら、80%ではなく50%で止まっている可能性があります。
同族会社に貸していた土地は、400平方メートルまで評価を80%下げられます。要件は6つありますが、実務で結論を分けるのは賃料の水準と、土地を相続する人が役員かどうかの2点です。
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年9月時点の法令・税率に基づいて作成しています。税制改正や個別の事情により取り扱いが異なる場合があります。具体的な手続きについては税理士または税務署にご相談ください。