


親が亡くなって実家が空き家になったとき、「相続税はどうなるのか」「売却する場合の税金は」という疑問が生まれます。
実は相続した空き家には「相続時に使える相続税の特例」と「売却時に使える譲渡所得の特例(3,000万円控除)」という2種類の税務上の優遇措置があります。
2024年の法改正でルールが変わった部分もあり、正確な理解が節税の鍵です。
この記事では、2種類の特例の仕組みと組み合わせ方、2024年改正の詳細、5パターンのケース別シミュレーション、取得費加算の特例との使い分け比較、手続き・必要書類まで、順序立てて解説します。
空き家を放置することで固定資産税が6倍になるリスクもあるため、早めに全体像を把握して対策することが重要です。
▼ この記事の3行まとめ

相続した空き家に関わる税務上の特例は2種類あります。どちらの特例を指しているかによって「使うタイミング」「申告先(相続税か所得税か)」「適用要件」がまったく異なります。まず2つの違いを整理しましょう。
「小規模宅地等の特例」は相続税の計算で使う特例です。被相続人が居住していた自宅の土地(宅地)について、一定面積まで評価額を最大80%減額できます。空き家(相続後に誰も住まない状態)になる場合でも、相続時点での要件を満たしていれば適用できます。
特定居住用宅地等(自宅の土地)の場合:330㎡まで80%減額
| 取得者 | 主な適用要件 |
|---|---|
| 配偶者 | 要件なし(無条件で適用可) |
| 同居の法定相続人 | 申告期限まで居住継続・保有継続が必要 |
| 家なき子(別居の法定相続人) | 3年以上自己所有家屋に居住していないなど厳格な要件あり |
小規模宅地等の特例は「相続税の申告(10か月以内)」で使う特例です。相続税そのものを減らす効果があります。申告期限内に遺産分割協議が成立していることが原則的な適用条件です。
「空き家の3,000万円特別控除」は相続した空き家を売却したときの所得税(譲渡所得)を計算する際に使う特例です。売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を差し引くことができ、大幅な節税効果があります(2024年改正で相続人3人以上の場合は2,000万円に変更)。
参照元:国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
| 比較項目 | 小規模宅地等の特例(相続税) | 3,000万円特別控除(譲渡所得) |
|---|---|---|
| 使うタイミング | 相続時(相続税申告・10か月以内) | 売却時(確定申告) |
| 対象の税金 | 相続税 | 所得税・住民税(譲渡所得) |
| 節税効果 | 土地評価を最大80%減額 | 譲渡所得から最大3,000万円控除 |
| 主な要件 | 取得者の居住・同居・家なき子の要件 | 被相続人の一人暮らし・旧耐震建物・3年以内売却など |
| 申告先 | 税務署(相続税申告書) | 税務署(確定申告書) |
小規模宅地等の特例(相続税)と空き家の3,000万円特別控除(譲渡所得)は、要件を満たすケースでは原則として組み合わせて使えます。ただしどちらの特例も適用できるケースは限られており、特に同居の有無・配偶者の存在が大きく影響します。
典型的に両方使えるケース:「被相続人が一人暮らし(配偶者・同居相続人なし)→家なき子要件を満たす子が小規模宅地等の特例(相続税を減額)→その後空き家を売却して3,000万円控除(譲渡所得を減額)」
同居していた相続人が相続後も住み続ける場合、「相続から売却まで居住用に使っていない」という空き家特例の要件を満たせなくなります。相続後に誰が住むか・いつ売却するかの計画と特例適用を同時に設計することが重要です。

空き家の3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条の3)は、相続した空き家(被相続人居住用財産)を一定の要件を満たして売却した場合に、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。2027年12月31日まで適用されます。
通常、不動産を売却した際の利益(譲渡所得)には所得税・住民税が課されます。税率は保有期間5年超(長期譲渡)で約20.315%、5年以下(短期譲渡)で約39.63%です。相続した不動産の場合、被相続人が取得した日から計算するため、長年保有していた実家は長期譲渡扱いになります。
譲渡所得 = 売却価格 − 取得費(相続税評価額または購入価格)− 譲渡費用
3,000万円特別控除適用後:
課税される譲渡所得 = 譲渡所得 − 3,000万円(最大)
| 売却価格 | 取得費 | 譲渡所得 | 控除後の課税額 | 節税額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 4,000万円 | 1,000万円 | 3,000万円 | 0円(全額控除) | 約609万円 |
| 6,000万円 | 1,000万円 | 5,000万円 | 2,000万円が課税 | 約609万円 |
| 2,500万円 | 500万円 | 2,000万円 | 0円(全額控除) | 約406万円 |
譲渡所得が3,000万円以下であれば、所得税・住民税が実質的にゼロになります。実家の売却価格が高額でなければ、大半のケースで税負担をゼロにできる強力な特例です。
2024年(令和6年)1月1日以降の譲渡から、空き家特例の2つの重要な変更が適用されています。
変更1:耐震改修・取壊しのタイミング変更
改正前は「売主(相続人)が売却前に耐震改修または取壊しを完了させる」ことが必要でした。2024年改正後は「売却後、買主が翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行えば」特例が適用できるようになりました。
| 比較項目 | 2023年以前 | 2024年以降 |
|---|---|---|
| 耐震改修・解体の主体 | 売主(相続人)が行う必要あり | 買主が行っても可 |
| タイミング | 売却前に完了させる | 売却翌年の2月15日までに完了でOK |
| 売主の負担 | 大きい(費用・手間) | 大幅に軽減 |
変更2:相続人3人以上の場合の控除額変更
| 相続人の人数 | 2023年以前の控除額 | 2024年以降の控除額 |
|---|---|---|
| 1〜2人 | 最大3,000万円 | 最大3,000万円(変更なし) |
| 3人以上 | 最大3,000万円 | 最大2,000万円(1,000万円減額) |
2024年改正で「相続人3人以上の場合は控除額が2,000万円」という上限が設けられました。兄弟3人で実家を相続するケースでは、2023年まで各自最大3,000万円だったのが、2024年以降は各自最大2,000万円に変わります。相続人の人数を事前に確認することが重要です。
相続した空き家を放置し続けると、税務上のリスクだけでなく行政上のリスクが生じます。2023年に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特別措置法)」により、問題のある空き家への対策が強化されました。
| 空き家の種類 | 内容 | 固定資産税への影響 |
|---|---|---|
| 通常の空き家 | 住宅として存在している | 住宅用地特例(1/6)が適用 |
| 管理不全空き家(2023年新設) | 放置すると特定空き家になりそうな状態 | 住宅用地特例が外れ最大6倍に |
| 特定空き家 | 倒壊の危険・衛生上有害・景観損害など | 住宅用地特例が外れ最大6倍に |
住宅用地特例が外れると、土地の固定資産税が従来の最大6倍になります。たとえば固定資産税が年間20万円の土地なら、最大120万円まで増加する可能性があります。
空き家を放置することは「固定資産税の増加」「管理維持費の継続負担」「特定空き家指定による行政介入リスク」という3つのリスクを生みます。相続発生後は早めに活用・売却・解体の方針を決めることが重要です。

空き家の3,000万円特別控除を使うためには、「人に関する要件」「家屋・敷地に関する要件」「売却に関する要件」の3つをすべて満たす必要があります。一つでも外れると特例が使えないため、事前の確認が不可欠です。
特例を使えるのは「被相続人居住用財産を相続・遺贈で取得した個人」です。以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
| 状況 | 特例の適用 | 理由 |
|---|---|---|
| 被相続人が一人暮らしだった | 適用可 | 要件③を満たす |
| 被相続人と配偶者が同居していた | 原則不可 | 配偶者が居住者にあたる(要件③を満たさない) |
| 被相続人と子が同居していた | 原則不可 | 子が居住者にあたる(要件③を満たさない) |
| 老人ホーム入居中に死亡 | 一定条件下で可 | 後述の特例あり |
「被相続人が一人暮らしだった」ことが最も重要な要件です。配偶者と同居していた場合、この特例は原則として使えません。相続発生前から特例の適用可否を確認しておくことが重要です。
特例の対象になる家屋・敷地には以下の要件があります。
| 建物の状況 | 特例の適用 |
|---|---|
| 1982年以降(昭和57年以降)に建築された家屋 | 不可(新耐震基準のため対象外) |
| 1981年以前(昭和56年以前)に建築された家屋 | 可(旧耐震基準として対象) |
| マンション(区分所有建物) | 不可 |
| 一戸建て | 可(他の要件も満たす場合) |
| 相続後に賃貸した建物 | 不可(事業用・貸付用になるため) |
「昭和56年5月31日以前」に建築された建物であることの確認は、登記事項証明書(登記簿謄本)の「建築日」欄で行います。
1982年(昭和57年)以降に建てられた比較的新しい家屋は、新耐震基準に適合しているため空き家特例の対象外になります。建築年月日を必ず確認してから適用の可否を判断してください。
売却に関する要件は4つあります。
| 売却のパターン | 特例の適用 |
|---|---|
| 耐震改修して売却(売主が工事) | 可 |
| 取り壊して更地で売却 | 可 |
| 買主が翌年2月15日までに耐震改修・解体(2024年改正) | 可 |
| 旧耐震のまま現状有姿で売却(買主が工事しない場合) | 不可 |
| 相続から3年超経過後に売却 | 不可 |
| 1億円超の売却価格 | 不可 |
「相続開始から3年以内」という期限は、相続発生を知った日から3年ではなく「相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です。たとえば2023年3月に相続が発生した場合、期限は2026年12月31日になります。
被相続人が老人ホームに入居中に亡くなった場合でも、2016年の改正以降、一定条件を満たせば空き家特例が適用できます。この場合「老人ホーム入居前の自宅」が対象となります。
老人ホーム入居の場合の適用要件
| 状況 | 特例の適用 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 要介護認定を受けて老人ホームへ入居中に死亡 | 可(条件を満たす場合) | 入居後に家屋が空き家であり貸付等していないこと |
| 任意で老人ホームへ入居中に死亡(認定なし) | 不可 | 介護認定が要件 |
| 老人ホーム入居後に誰かが住み始めた | 不可 | 入居後も空き家である必要あり |
老人ホーム入居の場合、「要介護認定書類」「老人ホームの入居証明」「入居後に家屋が空き家だったことの証明」が必要になります。書類の準備が複雑なため、早めに税理士に相談することをお勧めします。

空き家を含む相続税の計算の基本的な流れを確認します。特に「小規模宅地等の特例を使うか」「売却後に空き家特例を使うか」の判断を早い段階で決めることが重要です。
まず被相続人のすべての財産を洗い出し、相続税評価額を算出します。空き家(土地+建物)については以下の評価を行います。
相続税の申告後に空き家を売却する場合、「取得費加算の特例」を使うためには申告期限から3年以内の売却が条件です。売却のタイミングを考慮して相続税申告の準備を進めることが重要です。
空き家の土地について小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等・80%減額)が使えるかどうかを確認します。適用の可否は取得者の状況(配偶者・同居相続人・家なき子)によって異なります。
特例を適用した場合、土地の評価額が大幅に下がり、相続税の基礎控除を下回る可能性があります。
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
小規模宅地等の特例を適用した後の財産総額から基礎控除を差し引き、課税遺産総額がゼロ以下なら相続税はかかりません。
相続税の申告と同時に「将来の売却計画」を考慮した節税プランを設計します。特に以下の選択を早めに決める必要があります。

空き家の売却に関わる税負担は、相続人の構成・建物の状況・売却時期・特例の選択によって大きく変わります。5つのパターンで具体的な節税効果を確認しましょう。
前提条件
計算の流れ
耐震改修費用(300万円)を差し引いても、特例による節税(548万円)が上回ります。耐震改修は売却前に完了させるか、買主に依頼して翌年2月15日までに完了させる形が選べます。
前提条件
計算の流れ
解体して更地で売却する場合も3,000万円控除が使えます。解体費用は取得費または譲渡費用として計上できます。更地売却は買い手が見つかりやすいメリットもあります。更地で売却する場合、建物解体後は「住宅用地特例」が外れて固定資産税が増加します。できるだけ早く売却手続きを進めることが重要です。
前提条件
相続税の計算(小規模宅地等の特例・家なき子特例)
売却時の譲渡所得税(空き家3,000万円控除)
小規模宅地等の特例で相続税ゼロ + 空き家特例で譲渡所得税を大幅圧縮という最大限の節税が実現します。
前提条件
2024年改正前後の比較(1人当たり)
| 比較項目 | 2023年以前(控除額3,000万円) | 2024年以降(控除額2,000万円) |
|---|---|---|
| 1人当たりの譲渡所得 | 1,500万円 − 400万円 = 1,100万円 | 同左 |
| 控除額 | 3,000万円(全額控除・非課税) | 2,000万円(全額控除・非課税) |
| 1人当たりの課税額 | 0円 | 0円(1,100万円 < 2,000万円のため) |
このケースでは1人当たりの譲渡所得(1,100万円)が2,000万円を下回るため、2024年改正後でも税額はゼロのままです。しかし譲渡所得が2,000万円を超える場合は改正による影響が出ます。相続人3人以上のケースで1人当たりの譲渡所得が2,000万円を超える場合、2024年改正の影響を受けます。相続前に家族で売却戦略を相談しておくことをお勧めします。
前提条件
比較①:空き家特例(3,000万円控除)を使う場合
比較②:取得費加算の特例を使う場合
このケースでは空き家特例(203万円)の方が取得費加算(772万円)より大幅に有利です。一般的に「譲渡所得が3,000万円以下のケース」では空き家特例の方が有利なことが多いですが、必ず両方を試算して比較してください。

2つの特例の組み合わせは「同居の有無」が最大のポイントです。相続後の居住状況によって使える特例の組み合わせが変わります。
被相続人が一人暮らし(配偶者・同居相続人なし)で、別居の子が「家なき子特例」の要件を満たす場合、両方の特例を組み合わせることができます。
典型的な流れ:
家なき子特例を使った場合でも、申告期限まで土地を保有していることが条件です。「申告期限後に売却する」というスケジュールにすることで、両方の特例が使えます。
同居していた相続人(子など)が自宅を相続した場合、小規模宅地等の特例(同居要件)の適用条件として「申告期限まで居住継続・保有継続」が必要です。申告期限まで居住しているということは「相続から売却まで居住用に使っていない」という空き家特例の要件を満たさないため、空き家特例は使えません。
| 状況 | 小規模宅地等の特例 | 空き家3,000万円控除 |
|---|---|---|
| 同居の子が相続・住み続ける | 使える(同居要件) | 使えない(居住中のため) |
| 配偶者が相続・住み続ける | 使える(要件なし) | 使えない(配偶者が居住者だったため) |
| 家なき子が相続・空き家のまま | 使える(家なき子特例) | 使える(空き家状態を維持) |
被相続人と配偶者が同居していた場合(二人暮らし)、配偶者が自宅を相続すると、配偶者は「相続開始直前に居住していた者」にあたるため「被相続人以外の居住者がいなかった」という空き家特例の要件を満たせません。配偶者が自宅を相続・売却する場合は空き家特例ではなく「居住用財産の3,000万円特別控除(通常の3,000万円控除)」や「取得費加算の特例」を検討してください。

空き家特例を適用するための申告手続きは通常の不動産売却の確定申告より書類が多く、準備に時間がかかります。売却前から書類収集を始めることが重要です。
空き家特例の申請は「売却した翌年の確定申告」で行います。申告期限は翌年の2月16日〜3月15日です。
譲渡所得がゼロになる(特例でカバーされる)場合でも、空き家特例を適用するためには確定申告が必要です。申告しなければ特例は適用されません。
| 書類の種類 | 入手先 | 内容 |
|---|---|---|
| 被相続人居住用家屋等確認書 | 市区町村役場 | 最も重要な書類(後述) |
| 売買契約書・売渡証書 | 手元の書類 | 売却価格・売却日の確認 |
| 登記事項証明書(全部事項証明書) | 法務局 | 建築年月日・家屋の確認 |
| 固定資産税評価証明書 | 市区町村役場 | 建物・土地の評価額確認 |
| 相続を証明する書類(戸籍謄本等) | 市区町村役場 | 相続関係の証明 |
| 耐震改修証明書(耐震改修した場合) | 市区町村・建築士事務所 | 現行耐震基準を満たすことを証明 |
| 解体証明書(取り壊した場合) | 解体業者 | 解体工事の証明 |
空き家特例の申告で最も重要な書類が「被相続人居住用家屋等確認書」です。市区町村役場(建築・住宅担当課)に申請して取得します。
取得に必要な主な書類:
申請から取得まで2〜4週間程度かかる場合があります。「被相続人居住用家屋等確認書」の申請は売却後でも可能ですが、書類準備に時間がかかるため売却前から手続きを開始することをお勧めします。

相続した空き家は、相続税の計算・特例の適用判断・売却時の確定申告・空き家放置リスクの管理と、複数の専門的な判断が必要な場面が多くあります。相続発生後は速やかに専門家に相談することが、節税機会を最大化する最善策です。
空き家特例は要件が厳格で、一つでも要件を外れると適用できません。「旧耐震基準かどうか」「一人暮らしだったかどうか」「売却期限に間に合うか」を相続発生後すぐに確認することが重要です。
| リスクの種類 | 具体的な内容 | 金銭的な影響の目安 |
|---|---|---|
| 3年の売却期限超過 | 期限を過ぎて空き家特例が使えなかった | 数百万円の譲渡所得税が発生 |
| 要件の見落とし | 旧耐震要件を確認しなかった・一人暮らし要件を誤認した | 特例が適用されず追徴課税リスク |
| 特例の選択ミス | 取得費加算を使うべきケースで空き家特例を選択(またはその逆) | 数十万〜数百万円の過払い |
| 確定申告漏れ | 「税金ゼロだから申告不要」と誤解して申告しなかった | 無申告加算税(5〜20%) |
| 空き家放置による固定資産税増加 | 特定空き家指定で住宅用地特例が外れた | 固定資産税が最大6倍に |
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 空き家相続・売却に係る税理士報酬 | 30〜80万円程度(財産規模・複雑さによる) |
| 空き家の3,000万円特別控除による節税 | 最大約609万円(3,000万円 × 20.315%) |
| 小規模宅地等の特例による相続税の節税 | 土地評価額の80%分(数百万〜数千万円) |
| 3年以内売却期限の管理(期限超過ペナルティ回避) | 数百万円の課税回避 |
| 空き家放置リスクの回避(固定資産税増加防止) | 年間数十万円の固定資産税増加を防止 |
空き家の3,000万円控除だけで最大約609万円の節税効果があります。税理士報酬を大幅に上回る節税効果が得られるケースがほとんどです。相続発生後はできるだけ早めに専門家に相談してください。
原則として使えません。空き家の3,000万円特別控除の対象は「区分所有建物でない家屋」と定められており、マンション(区分所有建物)は対象外です。一戸建ての空き家が主な対象です。マンションの場合は「居住用財産の3,000万円特別控除」(自分が居住していた場合に使える別の特例)や取得費加算の特例を検討してください。
一定の条件下では使えます。典型的なケースは「被相続人が一人暮らし(配偶者・同居相続人なし)で、別居の子が家なき子特例で小規模宅地等の特例を申告し、その後空き家を3年以内に売却して空き家特例を使う」というパターンです。ただし同居していた相続人が居住を継続する場合、空き家特例の要件を満たせないため両立はできません。
2024年(令和6年)1月1日以降の譲渡から適用されます。2023年12月31日以前の売却には旧ルール(3,000万円)が適用されます。相続人が3人以上いて2024年以降に売却する場合、1人当たりの控除額は最大2,000万円になります。売却のタイミングによって控除額が変わることを把握しておいてください。
一定条件を満たす場合は使えます。①要介護認定または要支援認定を受けていたこと、②老人ホーム等の施設に入居していたこと、③老人ホーム入居後その家屋を事業用・貸付用・居住用に使用していなかったこと、の3つを満たす必要があります。要介護認定を受けずに任意で入居した場合は対象外です。
同一の資産について同時に両方を使うことはできません(選択適用)。どちらを使うかは譲渡所得の金額・支払った相続税の額によって有利不利が変わります。一般的に譲渡所得が3,000万円以下の場合は空き家特例が有利になることが多いですが、個別に試算して比較することをお勧めします。
2種類の特例と基本ルール
空き家の放置リスクと売却の注意点
今すぐ取るべき行動
※本記事は2025年12月時点の法令・税率に基づいて作成しています。税制は改正されることがありますので、申告前には必ず税理士または税務署へご確認ください。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談に代わるものではありません。