


夫婦の間でも相続税はかかります。配偶者に相続税がかからないと言われるのは、配偶者控除という制度を使った結果です。
この制度を使うと、配偶者が受け取った遺産が1億6,000万円までなら相続税は0円になります。法定相続分の範囲内なら、1億6,000万円を超えても0円です。
ただし自動で適用されるわけではありません。期限までに申告書を出さなければ、0円になるはずの相続税がそのまま課税されます。
もうひとつ落とし穴があります。妻に全部渡して一次相続を0円にすると、妻が亡くなったときの相続税が跳ね上がります。
遺産1億円の家庭で試算すると、妻に全部渡した場合の合計は770万円です。一方、渡す金額を調整すれば365.4万円まで下がります。
夫婦の間でお金を動かすと贈与税がかかることもあります。へそくりで株を買った、生活費として渡した残りを妻名義で貯めていた、といったケースです。
この記事では、いくらから相続税がかかるのか、配偶者控除の条件と計算、妻にいくら渡すのが最も安いか、妻の固有財産の影響、夫婦間の贈与税、自宅の渡し方、子どもがいない夫婦の注意点、間違いやすい点までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

夫婦の間なら相続税がかからない、という理解は正確ではありません。配偶者にも他の相続人と同じように相続税は課税されており、控除で結果が0円になっているだけです。
制度である以上、条件を外せば課税されます。まず何がどこまで無税になるのか、いくらから課税されるのかを押さえます。
相続税法には配偶者の税額軽減という制度があります。実務では相続税の配偶者控除と呼ばれることが多く、配偶者が実際に取得した遺産のうち一定額までは相続税をかけないという仕組みです。
配偶者が財産形成に貢献していること、配偶者の老後の生活を保障する必要があること、同世代なので次の相続が近いことが理由とされています。
【勘違いしやすい点】
無税になる金額は、1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のうち、多いほうまでです。どちらか選ぶのではなく、大きいほうが自動的に上限になります。
| 遺産の総額 | 相続人 | 配偶者の法定相続分 | 無税になる上限 |
|---|---|---|---|
| 8,000万円 | 配偶者と子2人 | 4,000万円 | 1億6,000万円(=全額) |
| 1億6,000万円 | 配偶者と子2人 | 8,000万円 | 1億6,000万円(=全額) |
| 3億円 | 配偶者と子2人 | 1億5,000万円 | 1億6,000万円 |
| 4億円 | 配偶者と子2人 | 2億円 | 2億円(法定相続分のほうが大きい) |
| 3億円 | 配偶者と兄弟姉妹 | 2億2,500万円 | 2億2,500万円 |
表の見方:遺産が3億2,000万円を下回る家庭では、ほとんどの場合1億6,000万円のほうが大きくなります。法定相続分が効いてくるのは遺産が3億円を超えるあたりからです。
重要ポイント:上限は「配偶者が実際に取得した金額」に対して働きます。法定相続分まで取得する権利があっても、実際に取得しなければ軽減されません。逆に法定相続分を超えて取得しても、1億6,000万円までなら無税です。
配偶者控除の前に基礎控除があります。遺産が基礎控除以下なら、配偶者控除を使うまでもなく相続税は0円で、申告も不要です。
| 家族構成 | 法定相続人の数 | 基礎控除 | これ以下なら申告不要 |
|---|---|---|---|
| 配偶者のみ | 1人 | 3,600万円 | 3,600万円 |
| 配偶者と子1人 | 2人 | 4,200万円 | 4,200万円 |
| 配偶者と子2人 | 3人 | 4,800万円 | 4,800万円 |
| 配偶者と子3人 | 4人 | 5,400万円 | 5,400万円 |
| 配偶者と親2人 | 3人 | 4,800万円 | 4,800万円 |
| 配偶者と兄弟姉妹2人 | 3人 | 4,800万円 | 4,800万円 |
計算ロジック:基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。相続放棄をした人がいても、放棄がなかったものとして人数を数えます。
重要ポイント:基礎控除を超えると、配偶者控除で税額が0円になる場合でも申告が必要になります。この2つは性質が違い、基礎控除は申告そのものが不要、配偶者控除は申告して初めて使えるものです。
配偶者控除でいくら軽減されるとしても、申告書を出さなければ適用されません。期限は亡くなったことを知った日の翌日から10か月です。
遺産1億円で相続人が配偶者と子2人の場合、相続税の総額は630万円です。申告して配偶者が5,000万円を取得したと届け出れば納税額は315万円まで下がりますが、申告しなければ630万円がそのまま残ります。
計算ロジック:基礎控除4,800万円を引いた課税遺産総額5,200万円を法定相続分で分けて税率をかけると、相続税の総額は630万円です。配偶者が半分を取得すれば按分税額315万円が全額軽減され、子2人分の315万円だけが残ります。
申告の手続きや、申告後に配偶者控除を適用する方法は下記の記事で解説しています。


配偶者控除には要件があります。4つのうち1つでも外れると使えません。特に分け方が決まっていることと、期限内の申告は実務でつまずきやすい点です。
対象は婚姻届を出している配偶者に限られます。内縁関係や事実婚のパートナーは、何年一緒に暮らしていても対象外です。
婚姻期間の長さは問われません。結婚して1か月でも配偶者控除は使えます。一方で、離婚が成立していれば元配偶者は使えません。
内縁のパートナーには相続権そのものがなく、遺言で財産を渡した場合も相続税が2割加算されます。対策の選択肢は下記の記事にまとめています。

配偶者控除は配偶者が実際に取得した財産をもとに計算します。そのため申告期限までに分割されていない財産は対象になりません。
間に合わない場合の救済はあります。申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておけば、3年以内に分割がまとまったときに適用できます。
⬇
⬇
⬇
参照元:国税庁 No.4208 相続財産が分割されていないときの申告
税額が0円になる場合でも申告書の提出が必要です。申告しないまま期限を過ぎると、配偶者控除を使わない税額が確定します。
添付書類も決まっています。戸籍謄本のほか、遺言書の写しや遺産分割協議書の写しなど、配偶者が取得した財産が分かる書類を付けます。
【配偶者控除を使うときの添付書類】
申告書で配偶者控除を使い忘れても、修正申告書や更正の請求書で後から適用できます(相続税法19条の2第3項)。「一度使わずに申告したら直せない」という説明は、法令と食い違います。
配偶者控除の対象になる財産には、隠したり偽ったりしていた財産は含まれません。税務調査で申告漏れが指摘された分は、軽減されずに課税されます。
意図的に隠した場合はもちろん、妻名義の預金を「妻のものだから」と申告に含めなかった結果、あとから相続財産と判定されるケースもここに当たる可能性があります。
【隠した財産と判定されたときの負担】
夫婦間の預金がどちらの財産と判定されるかは、名義ではなく実態で決まります。妻名義だから妻の財産、という単純な話ではありません。

金額を当てはめると仕組みがはっきりします。無税になる上限を超えるかどうかで、結果が大きく変わります。
ここでは計算の手順を確認したうえで、上限に収まる場合と超える場合を3パターンで見ていきます。
配偶者控除は最後に差し引きます。先に家族全体の相続税を計算し、そのあとで配偶者の分を軽減する流れです。
⬇
⬇
⬇
ここで大事なのはSTEP2です。家族全体の税額は分け方では変わりません。分け方が変えるのは「誰がいくら負担するか」と「配偶者控除がいくら効くか」です。
遺産1億円、相続人は妻と子2人とします。基礎控除4,800万円を引くと課税遺産総額は5,200万円で、相続税の総額は630万円です。
妻が1億円すべてを取得すると、按分税額630万円のすべてが妻に割り振られます。1億円は1億6,000万円以下なので全額が軽減され、納税額は0円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 遺産の総額 | 1億円 |
| 基礎控除 | 4,800万円 |
| 相続税の総額 | 630万円 |
| 妻の取得額 | 1億円 |
| 無税になる上限 | 1億6,000万円 |
| 一次相続の納税額 | 0円 |
重要ポイント:ここだけを見ると理想的です。ただしこの1億円はそのまま妻の相続財産になり、次の相続で課税されます。合計で見た結果は次の章で確認します。
同じ遺産1億円で、妻が法定相続分の5,000万円を取得した場合です。相続税の総額630万円のうち、妻の按分税額315万円が全額軽減されます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 相続税の総額 | 630万円 |
| 妻の取得額 | 5,000万円(法定相続分) |
| 妻の按分税額 | 315万円 |
| 配偶者控除による軽減 | △315万円 |
| 妻の納税額 | 0円 |
| 子2人の納税額(合計) | 315万円 |
計算ロジック:軽減される金額は「相続税の総額 × 軽減の対象になる金額 ÷ 課税価格の合計」です。妻の取得5,000万円は1億6,000万円以下なので全額が対象になり、630万円×5,000万円÷1億円=315万円が軽減されます。
上限を超えると、超えた部分には相続税がかかります。遺産4億円、相続人は妻と子2人、妻が3億円を取得したケースで確認します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 遺産の総額 | 4億円 |
| 相続税の総額 | 9,220万円 |
| 妻の法定相続分 | 2億円 |
| 無税になる上限 | 2億円(1億6,000万円より大きい) |
| 妻の取得額 | 3億円 |
| 妻の按分税額 | 6,915万円 |
| 配偶者控除による軽減 | △4,610万円 |
| 妻の納税額 | 2,305万円 |
| 子2人の納税額(合計) | 2,305万円 |
表の見方:遺産4億円では法定相続分2億円のほうが1億6,000万円より大きいので、上限は2億円になります。妻が3億円を取得すると、超えた1億円に対応する分は軽減されません。
計算ロジック:軽減額は 9,220万円 × 2億円 ÷ 4億円 = 4,610万円です。妻の按分税額6,915万円からこれを引いた2,305万円が妻の納税額になります。

多くの解説は「妻に渡しすぎると二次相続で損をする」と警告して終わります。ただいくらが最適なのかまで答えているものはほとんどありません。
ここでは配分を動かして一次相続と二次相続の合計を比べ、最も安くなる金額と、その求め方を示します。
遺産1億円・妻と子2人で、妻の取得額を変えて一次相続の納税額だけを並べると、妻に多く渡すほど税額は下がり続けます。
妻に全部渡せば0円です。この時点で判断すると、配偶者控除を最大限に使うのが正解に見えます。
ところが妻が取得した財産は、妻が亡くなったときに子へ相続されます。二次相続では配偶者控除が使えず、相続人も1人減ります。
| 妻の取得額 | 一次相続 | 二次相続 | 合計 | 最安との差 |
|---|---|---|---|---|
| 0円(子だけで分ける) | 630万円 | 0円 | 630万円 | +264.6万円 |
| 2,500万円 | 472.5万円 | 0円 | 472.5万円 | +107.1万円 |
| 4,200万円 | 365.4万円 | 0円 | 365.4万円 | - |
| 5,000万円(法定相続分) | 315万円 | 80万円 | 395万円 | +29.6万円 |
| 7,000万円 | 189万円 | 320万円 | 509万円 | +143.6万円 |
| 1億円(妻に全部) | 0円 | 770万円 | 770万円 | +404.6万円 |
表の見方:妻の固有財産は0円、二次相続の相続人は子2人(基礎控除4,200万円)としています。一次相続の納税額だけを見れば右下がりですが、合計で見るとU字型になります。
重要ポイント:最も重いのは妻に全部渡した場合の770万円で、最安の365.4万円と404.6万円の差があります。一次相続を0円にした選択が、結果として2.1倍の負担になっています。
計算ロジック:妻が4,200万円を取得すると、妻の按分税額264.6万円が全額軽減され、子2人分の365.4万円が残ります。妻の相続財産4,200万円は二次相続の基礎控除と同額なので、二次相続は0円です。
4,200万円という金額に意味があります。子2人の場合の二次相続の基礎控除がちょうど4,200万円だからです。ここに収めれば二次相続の税額が0円になります。
遺産が大きい家庭では、二次相続を0円にするより一次相続を軽くしたほうが有利になります。その場合の目安も税率帯の境目です。
| 妻に渡す目安 | 内訳 | 二次相続の税額 | 有利になる遺産額 |
|---|---|---|---|
| 4,200万円 | 基礎控除(3,000万+600万×2人) | 0円 | 1億5,000万円まで |
| 6,200万円 | 基礎控除+1,000万円×2人(税率10%の上限) | 200万円 | 2億円前後 |
| 1億200万円 | 基礎控除+3,000万円×2人(税率15%の上限) | 800万円 | 2億5,000万円以上 |
表の見方:子2人の場合の目安です。子が1人なら基礎控除は3,600万円、3人なら4,800万円になり、人数が変われば境目も変わります。
計算ロジック:相続税の税率は、法定相続分で分けた1人あたりの金額で決まります。子2人なら1人1,000万円以下が10%、3,000万円以下が15%です。
境目の求め方:基礎控除4,200万円に、1人あたりの帯の上限×2人を足した金額が税率の上がる直前の水準になります。
注意点:これは税額だけを見た目安です。妻の生活費、自宅を誰が引き継ぐか、不動産を分けられるかによって答えは変わります。数字は判断の出発点として使ってください。
自分の家庭に近い行を見れば、妻にいくら渡せばよいかの目安が分かります。妻と子2人、妻の固有財産は0円という前提です。
| 遺産の総額 | 妻に渡す目安 | 一次相続 | 二次相続 | 合計 | 妻に全部渡した場合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 4,200万円 | 3.2万円 | 0円 | 3.2万円 | 80万円 |
| 6,000万円 | 4,200万円 | 36万円 | 0円 | 36万円 | 180万円 |
| 8,000万円 | 4,200万円 | 166.2万円 | 0円 | 166.2万円 | 470万円 |
| 1億円 | 4,200万円 | 365.4万円 | 0円 | 365.4万円 | 770万円 |
| 1億5,000万円 | 4,200万円 | 1,076.4万円 | 0円 | 1,076.4万円 | 1,840万円 |
| 2億円 | 6,200万円 | 1,863万円 | 200万円 | 2,063万円 | 3,340万円 |
| 2億5,000万円 | 1億200万円 | 2,350.2万円 | 800万円 | 3,150.2万円 | 4,920万円 |
| 3億円 | 1億200万円 | 3,775.2万円 | 800万円 | 4,575.2万円 | 6,920万円 |
表の見方:右端は妻がすべて相続した場合の合計です。目安どおりに分けた場合との差は、遺産5,000万円で76.8万円、3億円では2,344.8万円になります。
重要ポイント:遺産が大きい家庭ほど差が広がります。ただし割合で見ると小さい家庭のほうが影響は大きく、遺産5,000万円では合計税額が25分の1になります。
ここまで子2人を前提にしてきましたが、子の人数が変わると二次相続の基礎控除が変わり、目安も動きます。遺産1億円で人数だけを変えて比べます。
| 子の人数 | 二次相続の基礎控除 | 妻に渡す目安 | 一次相続 | 二次相続 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 3,600万円 | 492.8万円 | 0円 | 492.8万円 |
| 2人 | 4,200万円 | 4,200万円 | 365.4万円 | 0円 | 365.4万円 |
| 3人 | 4,800万円 | 4,800万円 | 273万円 | 0円 | 273万円 |
| 4人 | 5,400万円 | 5,400万円 | 207万円 | 0円 | 207万円 |
表の見方:妻に渡す目安は、いずれも二次相続の基礎控除と同額です。子が多いほど基礎控除が大きくなるため、妻に渡せる金額も増えます。
重要ポイント:子が1人の家庭は不利です。一次相続の相続税の総額も770万円と最も重く、二次相続の基礎控除も3,600万円と最も小さいためです。同じ遺産1億円でも、子3人の家庭の1.8倍を負担します。
生前のうちに二次相続まで見据えて対策する場合の考え方は、下記の記事で解説しています。

ここまでの目安は、妻が受け取った財産をそのまま持ち続ける前提です。一次相続の後に妻から子へ財産を移したり、相次相続控除を使ったりすれば、二次相続の負担はさらに下げられます。
| 方法 | 仕組み | 注意点 |
|---|---|---|
| 妻から子・孫への暦年贈与 | 1人あたり年110万円までは贈与税がかからない。妻の財産が減り、二次相続で課税される額も減る | 相続人(子)への贈与は、妻が亡くなる前7年以内の分が相続財産に足し戻される |
| 妻から子への相続時精算課税 | 累計2,500万円までは贈与税がかからない。年110万円の基礎控除分は足し戻されない | 2,500万円の部分は贈与した時の価額で二次相続に足し戻される。値上がりする財産に向く |
| 相次相続控除 | 一次相続で妻が相続税を納め、10年以内に妻が亡くなると、二次相続の子の税額から一定額を引ける | 一次相続で妻の税額を0円にすると使えない。経過した年数に応じて1年ごとに10%ずつ減る |
重要ポイント:目安どおり妻の取得額を抑えるか、多めに渡して生前贈与で減らすかは、妻の年齢や生活費で変わります。妻の老後の生活資金を削ってまで二次相続の税額を下げないでください。
7年の足し戻しを受けても生前贈与を効かせる方法は、下記の記事で解説しています。

相次相続控除の計算方法は、下記の記事で解説しています。


ここまでは妻自身の財産を0円として計算しました。実際には妻名義の預金や、妻が親から相続した不動産があることのほうが多いはずです。
妻の財産も二次相続で課税されるため、固有財産がある分だけ夫から渡してよい金額は減ります。
二次相続で子が相続するのは、夫から引き継いだ分と、妻がもともと持っていた財産の合計です。夫の遺産だけを見て配分を決めると、この部分を見落とします。
妻がもともと4,200万円を持っていれば、その時点で二次相続の基礎控除を使い切っています。夫の遺産をいくら渡しても、渡した分がそのまま課税対象になります。
遺産1億円・妻と子2人で、妻の固有財産を変えたときの最適額です。固有財産が増えるほど、渡す金額は減っていきます。
| 妻の固有財産 | 渡す目安 | 一次相続 | 二次相続 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 0円 | 4,200万円 | 365.4万円 | 0円 | 365.4万円 |
| 1,000万円 | 3,200万円 | 428.4万円 | 0円 | 428.4万円 |
| 2,000万円 | 2,200万円 | 491.4万円 | 0円 | 491.4万円 |
| 3,000万円 | 1,200万円 | 554.4万円 | 0円 | 554.4万円 |
| 4,200万円 | 0円 | 630万円 | 0円 | 630万円 |
| 5,000万円 | 0円 | 630万円 | 80万円 | 710万円 |
| 8,000万円 | 0円 | 630万円 | 470万円 | 1,100万円 |
計算ロジック:目安は二次相続の基礎控除 - 妻の固有財産です。子2人なら基礎控除は4,200万円なので、固有財産が2,000万円なら4,200万円-2,000万円=2,200万円が目安になります。
重要ポイント:固有財産が4,200万円を超えていれば、夫の遺産は妻に1円も渡さないほうが合計は軽くなります。固有財産が5,000万円ある家庭では、渡さなくても二次相続で80万円かかります。
注意点:妻の生活資金を確保する必要があるため、税額だけで決めるべきではありません。自宅を妻が引き継ぐなら小規模宅地等の特例も絡みます。
固有財産を数えるとき問題になるのが、妻名義の預金です。名義が妻でも、原資が夫の収入なら夫の財産と判定されることがあります。
専業主婦だった妻の口座に数千万円がある、生活費として受け取った分を貯めていた、というケースが典型です。これが名義預金で、夫の相続財産に含めて申告する必要があります。
【名義預金と判定されやすいケース】
判定されると相続財産に加算され、隠していたとみなされれば配偶者控除も使えません。判定の基準と、加算されたときに税額がいくら増えるかは下記の記事で解説しています。


相続だけでなく、生きている間のやりとりにも税金がかかります。夫婦の間でも、原則として贈与税は課税されます。
生活費のやりとりまで課税されるわけではありませんが、線引きを知らないまま口座を移すと、あとから指摘されることがあります。
贈与税は個人から財産をもらったときにかかる税金で、相手が配偶者でも例外ではありません。夫婦だから非課税、という規定はありません。
もらった人1人につき年110万円の基礎控除があるため、この範囲に収まっていれば結果として税額は0円になります。超えた分には贈与税がかかります。
夫婦の財産は2人のもの、という感覚を持っている人は多いのですが、税法にはそうした考え方がありません。財産は名義ではなく、そのお金を出した人のものとして扱われます。
民法には夫婦の協力で築いた財産という考え方があり、離婚のときの財産分与では機能します。ただし相続税や贈与税の計算では使いません。
| 場面 | 判断の基準 |
|---|---|
| 離婚のときの財産分与 | 夫婦が協力して築いた財産として分ける(原則2分の1) |
| 相続税・贈与税 | そのお金を出した人の財産として扱う(名義や協力の度合いは考慮しない) |
重要ポイント:専業主婦だった妻の口座に3,000万円あっても、原資が夫の給与なら税務上は夫の財産です。「家事で支えたのだから半分は自分のもの」という主張は、相続税の計算では通りません。
注意点:だからといって夫の口座から妻の口座へ移せば解決、とはなりません。その移動自体が贈与にあたり、贈与税の対象になります。生前に名義を整えたいなら、贈与税の負担と相続税の負担を比べて判断してください。
夫婦間のやりとりで課税されないのは、次の3つに当てはまる場合です。日常の生活費が課税されないのは、このうち2つ目にあたるからです。
【贈与税がかからない3つのケース】
②が最も使われている非課税です。毎月の生活費を夫の口座から妻の口座へ移すこと自体は贈与になりません。問題は使わずに残った分の扱いです。
悪意がなくても課税されるケースがあります。お金の流れが記録に残るため、あとから把握されます。
| やったこと | 課税されるか | 理由 |
|---|---|---|
| 毎月の生活費を妻の口座へ移した | かからない | 必要な都度あてているため |
| 生活費として渡した残りで株や投資信託を買った | かかる | 生活費にあてていないため非課税の対象外 |
| 夫の口座から妻の口座へ1,000万円を移した | かかる | 生活費の範囲を超え、預金として残っている |
| 夫が全額出した家を夫婦の共有名義にした | かかる | 出した金額と持分がずれた分が贈与になる |
| 夫が保険料を払った満期保険金を妻が受け取った | かかる | 保険料を負担していない人が受け取ったため |
| 夫名義の住宅ローンを妻の預金で返済した | かかる | 返済した分が妻から夫への贈与になる |
| 社会通念上相当な範囲のお祝いやプレゼント | かからない | 非課税財産にあたる |
重要ポイント:4行目は住宅の頭金でよく起こります。夫が頭金を全額出したのに持分を半分ずつにすると、半分が妻への贈与になります。出した金額の割合どおりに持分を登記すれば課税されません。
注意点:贈与税の時効は原則6年、意図的に申告しなかった場合は7年です。ただし贈与が成立していないと判断されれば、時効に関係なく相続財産として課税されます。
夫婦の間の贈与には一般税率が使われます。親から18歳以上の子への贈与に使う特例税率より高い税率です。
| もらった金額 | 贈与税額 | 負担率 |
|---|---|---|
| 110万円 | 0円 | 0.0% |
| 200万円 | 9万円 | 4.5% |
| 500万円 | 53万円 | 10.6% |
| 1,000万円 | 231万円 | 23.1% |
| 3,000万円 | 1,195万円 | 39.8% |
計算ロジック:もらった金額から基礎控除110万円を引き、残りに一般税率の速算表をあてはめます。1,000万円なら890万円が課税価格で、890万円×40%-125万円=231万円です。
重要ポイント:夫の口座から妻の口座へ1,000万円を移して預金のまま残すと、231万円の贈与税がかかり得ます。同じ1,000万円を相続で渡せば、配偶者控除で0円になることがほとんどです。生前に動かす前に、相続で渡した場合と比べてください。
参照元:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
婚姻期間が20年を過ぎた夫婦なら、居住用の不動産か、その取得資金を最高2,000万円まで非課税で渡せます。基礎控除110万円と合わせて2,110万円までが対象です。
【おしどり贈与の要件】
相続対策として使う場合、大きな利点があります。おしどり贈与で渡した分は、亡くなる前7年以内であっても相続財産に戻されません。相続が近い段階でも使える数少ない手段です。
参照元:国税庁 No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
ただし不動産を渡すと登録免許税と不動産取得税がかかります。相続で渡せばかからない費用なので、節税額と手続き費用を比べてから判断してください。
生前贈与の全体像と、7年以内の贈与が戻されるルールは下記の記事で解説しています。


夫婦の財産で最も大きいのは自宅であることが多く、誰が引き継ぐかで税額が大きく変わります。
配偶者には小規模宅地等の特例で有利な扱いがあり、配偶者控除と重ねると効果はさらに大きくなります。
自宅の土地は、要件を満たせば330平方メートルまで評価額を80%減らせます。配偶者が取得する場合、取得者ごとの要件はありません。
同居していた子が取得する場合は、申告期限まで住み続け、土地を持ち続ける必要があります。配偶者にはこの縛りがなく、相続後すぐ売却しても特例は使えます。
| 取得する人 | 取得者ごとの要件 |
|---|---|
| 配偶者 | 要件なし(住み続ける必要も、持ち続ける必要もない) |
| 同居していた親族 | 申告期限まで住み続け、かつ土地を持ち続けること |
| 同居していない親族(家なき子) | 被相続人に配偶者がいないことなど、6つの要件すべて |
重要ポイント:3行目に注目してください。配偶者が生きている限り、別居の子は家なき子の特例を使えません。一次相続で自宅を子に渡す選択肢は、実質的に同居している子に限られます。
参照元:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
遺産1億円のうち自宅の土地が5,000万円という家庭で比べます。特例を使うと土地の評価が1,000万円になり、遺産は6,000万円として計算されます。
| 特例を使わない | 特例を使う | |
|---|---|---|
| 自宅の土地の評価 | 5,000万円 | 1,000万円 |
| 遺産の総額 | 1億円 | 6,000万円 |
| 相続税の総額 | 630万円 | 120万円 |
| 妻に渡す目安 | 4,200万円 | 4,200万円 |
| 一次相続の納税 | 365.4万円 | 36万円 |
| 二次相続の納税 | 0円 | 0円 |
| 合計 | 365.4万円 | 36万円 |
計算ロジック:5,000万円の80%にあたる4,000万円が減額され、遺産は1億円から6,000万円になります。
税額の内訳:基礎控除4,800万円を引いた課税遺産総額は1,200万円で、相続税の総額は120万円です。妻が4,200万円を取得すると按分税額84万円が全額軽減され、残るのは36万円です。
重要ポイント:差は329.4万円で、配偶者控除だけを使った場合の10分の1まで下がります。自宅がある家庭では、配偶者控除より先にこの特例の適用可否を確認すべきです。
自宅の所有権を子に移しながら、妻が住み続けられる権利が配偶者居住権です。所有権と居住権に分けることで、妻が取得する財産の評価額を抑えられます。
妻は住む場所を確保しつつ、取得額を小さくできます。取得額が減れば、これまで見てきた二次相続の負担も軽くなります。
【配偶者居住権が向いているケース】
妻が亡くなると配偶者居住権は消滅し、二次相続では課税されません。ただし途中で自宅を売却したい場合など、身動きが取りにくくなる面もあります。
評価額の計算方法やメリット・デメリットは下記の記事で詳しく解説しています。


子どもがいない場合、残された配偶者が全部相続できるとは限りません。夫の親や兄弟姉妹が相続人に加わるためです。
相続人の顔ぶれが変われば、法定相続分も基礎控除も税額も変わります。ここは事前に確認しておかないと、配偶者が家を追われる事態にもなりかねません。
相続人には順位があり、子がいなければ親、親もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。配偶者は順位に関係なく常に相続人です。
夫の親が健在なら、妻と義理の親が遺産を分けることになります。親が亡くなっていて夫に兄弟がいれば、妻と義理の兄弟姉妹で分けます。
| 家族構成 | 相続人 | 配偶者の法定相続分 | 基礎控除 | 相続税の総額(遺産1億円) |
|---|---|---|---|---|
| 子がいる | 配偶者と子2人 | 1/2 | 4,800万円 | 630万円 |
| 子なし・親が健在 | 配偶者と親2人 | 2/3 | 4,800万円 | 666.6万円 |
| 子なし・親も他界 | 配偶者と兄弟姉妹2人 | 3/4 | 4,800万円 | 710万円 |
| 子なし・親も兄弟もいない | 配偶者のみ | 全部 | 3,600万円 | 1,220万円 |
表の見方:相続人が減るほど基礎控除が小さくなり、1人あたりの取得額が増えて税率も上がります。配偶者だけが相続人のとき、相続税の総額は最も重くなります。
重要ポイント:ただし配偶者控除があるため、配偶者がすべて取得すれば1億6,000万円までは納税額0円です。総額1,220万円という数字は、二次相続で妻の財産を誰かが相続するときに効いてきます。
兄弟姉妹が相続人になる場合の相続税と、2割加算の計算は、下記の記事で解説しています。

義理の兄弟姉妹が相続人になる場合、遺言で妻に全部渡すと決めておけば、兄弟姉妹は取り分を請求できません。兄弟姉妹には遺留分がないためです。
親が相続人になる場合は事情が違い、親には遺留分があります。遺言で妻に全部渡しても、親は一定割合を請求できます。
| 相続人 | 遺留分 | 遺言で妻に全部渡せるか |
|---|---|---|
| 子 | あり(法定相続分の1/2) | 請求されれば渡すことになる |
| 親 | あり(法定相続分の1/3) | 請求されれば渡すことになる |
| 兄弟姉妹 | なし | 渡せる |
重要ポイント:子どもがいない夫婦にとって遺言はほぼ必須です。遺言がなければ、妻は義理の兄弟姉妹と遺産分割協議をすることになり、連絡が取れない、話し合いに応じないといった問題が起こります。
参照元:e-Gov 法令検索 民法(第900条・第1042条)
子どもがいる家庭と違い、何もしなければ配偶者が義理の親族と交渉する立場に置かれます。準備の有無で結果が大きく変わる点が特徴です。
【子どもがいない夫婦の準備】
重要ポイント:子どもがいない夫婦では、二次相続で財産が配偶者側の親族へ移ります。夫の実家から引き継いだ不動産が妻の兄弟へ渡る、といったことが起こるため、両家の意向を踏まえて遺言を組む必要があります。
子どもがいない夫婦の相続税と生前対策は、下記の記事で詳しく解説しています。


制度を知っていても、例外的な場面で判断を誤ると配偶者控除を落とします。
最後に、実務でつまずきやすい4つの場面と、申告前に確認すべきことをまとめます。
期限を過ぎても、申告期限までに遺産分割が終わっていれば配偶者控除は適用できます。軽減そのものを失うわけではありません。
ただし無申告加算税と延滞税がかかります。税額が0円になる場合でも、期限内に出しておくのが原則です。
【期限後申告のペナルティ】
分割協議の途中で妻が亡くなっても、妻が取得したものとして分割を確定させれば配偶者控除を使えます。残された相続人と妻の相続人が合意すれば成立します。
ただしこの場合、妻の相続税が0円になるため、次の相続で相次相続控除が使えなくなる点には注意が必要です。
申告期限や基礎控除の数え方も変わります。相続が二重に起きた場合の扱いは下記の記事で解説しています。

遺産分割協議には判断能力が必要です。配偶者が認知症で判断できない状態なら、成年後見人を選任しなければ協議できません。
後見人が選ばれれば協議は進められますが、後見人には本人の財産を守る義務があります。
【後見人がついたときの制約】
元気なうちに遺言を作っておけば、協議そのものが不要になります。認知症の兆候が出てからでは選べる手段が急に狭まります。
認知症になる前にできる対策と、発症後の対応は下記の記事で解説しています。

配偶者が相続を放棄しても、遺贈や生命保険金で財産を受け取っていれば配偶者控除は使えます。配偶者控除の要件は「配偶者であること」で、相続人であることではありません。
一方で失うものもあります。生命保険金と死亡退職金の非課税枠は使えなくなり、債務控除も適用されません。
なお基礎控除の人数には、放棄がなかったものとして数えます。配偶者が放棄しても、他の相続人の基礎控除が減ることはありません。
配偶者控除と障害者控除は一緒に使えます。控除は配偶者控除が先なので、妻の税額が配偶者控除で0円になると、妻の障害者控除は引ききれずに残ります。残った分は、妻を扶養している家族(子など)の相続税から引けます。
| 項目 | 妻が70歳・一般障害者の場合 |
|---|---|
| 障害者控除の額 | (85歳−70歳)×10万円=150万円(特別障害者は1年あたり20万円) |
| 配偶者控除を引いた後の妻の税額 | 0円(妻の障害者控除は150万円すべて残る) |
| 残った150万円の使い道 | 妻を扶養している子の相続税から引ける |
重要ポイント:「妻の税額が0円だから障害者控除は使えない」と考えて、引き継ぎを忘れる例があります。子の申告で引き継ぐ分を計算に入れてください。
障害者控除の額の早見表と、扶養義務者への引き継ぎは、下記の記事で解説しています。

提出前に、夫婦間の相続で落としやすい項目を確認します。
チェックリスト:申告前に確認すること
重要ポイント:このうち最も金額に響くのは二次相続まで含めた合計で配分を比べたかです。一次相続を0円にする申告は税務上は正しく、指摘もされないまま二次相続で跳ね返ります。
配偶者控除以外にも使える控除があります。制度の一覧と適用の順番は下記の記事にまとめています。


夫婦間の相続は分け方を決めた時点で合計税額が固定される相続です。複数の税理士から見積りを取り、提案の中身を比べてください。
配偶者控除は使い方を誤ると、使わなかった場合より重くなる珍しい制度です。一次相続だけを見た提案では判断できません。
【相続税の対応実績がある税理士に相談すべき理由】
たとえば遺産1億円・妻と子2人の家庭で、A税理士は配偶者控除を最大限使う配分を提案しました。一次相続の納税は0円ですが、二次相続で770万円かかります。
B税理士は妻の取得を4,200万円に抑える配分を提案しました。一次相続で365.4万円を納め、二次相続は0円です。404.6万円の差が生まれています。
比べるべきなのは二次相続まで試算した数字を出してくるかです。一次相続だけの見積りでは、最も高い配分を勧められる可能性があります。
判定ポイント1:二次相続まで試算しているか見積りに「一次相続の税額」しか書かれていないか、「一次+二次の合計」まで出ているかを見てください。→ 合計で比べない事務所は、配偶者控除を最大化する提案に偏ります。
判定ポイント2:配偶者の固有財産を聞いてくるか相談の初期に奥様ご自身の財産はどれくらいありますかと確認するかどうかです。→ 聞かない事務所は、最適な配分を計算できていません。
判定ポイント3:家族名義の口座を確認するか妻名義の預金の原資まで踏み込んで聞いてくるかを見てください。→ 確認しない事務所は、申告後に名義預金を指摘されるリスクを残します。
自分の判断だけで進めた場合に起きることです。申告してからでは戻せない失敗が含まれます。
【相談しないまま進めた場合のリスク】
いずれも遺産分割協議書に押印する前に確認しておけば避けられたものです。申告してしまってから配分を変えることはできません。
依頼から契約までは4つの段階で進み、フォームの記入は5分程度で終わります。
⬇
⬇
⬇
かかります。配偶者にも他の相続人と同じように相続税は課税されており、配偶者控除という制度を使った結果として0円になっているだけです。
配偶者が実際に取得した遺産のうち、1億6,000万円と法定相続分相当額の多いほうまでが軽減の対象です。これを超えて取得した部分には相続税がかかります。
必要です。配偶者控除は申告して初めて適用されるため、申告しなければ軽減されない状態の税額が確定します。
遺産が基礎控除以下なら申告そのものが不要ですが、これは配偶者控除とは別の話です。基礎控除を超えていれば、税額が0円でも申告書を提出してください。
多くの場合、損になります。一次相続の納税は0円になりますが、その財産は妻の相続財産となり、二次相続では配偶者控除が使えず相続人も1人減るためです。
遺産1億円・妻と子2人の家庭では、妻に全部渡すと合計770万円、妻の取得を4,200万円に抑えると合計365.4万円で、404.6万円の差が出ます。目安は「二次相続の基礎控除 - 妻の固有財産」です。
名義ではなく原資で判断されます。専業主婦だった妻の口座に収入では説明できない残高がある場合、夫の財産(名義預金)として相続財産に含めることになります。
生活費として渡したお金を使わずに貯めていた分も対象になり得ます。申告に含めずに税務調査で指摘されると、その財産には配偶者控除が使えないうえ重加算税もかかります。
使えません。配偶者控除の対象は戸籍上の配偶者に限られ、内縁関係や事実婚のパートナーは何年一緒に暮らしていても対象外です。
内縁のパートナーには相続権もないため、遺言がなければ財産を受け取れません。遺言で渡した場合も相続税が2割加算され、生命保険金の非課税枠も使えません。
夫婦の間でも相続税はかかります。配偶者控除で1億6,000万円まで無税になりますが、申告しなければ適用されず、分け方が決まっていなければ使えません。
最も金額に響くのは配分です。妻に全部渡すと一次相続は0円になりますが、二次相続で跳ね返ります。合計で比べて初めて、どの配分が有利かが分かります。
【この記事の要点】
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年10月時点の法令等に基づいて作成しています。相続税法および租税特別措置法の改正により、内容が変わる可能性があります。最新の制度については国税庁のホームページをご確認いただくか、相続税の対応実績がある税理士へご相談ください。