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相続税はいくらから?基礎控除・申告義務・自分のケースで判定する方法を完全解説

相続税_いくらから

「親が亡くなったけど、自分の家は相続税を払う必要があるのだろうか」「相続税は何千万円以上の財産があったらかかるの?」

こうした疑問を持つ方は少なくありません。

結論から言えば、相続税がかかる可能性があるのは遺産総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるケースです。法定相続人が3人なら4,800万円、4人なら5,400万円が境界線となります。

令和5年分の統計では相続税の課税割合は過去最高の9.9%に達し、もはや富裕層だけの問題ではなく、自宅と預貯金を持つ一般家庭にも身近な税金になっています。

本記事では国税庁の一次情報をベースに、相続税がかかる金額のしきい値、自分のケースで判定する具体的な手順、税額ゼロでも申告が必要なケースまで、相続を控えた方が迷わず判断できるよう体系的に解説します。

▼この記事の要点

  • 相続税がかかる可能性があるのは遺産総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるとき
  • みなし相続財産(生命保険・退職金)や生前贈与加算により、実質的なしきい値は変動する
  • 税額ゼロでも申告が必要なケース(配偶者軽減・小規模宅地特例)があるため要注意

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結論|相続税がかかるのはいくらから?

検索者がもっとも知りたい「いくらから相続税がかかるのか」の答えを、最初に明確にお伝えします。

相続税の基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

相続税には「基礎控除」と呼ばれる非課税枠があり、遺産総額がこの基礎控除を超えなければ相続税はかかりません。基礎控除の計算式は次のとおりです。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

たとえば法定相続人が3人なら、3,000万円+600万円×3人=4,800万円が基礎控除額です。

遺産総額が4,800万円以下なら相続税はかからず、申告も原則不要となります。逆に4,800万円を超えれば、超過部分に対して相続税が課税される可能性があります。

つまり、「相続税はいくらから」という問いへの最もシンプルな答えは、「法定相続人が1人なら3,600万円から、2人なら4,200万円から、3人なら4,800万円から相続税の課税対象になり得る」ということです。

法定相続人の数別の基礎控除額早見表

ご自身のケースで基礎控除がいくらになるか、早見表で確認しましょう。

法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円
6人6,600万円

実務上、最も多いパターンは「配偶者と子2人の合計3人」で、この場合の基礎控除は4,800万円です。

ご自身の家族構成で法定相続人が何人になるかを確認し、上記の早見表で基礎控除額を把握してください。

令和5年分の最新統計:課税割合9.9%、平均税額1,930万円

国税庁が公表した令和5年分の相続税申告事績によると、被相続人(亡くなった方)のうち相続税が課税された人の割合は9.9%でした。前年の9.6%から上昇し、過去最高を更新しています。

また、相続税が課税された被相続人1人あたりの平均課税価格は約1億3,000万円、平均納付税額は約1,930万円となっています。

これらの数字が示すのは、相続税はもはや一部の富裕層だけの問題ではなく、自宅と預貯金を持つ一般家庭にも十分起こり得る課題ということです。特に都市部に自宅を持つご家庭では、土地の評価額だけで基礎控除を超えるケースも珍しくありません。

参照元:国税庁「令和5年分 相続税の申告事績の概要」

自分のケースで「いくらから」を判定する基本手順

ご自身のケースで相続税がかかるかどうかを判定する基本手順は、次の3ステップです。

第一に、法定相続人の数を確定します。配偶者の有無、子の人数、相続放棄者の有無などを整理してください。

第二に、基礎控除額を計算します。「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の式に当てはめます。

第三に、遺産総額を見積もり、基礎控除と比較します。預貯金・不動産・有価証券などのプラス財産から、借入金などのマイナス財産と葬式費用を差し引いた金額が遺産総額です。

この3ステップで「自分の家は相続税がかかるかどうか」のおおまかな判定ができます。詳細な手順はH2「『いくらから』を判定する5ステップ・セルフ診断」で解説します。

基礎控除とは|相続税の計算の出発点

「いくらから相続税がかかるか」を正しく理解するには、基礎控除の意味と仕組みを押さえる必要があります。

この章では、基礎控除の基本を整理します。

基礎控除の意味と役割

基礎控除とは、相続税の計算上、遺産総額から無条件で差し引ける非課税枠のことです(相続税法第15条)。

遺産総額が基礎控除以下であれば相続税の課税価格はゼロとなり、相続税はかからず、申告も原則として必要ありません。

基礎控除が設けられている趣旨は、小規模な相続にまで相続税を課すと納税者の負担が過重になるためです。一定額までは課税対象から外すことで、実質的に課税される相続を絞り込んでいます。

基礎控除の計算式(相続税法第15条)

基礎控除の計算式は、相続税法第15条に次のように規定されています。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

「3,000万円」は固定部分(定額控除)、「600万円×法定相続人の数」は変動部分(比例控除)です。

法定相続人が多いほど基礎控除が増える仕組みになっており、これは相続人が多ければ各人の取得分が小さくなるという実態を反映したものです。

2015年の改正で基礎控除が縮小された経緯

実は、2015年(平成27年)1月以前は、基礎控除はもっと大きく「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でした。

たとえば法定相続人が3人なら、改正前は8,000万円までが非課税でしたが、改正後は4,800万円までとなり、約4割の縮小です。

この改正によって、相続税の課税割合は改正前の4%台から大幅に上昇し、現在は10%近くまで達しています。これが「相続税はもはや富裕層だけの問題ではない」と言われる理由です。

実務上、2015年改正前と後で「いくらから相続税がかかるか」が大きく変わったため、過去の知識のままでいると判断を誤る可能性があります。

基礎控除以下なら相続税はかからない(原則)

遺産総額が基礎控除以下であれば、相続税はかからず、申告も原則として不要です。

たとえば法定相続人が3人で遺産総額が4,000万円のケースでは、基礎控除4,800万円を下回るため、相続税は発生せず、税務署への申告義務もありません。

ただし、後述するとおり「税額がゼロでも申告書の提出自体は必要なケース」があります。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って税額をゼロにする場合などです。詳細はH2「税額ゼロでも申告が必要なケース」で扱います。

参照元:国税庁タックスアンサーNo.4152「相続税の計算」e-Gov法令検索(相続税法第15条)

法定相続人の数え方|「いくらから」を左右する重要ルール

基礎控除の金額は「法定相続人の数」によって決まるため、正確に数えることが「いくらから」の判定の出発点となります。

法定相続人の数え方には、相続放棄者や養子に関する特殊なルールがあり、誤って数えると基礎控除額が数百万円単位で変わります。

法定相続人の基本ルール(配偶者・子・親・兄弟姉妹)

法定相続人とは、民法で定められた相続権を持つ人のことです。配偶者は常に相続人となり、それ以外は次の順位で決まります。

  • 第1順位:子(およびその代襲相続人)
  • 第2順位:直系尊属(父母、祖父母など)
  • 第3順位:兄弟姉妹(およびその代襲相続人)

第1順位の人がいれば第2順位以下は相続人になりません。たとえば被相続人に子がいれば、父母や兄弟は法定相続人になりません。

実務上、最も多いパターンは「配偶者+子」の組み合わせで、この場合の法定相続人の数は「1+子の人数」です。

相続放棄した人も法定相続人の数に含める

実務で誤解されやすいのが、相続放棄者の扱いです。

相続放棄をした人は、民法上は「最初から相続人でなかった」とみなされますが、相続税の基礎控除を計算する際の「法定相続人の数」には、相続放棄がなかったものとして含めます(相続税法第15条第2項)。

たとえば被相続人に子3人がいて、そのうち1人が相続放棄をした場合、民法上の相続人は2人ですが、基礎控除の計算では「3人」として扱います。

このルールは納税者にとって有利な規定で、相続放棄によって基礎控除が減らないように配慮されています。

養子の人数制限(実子ありなら1人、実子なしなら2人)

養子は民法上は実子と同じ相続権を持ちますが、相続税の基礎控除を計算する際の「法定相続人の数」には含められる養子の数に上限があります。

  • 被相続人に実子がいる場合:法定相続人の数に含められる養子は1人まで
  • 被相続人に実子がいない場合:法定相続人の数に含められる養子は2人まで

この制限は、養子縁組によって基礎控除を無制限に増やす節税を防ぐためのものです。

ただし、特別養子縁組による養子や配偶者の連れ子養子などは、人数制限の対象外として全員カウントできます。

代襲相続人の扱い

代襲相続とは、相続人となるはずだった人が被相続人より先に死亡している場合などに、その子(被相続人から見れば孫など)が代わって相続人になる制度です。

代襲相続人は通常の相続人と同じくカウントされ、人数制限はありません。

たとえば被相続人に子A・子Bがいて、子Aが先に死亡しており、子Aに孫が3人いる場合、法定相続人は子B+孫3人=4人となります。基礎控除は3,000万円+600万円×4人=5,400万円です。

法定相続人を数える具体例(5パターン)

実務でよくあるケースを5パターン整理します。ご自身のケースに近いものを参考にしてください。

家族構成法定相続人基礎控除額
配偶者+子2人配偶者・子A・子B3人4,800万円
配偶者+子1人+父母健在配偶者・子2人4,200万円
配偶者のみ(子なし・父母健在)配偶者・父・母3人4,800万円
配偶者のみ(子なし・父母なし・兄弟2人)配偶者・兄・弟3人4,800万円
子3人のうち1人が相続放棄子3人(放棄者も含む)3人4,800万円

5番目のケースで「放棄者も含む」とあるのが、相続税法独自のルールです。実務で迷いやすい点なので注意してください。

参照元:国税庁タックスアンサーNo.4170「相続人の中に養子がいるとき」

「遺産総額」の出し方|何を足して何を引くのか

法定相続人の数が確定したら、次は遺産総額を計算します。

実務でよく誤解されるのが「遺産総額に何を含めるか」です。預貯金や不動産だけでなく、生命保険や生前贈与も加算される一方、借入金や葬式費用は差し引けます。

この章では、遺産総額の正しい出し方を整理します。

遺産総額の計算式(プラス財産-マイナス財産-葬式費用)

遺産総額の計算式は次のとおりです。

遺産総額 = プラス財産 + みなし相続財産 + 加算対象贈与 - マイナス財産 - 葬式費用 - 非課税財産

この遺産総額から基礎控除を差し引いた残額が「課税遺産総額」となり、相続税の計算対象になります。

実務では、まずプラス財産・マイナス財産・葬式費用を整理し、その後にみなし相続財産や生前贈与加算を加える流れで進めます。

プラス財産に含めるもの(現預金・不動産・有価証券など)

プラス財産として遺産総額に含めるのは、被相続人が亡くなった時点で所有していた、金銭的価値のあるすべての財産です。

代表的なものは次のとおりです。

  • 現金・預貯金
  • 不動産(土地・建物)
  • 有価証券(株式・投資信託・国債など)
  • 自動車・貴金属・書画骨董などの動産
  • ゴルフ会員権・リゾート会員権
  • 著作権・特許権などの知的財産権
  • 貸付金・売掛金などの債権

実務上、見落とされやすいのは手元現金(タンス預金)貸金庫の中身です。これらも被相続人の財産として遺産総額に含めなければなりません。

マイナス財産として控除できるもの(借入金・未払金など)

被相続人が負っていた債務(マイナス財産)は、遺産総額から差し引けます。これを「債務控除」と呼びます。

控除できる主なマイナス財産は次のとおりです。

  • 借入金(住宅ローン・事業用借入など)
  • クレジットカードの未払い残高
  • 未払いの医療費・公共料金
  • 未払いの所得税・住民税・固定資産税
  • 連帯保証債務(債務者が弁済不能で確実な場合のみ)

ただし、団体信用生命保険付きの住宅ローンは被相続人の死亡で保険金により完済されるため、マイナス財産には含めません。

葬式費用に含められるもの・含められないもの

葬式費用も遺産総額から差し引けますが、含められる費用の範囲には注意が必要です。

含められるもの

  • 通夜・告別式・火葬の費用
  • 葬儀社への支払い
  • 僧侶・寺院・教会へのお布施・読経料
  • 死亡診断書の発行費用
  • 遺体の搬送費用

含められないもの

  • 香典返しの費用
  • 初七日・四十九日法要の費用
  • 墓地・墓石の購入費用
  • 仏壇・仏具の購入費用

実務では領収書のない費用(お布施など)も支出記録を残しておけば控除可能です。

みなし相続財産(生命保険・退職金)の扱い

生命保険金や死亡退職金は、民法上は相続財産ではありませんが、税法上は「みなし相続財産」として遺産総額に加算されます(相続税法第3条)。

ただし、これらには非課税枠が設けられています。

  • 生命保険金:500万円×法定相続人の数
  • 死亡退職金:500万円×法定相続人の数

たとえば法定相続人が3人で生命保険金が2,000万円の場合、非課税枠1,500万円を差し引いた500万円が遺産総額に加算されます。

この生命保険と死亡退職金の非課税枠は、生前の相続対策として極めて重要です。詳細は関連記事「死亡保険金にかかる相続税の完全ガイド|非課税枠の計算・契約形態別の課税・申告手順まで網羅」で解説しています。

相続税がかからない財産(非課税財産)

一部の財産は、相続税法上「非課税財産」として最初から課税対象になりません。

主な非課税財産は次のとおりです。

  • 墓地・墓石・仏壇・仏具・神棚など(祭祀財産)
  • 国・地方公共団体・公益法人への寄付
  • 生命保険金のうち非課税枠(500万円×法定相続人)の範囲内
  • 死亡退職金のうち非課税枠(500万円×法定相続人)の範囲内
  • 弔慰金の一定額まで

これらは遺産総額の計算から除外できます。

参照元:国税庁タックスアンサーNo.4108「相続税がかからない財産」

みなし相続財産で変わる「実質的ないくらから」

前章で触れたとおり、生命保険金や死亡退職金は税法上「みなし相続財産」として遺産総額に加算されます。

これらは民法上の相続財産ではないものの、実質的に被相続人の財産が遺族に移転する効果を持つため、相続税の課税対象に取り込まれています。

この章では、みなし相続財産が「いくらから相続税がかかるか」の判定にどう影響するかを整理します。

生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)

被相続人が契約者かつ被保険者となっていた生命保険の死亡保険金は、受取人が誰であっても「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用されます(相続税法第12条第1項第5号)。

たとえば法定相続人が3人なら1,500万円、4人なら2,000万円までの保険金は相続税がかかりません。

具体例で確認しましょう。法定相続人が3人で、生命保険金2,000万円を配偶者が受け取った場合の計算は次のとおりです。

  • 非課税枠:500万円×3人=1,500万円
  • 課税対象となる保険金:2,000万円-1,500万円=500万円

この500万円が遺産総額に加算されることになります。

実務上の注意点として、非課税枠が適用されるのは「相続人」が受け取った保険金に限られます。相続放棄者や相続人以外(孫など)が受け取った保険金には非課税枠が使えません。

死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)

会社員が在職中に亡くなった場合、勤務先から遺族に支払われる死亡退職金にも、生命保険金と同様に「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が適用されます。

ただし重要なのは、この非課税枠は生命保険金とは別枠である点です。両方を併用すれば、二重に非課税メリットを享受できます。

たとえば法定相続人が3人で、生命保険金1,500万円と死亡退職金1,500万円を受け取った場合、それぞれに1,500万円の非課税枠が適用され、合計3,000万円が非課税となります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の死亡一時金や小規模企業共済の共済金も、死亡退職金として扱われます。

弔慰金の非課税ルール

会社から支給される弔慰金には、退職金とは別の非課税ルールが定められています。

  • 業務上の死亡:普通給与の3年分まで非課税
  • 業務外の死亡:普通給与の半年分まで非課税

これを超える部分は死亡退職金として扱われ、上記の非課税枠(500万円×法定相続人)の対象になります。

実務では「弔慰金」「退職金」「見舞金」など名目が異なる支給があった場合、それぞれの性質を整理して課税関係を判定する必要があります。

実質的なしきい値の計算例

ここまでの内容を踏まえ、みなし相続財産を加味した実質的な「いくらから」を計算してみましょう。

ケース:法定相続人が3人、生命保険金1,500万円、預貯金・不動産などのプラス財産

  • 基礎控除:4,800万円
  • 生命保険金の非課税枠:1,500万円
  • 実質的な遺産総額のしきい値:4,800万円+1,500万円=6,300万円

つまり、生命保険を1,500万円組み込んでおけば、預貯金や不動産などの「通常の財産」が6,300万円までは相続税がかからないことになります。

死亡退職金もある場合は、さらに非課税枠が加わります。

このように、生命保険を活用することで「実質的に相続税がかからない金額」を大きく引き上げられるのが、相続対策で生命保険が重視される理由です。

参照元:国税庁タックスアンサーNo.4114「相続税の課税対象になる死亡保険金」国税庁タックスアンサーNo.4117「死亡退職金を受け取ったとき」

生前贈与加算で変わる「実質的ないくらから」

もう一つ、「いくらから相続税がかかるか」の判定に影響するのが生前贈与加算です。

被相続人が亡くなる前一定期間内に行った贈与は、相続財産に持ち戻して相続税を計算します。これにより、見かけの遺産総額より大きい金額が課税対象になる場合があります。

生前贈与加算とは(2024年改正で3年→7年に段階的延長)

生前贈与加算とは、被相続人が亡くなる前一定期間内に相続人等へ行った贈与を、相続財産に加算して相続税を計算するルールです(相続税法第19条)。

2023年度税制改正により、加算期間が3年から7年に段階的に延長されました。改正の主なポイントは次のとおりです。

  • 2024年1月1日以降の贈与から段階的に7年加算が適用
  • 完全に7年加算となるのは2031年1月以降の相続から
  • 延長された4年分(3年超〜7年以内)の贈与には合計100万円の控除あり

この改正により、長期間の暦年贈与による相続税対策の効果が以前より小さくなっています。

詳細な解説は関連記事「生前贈与は相続税で何年前までさかのぼる?2024年改正後の最新ルールと加算対象を完全解説」をご参照ください。

加算対象になる贈与・ならない贈与

すべての贈与が加算対象になるわけではありません。加算されるのは次の3条件をすべて満たす贈与です。

第一に、被相続人から相続人等への贈与であること。被相続人以外からの贈与は加算対象外です。

第二に、贈与を受けた人が相続または遺贈で財産を取得した人であること。相続人ではない孫への贈与は、原則として加算対象外となります。

第三に、相続開始前一定期間内(最大7年以内)の贈与であること。期間外の贈与は加算されません。

また、次のような贈与は加算対象外です。

  • 住宅取得等資金贈与の非課税分
  • 教育資金一括贈与の非課税分
  • 結婚・子育て資金一括贈与の非課税分
  • 配偶者へのおしどり贈与の非課税分(2,000万円控除)

加算後の遺産総額で基礎控除を超えるケース

実務で問題となるのは、「見かけの遺産総額は基礎控除以下だが、生前贈与を加算すると超える」ケースです。

たとえば次のような状況です。

  • 法定相続人:配偶者と子2人(合計3人)
  • 基礎控除:4,800万円
  • 死亡時の遺産:4,000万円
  • 過去3年以内の長男への贈与:合計900万円

この場合、見かけの遺産は4,000万円で基礎控除以下に見えますが、贈与の900万円を加算すると4,900万円となり、基礎控除を超えて相続税が発生します。

「遺産が基礎控除以下だから安心」と判断する前に、必ず過去の贈与を確認してください。

110万円以下の贈与でも加算対象になる点に注意

実務で誤解されやすいのが、110万円以下の贈与の扱いです。

贈与税の基礎控除は年110万円ですが、この110万円以下の贈与も、相続税の生前贈与加算の対象になります。

つまり、毎年110万円ずつ非課税で贈与していたとしても、被相続人が亡くなる前7年以内(経過措置あり)の贈与はすべて相続財産に加算される可能性があるということです。

「贈与税がかからない=相続税の対象外」ではない点に、十分注意してください。

参照元:国税庁タックスアンサーNo.4161「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」

「いくらから」を判定する5ステップ・セルフ診断

ここまでの内容を踏まえ、ご自身のケースで相続税がかかるかどうかを判定するセルフ診断フローを整理します。

このフローに沿って情報を整理すれば、「自分の家は相続税がかかるかどうか」のおおまかな結論を出せます。

ステップ①:法定相続人の数を確定する

最初に、ご自身のケースで法定相続人が何人になるかを確定します。

確認すべきポイントは次のとおりです。

  • 配偶者の有無
  • 子の人数(実子・養子・代襲相続人の孫を含む)
  • 子がいない場合の父母の有無
  • 子も父母もいない場合の兄弟姉妹の人数
  • 相続放棄者の有無(人数のカウントには含める)

養子がいる場合は、実子がいるかどうかで上限が変わります(実子ありで1人、実子なしで2人)。

ステップ②:基礎控除額を算出する

法定相続人の数が確定したら、基礎控除額を計算します。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

たとえば法定相続人が3人なら4,800万円、4人なら5,400万円です。前述の早見表でもすぐに確認できます。

ステップ③:プラス財産・マイナス財産を整理する

次に、被相続人の財産を整理します。

プラス財産として計上するもの

  • 現金・預貯金(手元現金・タンス預金も含む)
  • 不動産(土地・建物の評価額)
  • 有価証券(株式・投資信託など)
  • 動産・会員権・債権

マイナス財産・葬式費用として控除するもの

  • 借入金・未払金
  • 未払い税金
  • 通夜・告別式・火葬の費用

不動産の評価額は、土地は「路線価方式」または「倍率方式」、建物は「固定資産税評価額」で算出します。実務では概算で構わないので、おおまかな金額を出してみてください。

ステップ④:みなし相続財産と生前贈与を加算する

ステップ③の遺産総額に、次の項目を加算します。

  • 生命保険金(非課税枠を超えた部分)
  • 死亡退職金(非課税枠を超えた部分)
  • 相続開始前7年以内の贈与(経過措置あり)

これらを加えた金額が、相続税の計算上の遺産総額となります。

特に生前贈与の有無は見落とされやすいので、過去の通帳記録や贈与契約書を確認してください。

ステップ⑤:基礎控除と比較して判定する

最後に、ステップ④で算出した遺産総額をステップ②の基礎控除と比較します。

判定結果

  • 遺産総額 ≦ 基礎控除 → 相続税は原則かからない、申告も原則不要
  • 遺産総額 > 基礎控除 → 相続税が発生する可能性あり、申告が必要

「原則」と書いたのは、後述するとおり「税額ゼロでも申告が必要なケース」があるためです。

判定結果別の次のアクション

セルフ診断の結果別に、次に取るべきアクションを整理します。

基礎控除を大きく下回る場合(遺産総額が基礎控除の半分以下など)
相続税の心配は基本的に不要です。ただし、遺産分割協議書の作成や名義変更などの相続手続きは必要です。

基礎控除をわずかに超える場合(基礎控除の1〜1.5倍程度)
小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使えば税額ゼロにできる可能性が高い水準です。ただし、特例適用には申告が必要なため、税理士に相談することをおすすめします。

基礎控除を大きく超える場合(基礎控除の2倍以上)
相続税が発生する可能性が高く、早急に税理士への相談が必要です。生前であれば対策の余地もあります。関連記事「相続税を減らす方法15選」もご参照ください。

相続税がかかる場合の税額計算の流れ

「基礎控除を超える」と判定された場合、実際にいくら相続税がかかるのかが気になるところです。

相続税の計算には独自の手順があり、一般の方が想像するより複雑です。この章では計算の流れを5ステップで整理します。

課税遺産総額を出す(遺産総額-基礎控除)

最初に、遺産総額から基礎控除を差し引いて「課税遺産総額」を算出します。

課税遺産総額 = 遺産総額 - 基礎控除額

たとえば遺産総額が1億円で基礎控除が4,800万円なら、課税遺産総額は5,200万円となります。

この5,200万円が相続税の計算対象です。

法定相続分で按分して各人の取得額を算出

次に、課税遺産総額を法定相続分どおりに按分します。重要なのは、実際の遺産分割の内容にかかわらず、まず法定相続分で計算することです。

これは、特定の相続人に財産を集中させて累進税率を意図的に下げる節税を防ぐためのルールです。

法定相続分の例は次のとおりです。

相続人の構成配偶者子(合計)父母(合計)兄弟姉妹(合計)
配偶者+子1/21/2
配偶者+父母2/31/3
配偶者+兄弟姉妹3/41/4
配偶者のみ全部

子や兄弟姉妹が複数いる場合は、その人数で均等に分けます。

相続税の税率表(10〜55%の累進課税)

各人の取得額に応じて、次の税率を適用します。

各人の取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

実務上、相続税は超過累進税率となっており、取得額が大きいほど高い税率が適用されます。

各人の税額を合算して相続税の総額を算出

各人の取得額に税率を掛け、控除額を引いた金額を全員分合計したものが「相続税の総額」です。

たとえば課税遺産総額5,200万円、法定相続人が配偶者と子2人の場合の計算例は次のとおりです。

  • 配偶者の法定相続分:5,200万円×1/2=2,600万円 → 税額:2,600万円×15%-50万円=340万円
  • 子A:5,200万円×1/4=1,300万円 → 税額:1,300万円×15%-50万円=145万円
  • 子B:同上=145万円
  • 相続税の総額:340万円+145万円+145万円=630万円

実際の取得割合で按分して納付税額を確定

相続税の総額を、実際の遺産取得割合に応じて各相続人に按分します。

各人の納付税額 = 相続税の総額 × (その人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額)

ここから各人の税額控除(配偶者の税額軽減・未成年者控除・障害者控除など)を差し引いて、最終的な納付税額が確定します。

特に配偶者の税額軽減は強力で、配偶者が取得した財産のうち法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか大きい金額まで相続税がかかりません(相続税法第19条の2)。

このため、配偶者が大半を取得すれば実際の納付税額がゼロになるケースも多くあります。

参照元:国税庁タックスアンサーNo.4155「相続税の税率」国税庁タックスアンサーNo.4158「配偶者の税額の軽減」

税額ゼロでも申告が必要なケース|見落としやすい盲点

「遺産総額が基礎控除以下なら申告は不要」と思われがちですが、実は税額がゼロになる場合でも申告書の提出が必要なケースがあります。

これを知らずに申告を怠ると、後から特例が使えなくなって思わぬ追徴課税を受ける危険があります。実務で最も見落とされやすい盲点の一つなので、必ず押さえておきましょう。

配偶者の税額軽減を使って税額ゼロにする場合

配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した財産のうち法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか大きい金額まで相続税がかからない強力な特例です(相続税法第19条の2)。

この特例を使えば、配偶者が大半の財産を相続しても税額ゼロになるケースが多くあります。

しかし重要なのは、この特例の適用には「申告書の提出」が要件となっている点です。税額がゼロになる場合でも、申告書を提出しなければ特例が使えません。

たとえば次のようなケースです。

  • 遺産総額:1億円
  • 法定相続人:配偶者と子2人
  • 配偶者が全額相続し、配偶者の税額軽減を適用 → 税額はゼロ
  • それでも申告書の提出は必要

「税金がかからないから何もしなくていい」と判断するのは誤りです。

小規模宅地等の特例を使って基礎控除以下にする場合

小規模宅地等の特例は、被相続人が住んでいた自宅の土地について、330㎡まで評価額を80%減額できる特例です(租税特別措置法第69条の4)。

この特例を使えば、自宅の土地評価が大幅に下がり、結果として遺産総額が基礎控除以下になることがあります。

しかし、この特例も適用には申告書の提出が要件となっています。

たとえば次のようなケースです。

  • 法定相続人:配偶者と子2人(基礎控除4,800万円)
  • 自宅の土地評価額(特例適用前):5,000万円
  • その他の財産:2,000万円
  • 遺産総額:7,000万円 → 基礎控除を超える

ここで小規模宅地等の特例を適用すると、土地評価が5,000万円×20%=1,000万円に下がり、遺産総額は3,000万円となり基礎控除以下になります。

しかし、特例を使うためには申告書の提出が必須であり、提出しなければ特例は適用されず、本来の評価額5,000万円で課税されてしまいます。

農地等の納税猶予の特例を使う場合

農業を営んでいた被相続人から農地を相続した場合、一定の要件を満たせば農地の相続税の納税が猶予される特例があります(租税特別措置法第70条の6)。

この特例も、適用には申告書の提出が要件です。

実務上、農家の方が「税額ゼロだから申告不要」と判断してしまうと、後で猶予が認められず多額の相続税を請求されるリスクがあります。

申告期限を過ぎたときのペナルティ

「税額ゼロだから申告不要」と判断して申告期限を過ぎてしまうと、本来の相続税に加えて次のペナルティが課される可能性があります。

  • 無申告加算税:本来の税額に対して原則15〜20%
  • 延滞税:法定納期限の翌日から完納の日まで、年率2〜9%程度
  • 特例が使えなくなる:配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例が原則として適用不可

特例が使えなくなることのインパクトは大きく、本来ゼロだった税額が数百万円〜数千万円に跳ね上がるケースもあります。

判断に迷う場合は、必ず税理士または所轄税務署にご相談ください。

参照元:国税庁タックスアンサーNo.4205「相続税の申告と納税」国税庁タックスアンサーNo.4124「小規模宅地等の特例」

法定相続人別「いくらから」シミュレーション

ここまでの内容を踏まえ、実際の家族構成別に「いくらから相続税がかかるか」を具体的にシミュレーションします。

ご自身のケースに近いものを参考にしてください。

配偶者と子1人(基礎控除4,200万円)のケース

最もシンプルなパターンです。

前提条件

  • 法定相続人:配偶者・子1人(計2人)
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×2人=4,200万円

このケースでは、遺産総額が4,200万円を超えると相続税の課税対象になる可能性があります。

生命保険を活用すれば、非課税枠1,000万円(500万円×2人)が追加され、実質的なしきい値は5,200万円まで引き上げられます。

都市部に自宅を持つご家庭では、土地の評価額だけで4,200万円を超えることも珍しくないため、注意が必要です。

配偶者と子2人(基礎控除4,800万円)のケース

実務で最も多いパターンです。

前提条件

  • 法定相続人:配偶者・子2人(計3人)
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×3人=4,800万円

このケースでは、遺産総額が4,800万円を超えると相続税の課税対象になる可能性があります。

生命保険を活用すれば非課税枠1,500万円が追加され、実質的なしきい値は6,300万円まで引き上げられます。

ただし、配偶者の税額軽減を使えば配偶者が取得する分には1億6,000万円まで税金がかかりません。実質的な納税額がゼロになるケースも多くあります。

配偶者と子3人(基礎控除5,400万円)のケース

子の数が多い場合のパターンです。

前提条件

  • 法定相続人:配偶者・子3人(計4人)
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×4人=5,400万円

このケースでは、遺産総額が5,400万円を超えると相続税の課税対象になる可能性があります。

生命保険を活用すれば非課税枠2,000万円が追加され、実質的なしきい値は7,400万円まで引き上げられます。

法定相続人が多いほど基礎控除と生命保険非課税枠が増えるため、相続税の負担は相対的に軽くなる傾向があります。

配偶者なし・子1人(基礎控除3,600万円)のケース

二次相続でよくあるパターンです。

前提条件

  • 法定相続人:子1人のみ
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×1人=3,600万円

このケースでは、遺産総額が3,600万円を超えると相続税の課税対象になる可能性があります。

生命保険を活用しても非課税枠は500万円のみで、実質的なしきい値は4,100万円となります。

二次相続では配偶者の税額軽減も使えず、基礎控除も小さくなるため、一次相続と比べて税負担が一気に重くなる傾向があります。実務上、最も注意が必要なケースです。

配偶者と父母(基礎控除4,800万円)のケース

子がいないご夫婦の相続で発生するパターンです。

前提条件

  • 法定相続人:配偶者・父・母(計3人)
  • 基礎控除:3,000万円+600万円×3人=4,800万円

このケースでは、遺産総額が4,800万円を超えると相続税の課税対象になる可能性があります。

法定相続分は「配偶者2/3、父母合計で1/3」となり、子がいるケースと配分が異なる点に注意してください。

なお、被相続人に子も父母もおらず兄弟姉妹のみの場合、法定相続分は「配偶者3/4、兄弟姉妹合計で1/4」となります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 遺産が基礎控除以下なら何もしなくていいですか?

相続税の申告は原則不要です。ただし、相続手続きそのもの(遺産分割協議、不動産の名義変更、預貯金の解約など)は必要ですので、何もしなくていいわけではありません。

また、見かけの遺産が基礎控除以下でも、過去7年以内の生前贈与や生命保険金・死亡退職金を加算すると基礎控除を超えるケースがあります。判断する前に、これらも含めて遺産総額を確認してください。

Q2. 配偶者が相続すれば相続税はかからないと聞きましたが本当ですか?

配偶者の税額軽減を使えば、配偶者が取得した財産のうち法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか大きい金額まで相続税がかかりません。多くのケースで配偶者の取得分には実質的に相続税が発生しません。

ただし、この特例の適用には申告書の提出が要件です。「税金がゼロだから申告不要」と判断すると、特例が使えず追徴課税を受けるリスクがあります。

また、配偶者に財産を集中させると二次相続で税負担が重くなるため、一次・二次のトータルで考えることが重要です。

Q3. 生命保険金は相続税の対象になりますか?

被相続人が契約者かつ被保険者だった生命保険金は、税法上「みなし相続財産」として相続税の対象になります。

ただし、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があるため、この範囲内であれば相続税はかかりません。

たとえば法定相続人が3人なら1,500万円までの保険金は非課税です。死亡退職金にも別枠で同様の非課税枠があるため、両方を活用すれば二重に節税メリットが得られます。

Q4. 自宅しか財産がない場合も相続税がかかりますか?

自宅の評価額が基礎控除を超えれば、相続税の対象になる可能性があります。

ただし、被相続人が住んでいた自宅の土地については小規模宅地等の特例を使えば、330㎡まで評価額を80%減額できます。この特例を適用すれば、自宅評価額5,000万円が1,000万円まで下がるため、実質的に相続税がかからないケースも多くあります。

特例の適用には申告書の提出と所定の要件を満たす必要があるため、税理士に相談することをおすすめします。

Q5. 相続税の申告期限はいつまでですか?

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です(相続税法第27条第1項)。

たとえば1月15日に亡くなったことを当日に知った場合、申告期限は同年11月15日となります。

10ヶ月という期間は一見長く感じますが、実務では遺産の調査・評価、遺産分割協議、申告書の作成、納税資金の準備などを並行して進める必要があり、決して余裕のあるスケジュールではありません。早めに動き出すことが重要です。

まとめ|「いくらから」が分かった後にやるべきこと

ここまで「相続税はいくらから」というテーマを、基礎控除の仕組みから実務的な判定手順まで体系的に解説してきました。

最後に、ご自身のケースで判定した結果別に、次に取るべきアクションを整理します。

基礎控除を超えそうな場合の3つのアクション

ご自身のケースで「相続税がかかりそう」と判定された場合は、次の3つのアクションを早めに進めてください。

第一に、正確な遺産総額の把握です。不動産の評価は専門知識が必要なため、税理士に依頼するのが確実です。特に土地は評価方法によって金額が大きく変わります。

第二に、生前対策の検討(相続発生前の場合)です。生命保険の活用、生前贈与、不動産の組み換え、小規模宅地等の特例の適用準備など、相続発生前にできる対策は多くあります。詳細は関連記事「相続税を減らす方法15選」をご参照ください。

第三に、相続税申告に強い税理士への相談です。相続税は申告期限が10ヶ月と短く、特例の適用判断や土地評価には専門知識が必要です。早めの相談で適切な対策を講じることが、税負担の最小化につながります。

基礎控除以下でも見落としやすいポイント

「基礎控除以下だから安心」と判断する前に、次の3点を必ず確認してください。

第一に、過去7年以内の生前贈与の有無です。2024年改正により加算期間が延長されているため、通帳記録などを確認しましょう。

第二に、生命保険金・死亡退職金の有無です。非課税枠を超える分は遺産総額に加算されます。

第三に、不動産の評価額です。固定資産税評価額と相続税評価額(路線価ベース)は異なります。都市部の土地は想定より高く評価されることがあります。

これらを確認したうえで、それでも基礎控除以下に収まるようであれば、相続税の心配は基本的に不要です。

関連する相続対策の総合的な検討

相続税対策は、本記事で扱った「いくらから」の判定だけでなく、複数の制度を総合的に活用することで効果が大きくなります。

特に有効な対策として、次の3つが挙げられます。

ご自身の家族構成・財産構成・健康状態を総合的に勘案し、最適な対策を選択してください。

相続税は、正しい知識と早めの準備によって大幅に減らせる余地がある税金です。本記事の内容を参考に、ご自身のケースで「いくらから」を判定し、必要な対策を始めてください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断や法律判断を保証するものではありません。具体的な相続対策・申告は、必ず税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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