


相続税の節税対策とは、生前贈与や特例の活用によって、相続税の負担を合法的に減らす取り組みのことです。
課税対象の財産を減らす、財産の評価額を下げる、非課税枠や特例を使う、という3つの方法に大きく分かれます。
相続税は、対策をするかどうかで納税額が数百万円単位で変わる税金です。同じ財産でも、渡し方と準備しだいで結果が大きく違います。
2015年の改正で基礎控除が4割縮小され、都市部に自宅がある家庭にとって、相続税は誰にでも起こり得る身近な問題になりました。
一方で、2024年からは生前贈与の7年加算が始まり、教育資金の一括贈与は2026年3月で新規受付を終えるなど、対策のルールは毎年のように動いています。
古い情報のまま対策すると、効果が出ないばかりか、税務署に否認されるリスクさえあります。
この記事では、今からできる相続税の節税対策15選を、効果と手軽さの比較、計算例、相続発生後の対策、注意点まで整理します。
▼ この記事の3行まとめ

節税対策は種類が多く、手当たりしだいに始めると効果が出ません。まず全体像と優先順位をつかんでから着手することが成功の条件です。
ここでは対策が必要な人、節税の3本柱、15の対策の比較一覧、状況別の始め方を解説します。
相続税がかかるのは、財産の合計が基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合です。
たとえば妻と子2人の家庭なら、基礎控除は4,800万円です。財産がこれ以下なら相続税はかからず、節税対策も基本的に不要です。
自宅の土地・建物と預貯金、生命保険金などを合計して、基礎控除を超えそうかをまず確認しましょう。ここが対策のスタートラインです。
財産には、生命保険金などのみなし相続財産や、相続人への7年以内の贈与分も含めて判定します。広めに見積もっておくと安全です。
不動産の価格は、固定資産税の課税明細書に載っている評価額が手がかりになります。毎年届く書類なので探してみましょう。
重要ポイント:対策の前に財産の概算が基礎控除を超えるかを必ず確認してください。超えないなら、無理な対策はかえって損になります。
相続税の節税は、アプローチで整理すると3つに分かれます。どの対策もこの3本柱のどれかに当てはまります。
【柱1】課税される財産そのものを減らす
生前贈与や非課税財産の購入で、相続時に残る財産を減らします。
【柱2】財産の評価額を下げる
現金を不動産に換えるなど、同じ価値でも相続税評価額が低い形に組み替えます。
【柱3】非課税枠・特例・控除を使う
生命保険の非課税枠や小規模宅地等の特例など、制度上の枠を最大限活用します。
たとえば「贈与で財産を減らしながら、自宅は特例の要件を整え、預貯金の一部は保険に換える」というように、3本柱は同時に進められます。
重要ポイント:効果が大きいのは3本柱を組み合わせたときです。1つの対策に偏らず、複数を並行して進めましょう。
この記事で扱う15の対策を、節税効果と手軽さで一覧にしました。◎○△の3段階で比較しています。
効果は財産の内容や規模で変わるため、あくまで一般的な家庭を想定した目安です。詳細は各セクションで解説します。
| 対策 | 効果 | 手軽さ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ①暦年贈与(年110万円) | ○ | ◎ | 7年加算 |
| ②孫への贈与 | ○ | ◎ | 2割加算の場合あり |
| ③相続時精算課税 | ○ | ○ | 暦年課税に戻れない |
| ④住宅取得資金の贈与 | ◎ | ○ | 2026年12月まで |
| ⑤結婚・子育て資金の贈与 | ○ | ○ | 2027年3月まで |
| ⑥生命保険の非課税枠 | ◎ | ◎ | 受取人の設定 |
| ⑦保険料贈与プラン | ○ | ○ | 契約形態に注意 |
| ⑧死亡退職金の非課税枠 | ○ | ○ | 経営者・個人事業主向け |
| ⑨現金を不動産に換える | ◎ | △ | 資金・否認リスク |
| ⑩賃貸アパート経営 | ◎ | △ | 空室・借入リスク |
| ⑪小規模宅地等の特例 | ◎ | ○ | 要件が細かい |
| ⑫墓地・仏壇の生前購入 | △ | ◎ | 生前の支払いが条件 |
| ⑬養子縁組 | ○ | △ | 家族トラブル・否認 |
| ⑭配偶者の税額軽減 | ◎ | ○ | 二次相続で逆転も |
| ⑮国・公益法人への寄付 | ○ | ○ | 期限・寄付先の要件 |
表の見方:迷ったら効果と手軽さがともに高い「⑥生命保険」と「①暦年贈与」から始めるのが定石です。不動産系は効果が大きい分、リスクの検討が必要です。
家庭の状況によって、優先すべき対策は変わります。自分に近いケースから確認してみましょう。
複数のケースに当てはまる場合は、対策を組み合わせる余地がそれだけ大きいということです。
| 状況 | 優先したい対策 |
|---|---|
| 預貯金が多い | 暦年贈与・生命保険・不動産への組み替え |
| 自宅の土地がある | 小規模宅地等の特例の要件確認 |
| 子・孫が多い | 暦年贈与・孫への贈与(人数分の非課税枠) |
| 高齢で時間がない | 生命保険・墓地仏壇・相続時精算課税の110万円枠 |
| 配偶者がいる | 配偶者の税額軽減(二次相続まで設計) |
表の見方:特に高齢で時間がない場合は、期間に左右されない対策を優先します。生命保険と非課税財産の購入は短期間でも効果が出ます。

生前贈与は、課税される財産そのものを減らせる節税の王道です。早く始めるほど非課税で渡せる総額が大きくなります。
ここでは暦年贈与、孫への贈与、相続時精算課税、目的別の非課税特例を解説します。
贈与税には、もらう人1人あたり年110万円の基礎控除があります。この範囲内の贈与を毎年続けるのが暦年贈与です。
子2人に10年間続ければ、110万円×2人×10年=2,200万円を非課税で移せます。人数と年数が多いほど効果は拡大します。
贈与は渡す側ともらう側の合意で成立する契約です。もらう側が通帳と印鑑を自分で管理していることも、贈与と認められる条件になります。
毎年同じ日に同じ額を機械的に渡すと、まとまった贈与の分割払い(定期贈与)とみなされるおそれがあります。金額や時期を変え、そのつど契約書を交わしましょう。
ただし2024年改正により、相続人への贈与は亡くなる前7年以内の分が相続財産に加算されます。加算期間は次のとおり段階的に延びます。
| 相続開始の時期 | 加算される贈与の期間 |
|---|---|
| 2026年12月まで | 相続開始前3年以内 |
| 2027年1月〜2030年12月 | 2024年1月1日以降の贈与 |
| 2031年1月以降 | 相続開始前7年以内 |
表の見方:加算期間は2031年に完全に7年へ移行します。直前の駆け込み贈与は効かなくなったため、早く始めることが最大の対策です。
重要ポイント:贈与のたびに贈与契約書を作り、銀行振込で記録を残してください。記録がないと名義預金と判断され、贈与自体が否認されます。
7年加算の対象になるのは、原則として相続人への贈与です。相続で財産を受け取らない孫への贈与は、亡くなる直前でも加算されません。
子の配偶者など、相続人以外への贈与も同じく加算の対象外です。渡す相手を広げることで、加算の影響を抑えられます。
さらに、子から孫への相続を待つと相続税は2回かかりますが、孫へ直接贈与すれば課税を1回分飛ばせます。
加算の対象外・世代飛ばし・非課税枠の人数増という3つの効果があり、7年加算時代の有力な選択肢です。
孫が未成年の場合は、親権者が代わりに贈与契約を結びます。孫名義の口座の管理状況にも気を配りましょう。
注意:孫が遺言で財産を受け取る場合や生命保険金の受取人の場合は加算対象になるうえ、相続税の2割加算もあります。受け取らせ方の設計が重要です。
相続時精算課税は、60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与で、累計2,500万円まで贈与税がかからない制度です。
2024年に新設された年110万円の基礎控除分は、贈与者が亡くなっても相続財産に加算されません。高齢で贈与期間が短い場合でも確実に財産を減らせます。
累計2,500万円を超えた分には一律20%の贈与税がかかりますが、納めた分は相続時に精算されます。大きな財産を早く動かしたい場合に向く制度です。
ただし、精算課税で贈与した宅地には小規模宅地等の特例が使えません。自宅や事業用の土地の贈与には慎重な判断が必要です。
また、精算課税で贈与した財産は贈与時の価額で相続財産に加算されます。値上がりが見込まれる株式や不動産を早めに渡す使い方に向いています。
注意:相続時精算課税は一度選ぶと暦年課税に戻せません。どちらが有利かは財産規模と期間で変わるため、試算してから選びましょう。
使いみちを限定した大型の非課税特例もあります。2026年7月時点で使える制度と期限は次のとおりです。
いずれも受贈者の年齢や所得などの要件があり、金融機関や税務署での手続きが必要です。利用前に最新の要件を確認しましょう。
| 特例 | 非課税限度額 | 期限 |
|---|---|---|
| 住宅取得等資金の贈与 | 最大1,000万円(省エネ等住宅) | 2026年12月31日まで |
| 結婚・子育て資金の一括贈与 | 最大1,000万円(結婚は300万円) | 2027年3月31日まで |
| 教育資金の一括贈与 | 最大1,500万円 | 2026年3月末で新規受付終了 |
表の見方:教育資金の一括贈与は2026年3月末で新規受付を終了しました。すでに拠出済みの分は引き続き非課税で使えます。今後の教育費支援は暦年贈与や都度の援助が中心になります。
重要ポイント:なお、生活費や教育費をその都度援助する分は、もともと贈与税がかかりません。特例が終了しても「必要な時に必要な分を渡す」援助は非課税です。
参照元:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
婚姻期間20年以上の夫婦なら、居住用の不動産(またはその購入資金)を2,000万円まで非課税で配偶者に贈与できます。
基礎控除110万円とあわせて、1年で最大2,110万円を非課税で移せる制度です。この贈与は生前贈与加算の対象にもなりません。
ただし、不動産取得税や登録免許税などの移転コストがかかります。また、自宅は相続で渡せば小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が使えるため、贈与が常に有利とは限りません。
重要ポイント:おしどり贈与は相続で渡した場合との比較試算をしてから使いましょう。移転コストを含めると相続のほうが有利なケースも多くあります。

生命保険は、手軽さと確実性で最初に検討したい対策です。預貯金を保険に換えるだけで非課税枠が生まれます。
ここでは生命保険の非課税枠、保険料贈与プラン、死亡退職金の非課税枠を解説します。
死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。妻と子2人なら1,500万円まで相続税がかかりません。
預貯金のままでは非課税枠はゼロです。同じ1,500万円でも、一時払い終身保険などに換えるだけで課税対象から外せます。
高齢でも加入しやすい商品が多く、受取人を指定できるため納税資金の準備や遺産分割対策にもなります。
ただし、非課税枠を超える保険への加入は節税効果がありません。枠の範囲を目安に、入りすぎないことも大切です。
計算ロジック:【例】法定相続人3人・保険金1,500万円の場合、非課税枠500万円×3人=1,500万円ですべて非課税。相続税率20%なら約300万円の節税になります。
重要ポイント:非課税枠を使うには受取人を相続人にしておく必要があります。相続放棄をした人が受け取る保険金には枠を使えません。
参照元:国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
もう一歩進んだ活用が、保険料贈与プランです。親が子に現金を贈与し、子がそのお金で親に保険をかけ、子自身が受取人になります。
この形なら、保険金は相続税ではなく子の一時所得(所得税)になります。一時所得は「(受取額−払込保険料−50万円)×2分の1」にしか課税されず、税負担を抑えやすい仕組みです。
相続税率が高い家庭ほど、相続税から所得税へ切り替える効果は大きくなります。生命保険の非課税枠を使い切った後の上乗せ対策に向いています。
贈与の事実を示すため、保険料相当額の贈与にも契約書と振込記録を残しましょう。ここが崩れると相続税の対象に戻ってしまいます。
贈与された保険料は暦年贈与の110万円枠を使えるため、贈与と保険の合わせ技として機能します。
生命保険にかかる税金は、「契約者(保険料負担者)・被保険者・受取人」の組み合わせで決まります。
| 契約者 | 被保険者 | 受取人 | かかる税金 |
|---|---|---|---|
| 父 | 父 | 子 | 相続税(非課税枠あり) |
| 子 | 父 | 子 | 所得税(一時所得) |
| 母 | 父 | 子 | 贈与税 |
表の見方:3行目の形は贈与税がかかる最も不利なパターンです。契約時に組み合わせを確認しないと、思わぬ税負担が生じます。
重要ポイント:保険金は受取人の固有財産となり、原則として遺産分割の対象外です。渡したい相手に確実に渡せる点も生命保険の強みです。
重要ポイント:効果は「契約者・保険料負担者・受取人」の組み合わせで決まります。設計を誤ると贈与税や相続税の対象になるため、契約形態は必ず確認してください。
会社経営者や個人事業主には、死亡退職金の非課税枠も使えます。生命保険とは別枠で「500万円×法定相続人の数」まで非課税です。
会社から遺族へ死亡退職金を支給する形にすれば、生命保険の枠と合わせて非課税枠を2倍にできます。
個人事業主は小規模企業共済に加入しておくと、共済金がこの死亡退職金の非課税枠の対象になります。
非課税枠の対象になるのは、亡くなってから3年以内に支給が確定した退職金です。会社の退職金規程も整備しておきましょう。
業務外の死亡で支給される弔慰金にも、給与の6ヶ月分(業務上は3年分)まで非課税の枠があります。退職金と組み合わせて活用できます。
重要ポイント:生命保険と死亡退職金の非課税枠は別々に使えます。相続人3人なら合計3,000万円を非課税にできる計算です。

不動産の活用は、節税効果の大きさで群を抜く対策です。現金より不動産のほうが相続税評価額が低くなる性質を利用します。
ここでは評価が下がる仕組み、賃貸経営、小規模宅地等の特例、タワマン節税の現状を解説します。
現金1億円の相続税評価額は1億円のままです。しかし不動産は、土地が路線価(時価の約8割)、建物が固定資産税評価額(建築費の5〜6割程度)で評価されます。
つまり現金で持つより不動産で持つほうが、同じ価値でも課税対象が小さくなります。1億円で購入した不動産の評価額が7,000万円程度になることも珍しくありません。
まとまった資金がない場合は、1口100万円程度から買える不動産小口化商品で同じ効果を狙う方法もあります。
ただし、不動産は分けにくく、価格変動や維持費のリスクもあります。節税だけを目的にした購入は避け、活用計画とセットで考えましょう。
相続の直前に駆け込みで購入すると、否認リスクが高まります。不動産の対策は時間の余裕があるうちに実行することが大切です。
計算ロジック:【目安】土地は時価の約8割、建物は建築費の5〜6割程度で評価されます。現金1億円→不動産評価約7,000万円なら、課税対象を3,000万円分減らせます。
購入・建築した不動産を人に貸すと、評価額はさらに下がります。土地は「貸家建付地」、建物は「貸家」として、借主の権利の分だけ減額されるためです。
賃貸割合などにもよりますが、貸すことで土地は約2割、建物は3割の追加減額が見込めます。建築資金を借り入れれば、債務控除で課税対象をさらに圧縮できます。
物件の規模が大きい場合は、不動産を法人で持つ資産管理会社の設立も選択肢になります。家賃収入を役員報酬として家族に分配でき、財産の集中を防げます。
一方で、空室が続けば収支が悪化し、財産そのものが目減りします。節税効果と経営リスクを天秤にかけ、立地と需要を慎重に見極める必要があります。
注意:賃貸経営は空室リスク・借入リスクと隣り合わせです。「節税になるから」だけで始めると、節税額以上の損失を招くことがあります。
亡くなった人の自宅の土地は、配偶者や同居親族が相続すれば、330㎡まで評価額を80%減額できます。
たとえば評価額5,000万円の自宅の土地なら、特例の適用で1,000万円まで下がります。この特例が使えるかどうかで、税額はけた違いに変わります。
生前の対策としては、適用要件を満たす状態を作っておくことが重要です。同居の実現や、別居の子の持ち家状況(家なき子特例の要件)などが検討ポイントになります。
自宅のほか、事業用の土地は400㎡まで80%減、賃貸物件の土地は200㎡まで50%減の枠もあります。事業や賃貸経営をしている場合は必ず確認しましょう。
重要ポイント:自宅を生前贈与すると、この特例は使えなくなります。自宅は相続で渡し、特例の要件を生前に整えておくのが基本戦略です。
参照元:国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
かつては、時価と評価額の差が大きいタワーマンションの高層階を買う「タワマン節税」が流行しました。
しかし2024年から区分マンションの評価方法が見直され、評価額は市場価格の最低6割程度になるよう補正されます。以前ほどの圧縮効果は期待できません。
行きすぎた事例では、改正前でも国税当局に評価を否認された最高裁判例があります。時価との乖離だけを狙う手法はリスクが高いと考えてください。
注意:タワマン節税は2024年の評価見直しで効果が大幅に縮小しました。古い情報をもとにした提案には注意してください。
三大都市圏で500㎡以上、それ以外で1,000㎡以上の広い宅地は、「地積規模の大きな宅地の評価」により評価額を減額できます。
広い土地は分譲などの開発でつぶれ地が生じるため、その分を織り込んで評価を下げる仕組みです。要件を満たせば2〜3割程度の減額が見込めます。
また、複数の道路に面した土地を分筆して評価単位を分けるなど、土地の分け方の工夫でも評価を下げられる場合があります。
重要ポイント:広い土地を持っているなら地積規模の大きな宅地の評価に該当しないか必ず確認しましょう。適用の有無で数百万円変わることもあります。

贈与や不動産のほかにも、確実に効く対策があります。非課税財産と家族構成の見直しは、コストをかけずにできるのが特徴です。
ここでは墓地・仏壇の購入、養子縁組、配偶者の税額軽減、寄付を解説します。
墓地・墓石・仏壇・仏具などの祭祀財産には、相続税がかかりません。生前に購入すれば、その分の現金を非課税財産に換えられます。
いずれ必要になるものを先に買っておくだけの、リスクのない対策です。200万円の墓地・仏壇なら、税率20%の家庭で約40万円の節税になります。
残された家族がお墓選びに悩む負担も減らせるため、節税と終活を兼ねた一石二鳥の対策といえます。
ただし、亡くなった後に購入しても効果はなく、ローンの未払い分は債務控除の対象になりません。純金の仏具など投資目的とみられるものも非課税と認められないおそれがあります。
重要ポイント:効果があるのは生前に購入して支払いまで済ませた場合だけです。いずれ買うものなら早めに準備しましょう。
孫や子の配偶者と養子縁組をすると法定相続人が増え、基礎控除が600万円、生命保険と死亡退職金の非課税枠が各500万円広がります。
合計1,600万円分の枠の拡大となり、税率構造上も有利になるため、効果の大きい対策です。
相続税は取得額が大きいほど税率が上がる累進課税のため、相続人が増えて1人あたりの取得額が下がると、適用される税率も下がります。
ただし、基礎控除に算入できる養子は実子がいる場合1人まで、いない場合2人までです。孫養子の相続税は2割加算され、節税目的だけと判断されれば否認のリスクもあります。
注意:養子縁組は相続分の変動で他の相続人との争いの火種になりがちです。家族の理解を得てから進めてください。
配偶者が相続した財産は、1億6,000万円または法定相続分まで相続税がかかりません。最も強力な軽減制度です。
一般的な家庭の財産規模なら、配偶者の相続分はほぼ全額が無税になります。ただし適用には申告が必要です。
ただし、配偶者に財産を寄せすぎると、次に配偶者が亡くなる二次相続で税負担が膨らみ、合計では損になることがあります。
一次相続と二次相続の合計で最も税負担が軽くなる配分を試算して決めるのが、正しい使い方です。
配偶者の年齢や固有財産の額によって最適な配分は変わります。分割協議の前に、配分別のシミュレーションを税理士に依頼しましょう。
重要ポイント:配偶者の税額軽減は「一次+二次の合計」で使い方を決めるのが鉄則です。目先の0円に飛びつかないでください。
相続した財産を国や地方公共団体、一定の公益法人に寄付すると、その分は相続税の課税対象から外れます。
社会貢献をしながら課税対象を減らせる方法ですが、申告期限(10ヶ月)内の寄付であること、財産をそのままの形で寄付することなどの要件があります。
要件を満たせば、寄付した相続人の所得税で寄附金控除も受けられます。相続税と所得税の両方で効果がある方法です。
重要ポイント:寄付の非課税は申告期限内・対象団体・現物のままという3つの要件を満たす必要があります。寄付先が対象かを事前に確認しましょう。

対策でどれだけ税額が変わるのか、具体的な数字で確認します。組み合わせしだいで相続税を0円にできるケースもあります。
いずれも一般的な条件による目安です。実際の税額は財産構成や要件の充足状況で変わります。
自宅の土地3,000万円・建物500万円・預貯金4,500万円の合計8,000万円を、妻と子2人が相続するケースです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 遺産総額 | 8,000万円 |
| 基礎控除(3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 3,200万円 |
| 相続税の総額 | 350万円 |
表の見方:何も対策しなければ、この家庭の相続税の総額は350万円です。黄色の行を基準に、対策後の変化を見ていきます。
この規模の家庭は、都市部では決して珍しくありません。自宅と退職金・預貯金だけで到達してしまう水準です。
計算ロジック:【前提】妻と子2人・法定相続分で分割。課税遺産総額3,200万円を法定相続分で按分し、相続税率(2026年時点)を適用して総額を算出しています。
同じ家庭が3つの対策を実行した場合を試算します。①子2人へ年110万円ずつ5年間の暦年贈与、②預貯金1,500万円を一時払い終身保険へ、③自宅に小規模宅地等の特例を適用です。
実行の順番は、まず特例の要件確認と保険の加入を済ませ、贈与は毎年並行して続ける形が現実的です。どれも特別な資産がなくてもできる対策です。
| 対策 | 効果 |
|---|---|
| ①暦年贈与(110万円×2人×5年) | 財産1,100万円減 |
| ②生命保険1,500万円(非課税枠3人分) | 課税対象1,500万円減 |
| ③小規模宅地等の特例(土地80%減) | 評価額2,400万円減 |
| 対策後の課税対象 | 3,000万円(基礎控除以下) |
表の見方:3つの対策で課税対象は8,000万円から3,000万円まで下がり、基礎控除4,800万円を下回ります。相続税350万円が0円になる計算です。
計算ロジック:【前提】贈与は7年加算の対象外の期間に完了、特例の要件はすべて充足。土地3,000万円×80%減=600万円、預貯金は贈与と保険料支払い後1,900万円で算出しています。
対策の実行度合い別に、相続税の総額を3パターンで比較します。
パターンA:何も対策しない。
パターンB:暦年贈与と生命保険だけ実行する。
パターンC:贈与・保険に加えて小規模宅地等の特例も使う。
| パターン | 課税対象 | 相続税の総額 |
|---|---|---|
| A|対策なし | 8,000万円 | 350万円 |
| B|贈与+保険 | 5,400万円 | 60万円 |
| C|贈与+保険+小規模宅地 | 3,000万円 | 0円 |
表の見方:手軽な対策だけでも350万円が60万円まで下がり、特例まで使えば0円です。AとCの差は350万円。対策の有無がそのまま手取りの差になります。
贈与期間を10年に延ばせば、パターンBの段階でも課税対象はさらに1,100万円減ります。時間をかけるほど結果は良くなります。
重要ポイント:パターンCでも小規模宅地等の特例の適用には申告が必要です。「0円だから申告不要」ではない点に注意してください。
計算ロジック:【前提】遺産8,000万円・妻と子2人・法定相続分で分割・2026年時点の税率。Bは8,000万円−贈与1,100万円−保険非課税1,500万円=5,400万円で算出しています。

「もう亡くなってしまったから手遅れ」ではありません。相続が起きた後でも、税額を減らす方法は残っています。
ここでは土地の評価の見直し、特例・控除の適用、遺産分割の工夫、更正の請求を解説します。
土地の相続税評価額は、形状や環境によって減額できます。いびつな形の土地、奥行きが極端な土地、線路沿いの土地などは補正の対象です。
評価の減額要素は数十種類あり、どこまで反映できるかは評価する人の力量で変わります。同じ土地でも税理士によって評価額が数百万円違うことがあります。
【減額されやすい土地の例】
例1:形がいびつな土地・間口が狭い土地
例2:線路沿い・高圧線下など環境に難がある土地
例3:高低差やがけ地を含む土地
例4:500㎡以上(三大都市圏)の広い土地
土地が財産の多くを占める場合、評価の見直しだけで大きな節税になる可能性があります。
机上の資料だけでなく、現地を確認してはじめて見つかる減額要素もあります。土地の評価は現地調査まで行う税理士に任せるのが理想です。
重要ポイント:土地の評価は減額要素をどれだけ拾えるかの勝負です。土地の多い相続ほど、評価に強い税理士への依頼が効果的です。
相続発生後の最大の節税は、使える特例・控除を漏らさないことです。小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減が2本柱になります。
さらに、未成年者控除・障害者控除・相次相続控除などの税額控除も確認します。障害者控除や相次相続控除は、見落としが特に多い制度です。
配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例は、税額が0円になる場合でも申告が条件です。申告漏れで適用を失わないよう注意しましょう。
葬式費用や未払金などの債務控除も忘れずに集計しましょう。領収書の保管が節税の土台になります。
重要ポイント:特例・控除は「使えるものをすべて洗い出す」ことが相続後の節税の基本です。1つの見落としが数十万円の差になります。
誰が何を相続するかによっても、税額は変わります。相続発生後でも、分け方は自分たちで決められる数少ない変数です。
小規模宅地等の特例が使える人が自宅を相続する、配偶者の取得割合を二次相続まで見据えて調整する、といった工夫が代表例です。
分け方は納税資金の確保にも直結します。税額と資金繰りの両面から、複数の分割案を比較して決めましょう。
いったん分割協議がまとまると、やり直しは原則できません。協議書に署名する前の試算が肝心です。
重要ポイント:遺産分割は相続後にできる最も効果的な節税手段です。分割協議の前に、分け方ごとの税額を試算しましょう。
すでに申告を終えた場合でも、払いすぎに気づいたら「更正の請求」で還付を受けられます。期限は原則、申告期限から5年以内です。
土地の評価が高すぎた、控除を使い忘れた、という理由での還付請求は珍しくありません。
過去の申告書を相続に強い税理士に見直してもらうと、数百万円が戻るケースもあります。
重要ポイント:申告済みでも5年以内なら払いすぎた相続税を取り戻せます。土地の多かった相続は見直す価値があります。
2020年から使えるようになった配偶者居住権も、相続発生後に検討できる対策です。自宅を「所有権」と「住む権利(居住権)」に分けて相続します。
配偶者は居住権を取得して自宅に住み続け、所有権は子が相続します。居住権は配偶者が亡くなると消滅するため、二次相続では課税対象になりません。
設定には登記が必要で、途中で売却しにくくなるなどの制約もあります。メリットと制約を比べて判断しましょう。
自宅の価値の一部を、二次相続の課税を経ずに子へ移せる仕組みです。配偶者の住まいと生活資金を確保しながら節税できます。
重要ポイント:配偶者居住権は二次相続で消滅し、課税されずに自宅が子のものになります。設定の可否は遺産分割の段階で検討しましょう。

節税対策には、やり方を誤ると逆効果になる落とし穴があります。「効果が大きい対策ほどリスクも大きい」と心得てください。
ここでは否認リスク、老後資金、争族、トンデモ対策の4つの注意点を解説します。
節税は合法ですが、度を越すと税務署に認められません。評価額が「著しく不適当」と判断されると、通常と異なる方法で評価し直されます。
実際に、多額の借入で購入したマンションの評価が否認され、追徴課税が確定した最高裁判例があります。節税効果だけを狙った不自然な取引は狙われます。
否認されると、節税どころか本来の税額に加算税・延滞税が上乗せされます。「節税額が大きい提案ほど疑ってかかる」姿勢が自衛になります。
事例:90代で多額の借入をして収益物件を購入し、相続直後に売却したケースで、路線価評価が否認された。
対策:経済的な合理性のある取引にとどめ、実行前に税理士へ否認リスクの確認を依頼します。購入時期・借入の必要性・保有の継続性が判断材料になります。
注意:節税だけが目的の不自然な取引は否認されて追徴課税になるおそれがあります。「うまい話」ほど慎重に検証してください。
贈与のしすぎで自分の生活資金が不足しては本末転倒です。長生きするほど、医療費や介護費用はかさみます。
事例:毎年の贈与を頑張りすぎた結果、施設入居の一時金が払えず、贈与した子に頭を下げて援助を頼むことになった。
対策:平均余命と介護費用を見込んだ資金計画を先に立て、「渡してよい上限」を決めてから贈与を始めます。
介護施設の費用は月20万円前後かかることも珍しくありません。10年分で2,000万円超と考えると、手元に残すべき金額が見えてきます。
重要ポイント:節税より自分の老後資金の確保が最優先です。「いくら残すか」を決めてから「いくら渡すか」を決めましょう。
相続対策は節税がすべてではありません。「節税対策」「もめごと対策」「納税資金対策」の3本柱で考える必要があります。
事例:節税のために長男へ不動産を集中させた結果、他の相続人が不満を持ち、遺産分割調停に発展した。
争いが長引いて申告期限までに分割がまとまらないと、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が使えず、節税どころか税負担が増える悪循環に陥ります。
対策:遺言書の作成と、遺留分に配慮した配分設計をセットで行います。分けにくい財産が多い場合は、生命保険で代償金の原資を用意する方法も有効です。
トラブルを防ぐために、次の項目を確認しておきましょう。
重要ポイント:数百万円の節税より、家族の争いで失うもののほうがはるかに大きいものです。節税・もめごと・納税資金の3点セットで設計しましょう。
相続税対策をうたう詐欺的なスキームも存在します。海外資産の隠匿、非現実的な離婚・再婚スキーム、換金性の高い純金仏具などが典型です。
海外に資産を移しても、相続財産に含めなければ脱税です。金の仏具のように売却価値のあるものは、非課税財産と認められないおそれがあります。
「相続税がゼロになる」「税務署にばれない」という売り文句は、ほぼ確実に危険信号です。
注意:「絶対にばれない節税」は存在しません。判断に迷う提案は、契約前に必ず税理士に相談してください。
「子ども名義の口座にお金を移しておけば大丈夫」という誤解は、最も多い失敗パターンです。
名義が家族でも、実質的に管理しているのが本人なら「名義預金」として相続財産に含まれます。名義を変えるだけでは、1円も節税になりません。
名義預金は相続税の税務調査で最も指摘の多い項目です。証券口座や生命保険でも同じ問題が起こります。
対策:贈与契約書を作り、振込で記録を残し、通帳・印鑑をもらった側が管理する。この3点で「本当の贈与」であることを示せます。
すでに名義だけ移してある口座は、今からでも贈与契約を交わして管理を本人に移せば、以後の分は贈与として整えられます。放置せず早めに是正しましょう。
注意:名義を変えただけのお金は税務調査で必ず狙われます。贈与の証拠づくりまでが節税対策です。

節税対策の効果は、始める時期でほぼ決まります。「思い立った今」が最も効果の大きいタイミングです。
ここでは早く始めるべき理由、年代別の進め方、最初の3ステップを解説します。
贈与も遺言も、本人の意思能力があるうちしかできません。認知症が進むと、ほぼすべての生前対策が実行不能になります。
認知症発症後に成年後見制度を使っても、後見人の役割は財産の保護であり、節税のための贈与や組み替えは原則できません。
高齢者の認知症は決して珍しいものではなく、「まだ早い」と先送りするほど選択肢は減っていきます。
7年加算の面でも、贈与は早いほど加算を避けられます。対策は元気なうちに始めることがすべての前提です。
どうしても間に合わない場合に備え、元気なうちに家族信託で財産管理を家族に託しておく方法もあります。信託しておけば、判断能力が低下した後も家族が財産を動かせます。
注意:認知症になってからでは贈与も遺言もできません。判断能力への不安が出る前に、対策の設計を終えておきましょう。
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年代はあくまで目安です。健康状態や財産の内容によって、前倒しすべきことは変わります。
重要ポイント:年代が上がるほど「期間に頼らない対策」へ軸足を移すのがコツです。何歳からでもできることは残っています。
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重要ポイント:すべての出発点は財産の棚卸しです。現状がわからないまま対策を始めると、効果の薄い施策にお金と時間を使うことになります。
節税対策は親本人しか実行できませんが、きっかけを作るのは子の役割になることが多いものです。切り出し方には工夫が要ります。
【切り出し方の工夫】
工夫1:「税金で損してほしくない」と親の利益を主語にして話す
工夫2:エンディングノートや財産一覧づくりを一緒に始める
工夫3:税理士の無料相談など第三者の場を活用する
お金の話は親子でも切り出しにくいものです。相続をきっかけにした争いを防ぐためにも、専門家を交えたオープンな話し合いが有効です。
兄弟姉妹がいる場合は、特定の子だけで進めず全員で共有しながら進めると、後の誤解を防げます。
重要ポイント:子からの提案は「財産目当て」と受け取られない伝え方が肝心です。第三者である税理士を交えると話が進みやすくなります。

節税対策の成果は、どの税理士と設計するかで大きく変わります。対策の引き出しの多さと設計力に差があるためです。
だからこそ、1社だけに相談するのではなく、複数の税理士から提案と見積りを取り寄せて比較することが重要です。ここでは一括相談・見積りの必要性とメリット、手順を解説します。
税理士にも得意分野があり、相続や生前対策の経験値はまちまちです。提案できる対策の幅も、リスク管理の水準も同じではありません。
たとえば同じ家庭でも、A税理士は暦年贈与だけを提案し、B税理士は贈与・保険・小規模宅地の要件づくりまで組み合わせて設計する、という差が出ます。
先のシミュレーションのとおり、組み合わせの差は350万円と0円の差になり得ます。提案力の比較は、節税額の比較そのものです。
複数の税理士に一括で相談すれば、生前対策に強い税理士を比較して選べます。判定のポイントは次の4つです。
判定ポイント1:対策メニューの幅
贈与・保険・不動産・特例をまたいだ複数の対策を提案できるか。提案が1種類だけの税理士は要注意です。
判定ポイント2:対策前後の試算の提示
対策でいくら減るのかを、具体的な数字で示せるか。
判定ポイント3:二次相続・老後資金への配慮
一次・二次の合計と、手元に残す資金まで含めた設計か。
判定ポイント4:否認リスクへの姿勢
効果だけでなくリスクの説明があるか。税務調査への対応実績も確認します。
1社だけに相談すると、その提案が最適かどうかを比較で確かめられません。提案の幅が狭くても、リスクの説明が不足していても、気づけないのです。
たとえば不動産会社系の提案に偏ってアパート建築だけを勧められ、空室で損をするケースは典型例です。中立的な比較があれば防げた失敗です。
また、効果の大きい対策ほど否認リスクの見極めが重要になります。複数の専門家の視点でチェックすることが、失敗しない節税の近道です。
遺産規模別に、税理士報酬の差と、対策の設計力で得られる節税効果の差を試算しました。報酬の安さだけでなく、提案力を含めた総合判断が重要です。
| 遺産規模 | 報酬の幅(最安〜最高) | 提案力による節税効果の差 |
|---|---|---|
| 5,000万円 | 10万〜30万円 | 約150万円 |
| 1億円 | 20万〜50万円 | 約400万円 |
| 2億円 | 30万〜80万円 | 約800万円 |
表の見方:遺産規模が大きいほど、対策の設計力による節税効果の差が拡大します。報酬の差より提案力による差のほうがはるかに大きいのが実情です。
計算ロジック:【前提】生前対策の設計・シミュレーションを依頼した場合の報酬水準と、贈与・保険・特例の組み合わせによる対策全体での試算です。
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重要ポイント:生前対策は元気なうちに始めるほど選択肢が広がります。相談自体を先送りしないことが最大の節税です。
重要ポイント:初回相談では「対策でいくら減るか」を数字で示せるかを確認してください。数字を出せる税理士は設計力があります。
重要ポイント:見積りは報酬の安さではなく「節税効果−報酬」の実質メリットで比較してください。
目安は基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるかどうかです。妻と子2人なら4,800万円です。都市部に自宅があると超えるケースが多いため、まず財産の概算を出して確認しましょう。
家庭によって変わりますが、多くの家庭では「小規模宅地等の特例の要件づくり」「生命保険の非課税枠」「早めの暦年贈与」の3つが柱になります。効果と手軽さのバランスがよく、組み合わせることで相続税が0円になるケースもあります。
できます。土地の評価の見直し、特例・控除の漏れのない適用、遺産分割の工夫が主な方法です。申告後でも5年以内なら、更正の請求で払いすぎた分を取り戻せる可能性があります。
相続税評価だけなら不動産が有利で、現金より2〜3割低く評価されるのが一般的です。ただし不動産は分けにくく、価格変動や空室のリスクがあります。納税資金として一定の現金も残すなど、バランスが重要です。
意思能力が失われると、贈与や遺言などの生前対策は原則できなくなります。軽度のうちなら公正証書遺言などが可能な場合もあるため、早めに専門家へ相談してください。発症前なら家族信託で財産管理を託す方法もあります。
相続税の節税対策の基本
対策の注意点
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年7月時点の法令・税率に基づいて作成しています。相続税法や贈与の特例の改正により取り扱いが変わる場合があります。最新の制度や個別の判断については、国税庁の情報や相続に強い税理士に必ずご確認ください。