


相続税の税率は10%から55%の8段階です。財産が多いほど高い税率が適用される、超過累進課税という仕組みです。
ただし税率をかける相手は遺産総額ではありません。基礎控除を引き、法定相続分で分けた「法定相続分に応ずる取得金額」にかけます。
速算表を初めて見た人の多くは、最下段の55%に驚きます。財産の半分以上を持っていかれるのではないか、という不安が生まれます。
しかし55%が適用されるのは、取得金額が6億円を超える場合だけです。納めている人の大半は10%から20%に収まっています。
問題は、速算表が「自分の税率を引く」ようにできていない点です。表の左端は遺産総額ではないためです。
そのため「遺産8,000万円なら税率は何%か」という疑問に、速算表は直接答えてくれません。
この記事では、遺産総額と相続人の構成から適用税率を引ける逆引き表、遺産総額に税率をかけてはいけない理由、境界を超えても税額が跳ね上がらない仕組み、贈与税の税率との比較までを解説します。
▼ この記事の3行まとめ

相続税の税率は、相続税法16条にもとづき8段階に区分されています。速算表を使えば、段階ごとの計算をせずに1回の掛け算で税額を出せます。
ただし表に入れる金額を間違えると、結果は何倍にもずれます。まずは表そのものと、税率をかける相手を正確に押さえます。
速算表は次のとおりです。左端の金額は遺産総額ではなく、基礎控除を差し引いたあとに法定相続分で按分した金額を指します。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | — |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
表の見方:左端の金額に該当する行を探し、その行の税率をかけて控除額を引きます。たとえば取得金額が6,400万円なら、1億円以下の行を使って6,400万円×30%−700万円=1,220万円です。
重要ポイント:この表を使う相手を間違えるのが最も多い失敗です。遺産総額をそのまま左端に当てはめてはいけません。基礎控除を引き、法定相続分で分けたあとの金額で引きます。
速算表の右端にある控除額は、税額を軽くするための特典ではありません。低い税率が適用される部分を差し引くための、計算上の調整額です。
相続税は超過累進課税なので、本来は金額を段階ごとに区切り、それぞれに違う税率をかけて合計します。この段階計算を1回の掛け算で済ませるために、あらかじめ差額を控除額として用意しているのです。
控除額を引き忘れると税額は大きく過大になります。取得金額1億円なら、控除額700万円を引かなければ3,000万円と出てしまい、正しい2,300万円より700万円も多くなります。
速算表そのものの使い方や、間違えやすいパターンについては、専用の記事で詳しく整理しています。この記事では税率を引くことに絞って解説します。


ここからがこの記事の中心です。速算表は取得金額から税率を引く表なので、遺産総額しか分からない段階では使えません。
そこで遺産総額と相続人の構成から、適用税率を直接引ける表を用意しました。基礎控除の差し引きと按分を、あらかじめ織り込んであります。
最も多い家族構成である、配偶者と子2人のケースです。基礎控除は3,000万円+600万円×3人=4,800万円で計算しています。
| 遺産総額 | 基礎控除 | 課税遺産総額 | 配偶者の税率 | 子1人の税率 |
|---|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 4,800万円 | 200万円 | 10% | 10% |
| 6,000万円 | 4,800万円 | 1,200万円 | 10% | 10% |
| 8,000万円 | 4,800万円 | 3,200万円 | 15% | 10% |
| 1億円 | 4,800万円 | 5,200万円 | 15% | 15% |
| 1億5,000万円 | 4,800万円 | 1億200万円 | 30% | 15% |
| 2億円 | 4,800万円 | 1億5,200万円 | 30% | 20% |
| 3億円 | 4,800万円 | 2億5,200万円 | 40% | 30% |
| 5億円 | 4,800万円 | 4億5,200万円 | 45% | 40% |
| 10億円 | 4,800万円 | 9億5,200万円 | 50% | 45% |
表の見方:自分の遺産総額に近い行を探し、右の2列を見てください。配偶者と子では法定相続分が違うため、同じ相続でも適用される税率が異なります。
重要ポイント:遺産1億円でも適用税率は15%です。速算表の30%や55%を自分に当てはめて不安になる必要はありません。3億円でようやく配偶者が40%の帯に入ります。
計算ロジック:遺産総額から基礎控除4,800万円を引いて課税遺産総額を出し、配偶者に2分の1、子2人に各4分の1を按分しています。この按分後の金額を速算表に当てはめて税率を判定しました。
配偶者がすでに亡くなっている二次相続では、子だけが相続人になります。人数によって税率が大きく変わるため、別の表で確認してください。
| 遺産総額 | 子1人 | 子2人 | 子3人 | 子4人 |
|---|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 15% | 10% | 10% | 0%(非課税) |
| 8,000万円 | 20% | 15% | 15% | 10% |
| 1億円 | 30% | 15% | 15% | 15% |
| 1億5,000万円 | 40% | 30% | 20% | 15% |
| 2億円 | 40% | 30% | 30% | 20% |
| 3億円 | 45% | 40% | 30% | 30% |
| 5億円 | 50% | 45% | 40% | 40% |
表の見方:遺産総額の行と、子の人数の列が交わるところが適用税率です。子が複数いる場合は全員が同じ税率になります。法定相続分が均等だからです。
重要ポイント:同じ遺産1億円でも、子1人なら30%、子2人なら15%と倍の開きが出ます。遺産5,000万円で子4人なら基礎控除5,400万円を下回るため、そもそも相続税がかかりません。
子の人数が2人でない場合は、基礎控除も1人あたりの取得金額も変わります。子1人と子3人のケースを並べて確認してください。
| 遺産総額 | 配偶者と子1人|配偶者 | 同|子 | 配偶者と子3人|配偶者 | 同|子1人 |
|---|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 10% | 10% | 0%(非課税) | 0%(非課税) |
| 8,000万円 | 15% | 15% | 15% | 10% |
| 1億円 | 15% | 15% | 15% | 10% |
| 1億5,000万円 | 30% | 30% | 20% | 15% |
| 2億円 | 30% | 30% | 30% | 15% |
| 3億円 | 40% | 40% | 40% | 20% |
表の見方:基礎控除は子1人なら4,200万円、子3人なら5,400万円です。子1人の場合は配偶者と子の法定相続分がどちらも2分の1になるため、両者の税率も一致します。
重要ポイント:遺産5,000万円で子3人なら基礎控除5,400万円を下回るため課税されません。同じ遺産2億円でも子1人なら3,340万円・子3人なら2,435万円と、905万円の差が出ます。
表に自分の遺産額が載っていない場合は、次の手順で計算してください。逆引き表はこの3ステップを先に済ませたものです。
基礎控除を引く
遺産総額から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を差し引きます。残った額が課税遺産総額です。ここでマイナスになれば相続税はかかりません。
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法定相続分で分ける
課税遺産総額を法定相続分で按分します。配偶者と子なら配偶者2分の1、子は残りの2分の1を人数で割ります。実際にどう分けたかは関係ありません。
⬇
速算表で税率を引く
按分後の金額を速算表の左端に当てはめ、該当する行の税率を読みます。これが適用税率です。人によって違う税率になることがあります。
必ずSTEP1とSTEP2を先に済ませてください。この2つを飛ばして遺産総額を速算表に当てはめると、税額は実際の数倍になります。
基礎控除の計算と、課税されるかどうかの判定は下記の記事で解説しています。

最高税率55%が適用されるのは、法定相続分に応ずる取得金額が6億円を超える場合です。配偶者と子2人であれば、遺産総額が12億4,800万円を超える水準になります。
逆引き表を見れば分かるとおり、遺産10億円でも配偶者の税率は50%です。55%の帯に届く相続は、統計上ごくわずかしかありません。
また税率が55%でも、実際に納める割合はもっと低くなります。控除額7,200万円が引かれるうえ、配偶者の税額軽減などの控除が別に適用されるためです。
最高税率が実際に適用される条件と、そこまでの財産がある場合の納税資金の作り方は、下記の記事で解説しています。


相続税の税率をめぐる誤解のうち、最も金額のずれが大きいのがこれです。速算表を見て遺産総額に直接税率をかけると、実際の数倍の税額が出てしまいます。なぜ2段階の手順を踏む必要があるのかを、金額で確かめます。
配偶者と子2人が相続人のケースで、遺産総額に速算表の税率をそのままかけた場合と、正しく計算した場合を比べます。
| 遺産総額 | 誤:遺産総額に税率をかけた額 | 正:実際の相続税の総額 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1億円 | 3,000万円(30%をかけた額) | 630万円 | ▲2,370万円 |
| 2億円 | 8,000万円(40%をかけた額) | 2,700万円 | ▲5,300万円 |
| 3億円 | 1億3,500万円(45%をかけた額) | 5,720万円 | ▲7,780万円 |
| 6億円 | 3億円(50%をかけた額) | 1億7,360万円 | ▲1億2,640万円 |
表の見方:左から2列目が誤った計算、3列目が正しい税額です。右端は誤って計算したときに過大になる金額を示しています。
重要ポイント:遺産1億円の家庭では実際の税額の約4.8倍にふくらみます。この誤解のまま不動産を売却して納税資金を用意すると、必要のない売却をすることになります。
計算ロジック:誤った計算は遺産総額を速算表に直接当てはめ、控除額も引かずに税率をかけたものです。正しい税額は基礎控除4,800万円を引き、法定相続分で按分してから各人の税額を出して合算しています。
この2段階には、それぞれ別の目的があります。1つ目の基礎控除は、一定規模までの相続に課税しないための足切りです。
2つ目の法定相続分での按分には、分け方によって家族全体の税額が変わらないようにする目的があります。もし実際の取得額に直接税率をかけると、1人に集中させたほうが高い税率になり、分散させたほうが安くなってしまいます。
遺産分割の内容で家族全体の相続税は変わりません。いったん法定相続分で分けて税額を計算し、その合計を実際の取得割合で割り振る仕組みになっているためです。
ここを取り違えている人が多くいます。相続税の総額を計算する段階では、誰がいくら受け取ったかは一切関係ありません。
たとえば配偶者がすべての財産を相続した場合でも、税率の判定は法定相続分どおりに分けたものとして行います。実際の取得割合が使われるのは、算出した総額を各人に割り振る最後の段階だけです。
重要ポイント:「長男が全部相続すると税率が上がる」という心配は不要です。ただし各人の納税額は実際の取得割合で決まるため、多く受け取った人ほど納税額は多くなります。
計算の7ステップと按分の詳しい仕組みは、下記の記事で解説しています。


相続税は超過累進課税です。金額が境界を超えても、超えた部分にだけ高い税率がかかります。全額に高い税率がかかるわけではありません。この誤解があると、境界の手前で財産を減らそうとする不合理な判断につながります。
法定相続分に応ずる取得金額が1億円の場合、税額がどう積み上がるかを分解します。速算表を使わずに、段階ごとに計算した結果です。
| 部分 | 金額 | 税率 | 税額 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円以下の部分 | 1,000万円 | 10% | 100万円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下の部分 | 2,000万円 | 15% | 300万円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下の部分 | 2,000万円 | 20% | 400万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下の部分 | 5,000万円 | 30% | 1,500万円 |
| 合計 | 1億円 | — | 2,300万円 |
表の見方:1億円を4つの帯に分け、それぞれ違う税率で計算しています。30%がかかるのは5,000万円を超えた部分だけで、1億円全体にかかるわけではありません。
計算ロジック:速算表で計算すると1億円×30%−700万円=2,300万円となり、段階ごとに積み上げた結果と一致します。控除額700万円の正体は、低い税率の部分との差額です。
税率の境界をわずかに超えたとき、全額に高い税率がかかると誤解した場合と、実際の税額を比べます。
| 取得金額 | 適用税率 | 誤:全額に高い税率をかけた額 | 正:実際の税額 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 1,100万円(1,000万円超) | 15% | 165万円 | 115万円 | ▲50万円 |
| 3,100万円(3,000万円超) | 20% | 620万円 | 420万円 | ▲200万円 |
| 5,100万円(5,000万円超) | 30% | 1,530万円 | 830万円 | ▲700万円 |
| 1億100万円(1億円超) | 40% | 4,040万円 | 2,340万円 | ▲1,700万円 |
| 2億100万円(2億円超) | 45% | 9,045万円 | 6,345万円 | ▲2,700万円 |
| 3億100万円(3億円超) | 50% | 1億5,050万円 | 1億850万円 | ▲4,200万円 |
表の見方:いずれも境界を100万円だけ超えた金額です。全額に高い税率がかかると思い込むと、右端の差額のぶんだけ税額を過大に見積もることになります。
境界を100万円超えたときに実際に増える税額は、その100万円の部分にかかる分だけです。具体的には次のようになります。
重要ポイント:境界を超えて手取りが逆転することはありません。財産が1円増えれば手取りも必ず増えます。境界の直前で財産を減らす対策には意味がありません。
適用税率と、遺産総額に対する実際の負担割合は別のものです。基礎控除を引いた後の一部にしか高い税率がかからないため、負担率は税率より必ず低くなります。
遺産2億円で配偶者と子2人の場合、配偶者の適用税率は30%ですが、相続税の総額は2,700万円です。遺産総額に対する割合は13.5%にとどまります。
税率30%と聞いて2億円の3割を想像すると、実際の倍以上に見積もることになります。名目の税率と実際の負担率の違いは、下記の記事で資産帯別に整理しています。


同じ遺産額でも、相続人が何人いるかで適用税率は変わります。基礎控除が600万円ずつ増えるうえ、1人あたりの取得金額も小さくなるためです。人数の数え方を間違えると税率の判定そのものがずれるため、正確な確認が欠かせません。
遺産2億円を子だけで相続する場合、人数によって適用税率と税額がどう変わるかを比べます。
| 相続人 | 基礎控除 | 課税遺産総額 | 1人あたりの取得金額 | 適用税率 | 相続税の総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 子1人 | 3,600万円 | 1億6,400万円 | 1億6,400万円 | 40% | 4,860万円 |
| 子2人 | 4,200万円 | 1億5,800万円 | 7,900万円 | 30% | 3,340万円 |
| 子3人 | 4,800万円 | 1億5,200万円 | 5,067万円 | 30% | 2,460万円 |
| 子4人 | 5,400万円 | 1億4,600万円 | 3,650万円 | 20% | 2,120万円 |
| 子5人 | 6,000万円 | 1億4,000万円 | 2,800万円 | 15% | 1,850万円 |
表の見方:遺産額はすべて2億円で固定し、相続人の人数だけを変えています。基礎控除の増加と按分による分散が重なり、税率と税額の両方が下がっていきます。
重要ポイント:子1人なら40%ですが、子5人なら15%まで下がります。相続税の総額も4,860万円から1,850万円へ、3,010万円の差が生まれます。
計算ロジック:基礎控除は3,000万円+600万円×人数で計算しています。課税遺産総額を人数で均等に割った金額を速算表に当てはめ、各人の税額を算出して合計したものが右端の総額です。
人数が増えれば税率が下がるなら養子を増やせばよい、という発想は成り立ちません。相続税の計算では、法定相続人に含められる養子の数に上限が設けられています。
| 実子の有無 | 法定相続人に含められる養子の数 |
|---|---|
| 実子がいる | 1人まで |
| 実子がいない | 2人まで |
重要ポイント:民法上は養子を何人でも迎えられますが、相続税の計算に反映されるのは上限までです。実子2人に養子3人を迎えても、計算上の相続人は3人にとどまります。
なお特別養子縁組による養子や、配偶者の実子で被相続人の養子になった人などは、この制限を受けず実子として扱われます。
相続人の1人が家庭裁判所で相続放棄をすると、民法上は初めから相続人でなかったものとして扱われます。しかし相続税の計算では扱いが異なります。
基礎控除の人数も、法定相続分による按分も、放棄がなかったものとして計算します。放棄によって家族全体の税額が増えたり減ったりしない仕組みです。
子3人のうち1人が放棄した場合でも、基礎控除は3人分の4,800万円で計算し、課税遺産総額も3等分して税率を判定します。人数の数え方は放棄前の状態で固定されます。
法定相続人の数え方と、間違えやすいケースは下記の記事で解説しています。

相続人の人数は、税率だけでなく課税されるかどうかまで左右します。とくに遺産5,000万円前後の家庭では、1人の違いで結論が逆になります。
【ケース1】遺産5,000万円・子3人
基礎控除は4,800万円です。課税遺産総額200万円に対して税率10%がかかり、相続税の総額は20万円になります。申告も必要です。
【ケース2】遺産5,000万円・子4人
基礎控除は5,400万円です。遺産総額を上回るため課税遺産総額は0円となり、相続税はかかりません。申告も不要です。
この金額帯では、養子の数え方や代襲相続の有無といった細かい判断が、そのまま課税の有無に直結します。


速算表で算出した金額は、まだ最終的な納税額ではありません。ここから各人の事情に応じて、加算されるものと控除されるものがあります。税率が同じでも、最終的な納税額は人によって大きく変わります。
被相続人の一親等の血族と配偶者以外の人が財産を取得した場合、算出された税額に20%が加算されます。相続税法18条に定められた規定です。
| 立場 | 2割加算 |
|---|---|
| 配偶者 | なし |
| 子(実子・養子) | なし |
| 父母 | なし |
| 代襲相続人である孫 | なし |
| 兄弟姉妹 | あり |
| 代襲相続人でない孫 | あり |
| 孫養子 | あり |
| 遺贈を受けた第三者 | あり |
表の見方:加算されるかどうかは、被相続人との関係で決まります。同じ孫でも、親が先に亡くなって代襲相続人になっている場合は加算されません。
重要ポイント:孫を養子にすると相続人が1人増えて税率は下がりますが、その孫養子には2割加算が適用されます。人数を増やす効果と加算の負担を、両方あわせて判断する必要があります。
配偶者が取得した財産については、1億6,000万円か法定相続分のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。適用税率が何%であっても、この枠の範囲内なら納税額は0円になります。
逆引き表で配偶者の税率が40%と出ても、それは総額を計算するための中間値にすぎません。配偶者が実際に納める額は、軽減の適用後に決まります。
ただし配偶者に多く相続させると、次にその配偶者が亡くなったときの相続で税率が上がります。一次相続と二次相続の合計で判断しなければ、かえって負担が増えることがあります。
配偶者の税額軽減の1億6,000万円の上限と適用方法は、下記の記事で解説しています。

二次相続を含めた配偶者への配分の決め方は、下記の記事で解説しています。

未成年者控除と障害者控除は、税率をかけたあとの税額から直接差し引くタイプの控除です。控除額の計算に使う年齢の基準に注意してください。
| 控除の種類 | 控除額の計算式 |
|---|---|
| 未成年者控除 | 10万円×(18歳−相続開始時の年齢) |
| 障害者控除(一般障害者) | 10万円×(85歳−相続開始時の年齢) |
| 障害者控除(特別障害者) | 20万円×(85歳−相続開始時の年齢) |
重要ポイント:未成年者控除の基準年齢は18歳です。2022年4月の成年年齢引き下げにともなって変更されました。20歳で計算している古い情報が残っているため、必ず18歳で計算してください。
控除しきれない金額が残った場合は、扶養義務者の相続税から差し引くことができます。控除の全体像は下記の記事で一覧にしています。

未成年者控除の計算方法と適用要件は、下記の記事で解説しています。


相続税の税率が高いと感じた人が次に検討するのが、生前贈与です。ただし贈与税にも税率があり、その水準は相続税と単純には比べられません。金額によって有利不利が逆転する分岐点があります。
相続税と贈与税を同じ金額で比較します。贈与税は直系尊属から18歳以上の子や孫への贈与に適用される特例税率で、1年間にまとめて贈与した場合の税額です。
| 金額 | 相続税(法定相続分に応ずる取得金額として) | 贈与税(特例税率・1年で贈与) | 判定 |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 20万円 | 9万円 | 贈与税のほうが安い |
| 300万円 | 30万円 | 19万円 | 贈与税のほうが安い |
| 500万円 | 50万円 | 48万円 | 贈与税のほうが安い |
| 1,000万円 | 100万円 | 177万円 | 相続税のほうが安い |
| 2,000万円 | 250万円 | 586万円 | 相続税のほうが安い |
| 3,000万円 | 400万円 | 1,036万円 | 相続税のほうが安い |
| 5,000万円 | 800万円 | 2,050万円 | 相続税のほうが安い |
表の見方:同じ金額を相続で受け取った場合と、1年で贈与を受けた場合の税額です。右端は、その金額でどちらが軽いかを示しています。
重要ポイント:1,000万円が逆転点です。500万円までは贈与税のほうが安いのに、5,000万円では相続税800万円に対して贈与税2,050万円と2.6倍に開きます。
計算ロジック:贈与税は基礎控除110万円を差し引いてから特例税率をかけています。少額では110万円の控除が強く効くため贈与税が有利になり、金額が大きくなると税率の刻みが細かい贈与税が急激に重くなります。
参照元:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
贈与を使って税率の帯を下げようとしても、相続が近いと効果が打ち消されます。相続または遺贈で財産を取得した人が受けていた贈与は、一定期間分が相続財産に加算されるためです。
2024年1月1日以後の贈与から、この加算期間が3年から7年に延長されました。加算された分は税率の判定にも含まれます。
| 相続が発生した年 | 加算される期間 |
|---|---|
| 2026年まで | 3年以内の贈与 |
| 2027年〜2030年 | 2024年1月1日以後の贈与すべて |
| 2031年1月1日以後 | 7年以内の贈与 |
重要ポイント:加算の対象になるのは2024年1月1日以後の贈与だけです。完全な7年加算が実現するのは2031年1月1日以後の相続からで、それまでは経過措置により期間が段階的に伸びていきます。
なお3年超7年以内の部分については、合計額から100万円を差し引けます。贈与税を納めていた場合は、その税額が相続税から控除されます。
参照元:国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
生前贈与が何年前までさかのぼるかの判定は、下記の記事で解説しています。

贈与税の税率が相続税より高くても、贈与が不利とは限りません。判断すべきなのは税率の高低ではなく、財産を移した結果として相続税の帯がどれだけ下がるかです。
たとえば適用税率30%の家庭が、贈与税率15%で財産を移せば差額のぶんだけ有利になります。逆に相続税がかからない家庭が贈与税を納めれば、払う必要のない税金を払うことになります。
重要ポイント:まず自分の適用税率を確認してから贈与を検討してください。逆引き表で10%の帯にいる家庭が贈与税を納めるのは、ほとんどの場合で逆効果になります。

相続税の税率をめぐる誤解は、金額の見積もりを大きく狂わせます。不安から不要な資産売却や保険加入に踏み切る前に、前提が正しいかを確かめてください。実際に相談の現場で多い誤解を、事例として整理します。
いずれも税率そのものの理解というより、税率をかける相手や範囲を取り違えたことから生じています。3つとも税額を過大に見積もる方向に働きます。
【誤解1】財産の半分以上を税金で持っていかれる
速算表の最高税率55%を見て生じる誤解です。実際には6億円を超える部分にだけ55%がかかり、それ以下の部分には低い税率が適用されます。
対策:逆引き表で自分の帯を確認してください。遺産1億円で配偶者と子2人なら15%です。
【誤解2】遺産を1人に集中させると税率が上がる
実際の取得割合で税率が決まると思い込んだ場合の誤解です。相続税の総額は法定相続分で分けたものとして計算するため、分け方では変わりません。
対策:分け方で変わるのは各人の納税額の配分だけだと理解したうえで、遺産分割の方針を決めてください。
【誤解3】税率の境界を超えると損をする
境界を1円超えたときに全額へ高い税率がかかると考える誤解です。超過累進なので、超えた部分にだけ高い税率が適用されます。
対策:境界の直前で財産を減らす対策は不要です。手取りが逆転することはありません。
税率の帯は遺産総額で決まるため、財産の数え漏れがあると帯そのものがずれます。次のものは見落とされやすい代表例です。
重要ポイント:これらを加えると1つ上の帯に移ることがあります。とくに預金と不動産だけで見積もっている場合は、保険と生前贈与を必ず加えて計算し直してください。
反対に、実際より多く見積もって不安になっている場合もあります。相続税の計算では、時価より低い評価額を使う財産があるためです。
| 財産 | 評価の考え方 |
|---|---|
| 土地 | 路線価方式などで評価。公示価格のおおむね8割の水準 |
| 建物 | 固定資産税評価額。建築費よりかなり低くなることが多い |
| 自宅の敷地 | 小規模宅地等の特例で最大80%減額できる場合がある |
| 死亡保険金 | 500万円×法定相続人の数までは非課税 |
| 債務・葬式費用 | 財産から差し引ける |
重要ポイント:自宅を売ったときの想定価格で計算していると、実際より高い帯で見積もることになります。評価額を使えば1つ下の帯に収まる家庭は少なくありません。
自分の適用税率を確かめる前に、次の項目を確認してください。1つでも該当すれば、見積もりがずれている可能性があります。
重要ポイント:チェックが漏れやすいのは、保険と生前贈与、そして不動産の評価です。この3つは帯を1段階動かす力があります。財産を増やす方向と減らす方向の両方に働くため、両面から確認してください。
課税されるかどうかの判定と、申告が不要になる条件は下記の記事で解説しています。


逆引き表で20%以上の帯に入っていた場合、確認すべきことが変わります。税率が高いほど、判断の1つひとつが動かす金額も大きくなります。税率の帯ごとに、優先して確認すべき論点を整理します。
自分がどの帯にいるかで、注力すべき論点は変わります。次の表で該当する行を確認してください。
| 適用税率 | 目安となる遺産額(配偶者と子2人) | 優先して確認すること |
|---|---|---|
| 0% | 4,800万円以下 | 財産の数え漏れがないか。保険と生前贈与を加えても基礎控除以下か |
| 10% | 4,800万円〜6,800万円 | 1つ上の帯に上がらないか。相続人の数え方が正しいか |
| 15% | 6,800万円〜1億800万円 | 小規模宅地等の特例が使えるか。納税資金を現金で用意できるか |
| 20% | 1億800万円〜1億4,800万円 | 不動産の評価に減額要素がないか。二次相続を含めた試算 |
| 30% | 1億4,800万円〜2億4,800万円 | 配偶者に渡す割合の設計。一次と二次の合計での最適化 |
| 40%以上 | 2億4,800万円超 | 納税資金の確保が最優先。物納・延納の可否と生前の対策 |
表の見方:遺産額は配偶者と子2人の場合の境界です。基礎控除4,800万円を引いた額の2分の1が、速算表のどの行に入るかで決まります。相続人の構成が違えば境界も変わります。
重要ポイント:遺産1億800万円が15%と20%の境界です。この帯を超えると論点は節税から納税資金の確保に移ります。財産の大半が不動産の家庭では、現金をどう用意するかが先になります。
適用税率が高い家庭ほど、財産に占める不動産の割合が大きい傾向があります。相続税は原則として現金で一括納付するため、評価額が高くても手元に現金がなければ納税できません。
遺産2億円で子2人が相続する場合、相続税の総額は3,340万円です。この金額を10ヶ月以内に現金で用意する必要があります。
【確認1】現金と預金で納税額をまかなえるか
まず遺産のうち、すぐ動かせる現金と預金の額を確認します。納税額を下回る場合は、不足額の調達方法を決める必要があります。
【確認2】売却できる不動産があるか
納税のために売る場合、申告期限の翌日から3年以内に売却すれば、納めた相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。
【確認3】延納や物納が使えるか
現金一括が難しい場合は、分割払いの延納や、財産そのもので納める物納を検討します。いずれも申告期限までの申請が必要です。
重要ポイント:延納も物納も、申告期限内の申請が絶対条件です。期限を過ぎてから相談しても認められません。税率が高い帯にいる家庭は、相続が始まった時点で納税方法の検討を始めてください。
配偶者がいる場合、一次相続の税額だけを見て配分を決めると、二次相続で税率の帯が上がることがあります。配偶者の税額軽減を最大限に使った結果、配偶者に財産が集中するためです。
二次相続では配偶者がいないため、基礎控除が600万円減り、法定相続分による分散も効きません。同じ財産額でも一次相続より高い帯に入ります。
| 相続の段階 | 相続人 | 基礎控除 | 分散の効き方 |
|---|---|---|---|
| 一次相続 | 配偶者+子2人 | 4,800万円 | 配偶者に2分の1が回るため税率が下がる |
| 二次相続 | 子2人のみ | 4,200万円 | 子2人で分けるだけなので分散が弱い |
重要ポイント:配偶者に渡す割合は、一次と二次の合計で最も少なくなる点を探して決めます。配偶者自身の財産が多いほど、渡す割合を抑えたほうが有利になります。
税率の帯そのものを下げられる余地があるかを確認します。ただし相続が始まったあとにできることは限られるため、順序をつけて検討してください。
相続人の数を確定させる
戸籍をさかのぼり、認識していない相続人がいないかを確認します。人数が1人増えるだけで基礎控除が600万円増え、帯が下がることがあります。
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不動産の評価を精査する
形の悪い土地や、間口が狭い土地は評価を下げられる場合があります。小規模宅地等の特例が使えるかも、この段階で判定します。
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債務と葬式費用を漏れなく拾う
借入金だけでなく、未払いの医療費や税金も差し引けます。葬式費用も対象になるため、領収書を保管しておいてください。
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使える控除をすべて洗い出す
配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除などを確認します。適用には申告が必要なものが多いため注意してください。
相続が始まる前であれば選択肢はさらに広がります。生前贈与や生命保険の活用、不動産の組み替えなど、時間をかけて帯を下げる方法があります。
生前と相続後にできる対策の全体像は、下記の記事で優先順位をつけて整理しています。

申告の5ステップと10か月の逆算スケジュールは、下記の記事で解説しています。


逆引き表は配偶者と子がいる家庭を前提にしていました。子がいない場合は法定相続分そのものが変わるため、同じ遺産額でも適用税率が1段階上がることがあります。さらに兄弟姉妹が相続人になると2割加算も加わります。
遺産1億円で固定し、相続人の顔ぶれだけを変えて比べます。法定相続分の違いと基礎控除の違いが、そのまま税率に表れます。
| 相続人 | 基礎控除 | 主たる相続人の税率 | 相続税の総額 | 2割加算後の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 配偶者と子2人 | 4,800万円 | 15% | 630万円 | 加算なし |
| 配偶者と父母2人 | 4,800万円 | 20% | 667万円 | 加算なし |
| 配偶者と兄弟姉妹2人 | 4,800万円 | 20% | 710万円 | 746万円 |
| 子2人のみ | 4,200万円 | 15% | 770万円 | 加算なし |
| 父母2人のみ | 4,200万円 | 15% | 770万円 | 加算なし |
| 兄弟姉妹2人のみ | 4,200万円 | 15% | 770万円 | 924万円 |
表の見方:遺産額はすべて1億円です。基礎控除と法定相続分が違うため、税率も総額も変わります。右端は2割加算まで反映した実際の負担額です。
重要ポイント:配偶者と子2人なら630万円ですが、兄弟姉妹2人のみなら924万円です。同じ遺産額で294万円の差が生まれます。
計算ロジック:配偶者の法定相続分は、子と相続するときは2分の1、父母となら3分の2、兄弟姉妹となら4分の3です。分母が大きいほど配偶者に多く配分されるため、配偶者の取得金額が増えて税率が上がります。2割加算は法定相続分どおりに取得した前提で計算しています。
兄弟姉妹だけが相続人になるのは、子も父母もおらず、配偶者もいない場合です。この場合は全員が2割加算の対象になります。
| 遺産総額 | 相続税の総額 | 2割加算額 | 実際の負担合計 |
|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 80万円 | 16万円 | 96万円 |
| 8,000万円 | 470万円 | 94万円 | 564万円 |
| 1億円 | 770万円 | 154万円 | 924万円 |
| 1億5,000万円 | 1,840万円 | 368万円 | 2,208万円 |
| 2億円 | 3,340万円 | 668万円 | 4,008万円 |
重要ポイント:兄弟姉妹2人が相続人のケースです。遺産2億円なら加算だけで668万円が上乗せされます。速算表から出した金額だけで納税資金を見積もると、この分が不足します。
さらに兄弟姉妹には、配偶者の税額軽減のような大きな控除がありません。子がいる家庭と比べて、使える制度そのものが限られる点にも注意が必要です。
子がいない家庭では、誰が相続人になるかを早い段階で確定させておくことが重要です。相続人の顔ぶれによって税率も控除の使い方も変わるためです。
【確認1】父母が健在かどうか
父母が存命なら第2順位として相続人になり、兄弟姉妹には権利が移りません。2割加算もかからないため、負担は軽くなります。
【確認2】兄弟姉妹の人数と生死
兄弟姉妹が相続人になる場合、人数によって基礎控除が変わります。すでに亡くなっている兄弟姉妹がいれば、その子である甥や姪が代襲相続します。
【確認3】遺言があるかどうか
兄弟姉妹には遺留分がありません。遺言で配偶者にすべてを相続させれば、兄弟姉妹に財産を渡さずに済みます。
重要ポイント:配偶者がいる場合は遺言を作るだけで兄弟姉妹の相続を避けられます。遺留分がないため、遺言の内容に対して兄弟姉妹が異議を唱えることはできません。
子がいない家庭が直面する不利と、その解決策は下記の記事で解説しています。


適用税率は、財産をどう評価し、相続人を何人と数えるかで変わります。同じ財産でも税理士によって申告額が変わるのは、この判断に幅があるからです。複数の事務所から見積りを取り、判断の根拠を比べてください。
税理士であれば誰でも相続税に詳しいわけではありません。相続税の申告を扱う機会は税理士1人あたり年間1件程度とされ、経験の差がそのまま結果の差になります。
【対応実績がある税理士に依頼すべき理由】
たとえば遺産2億円で子2人が相続するケースを考えます。土地の評価で1,500万円の減額要素を拾えるかどうかで、相続税は3,340万円から2,890万円へ450万円変わります。同じ財産に対する申告でも、これだけの開きが出ます。
相見積りの目的は報酬額の比較だけではありません。提案の中身を比べれば実務経験の差が見えます。次の3点を確認してください。
判定ポイント1:不動産の評価方針が見積りに書かれているか。「路線価で評価します」だけの事務所と、「間口・奥行・形状を現地で確認し、減額要素を検討します」と書く事務所では、結果に差が出ます。→ 後者のほうが評価減の実務経験が豊富と判定できます。
判定ポイント2:分割パターンの提案数。A事務所は法定相続分どおりの1案のみ、B事務所は二次相続まで含めた4案を提示するといった差が出ます。→ 提案数が多いほど、配分による税額差を試算できる体制があると判定できます。
判定ポイント3:書面添付制度を使うかどうか。申告書に税理士の意見を添付する制度で、税務調査の対象になりにくくなります。→ 対応している事務所は、判断の根拠を文書化できる実力があると判定できます。
自分で計算して申告した場合、次のような結果になることがあります。いずれも後から取り返すのが難しいものです。
【相談しないまま進めた場合に起きること】
納めすぎた場合は、申告期限から5年以内であれば更正の請求で取り戻せます。しかし小規模宅地等の特例のように、申告期限内の申告が適用の条件になっているものは後から使えません。
複数の事務所へまとめて相談する手順です。相続開始から7ヶ月以内に依頼先を決めておくと、申告期限に余裕をもって対応できます。
相続の概要を整理する
被相続人の資産内容と概算額、相続人の構成と年齢、遺言の有無を整理します。この記事の逆引き表で、おおよその適用税率も確認しておいてください。
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一括見積り・相談サービスに依頼する
相続税申告・相続税の節税・準確定申告など希望する内容を明記し、3〜5社へ同時に打診します。所有している不動産があれば所在地と広さも記載してください。
財産の種類と相続人の人数は、できるだけ正確に伝えることが重要です。見積りの精度が変わります。フォームの記入自体は5分程度で終わります。
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見積りと初回相談を受ける
各事務所から提案内容・試算した相続税額・報酬額が記載された見積りが届きます。気になる事務所と初回相談を行い、判定ポイント3つを確認してください。
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税理士を選定・正式依頼する
提案内容の質・説明の丁寧さ・報酬の納得性で選びます。相続開始から7ヶ月以内に決めてください。資料収集に時間がかかるためです。
配偶者と子2人が相続人なら、配偶者は15%、子は10%です。基礎控除4,800万円を引いた3,200万円を法定相続分で分けると、配偶者は1,600万円、子は各800万円になるためです。子2人だけが相続人なら、2人とも15%になります。
法定相続分に応ずる取得金額が6億円を超える人だけです。配偶者と子2人の家庭なら、遺産総額が12億4,800万円を超える水準になります。遺産10億円でも配偶者の税率は50%にとどまります。
上がりません。相続税の総額は、実際にどう分けたかに関係なく、法定相続分で分けたものとして計算します。分け方で変わるのは各人が納める金額の配分だけで、家族全体の税額は同じです。
増えません。相続税は超過累進課税なので、境界を超えた部分にだけ高い税率がかかります。取得金額が1,000万円から1,100万円に増えても、税額の増加は15万円だけです。境界を超えて手取りが逆転することはありません。
金額によって変わります。500万円までは基礎控除110万円が効くため贈与税のほうが安く、1,000万円を超えると逆転します。5,000万円では相続税800万円に対して贈与税2,050万円と2.6倍の差になります。
相続税の税率は10%から55%の8段階ですが、速算表の数字をそのまま自分に当てはめてはいけません。税率をかけるのは遺産総額ではなく、基礎控除を引いて法定相続分で按分したあとの金額です。
この記事の逆引き表を使えば、遺産総額と相続人の構成から適用税率を直接確認できます。遺産1億円で配偶者と子2人なら15%で、多くの家庭は10%から20%の範囲に収まります。
相続人の数が1人増えるだけで基礎控除が600万円増え、税率の帯が下がることもあります。逆に子がいない家庭では法定相続分が変わり、兄弟姉妹が相続人になれば2割加算も加わります。
税率の帯を正しく把握できれば、必要のない不安や、不要な資産売却を避けられます。まずは自分がどの帯にいるかを確認してください。
この記事で扱った内容を整理すると次のとおりです。
今すぐ取るべき行動
※本記事は2026年8月時点の法令にもとづいて作成しています。相続税法の改正により取り扱いが変更される場合があります。最新の制度については国税庁のホームページで確認するか、相続税の対応実績がある税理士にご相談ください。