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法人税の勘定科目と仕訳方法|中間申告→決算→納付→還付を一気通貫で解説【全勘定科目一覧表付き】

法人税_勘定科目

法人税の仕訳は年に1〜2回しか発生しないため、「どの勘定科目を使えばいいのか」「中間納付と決算時で仕訳はどう違うのか」と迷う経理担当者は少なくありません。

法人税の仕訳で使う主な勘定科目は「法人税、住民税及び事業税」「仮払法人税等」「未払法人税等」の3つですが、還付時の「未収還付法人税等」、外形標準課税に使う「租税公課」、税効果会計の「法人税等調整額」を含めると、関連する勘定科目は全部で6つあります。

本記事では、これら6つの勘定科目を一覧表で整理したうえで、「中間納付50万円→決算で確定税額120万円→確定申告で70万円納付」という1つの数値例を使って年間の仕訳フローを一気通貫で解説します。

さらに、赤字の場合の仕訳、還付金の仕訳、損金になる税金とならない税金の完全一覧、追徴課税の仕訳まで、法人税の仕訳に関するすべてをこの1記事に集約しています。

この記事の要点

  • 法人税の仕訳で使う勘定科目は主に「法人税等」「仮払法人税等」「未払法人税等」の3つ
  • 中間申告→決算→確定申告・納付の順に仕訳が発生し、還付がある場合は「未収還付法人税等」を使う
  • 法人税・住民税(法人税割)は損金不算入、事業税(所得割)は損金算入。外形標準課税は「租税公課」で処理

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法人税の仕訳に使う勘定科目は6つ|一覧表で整理

まず、法人税の仕訳に登場する6つの勘定科目を整理します。それぞれの性質(資産・負債・費用)と使うタイミングを理解すれば、仕訳の全体像が見えてきます。

勘定科目性質使うタイミング財務諸表上の表示位置
法人税、住民税及び事業税費用決算時(確定税額の計上)損益計算書(税引前当期純利益の下)
仮払法人税等資産中間申告時(前払い計上)貸借対照表(流動資産)
未払法人税等負債決算時(未払い計上)貸借対照表(流動負債)
未収還付法人税等資産還付が発生する場合貸借対照表(流動資産)
租税公課費用外形標準課税・追徴課税の計上損益計算書(販売費及び一般管理費)
法人税等調整額費用/収益税効果会計の適用時損益計算書(法人税等の次)

勘定科目①:法人税、住民税及び事業税(法人税等)

その事業年度に会社が負担すべき法人税・法人住民税・法人事業税の合計額を表す費用の勘定科目です。

損益計算書上では「税引前当期純利益」の下に表示され、これを差し引いた金額が「当期純利益」になります。決算時に確定した税額を計上する際に使います。

なお、法人事業税のうち外形標準課税(付加価値割・資本割)は「法人税等」には含めず、「租税公課」として処理します。

勘定科目②:仮払法人税等

中間申告で納付した法人税等を一時的に計上する資産の勘定科目です。中間申告の時点では年間の確定税額が未定のため、「仮の支払い」として資産に計上します。

貸借対照表では「流動資産」に表示されます。決算時に確定税額との精算を行い、この仮払金を取り崩します。

勘定科目③:未払法人税等

決算で確定した法人税等のうち、まだ納付していない金額を表す負債の勘定科目です。

法人税の納付期限は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内であるため、決算日時点では未払いの状態です。貸借対照表では「流動負債」に表示されます。

勘定科目④:未収還付法人税等

中間納付額が確定税額を上回った場合に、還付を受ける権利を表す資産の勘定科目です。「未収法人税等」「未収還付税金」などの名称を使う場合もあります。貸借対照表では「流動資産」に表示されます。

勘定科目⑤:租税公課(外形標準課税・追徴課税)

法人事業税のうち外形標準課税(付加価値割・資本割)や、追徴課税(加算税・延滞税)を計上する費用の勘定科目です。損益計算書では「販売費及び一般管理費」に表示されます。

ただし、追徴課税は損金不算入である点に注意が必要です。

勘定科目⑥:法人税等調整額(税効果会計)

税効果会計を適用する場合に、会計上の利益と税務上の所得のズレ(一時差異)を調整するための費用または収益の勘定科目です。損益計算書上では「法人税、住民税及び事業税」の次に表示されます。

中小企業では税効果会計を適用しないケースも多いため、必要に応じて使用します。

【一気通貫】1つの数値例で年間の仕訳フローを完全理解

ここからは、1つの連続した数値例を使って、中間申告から確定申告・納付までの年間の仕訳フローを一気通貫で解説します。断片的な仕訳例ではなく、全体の流れを通しで理解できます。

前提条件の設定
  • 3月決算の法人(事業年度:4月1日〜翌年3月31日)
  • 前期の法人税等の年税額:100万円(→中間申告が必要)
  • 中間納付額:50万円(前期の年税額の1/2)
  • 当期の確定法人税等:120万円
  • 差額納付額:120万円−50万円=70万円

STEP1:中間申告時の仕訳(10月末頃・仮払法人税等で前払い計上)

事業年度開始から6ヶ月経過後の2ヶ月以内(3月決算なら11月末まで)に中間申告を行い、法人税等を納付します。この時点では年間の確定税額が未定のため、「仮払法人税等」として資産に計上します。

借方金額貸方金額
仮払法人税等500,000普通預金500,000

この仕訳は、現金(普通預金)という資産が「税金の前払い」という権利(仮払法人税等)に形を変えたことを意味します。この段階では費用は発生していません。

STEP2:決算時の仕訳(3月末・法人税等の確定+仮払の精算+未払の計上)

決算により当期の法人税等が120万円と確定しました。この確定額を費用として計上すると同時に、中間申告で前払いした50万円を精算し、残りの70万円を未払いとして計上します。

借方金額貸方金額
法人税、住民税及び事業税1,200,000仮払法人税等500,000
未払法人税等700,000

この仕訳のポイントは3つです。①借方の「法人税、住民税及び事業税」120万円が当期の税金費用の総額です。②貸方の「仮払法人税等」50万円で中間納付分を精算(取り崩し)します。③差額の70万円を「未払法人税等」として負債に計上します。

STEP3:確定申告・納付時の仕訳(5月末・未払法人税等の消し込み)

事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内(3月決算なら5月31日まで)に確定申告を行い、未払いの70万円を納付します。

借方金額貸方金額
未払法人税等700,000普通預金700,000

決算時に計上した負債(未払法人税等)を消し込み、実際に現金で納付したことを記録します。この仕訳は翌期(新しい事業年度)の仕訳となります。

このように、法人税の仕訳は「仮払い→確定→精算→納付」という流れで、3つの勘定科目が連動して動きます。

タイミング借方貸方金額
①中間申告(11月)仮払法人税等普通預金50万円
②決算(3月末)法人税、住民税及び事業税仮払法人税等/未払法人税等120万円(50万+70万)
③確定申告・納付(5月)未払法人税等普通預金70万円
表:仕訳フロー全体のまとめ

還付が発生する場合の仕訳

業績が悪化して当期の確定税額が中間納付額を下回った場合、差額が還付されます。

中間納付額>確定税額の場合の決算仕訳

中間納付50万円に対して確定税額が30万円だった場合、差額の20万円は還付されます。決算時の仕訳は以下のとおりです。

借方金額貸方金額
法人税、住民税及び事業税300,000仮払法人税等500,000
未収還付法人税等200,000

「未払法人税等」ではなく「未収還付法人税等」(資産)が借方に計上される点がポイントです。これは「税金を払いすぎた分を返してもらう権利」を意味します。

還付金を受け取った時の仕訳

後日、税務署から還付金20万円が振り込まれた場合の仕訳です。

借方金額貸方金額
普通預金200,000未収還付法人税等200,000

還付加算金の仕訳(「雑収入」で処理・益金算入)

還付金に対しては還付加算金(利息に相当するもの)が加算される場合があります。還付加算金は還付金とは別に仕訳し、「雑収入」として処理します。還付加算金は税務上益金に算入される点にも注意してください。

借方金額貸方金額
普通預金201,000未収還付法人税等200,000
雑収入1,000

赤字(欠損金)の場合の仕訳

当期が赤字で法人税がゼロの場合でも、仕訳が不要になるわけではありません。

法人税はゼロだが住民税均等割は発生する

法人税と法人事業税(所得割)は課税所得がゼロ以下であれば税額もゼロになります。

しかし、法人住民税の均等割は法人の所得に関係なく、法人が存在している限り毎年必ず課税されます。

金額は資本金の額と従業員数に応じて異なりますが、最低でも年間約7万円(都道府県分2万円+市区町村分5万円)です。

赤字決算時の具体的な仕訳例

当期が赤字で法人税・事業税はゼロ、住民税均等割のみ7万円が発生した場合の仕訳です。

決算時:

借方金額貸方金額
法人税、住民税及び事業税70,000未払法人税等70,000

納付時:

借方金額貸方金額
未払法人税等70,000普通預金70,000

赤字であっても住民税均等割分の仕訳は発生するため、忘れずに計上してください。また、中間申告で納付した金額がある場合は、還付の処理も必要になります。

損金になる税金・ならない税金の完全一覧

法人が納める税金には、法人税の計算上損金に算入できるもの損金に算入できないものがあります。この区分は仕訳の勘定科目や損益計算書の表示位置に直結するため、正確に把握しておく必要があります。

損金不算入の税金(法人税・住民税法人税割・加算税・延滞税等)

税金の種類損金算入勘定科目
法人税不可法人税、住民税及び事業税
地方法人税不可法人税、住民税及び事業税
法人住民税(法人税割)不可法人税、住民税及び事業税
法人住民税(均等割)不可法人税、住民税及び事業税
過少申告加算税不可租税公課
無申告加算税不可租税公課
重加算税不可租税公課
延滞税不可租税公課

損金算入の税金(事業税所得割・固定資産税・印紙税・自動車税等)

税金の種類損金算入勘定科目
法人事業税(所得割)法人税、住民税及び事業税
法人事業税(付加価値割・資本割)租税公課
特別法人事業税法人税、住民税及び事業税
固定資産税租税公課
印紙税租税公課
自動車税・軽自動車税租税公課
不動産取得税租税公課
登録免許税租税公課
利子税租税公課

※法人事業税(所得割)は発生した事業年度ではなく、申告書を提出した事業年度の損金に算入される点に注意。参照:国税庁|No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期

損金算入/不算入の区分が損益計算書の表示に影響する理由

損金に算入できない税金(法人税・住民税等)は、損益計算書の「税引前当期純利益」の下に「法人税、住民税及び事業税」として表示され、当期純利益を計算する際に差し引かれます。

一方、損金に算入できる税金(固定資産税・印紙税等)は「租税公課」として「販売費及び一般管理費」に含まれ、営業利益の計算に反映されます。

この違いを正しく理解しておかないと、勘定科目の選択ミスにつながり、損益計算書の表示が誤ることになります。

外形標準課税の仕訳|「法人税等」ではなく「租税公課」を使う理由

資本金1億円超の大企業には、法人事業税のうち外形標準課税(付加価値割・資本割)が課されます。

この外形標準課税は、所得に対する課税ではなく付加価値や資本金に対する課税であるため、「法人税等」ではなく「租税公課」で処理します。

付加価値割・資本割は「租税公課」で販管費に計上

外形標準課税の付加価値割と資本割は、損益計算書の「販売費及び一般管理費」に「租税公課」として計上し、発生年度の損金に算入します。

所得割は「法人税等」で計上

法人事業税のうち所得割の部分は、これまでどおり「法人税、住民税及び事業税」に含めて計上します。

仕訳例:外形標準課税がある大企業の場合

法人税等(法人税+地方法人税+住民税+事業税所得割+特別法人事業税)が800万円、事業税の付加価値割+資本割が50万円の場合の決算仕訳です。

借方金額貸方金額
法人税、住民税及び事業税8,000,000未払法人税等8,500,000
租税公課500,000

「法人税等」と「租税公課」を区別して計上する必要がある点を覚えておきましょう。

追徴課税(加算税・延滞税)の仕訳

勘定科目は「租税公課」だが損金不算入

税務調査で申告漏れが指摘された場合や、申告期限に遅れた場合に課される過少申告加算税、無申告加算税、延滞税は、勘定科目としては「租税公課」で処理しますが、法人税の計算上は損金に算入できません

申告書上で加算(損金不算入)の調整が必要です。

過少申告加算税・無申告加算税・延滞税の仕訳例

税務調査により過少申告加算税5万円と延滞税2万円を普通預金から納付した場合の仕訳です。

借方金額貸方金額
租税公課70,000普通預金70,000

摘要欄に「過少申告加算税50,000円、延滞税20,000円」と記載し、損金不算入であることを明確にしておきましょう。

重加算税の仕訳と摘要欄への記載方法

重加算税も「租税公課」で処理しますが、重加算税は意図的な隠蔽・仮装に対するペナルティであり、金額も大きくなりがちです。摘要欄には必ず「重加算税」であることを記載してください。税率は過少申告の場合35%、無申告の場合40%です。

法人税等と消費税の仕訳の違い

法人税等と消費税は仕訳方法がまったく異なるため、混同しないよう整理しておきます。

法人税等:「法人税、住民税及び事業税」で損益計算書の末尾に表示

法人税等は所得に対する税金であり、損益計算書上では「税引前当期純利益」の下に表示されます。勘定科目は「法人税、住民税及び事業税」で、営業利益や経常利益の計算には影響しません。

消費税:税込方式は「租税公課」、税抜方式は「仮払消費税/仮受消費税」

消費税は取引に対する税金であり、法人税とは課税の仕組みが根本的に異なります。消費税の会計処理には税込方式税抜方式の2つがあります。

税込方式の場合、決算時に確定した消費税額を「租税公課」として費用計上します。税抜方式の場合は、取引の都度「仮払消費税」「仮受消費税」を計上し、決算時に差額を精算します。

いずれの方式でも、消費税は損益計算書の「販売費及び一般管理費」に影響し、法人税等のように税引前当期純利益の下には表示されません。

よくある質問(FAQ)

Q1. 法人税の勘定科目は何を使いますか?

法人税・法人住民税・法人事業税をまとめて「法人税、住民税及び事業税」(略称「法人税等」)の勘定科目で処理します。

決算時に確定した税額を費用として計上する際に使います。中間申告時は「仮払法人税等」、決算時の未払い分は「未払法人税等」を使います。

Q2. 中間納付時の勘定科目は何ですか?

「仮払法人税等」を使います。中間申告の時点では年間の確定税額が未定のため、一時的に資産として計上します。決算時に確定税額との精算を行い、この仮払金を取り崩します。

Q3. 法人税は損金に算入できますか?

できません。法人税、地方法人税、法人住民税(法人税割・均等割)は損金不算入です。一方、法人事業税(所得割・付加価値割・資本割)、固定資産税、印紙税、自動車税などは損金に算入できます。

Q4. 法人税の還付金はどの勘定科目で処理しますか?

還付金は「未収還付法人税等」(資産)で計上し、入金時に取り崩します。還付金に付随する還付加算金は「雑収入」として処理し、益金に算入されます。還付金本体と還付加算金は別々に仕訳してください。

Q5. 赤字でも法人税の仕訳は必要ですか?

必要です。法人税と法人事業税(所得割)はゼロになりますが、法人住民税の均等割(年間最低約7万円)は赤字でも発生します。

決算時に「法人税、住民税及び事業税」と「未払法人税等」で均等割分の仕訳を計上してください。

まとめ|法人税の仕訳は「タイミング×勘定科目」の組み合わせで理解する

法人税の仕訳は複雑に見えますが、「いつ(タイミング)」×「どの勘定科目を使うか」の組み合わせで整理すれば、パターンは限られています。

最後に、法人税の仕訳で押さえるべきポイントを整理します。

1. 3つの基本勘定科目を覚える

法人税の仕訳の中核は「法人税、住民税及び事業税」(費用)、「仮払法人税等」(資産)、「未払法人税等」(負債)の3つです。中間申告→決算→納付の流れに沿って、この3つが順番に登場します。

2. 損金になる税金とならない税金を区別する

法人税・住民税は損金不算入、事業税・固定資産税・印紙税は損金算入です。勘定科目の選択(「法人税等」か「租税公課」か)にも影響するため、本記事の一覧表で確認してください。

3. 還付・赤字・追徴の例外パターンも把握する

中間納付額が確定税額を超えた場合の還付(「未収還付法人税等」)、赤字でも発生する住民税均等割、追徴課税の「租税公課」処理(損金不算入)は、通常のパターンとは異なる仕訳が必要です。いざというときに慌てないよう、本記事の仕訳例を参考にしてください。

※本記事の情報は2026年3月時点のものです。会計基準や税制は改正される可能性があるため、具体的な仕訳にあたっては最新の情報を確認し、税理士または会計士にご相談ください。

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